歴史的仮名遣い一覧と現代仮名遣いに直すときのルール(練習問題)

歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すときのルールは?歴史的仮名遣いと現代仮名遣いを一覧にまとめました。練習問題もあるので古文テスト対策ができます。

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「歴史的仮名遣い」の問題に挑戦できるドリルもあるよ!

歴史的仮名遣いで書かれた言葉を現代仮名遣いに直して答えよう。

ゆみねこドリル「歴史的仮名遣い」のページ

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歴史的仮名遣い一覧と 現代仮名遣いに直すときのルール(練習問題)

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目次【本記事の内容】

歴史的仮名遣れきしてきかなづかいとは

歴史的仮名遣いとは、「仮名(ひらがな・かたかな)」で書くときの表記の仕方のひとつなんだ。
現代、みんなが普通に使っている仮名遣いは、現代仮名遣いと呼ばれるよ。
それに対して、明治時代までに使われていた仮名遣いを歴史的仮名遣いと呼ぶんだ。

どうして昔と今で書き方が変わるの??

古語こご(昔使われていた言葉で、現代では使われていない言葉のこと)の読み方や書き方は、現代の読み方や書き方と違う部分があるんだ。

それはなぜかというと、時代が進むとともに、発音の仕方が変わっていったから

例えば、現代では「思う」という言葉は「おもう」と発音するよね。

「思う」の歴史的仮名遣いは「思ふ」なんだけど、これ、ただそう書くだけではなくて、昔の人々は実際に発音するときも「おもふ」と発音していたんだ。

でも、時代が進むにつれて、人々の発音の仕方がだんだん「おもう」という発音の仕方になっていったんだよ。

くまごろうくまごろう

現代でも、「超」という言葉は、ちゃんと発音すると「ちょう」だけれど、最近?では「超おもしろい」なんて言うとき、「ちょーおもしろい」なんていうようにザックリ発音したりするよね。こうやって、時代とともに言葉は変化していくものだよね。

「を」と「お」も、昔は「を」を使う言葉と「お」を使う言葉では、ちゃんと発音を変えていたんだ。

例えば、「とこ(男)」と「もしろし(面白い)」では「(wo)」と「(o)」の違いがあるので、それぞれちゃんと発音を変えていたんだよ。

でも、現代ではどちらも「とこ」「もしろい」というように、どちらも「(o)」を同じように発音するね。

くまごろうくまごろう

ちなみに、「水飲む」のように、助詞で使う「を(wo)」は現代でも「お(o)」とは発音をちゃんと変えているね。

つまり、昔は本当にそうやって発音していたし、書いていたんだけど、時代とともに実際の発音だけ変わってしまって、それだと変だから発音と同じ書き方に直したのが現代仮名遣いということ だね。

歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すときのルール

歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すときには、8つのルールがあるよ。

①「ゐ・ゑ・を」は→「い・え・お」に直す

たろうたろう

「ゐ」とか「ゑ」なんて文字があるんだ!?

現代のひらがなは、「わ行」は「わいうえを」になっていて、ひらがなの種類としては全部で46文字が使われているよね。
わ行を読むときは、「wa・ i・ u ・e・ wo」と発音するよね。

でも、昔の日本では、「わ行」は「わゐうゑを」になっていて、ひらがなの種類は今よりも2文字多い48文字だったんだ。

多い2文字が、「ゐ」と「ゑ」ということだね。

昔は、わ行を読む時は「wa ・wi・ u・ we・ wo」というように、「い・う」とは区別して発音していたんだ。

この「わゐうゑを」を、現代では「ゐ」は「い」にして、「ゑ」は「え」にしているんだね。

だから、歴史的仮名遣いの「ゐ・ゑ・を」はそのまま「い・え・お」に直すよ。

でもここで例外があるので注意。

助詞として使われている「を」はそのままにするんだ。

「こゑを(声を)」を例に考えてみるよ。

「こゑ」の「ゑ」は「え」にそのまま直せばOK。
でも、「を」は単語として使われているのではなく、「◯◯を」というように「助詞」として使われているよね。

だから、この場合は「を」は直さずにそのままでいいんだ。

たろうたろう

「こゑを」は「こえを」と直すことになるんだね。

②「ぢ・づ」は→「じ・ず」に直す

③「む」は→「ん」に直す

④語頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は
→「わ・い・う・え・お(わ行)」に直す

「語頭」というのは、単語の初めの部分のこと。

たとえば、「はし(箸)」の「は」は単語の初めの部分なのでそのままにする。
単語の初めにない「は・ひ・ふ・へ・ほ」は直さなければいけないということだね。

たろうたろう

語頭ではない、というのはつまり「2文字目よりもあと」とかんがえると分かりやすいね。

でも、ここで例外があるよ。

①単語の途中にある「は・ひ・ふ・へ・ほ」でも、直さなくていい場合があるんだ。
それは、2つの単語がくっついてできた言葉(複合語)の、後ろの単語のスタート地点にある場合だよ。
どういうことか見てみよう。

