「真分数・仮分数・帯分数」とは?分数の表し方をわかりやすく解説
小学校4年生の算数で学習する「分数の表し方」について、真分数・仮分数・帯分数とはなにか、仮分数を帯分数に直す方法、帯分数を仮分数に直す方法、帯分数を仮分数に直す裏ワザなどをわかりやすく解説するよ。
目次
小学3年生のときに「分数」が登場したよね。
分数っていうのは、\(\frac{▢}{〇}\)のような形で表すことができる数のこと。
3年生で勉強した分数のふくしゅうをしておこう。
3年生のふくしゅう
分数\(\frac{▢}{〇}\)とは
- 読み方は「〇分の▢」
- ぼうの下にある「〇」に入る数字のことを「分母」
ぼうの上にある「▢」に入る数字のことを「分子」
(母が子をおんぶしていると考えるといいね。) - 分数\(\frac{▢}{〇}\)の意味は
1このものを「〇等分」した「▢こぶん」と考えよう。
分数\(\frac{1}{4}\)だったら、
1このケーキを「4等分」した「1こぶん」になるよ。
分数\(\frac{3}{4}\)だったら、
1このケーキを「4等分」した「3こぶん」になるよ。
今度はケーキではなく、テープの長さで考えてみよう。
分数\(\frac{1}{3}\)だったら、
1mのテープを「3等分」した「1こぶん」になるよ。
分数\(\frac{2}{3}\)だったら、
1mのテープを「3等分」した「2こぶん」になるよ。
分数とは何かを思い出せたかな?
実は分数は3つにわけることができるんだ。
じゅんばんにしょうかいしていくね。
真分数とは
まず1つ目の分数が「真分数」だよ。
実は3年で勉強してきたのは「真分数」なんだ。
真分数とは
- \(\frac{1}{4}\)、\(\frac{4}{5}\)、\(\frac{1}{7}\)、\(\frac{9}{10}\)
のような、分子が分母より小さい分数のこと - 1より小さい
1より小さいってどういうことかな
真分数っていうのは、\(\frac{1}{4}\)のように、分子の方が分母より小さい分数のことだよね。
たとえばケーキで考えると、「ケーキ1こを4等分したうちの1こぶん」のことだよね。
ケーキ1こをいくつかに分けたうちの何個かのことなんだから、分ける前のケーキ1こぶんよりは必ず小さくなるよね。
だから、真分数っていうのは必ず1より小さくなるんだ。
仮分数とは
4年生で初めて登場するのが「仮分数」だよ。
仮分数とは
- \(\frac{4}{4}\)、\(\frac{6}{5}\)、\(\frac{8}{7}\)、\(\frac{13}{10}\)
のような、分子と分母が同じか、分子が分母より大きい分数のこと - 1と等しいか、1より大きい
1と等しいか、1より大きいってどういうことかな
1と等しい仮分数とは
たとえば\(\frac{4}{4}\)のような仮分数は、分子と分母が等しい分数だから、
ケーキで考えると、次のように「4等分したうちの4こぶん」なるよね。
ケーキ1こを4等分したものが4つあったら、ちょうどもとのケーキ1こぶんになるよね。
だから、分子と分母が等しい仮分数は、「1と等しい」といえるんだ。
1より大きい仮分数とは
たとえば\(\frac{11}{6}\)のような仮分数は、分子が分母より大きい分数だから、テープで考えると次のように「1mを6等分したうちの11こぶん」になるよね。
1mを6等分したものが6つあれば、ちょうどもとの1mになるよね。
でも分子は11なので、さらにそれよりも多いということだね。
つまり、もとの大きさをこえてしまうんだね。だから、分子が分母より大きい仮分数は、「1より大きい」といえるんだ。
このように、仮分数は1と等しいか、1より大きい分数なんだね。
帯分数とは
帯分数っていうのは、仮分数と仲良しなんだ。
さっきのテープの長さを見てみよう。
上のテープの長さは
\(\frac{11}{6}\)と表すことができたよね。
ただ、この長さって、次のようにも言ってもいいよね。
「1mと\(\frac{5}{6}\)m」
「1mと\(\frac{5}{6}\)m」をあわせた長さは
「1\(\frac{5}{6}\)m」と書いて、「1と6分の5メートル」と読むことができるよ。
これが帯分数だよ。
つまり、仮分数を違う書き方であらわしたものなんだね。
帯分数とは
- 1\(\frac{5}{6}\)や2\(\frac{3}{4}\)のような
整数と真分数の和で表される分数のこと - 1より大きくなる
1より大きくなるってどういうことかな
帯分数って必ず、
〇\(\frac{5}{6}\)みたいな形になって、
〇には1より大きい数が入るんだ。
だから、帯分数は必ず1より大きくなるんだよ。
仮分数のときは、「1と等しい」ときもあったよね。でも帯分数の場合は、「整数と真分数の和で表される分数」なので、整数だけになることはないからね。
分数の表し方の練習問題
4年生で勉強する分数は次の3つだったね。
- 真分数
\(\frac{1}{4}\)、\(\frac{4}{5}\)、\(\frac{1}{7}\)、\(\frac{9}{10}\)
のような、分子が分母より小さい分数 - 仮分数
\(\frac{4}{4}\)、\(\frac{6}{5}\)、\(\frac{8}{7}\)、\(\frac{13}{10}\)
のような、分子と分母が同じか、分子が分母より大きい分数 - 帯分数
1\(\frac{5}{6}\)や2\(\frac{3}{4}\)のような
整数と真分数の和で表される分数
では、次の長さは、真分数・仮分数、帯分数のどれかな?
