長田弘『世界はうつくしいと』表現技法や作者の伝えたいこと

中学3年国語で学習する長田弘さんの詩「世界はうつくしいと」について、使われている表現技法、詩の形式、言葉の意味、そして作者の深い思いや「伝えたいこと」など、テスト対策に必要なポイントをわかりやすく解説するよ。

※このページでは、著作権に配慮し、詩の一部のみを引用して解説しています。全体はお手元の教科書などで確認してください。

「世界はうつくしいと」 長田 弘

この詩は、私たちが普段「うつくしい」と口にしなくなったことへの危機感から始まり、何気ない日常の中にある素晴らしい景色や人間の営みについて教えてくれる作品だよ。
最後には、「永遠なものはないからこそ、この世界はうつくしいんだ」という、作者の深いものの見方(生きることや命についての考え方)が描かれているんだ。

具体的な内容は、教科書に載っている詩を読みながら、これからの解説を一緒に確認してね。

目次

長田弘「世界はうつくしいと」テスト対策ポイントまとめ

まずは、テスト前にざっと内容を把握するための重要ポイントをまとめるよ。

「世界はうつくしいと」テスト対策ポイント

  • 作者は日本の詩人長田弘おさだひろし
  • 詩の形式は「口語自由詩」
  • 表現技法として「反復法」「省略法」、そして「疑問の形で強い思いを表す表現(反語的な表現)」などが使われている。
  • 「世界はうつくしいと」のあとには、「言おう」という呼びかけの言葉が続くと考えられる。
  • 作者が考える「うつくしい世界」には、自然の風景だけでなく、私たちの身の回りにある何気ない人間の営み(あざやかな毎日)も含まれている。
  • 作者の伝えたいことは、「言葉に出すことの大切さ」「永遠ではない(いつか塵にかえる)からこそ、日々のあざやかな毎日に価値がある」ということ。

詩「世界はうつくしいと」基本情報

作者詩人の長田弘おさだひろし
詩の形式口語自由詩こうごじゆうし
使われている表現技法反復法・省略法・疑問の形で強い思いを表す表現(反語・修辞疑問)など

作者の長田弘さんってどんな人?

作者の長田弘おさだひろしさん(1939年〜2015年)は、日本の詩人であり、児童文学じどうぶんがく作家や翻訳家ほんやくかとしても活躍した人だよ。
長田さんは「言葉」が持つ力をとても大切にしていて、私たちのすぐそばにある「何気ない日常」や「自然の美しさ」を、優しい言葉で表現する詩をたくさん残したと言われているんだ。

「世界はうつくしいと」詩の形式について

「世界はうつくしいと」の詩の形式は、口語自由詩こうごじゆうしだよ。

「口語」というのは、今の日本で私たちが普通に使っている「話し言葉」のこと。
「自由詩」というのは、五・七・五のような文字数の決まり(ルール)がなく、自由に書かれた詩のことだね。

たろう
「うつくしいものの話をしよう。」みたいに、普段僕たちが話しているような言葉で自由に書かれているから「口語自由詩」だね!
口語自由詩・文語自由詩・口語定型詩・文語定型詩の詩の形式の見分け表の図解イラスト

「世界はうつくしいと」表現技法と工夫について

この詩には、言葉の印象を強くしたり、読んだ人に余韻よいんを残したりするための「表現技法ひょうげんぎほう」が使われているよ。テストによく出るのでしっかりチェックしよう。

反復法(リフレイン)

反復法はんぷくほうとは

同じ言葉やフレーズを何度も繰り返すことで、リズムを生み出し、その言葉の印象を強く読み手に与える表現技法のこと。

詩の中で何度も「うつくしいと。」という言葉が繰り返されているよね。
これを繰り返すことで、作者が一番伝えたい「世界にはうつくしいものがたくさんある」というメッセージが強く心に残るようになっているんだ。

省略法

省略法しょうりゃくほうとは

文の終わりの言葉をわざと省くことで、読んだ人にその先の言葉を想像させ、深い余韻(後味)を残す表現技法のこと。

タイトルの「世界はうつくしいと」や、詩の中の「〜はうつくしいと。」の後には、ある言葉が省略されていると考えられるよ。
なんだかわかるかな?

くまごろう
詩の前半や後半に、ヒントになる言葉が隠れているよ。
たろう
あ!「うつくしいものをうつくしいと言おう」って書いてある!

大正解!
詩全体の流れから見ると、省略されている言葉は「言おう」だね。
「〜はうつくしいと(言おう)。」という意味で読むことができるんだ。
最後まで言い切らずに「うつくしいと。」で止めることで、読んだ人それぞれが「自分もうつくしいものを声に出して言ってみようかな」と考える余白よはくを作っているんだね。

疑問の形で強い思いを表す表現(反語的な表現)

詩の後半に、こんな一文があるよ。

「一体、ニュースとよばれる日々の破片が、わたしたちの歴史と言うようなものだろうか。」

この一文は、「〜だろうか。(いや、そうではない)」という強い否定ひていの気持ちを含む反語はんご的な表現」として読むことができるよ。

「ニュースで流れるような大事件だけが、私たちの歴史だろうか。(いや、そうではない。日々の何気ない毎日こそが価値あるものだ)」という、作者の強い思いを伝えるためのテクニック(読者に考えさせるための問題提起ていき)になっているんだね。

対比による効果

くまごろう
作者は、特別な大事件である「ニュースの破片」と、何気ない日常である「あざやかな毎日」対比たいひ(反対の意味で並べること)させて、日常のとうとさを強調きょうちょうしているんだね。

なぜ「美しい」ではなく「うつくしい」とひらがななの?