【例】
・「朝(あさ)」+「日(ひ)」=「あさひ(朝日)」
「ひ」は全体の2文字目だけど、「日」という単語のスタート(語頭)だよね。だから「い」に変えずに「ひ」のままでOK!

・「雨(あめ)」+「降(ふ)り」=「あめふり(雨降り)」
「ふ」は全体の3文字目だけど、「降り」という単語のスタート(語頭)だよね。だから「う」に変えずに「ふ」のままでOK!

②助詞の「を」はそのままにするのと一緒で、助詞の「は」と「へ」はそのままにするよ。
【例】
・しはすは(師走は)→「しわす(師走)」という単語と助詞の「は」なので、
「しわすは」になる。

⑤「くわ・ぐわ」は→「か・が」に直す

⑥~⑧ 長音(のばす音)のルール

現代語で「ー」とのばす音になるルールだよ。

★覚え方のコツ★
基本的に「お段+う」 という、のばす音(長音)になるよ!

⑥ア段+う(ふ)→オ段+う

ア段の文字と「う」または「ふ」がくっついている時は、ア段をオ段に変えて、「う」をくっつけるんだ。
【例】
「やうす(様子)」は、ア段である「や」と「う」がくっついているよね。
なので、「や(ア段)」を「よ(オ段)」に直して、「う」をくっつけるよ。
「やうす」は「ようす(様子)」になるんだ。

※ただし、例外もあるよ!
たまふ」は、ルール通りなら「たもう」になるはずだけど、例外的に現代仮名遣いでは「たまう」と書くんだ。※慣用的な読み方は「たもう」
テストでもよく出る例外だから覚えておこう!

⑦イ段+う(ふ)→イ段+ゅ+う

イ段の文字と「う」または「ふ」がくっついている時は、イ段の文字はそのままで、「う」または「ふ」を小さい「ゅ」と「う」に変えるんだ。
【例】
「ちう(宙)」は「ち(イ段)」と「う」がくっついているよね。
なので、「ち」はそのままで、「う」を「ゅ」と「う」に変えて、
「ちゅう(宙)」になるんだ。

⑧エ段+う(ふ)→イ段+ょ+う

エ段の文字と「う」または「ふ」がくっついている時は、エ段の文字をイ段に変えて、「う」または「ふ」は小さい「ょ」と「う」に変えるんだ。
【例】
「けふ(今日)」は「け(エ段)」と「ふ」がくっついているよね。
なので、「け(エ段)」は「き(イ段)」に直して、「ょ」と「う」をくっつけるよ。
「けふ」は「きょう(今日)」になるんだ。

番外編:小さい「っ」に変わるルール(促音便)

歴史的仮名遣いでは、現代語なら小さい「っ」が入るところを、「ひ」「ち」「く」などで書くことがあるよ。
これも、発音しやすくするために、時代とともに書き方が変わったものなんだ。

【例】
・「言ひて」→「言って(いって)」
・「立ちて」→「立って(たって)」
・「以て」 →「以って(もって)」

もし読んでみて「ん?言いて?立ちて?」と変な感じがしたら、「っ」に変えて読んでみると意味が通じることがあるよ!

歴史的仮名遣いと現代仮名遣い一覧

歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直したものを一覧にまとめたよ。

①「ゐ・ゑ・を」→「い・え・お」

たりたり
ど(井戸)
(声)
かしげかしげ(かわいらしいという意味)
とことこ(男)
とめとめ(乙女)

②「ぢ・づ」→「じ・ず」

(京都から東国へ行く道のこと)
しんじしん(地震)
(藤)
かはかわ(蛙のこと)
か(静か)
かしかし(すばらしいという意味)
(水)
よろよろ(色々なこと)

③「む」→「ん」

(矢を射ようという意味)
なづきなづき(神無月。10月のこと)
はむわん(戦おうという意味)
(係りの言葉。係り結び「ける」で結ぶ。)
ごとなきごとなき(高貴な身分のこと)

