「10倍した数と10分の1にした数」整数の表し方を考えてみよう
小学校4年生の算数で学習する「整数の表し方」について、整数を10倍にしたとき、位がどのように変わるのか、整数を10分の1にしたときに位がどのように変わるのか、数字を使って整数を表すときの考え方などをわかりやすく解説するよ。
目次
整数を10倍にしてみよう
整数を10倍した数について求めて、位がどのように変わるのかを考えていこう。
250億を10倍した数はいくつですか。
まず、250億を次のように表そう。
「250億」を数字で表すと、「25000000000」だね。
四角の中に書くのが大切というわけではなくて、「大きな数のしくみ」で学習したとおり、大きな数は「一・十・百・千」の4つをくりかえしていて、その後ろにつくのが「万」「億」「兆」なので、「250億」を右から4つずつ区切って表すことがポイントだよ。
さて、話はもどって、数を「10倍する」ということは、「0」が1つふえるだけだね。
例えば、「20」を10倍したら「200」になるよね。
では、「250億(25000000000)」に、0を1つふやしてみよう。
上の図から、250億を10倍した数は2500億になることがわかったね。
30億を10倍した数はいくつですか。
10倍するということは、「0」が1つふえるだけだから、30億を10倍した数は300億になることがわかるよ。
10倍するときは「0」を1つふやすだけと覚えていれば、かんたんな問題なんだね。
ただ、気をつけなくてはいけない場合もあるんだ。
3000億を10倍した数はいくつですか。
さっきの考え方だと、「0」が1つふえるだけだから、
「3000億を10倍した数は30000億かな?」
と思ってしまう人もいるかもしれないね。
下の図を見てたしかめてみよう。
※図に書けなくても、右から「4ケタずつ区切って」考えてみてね。
「一・十・百・千」をくりかえしているから、3000億のつぎの位は、「兆」になってしまうよね。
だから、3000億の10倍は、「30000億」ではなくて、「3兆」になるよ。
数を10倍するときは、ただ「0」を1つふやすだけではなく、「万」「億」「兆」の区切りも変わらないかどうかも考えるようにしよう。
整数を10倍したときの位
「10倍にする」ことを、「0が1つふえる」と説明してきたけれど、これはつまり「位が1けた上がる」ということだよね。
整数を10倍すると、位は1けた上がるんだね。
さっきやった2問をもう一度見てみよう。
すべての位の数が左に動いていることがわかるね。
左に動くというのは、「位が1けた上がること」だよ。
ちなみに、
整数を「100倍」すると、位は「2けた上がる」よ。
整数を「1000倍」すると、位は「3けた上がる」よ。
よゆうがあったら覚えておこうね。
整数を10倍したときのポイント
- 整数を10倍すると、「0」が1つふえる。
(例)60億を10倍すると、600億
(例)3億を10倍すると、30億 - 「万」「億」「兆」の区切りが変わらないか注意しよう。
(例)6000億を10倍すると、60000億ではなく6兆になる。 - 整数を10倍すると、それぞれの位の数が1けた上がる。
整数を10分の1にしてみよう
それでは今度は、整数を\(\frac{1}{10}\)にした数について求めて、位がどのように変わるのかを考えていこう。
250億を\(\frac{1}{10}\)にした数はいくつですか。
250億は、数字に表すと「25000000000」だったね。
区切りに注目して表してみるよ。
「\(\frac{1}{10}\)する」ということは、「10でわる」ことと同じだね。
「10でわる」ということは、「0」が1つへるだけだね。
例えば、「20」を10でわったら「2」になるよね。
上の図から、250億を\(\frac{1}{10}\)にした数は25億になることがわかったね。
40億を\(\frac{1}{10}\)にした数はいくつですか。
「\(\frac{1}{10}\)にする」ということは、「0」が1つへるだけだから、
40億を\(\frac{1}{10}\)にした数は4億になることがわかるよ。
\(\frac{1}{10}\)にするときは「0」を1つへらすだけと覚えていれば、
かんたんな問題だよね。
\(\frac{1}{10}\)にするときも、「4つの区切りが変わらないか」は注意しておこうね。
たとえば、40億を\(\frac{1}{10}\)にした数は4億になるけれど、
4億を\(\frac{1}{10}\)にした数は「億」から区切りが変わって、4000万になるので気を付けよう。
整数を10分の1にしたときの位
「\(\frac{1}{10}\)にする」ことを、「0が1つへる」と説明してきたけれど、これはつまり「位が1けた下がる」ということだよね。
整数を\(\frac{1}{10}\)にすると、位は1けた下がるんだ。
さっきやった2問をもう一度見てみよう。
すべての位の数が右に動いていることがわかるね。
「右に動く」というのは、「位が1けた下がる」ということだよ。
ちなみに、
整数を「\(\frac{1}{100}\)」にすると、位は「2けた下がる」よ。
整数を「\(\frac{1}{1000}\)」にすると、位は「3けた下がる」よ。
よゆうがあったら覚えておこう。
整数を10分の1にしたときのポイント
- 整数を\(\frac{1}{10}\)にすると、「0」が1つへる。
(例)60億を\(\frac{1}{10}\)にすると、6億
(例)330億を\(\frac{1}{10}\)にすると、33億