1より小さいから、真分数だよ。
1mを6等分した5こぶんだから、\(\frac{5}{6}\)とあらわせるね。
長さを仮分数・帯分数で表す問題
次のテープの長さを、仮分数・帯分数で表してみよう。
1mを6等分した7こぶんということは、1よりも大きいから仮分数と帯分数で表すことができるね。
仮分数で表すと、
1mを6等分した1こぶんが7つあるから、\(\frac{7}{6}\)とあらわせるね。
帯分数で表すと、
1mと\(\frac{1}{6}\)mだから、1\(\frac{1}{6}\)とあらわせるね。
仮分数を帯分数に直す方法
仮分数と帯分数は、同じ大きさの分数をちがう書き方であらわしたものだったよね。
だから、仮分数を帯分数の書き方に直したり、逆に帯分数を仮分数の書き方であらわしたりすることができるんだ。
仮分数と帯分数は同じ大きさの分数をあらわしているけれど、場合によって仮分数で表す方がわかりやすかったり、帯分数であらわしたほうがわかりやすかったりするよ。
たとえば、「ピザが\(\frac{23}{6}\)枚あります。」と言われても、「・・・それって、どのくらいの量だろう?」と、いまひとつピンとこないよね。
でもこの「\(\frac{23}{6}\)枚」を帯分数に直すと、
「4\(\frac{5}{6}\)枚」になるんだ。
これなら「ピザが4枚と\(\frac{5}{6}\)枚あるんだな」と、
どのくらいの量かがイメージしやすいよね。
仮分数を帯分数に直す理由
- 帯分数の方が、どのくらいの量かがイメージしやすくなる
それでは、仮分数を帯分数に直す方法を、問題をときながらみていこう。
仮分数を帯分数に直す練習問題①
\(\frac{13}{6}\)を帯分数に直しなさい。
\(\frac{13}{6}\)っていうのは、
\(\frac{1}{6}\)が13こあるっていう意味だよね。
テープの長さで考えると次のようになるよ。
\(\frac{1}{6}\)が6こあると1m
\(\frac{1}{6}\)が12こあると2m
になるから、
上の図を帯分数で表すと、
「2mと\(\frac{1}{6}\)m」だから「2\(\frac{1}{6}\)m」と求められるね。
割り算を使って仮分数を帯分数に直す方法
\(\frac{13}{6}\)の中に\(\frac{6}{6}\)がいくつ入るか考えよう。
分子に注目すると、
13の中に6がいくつ入るか考えればいいよ。
13÷6=2あまり1になるから、
\(\frac{6}{6}\)が2こ、\(\frac{1}{6}\)が1こだとわかるね。
\(\frac{6}{6}\)って「1」のことだから、
「2\(\frac{1}{6}\)m」と求められるね。
仮分数を帯分数に直す練習問題②
\(\frac{8}{3}\)を帯分数に直しなさい。
\(\frac{8}{3}\)っていうのは、
\(\frac{1}{3}\)が8こあるっていう意味だよね。
テープの長さで考えると次のようになるよ。
\(\frac{1}{3}\)が3こあると1m
\(\frac{1}{3}\)が6こあると2m
になるから、
上の図を帯分数で表すと、
「2mと\(\frac{2}{3}\)m」だから「2\(\frac{2}{3}\)m」と求められるね。
割り算を使って仮分数を帯分数に直す方法
\(\frac{8}{3}\)の中に\(\frac{3}{3}\)がいくつ入るか考えよう。
分子に注目すると、
8の中に3がいくつ入るか考えればいいよ。
8÷3=2あまり2になるから、
\(\frac{3}{3}\)が2こ、\(\frac{2}{3}\)が1こだとわかるね。
\(\frac{3}{3}\)って「1」のことだから、
「2\(\frac{2}{3}\)m」と求められるね。
帯分数を仮分数に直す方法
今度はさっきの反対で、帯分数を仮分数に直すよ。