④語頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」
→「わ・い・う・え・お(わ行)」

せるせる
れ(おもむきがあるという意味)
く(「おっしゃった」という意味)
す(いらっしゃる」という意味)
おそるるおそるる(襲われるという意味)
す(師走。12月のこと)
すなすなち(すぐにという意味)
ものもの(兵)
けるける
使使
ぐれぐれ(夕暮れ)
す(返す)
(前)
いといとし(かわいそうだという意味)
り(庵)
小さい簡単な家のことで、草などで屋根をふいた小屋のようなイメージの建物のこと
かたかた(「だいたい」という意味。おほかた・・・「ない」という否定の場合は、「全く」という意味)
(顔)
(やはりという意味)
う(輝いて美しいという意味)

⑤「くわ・ぐわ」→「か・が」

くわかくかく(過客。旅人のこと)
くわし(菓子)
くわかじ(火事)
ぐわまんまん(我慢)
ぐわつ(二月)

⑥ア段+う(ふ)→オ段+う

あふおうぎ(扇)
おとなふおとのう(音を立てるという意味)
かうこうい(更衣。天皇のそばで働く女性の位のひとつ)
さうざうそうぞうし(「ものたりない」という意味)
さうぞくそうぞく(装束。服装のこと)
けんぱふけんぽう(憲法)
さぶらふさぶろう(お仕えする、・・・でございますという意味)
かうこう(近う)
ちゆうじやうちゅうじょう(中将。役職の名前)
歴史的仮名遣いでは、「っ・ゃ・ゅ・ょ」のように現代仮名遣いで小さく書く字も普通の大きさで書く。
やうよう
やうやうようよう(しだいにという意味)
やうやく
ようやく
まうもう
まうでけりもうでけり(詣でけり)

⑦イ段+う(ふ)→イ段+ゅ+う

じふにひとじゅうにひと(十二単)
りふしやくじりゅうしゃくじ(立石寺というお寺の名前)
うつくしううつくしゅう(かわいいという意味)
ちうちゅう(宙)
ちうちゅう や(昼夜)

⑧エ段+う(ふ)→イ段+ょ+う

けふきょう(今日)
恋すてふ恋すちょう壬生忠見みずのただみの和歌で使われていることば)
てふてふちょうちょう(蝶々)
せうしょうゆ(醤油)
せうをしょうおう(芭蕉翁。松尾芭蕉のこと)
ほすてふほすちょう(持統天皇の和歌で使われていることば)
れうりょうり(料理)

歴史的仮名遣い練習問題

次の歴史的仮名遣いで書かれた言葉や文を、現代仮名遣いに直しましょう。
スクロールすると、解答があります。

問題

①いづれ
②はらひて
③たのもしうをかしけれ
④あひたるけるを
⑤あづまぢ
⑥せうと
⑦ゐたり
⑧きりくひの
⑨いさかひ
⑩よはひ
⑪たふとみて
⑫くわかくにして
⑬きうり
⑭くはへて
⑮いみじうをかし
⑯かうむる
⑰づけい
⑱やむごとなき
⑲おほかた
⑳せうがふ
㉑をしへられし
㉒思ひくづをれて
㉓おのづから
㉔ゑしゃく
㉕ころもほすてふ
㉖わづらひ
㉗をのこ
㉘据ゑる
㉙・・・やうにする
㉚いかがせむ
㉛かくほどなくうつろひて
㉜さふらふなり
㉝けふこえて
㉞をしう

解答

①いづれいずれ
②はらひてはらいて
③たのもしうをかしけれたのもしゅうおかしけれ
④あひたるけるをあいたるけるを
⑤あづまぢあずまじ
⑥せうとしょうと
⑦ゐたりいたり
⑧きりくひのきりくいの
⑨いさかひいさかい
⑩よはひよわい(齢)
⑪たふとみてとうとみて
⑫くわかくにしてかかくにして(過客にして)
⑬きうりきゅうり(胡瓜)
⑭くはへてくわえて
⑮いみじうをかしいみじゅうおかし
⑯かうむるこうむる(被る)
⑰づけいずけい(図形)
⑱やむごとなきやんごとなき
⑲おほかたおおかた
⑳せうがふしょうごう(照合)
㉑をしへられしおしえられし
㉒思ひくづをれて思いくずおれて
㉓おのづからおのずから
㉔ゑしゃくえしゃく(会釈)
㉕ころもほすてふころもほすちょう(衣ほすちょう)
㉖わづらひわずらい(患い)
㉗をのこおのこ
㉘据ゑる据える
㉙・・・やうにする・・・ようにする
㉚いかがせむいかがせん
㉛かくほどなくうつろひてかくほどなくうつろいて
㉜さふらふなりそうろうなり(候なり)
㉝けふこえてきょうこえて(今日こえて)
㉞をしうおしゅう(惜しゅう)