※「万」「億」「兆」の区切りが変わらないか注意しよう。
(例)6億を\(\frac{1}{10}\)にすると6000万になる。 - 整数を\(\frac{1}{10}\)にすると、それぞれの位の数が1けた下がる。
整数の表し方
今まで、整数を10倍や\(\frac{1}{10}\)にしたときの表し方を学習してきたね。
今度は、数字を使って整数を表すときについて考えてみよう。
整数は、どんな大きな整数でも0、1、2、3、4、5、6、7、8、9の10この数字を使えば表すことができるんだ。
だから、電たくも0~9の数字のボタンが1つずつあるんだよ。
では、次の整数の表し方についての問題にちょうせんしてみよう。
0~9までの数字を使って、10けたの整数を作ります。
同じ数字を何回も使ってよいとき、5番目に大きい数を答えなさい。
「10けたの整数」だということは、次のように赤でかこったところまで数字が入るってことだよ。
右から数えたときに、10こ目になるところまでだね。
「5番目に大きい数」を探さなくてはいけないので、まずは1番大きい数から見つけていこう。
10けたの整数を作るので、まずは一番最初(左)の数から決めていくよ。
黄色にぬったところだね。
1番大きい数を見つけなければいけないので、ここに入る数をできるだけ大きくする必要があるね。
使えるのは「0~9」までの数字なので、「0~9」の中で一番大きい「9」が入るよ。
他のけたに入れる数字も同じように考えると、「0~9」の中で一番大きい「9」を入れていけばよいよね。
そうすると、10けたの整数で1番大きい数は
「9999999999」になるよ。
今回の問題で探さなくてはいけないのは、「5番目に大きい数」だったね。
「9999999999」が一番大きい数なのだから、あとは一の位が小さくなると、10けたの整数もだんだん小さくなっていくから5番目に大きい数は次のようになるよ。
1番目に大きい数は9999999999
2番目に大きい数は9999999998
3番目に大きい数は9999999997
4番目に大きい数は9999999996
5番目に大きい数は9999999995
答えは9999999995だね。
では、少しむずかしい問題にちょうせんしてみよう。
「0」から「9」までの数字カードが1まいずつあります。
10まいのカードをならべて、10けたの整数を作るとき、一番大きい数と、一番小さい数を答えなさい。
さっきの問題とちがうのは、0~9の数字が1回ずつしか使えないということなんだ。
だから、「9999999999」を作ることはできないね。
一番大きい数を探してみよう
さっきの問題と同じで、
10けたの整数で大きい数を作るときは、黄色に入る数ができるだけ大きくする必要があるね。
なので、黄色には「9」が入るよ。
次は緑に入る数を考えるんだけど、さっきと違うのは、もう「9」が使えないということだね。
なので、残った0~8の中で一番大きい「8」が入るよ。
他のけたでも同じように考えると、10けたの整数で一番大きい数は
9876543210になるよ。
一番初め(左)から、できるだけ大きい数から順番に使っていけばいいんだね。
一番小さい数を探してみよう
一番小さい数を探すには、一番大きい数を探したときと「ぎゃく」で考えたらいいと思うかもしれないね。
でも、1つ気をつけなくてはいけないことがあるんだ。
それは、10けたの「整数」を作るので、「0」から始めてはいけないということ。整数は「0」から始まらないからね。
「0」が使えないということは、始めの数は、「0」の次に小さい数の「1」になることがわかるね。
次は緑に入る数を考えるんだけれど、ここも注意するポイント。
「1」次に小さい「2」が入るんだ!とあせってはいけないよ。
なぜなら、2番目のけたなら「0」が使えるから。
使えるのであれば、できるだけ小さい数を使いたいので、ここで「0」が入るよ。
次こそ「2」が入って、その次は「3」が入って・・・
他のけたでも同じように考えていくと、10けたの整数で一番小さい数は
「1023456789」になるよ。
「1回ずつしか使えない」というルールがあったり、「0から始めてはいけない」など、問題をよく読んで、おちついて考えれば大丈夫。
いろいろな問題のパターンになれておくと、あんしんだよ。
「10倍にした数、10分の1にした数」「整数の表し方」まとめ
- 整数を10倍すると、「0」が1つふえる。
(例)60億を10倍すると、600億
(例)3億を10倍すると、30億 - 「万」「億」「兆」の区切りが変わらないか注意しよう。
(例)6000億を10倍すると、60000億ではなく6兆になる。 - 整数を10倍すると、それぞれの位の数が1けた上がる。
- 整数を\(\frac{1}{10}\)にすると、「0」が1つへる。
(例)60億を\(\frac{1}{10}\)にすると、6億
(例)330億を\(\frac{1}{10}\)にすると、33億
※「万」「億」「兆」の区切りが変わらないか注意しよう。
(例)6億を\(\frac{1}{10}\)にすると6000万になる。 - 整数を\(\frac{1}{10}\)にすると、それぞれの位の数が1けた下がる。
- どんな大きな整数でも0、1、2、3、4、5、6、7、8、9の10この数字を使えば表すことができる。
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ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。