帯分数は、どのくらいの量かがわかりやすくなるんだけど、
帯分数のままだと計算しにくい時があるんだ。
そんなときは、帯分数を仮分数に直して計算するよ。
帯分数を仮分数に直す練習問題①
3\(\frac{1}{2}\)を仮分数に直しなさい。
帯分数を仮分数に直すときは、帯分数の整数の部分「3」に注目しよう。
ポイントは、「3」が\(\frac{1}{2}\)なんこ分になるかを考えること
\(\frac{2}{2}\)が「1」と同じだから、「3」は\(\frac{1}{2}\)6こ分になるよね。
だから、3\(\frac{1}{2}\)っていうのは\(\frac{1}{2}\)が6こ分と\(\frac{1}{2}\)が1こ分
つまり\(\frac{1}{2}\)が(6+1)=7こ分になるよね。
仮分数にすると\(\frac{7}{2}\)と求められるよ。
2\(\frac{2}{3}\)を仮分数に直しなさい。
帯分数を仮分数に直すときは、帯分数の整数の部分「2」に注目しよう。
ポイントは、「2」が\(\frac{1}{3}\)なんこ分になるかを考えること
\(\frac{3}{3}\)が「1」と同じだから、
「2」は\(\frac{1}{3}\)6こ分になるよね。
だから、2\(\frac{2}{3}\)っていうのは\(\frac{1}{3}\)が6こ分と\(\frac{2}{3}\)が1こ分
上の図を見ると
\(\frac{1}{3}\)が(6+2)=8こ分になるよね。
仮分数にすると\(\frac{8}{3}\)と求められるね。
帯分数を仮分数に直す「うらワザ」
今までやってきた方法だと、どうしても仮分数にするのに時間がかかっちゃうよね。
そこで、仮分数に直すワザをしょうかいするよ。
3\(\frac{1}{2}\)を仮分数に直しなさい。
帯分数って、仮分数に直しても「分母は変らない」はずだよね。
ということは。あとは「分子の数がわかればOK」ということだよね。
じつは仮分数の分子は、次のように
帯分数の「整数」×「分母」+「分子」
で求めることができるんだ。
これを計算すると、
3\(\frac{1}{2}\)=\(\frac{7}{2}\)になるよ。
うらワザを使って仮分数にする練習
- (1)2\(\frac{1}{3}\)=\(\frac{2×3+1}{2}\)=\(\frac{7}{2}\)
- (2)4\(\frac{2}{5}\)=\(\frac{4×5+2}{5}\)=\(\frac{22}{5}\)
- (3)5\(\frac{2}{3}\)=\(\frac{5×3+2}{3}\)=\(\frac{17}{3}\)
「真分数・仮分数・帯分数とは(分数の表し方)」のまとめ
「真分数・仮分数・帯分数とは(分数の表し方)」のまとめ
- 真分数
\(\frac{1}{4}\)、\(\frac{4}{5}\)、\(\frac{1}{7}\)、\(\frac{9}{10}\)
のような、分子が分母より小さい分数
1より小さい - 仮分数
\(\frac{4}{4}\)、\(\frac{6}{5}\)、\(\frac{8}{7}\)、\(\frac{13}{10}\)
のような、分子と分母が同じか、分子が分母より大きい分数
1と等しいか、1より大きい - 帯分数
1\(\frac{5}{6}\)や2\(\frac{3}{4}\)のような
整数と真分数の和で表される分数
1より大きい - 仮分数を帯分数に直したり、帯分数を仮分数に直したりすることができる。帯分数にすると、「どのくらいの量か」がイメージしやすい。仮分数にすると、計算しやすい場合がある。
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ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。