運営者情報

「ゆみねこの教科書」を運営しているゆみねこの教科書教育メディア合同会社代表の檜垣由美子のプロフィール写真

檜垣 由美子(ゆみねこ)
詳しいプロフィールを見る

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

感想や意見を聞かせてね

  1. 匿名 より:

    いろりってない

  2. 匿名 より:

    いろりってなに

    • yumineko より:

      「いろり(囲炉裏)」は、家の中にある炉(火を入れて燃えさせておく場所のこと)のことですね。この記事で紹介しているのは、「いおり(庵)」の方ですね。庵は、は小さい簡単な家のことで、草などで屋根をふいた小屋のようなイメージの建物のことです。
      コメントありがとうございます!
      説明を追加しておきますね。

  3. 海月 より:

    海月や鈴は歴史的仮名遣いでなんて言いますか。

  4. みさ より:

    このおかげで、理解が出来ました。
    分かりやすかったです。ありがとうございました。

  5. ³さん より:

    ちょっと見づらいです

  6. レモン より:

    ふためひて

  7. Ruko より:

    ありがとうござひます。これで勉強の役に立ちます

  8. Ruko より:

    ありがとうございます。これで勉強の役に立ちます

  9. Ruko より:

    これで勉強の役に立ちますありがとうございました。次も使う時があるかもしれませんその時はまた使わせてもらいます。

  10. 匿名 より:

    これのおかげで歴史的仮名遣いは少し得意になった気がします!ありがとうございます

  11. 歴史的気遣い より:

    例や意味があってとても勉強に役立ちました♪
    ありがとうございます!

  12. Aoi より:

    凄く分かりやすかったです!
    参考になりました♪
    ありがとうございます

  13. しよ より:

    わかりやすっかたですこれで古文がわかります

  14. 匿名 より:

    しょうらいってかなでなんてゆうのですか?

    • yumineko より:

      「しょうらい」を歴史的仮名遣いで書くとどうなるか?ということでしょうか??

  15. ℹ︎ より:

    分が欲しい

  16. ayu より:

    最後の方のやつをもっと載せてほしい!

  17. 猫おもろw より:

    猫アレルギーだから猫やめてください

  18. トマと より:

    食事を歴史的仮名遣いに直して欲しいです。

  19. ゑりか より:

    「あふぎ」の意味が分からなかったので、とても分かりやすくて、参考になりました!
    「あふぎ」は「おうぎ」になるのですね(*‘ω‘ *)
    有難うございます!

  20. ゑりか より:

    続けてすみません!
    「いうげん」という歴史的仮名遣いがどのように現代仮名遣いになるのかがわかりません
    それから、その現代仮名遣いになる理由まで書いてくれないでしょうか
    お願いします‍♀️

    • yumineko より:

      ゑりかさん

      「いうげん」は、漢字では「幽玄」で、現代では「ゆうげん」と読みますね。

      歴史的仮名遣い→現代仮名遣いのルールのなかでは、解説記事の⑦「イ段+う」→「イ段+ゅ+う」になりますね。
      でも、「ちう→ちゅう」「しう→しゅう」だけれど、「いう」は「ゆう」となります。
      これはなぜかというと、あかさたな・・・の、「か・さ・た・な・は・ま・ら」行は、「きゅう」「しゅう」「ちゅう」「にゅう」「ひゅう」「みゅう」「りゅう」と
      書き表すし、発音することもできますね。
      でも、あ行の「い」には、「いゅう」という書き方や発音はしないですね。発音するときには、「ゆう」となります。

      現代仮名遣いは、現代の発音とおなじ表記にするためのものなので、実際の発音「ゆう」と同じように表記します。
      なので、「いうげん」の現代仮名遣いは「ゆうげん」となります。

      難しいですが、たくさん問題や例題に触れると、だんだん感覚がつかめてくるかと思います。頑張ってください!!

  21. 匿名 より:

    わ、わ、わかりやすい……

  22. 共産党 より:

    「助詞で使う『を(wo)』は現代でも『お(o)』とは発音をちゃんと変えている。」とありますが、助詞の「を」も「o」って発音すると思いますよ。どっかのテレビで愛媛県民はwoと発音すると聞いたことがありますけどね~。

  23. あかり より:

    あとのはう、現代仮名遣いにしたらなんて書く?

  24. 匿名 より:

    アリガトウゴザイマス

  25. 加藤裕志 より:

    1,「あふぐ(仰ぐ)」「あふひ(葵)」「はせを(芭蕉)」はどのように音読したら宜しいか?

    2,「をとこ・をんな(男・女)」「おきな・おうな(翁・媼)」。語頭の「を」「お」の使い分けの所以は?

    宜しくお願い致します。

    • yumineko より:

      「あふぐ(仰ぐ)」は「あおぐ」、「あふひ(葵)」は「あおい」と読みます。
      「あふぐ」について、語中・語尾のハ行の音(は・ひ・ふ・へ・ほ)は、ワ行の音(わ・い・う・え・お)に変化しました(ハ行転呼)。
      この場合、「ふ」は「う」の音に近くなり、前の「あ」と融合して「オー」と発音されそうですが、現代語では「アオグ」と発音します。
      歴史的仮名遣いでは「あうぐ」と書かずに「あふぐ」と書くことで、元々ハ行の音であったことを示しています。
      「あふひ」も同様で、「ふ」が「う」に近い音になり、前の「あ」と融合して「オー」となりそうですが、現代語では「アオイ」と発音します。
      「あうい」ではなく「あふひ」と書くことで、語源を示しています。
      歴史的仮名遣いは、あくまで「表記のルール」というものがあって、すべての言葉がそのルール通りに当てはまるかというとそうではなく、例外もあります。
      一番重要なのは、当時に人々がそのことばをどう表記していて、現代の人が読む場合に、現代の発音でどう読むのかということだからです(学術的な音声研究などで当時の発音を再現する場合は別)。
      「あふぐ」と「あふひ」はその例外のひとつということですね。

      「はせを」もちょっと複雑で、ルール通りでいくと助詞以外の「を」は、現代語では「お」と同じ発音になるので、「はせを」と読みます。
      でも、「芭蕉」は現代では「ばしょう」と読みますよね。
      「はせを」という表記は、松尾芭蕉が自分のことを書くときに使っていた表記です。
      「芭蕉」という言葉は、中国風の漢字の音で書けば「ばせう」となりますが、これも読みは「ばしょう」です。
      芭蕉は、俳句で日本の言葉(和語)を大切にしていたため、あえて和語に近い「はせを」という書き方を選んだと言われています。
      なぜ濁点(゛)がなくても「ば」と読むのかというと、昔の日本では、今のように濁点(「ば」の「゛」など)をはっきり書く習慣が一般的ではありませんでした。
      そのため、「は」と書いてあっても「ば」と読むことがよくありました。
      このように、昔の書き方のルールや芭蕉の意図もあって、「はせを」は「ばしょう」と読むことになります。

      「をとこ・をんな(男・女)」「おきな・おうな(翁・媼)」の語頭の「を」と「お」の使い分けについては、
      昔の日本語では「お」の音と「を」の音が、はっきりと違う発音だったことの名残です。
      「をとこ」や「をんな」の「を」は、昔は、唇を少しすぼめて前に出すような「ウォ(wo)」に近い音で発音されていました。
      「おきな」や「おうな」の「お」は、今の私たちと同じ「オ(o)」の音で発音されていました。
      時代とともに、「を(wo)」の発音は「お(o)」に近くなり、現代の話し言葉では(助詞の「を」を除いて)区別がなくなりました。
      しかし、言葉の成り立ちや昔の発音を大切にする歴史的仮名遣いでは、この違いを書き分けています。
      読むときは、どちらも現代の「お」の音で読んで大丈夫です。

    • 花月 あや より:

      わかりやすかった!

  26. ame より:

    「以て(もつて)」などを「もって」と読む場合もありますよね
    小さい「つ」に変える方法は記載する予定はありませんか?

    • yumineko より:

      ameさん

      コメントありがとうございます!
      鋭いご指摘、素晴らしいです。「以て(もって)」のように、小さい「っ」になるパターン(促音便など)も重要ですよね。

      記事に追加することを検討しますね。
      勉強熱心なameさんのおかげで、記事がもっと良くなりそうです。ありがとうございます!