作者はなぜ、漢字の「美しい」ではなく、ひらがなで「うつくしい」と書いたのだろう?
漢字の「美しい」だと、風景が綺麗だったり、見た目が整っていたりするイメージが強くなるよね。

でも作者は、「なにげない挨拶」や「老いてゆく人の姿」など、見た目だけではなく「心惹かれるもの」や「尊いもの」も含めて伝えたかったと考えられているんだ。だから、意味を限定しない、柔らかくて広がりのあるひらがなを選んだのかもしれないね。

「世界はうつくしいと」詩の構成と内容の読み解き

この詩は、大きく分けて3つのブロック(まとまり)で書かれているよ。それぞれの内容を読み解いていこう。

第1のまとまり(問題提起と提案)

最初は、作者の「危機感」からスタートするよ。
人々が「うつくしい」という言葉をためらわずに口にすることがなくなり、その結果「わたしたちの会話は貧しくなった」と言っているね。

言葉にしないと、うつくしいものに感動する心も失われてしまう。
だから作者は「うつくしいものをうつくしいと言おう」と提案しているんだ。

第2のまとまり(「うつくしいもの」の具体例)

中盤には、作者が「うつくしい」と感じるものがたくさん並べられているよ。
よく見てみると、自然の景色だけではないことに気づくかな?

  • 風の匂い、渓谷けいこくの流れ、雲の影(自然の風景)
  • 大きな樹のある街の通り、奥行きのある路地(身近な景色)
  • なにげない挨拶、老いてゆく人の姿(人間の営み)
くまごろう
作者が考える「世界」とは、大自然だけでなく、私たちが暮らす身の回りの何気ない生活そのもののことなんだよ。

また、これらの風景は「目で見る(視覚しかく)」だけじゃないよね。
「風の匂い(嗅覚きゅうかく)」や「静けさ・挨拶(聴覚ちょうかく)」など、私たちの「五感」を使って感じるものが表現されているのもポイントだよ。

第3のまとまり(作者のものの見方・考え方)

最後は、作者の深いものの見方や生きることへの考え方が語られている重要な部分だよ。

「何ひとつ永遠えいえんなんてなく、いつか
すべて塵にかえるのだから、世界はうつくしいと。」

「老いてゆく」ことや「塵(ちり)にかえる(死んで無くなる)」ことは、普通はマイナスのイメージだよね。
でも作者は、「永遠に続かないからこそ、今この瞬間の『あざやかな毎日』が尊くて、うつくしいんだ」と考えているんだね。

「世界はうつくしいと」言葉の意味

詩の中に出てくる少し難しい言葉の意味を確認しておこう。

言葉意味
ためらわず迷ったり、ためらったりすることなく。
ニュースとよばれる日々の破片(はへん)毎日のニュースで切り取られて流れてくる、出来事の一部分のこと。作者は、それだけが私たちの歴史なのではないと考えているんだね。
シュロヤシ科の植物。棕櫚しゅろ。キリスト教の行事(灰の水曜日など)で、この枝を燃やした灰を使うことがあるよ。「植物を燃やして灰にし、自然に還す」という、命あるものが灰になって自然にかえっていくことを考えさせる例として書かれているんだ。
塵(ちり)にかえる命あるものが死んで、土(自然)に還っていくこと。「永遠ではない」ということの象徴しょうちょうだね。

「世界はうつくしいと」作者の思い・伝えたいこと

作者の長田弘さんがこの詩を通して伝えたかったことは、大きく2つあると考えられているよ。

1. 言葉に出して伝えることの大切さ

「うつくしい」と感じる心を失わないために、恥ずかしがらずに言葉にして「言おう」ということ。

2. 日常の「あざやかな毎日」への気づき

ニュースになるような特別な出来事ではなく、身の回りの何気ない風景や挨拶こそが私たちの価値かちであり、命は永遠ではないからこそ、今この世界はうつくしいんだということ。

たろう
みんなにとっての「うつくしいもの」は何かな?
学校の帰り道に見える夕焼けとか、部活のあとの冷たい水とか、友達との笑い声とか・・身近なところにたくさんありそうだね!

「世界はうつくしいと」テスト対策ポイントまとめ(直前チェック用)

最後に、テスト直前の最終チェック用にポイントを絞ってまとめるよ。

  • 作者長田弘おさだひろし
  • 形式「口語自由詩」
  • 表現技法「反復法」「省略法」、そして「疑問の形で強い思いを表す表現(反語的な表現)」など。
  • 省略語:「世界はうつくしいと」のあとには「言おう」という言葉が続くと考えられる。
  • 主題(伝えたいこと)「言葉に出すことの大切さ」「永遠ではないからこそ、身近な人間の営み(あざやかな毎日)に価値がある」ということ。

ここまで学習できたら、ぜひ「世界はうつくしいと」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!
長田弘『世界はうつくしいと』テスト対策練習問題と過去問まとめ
【中学国語】長田弘「世界はうつくしいと」漢字ドリル
【中学国語】長田弘「世界はうつくしいと」語句・表現技法ドリル
【中学国語】長田弘「世界はうつくしいと」内容理解ドリル
【中学国語】長田弘「世界はうつくしいと」主題・表現効果ドリル

長田弘さんの「世界はうつくしいと」、とても素敵な詩だったね。
テスト勉強はもちろんだけど、毎日の生活の中で「うつくしいな」と思えるものを、ぜひ見つけて言葉にしてみてね!

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本ページでは、長田弘「世界はうつくしいと」(出典例:光村図書出版『国語3』所収)より、学習・批評ひひょうの目的で必要最小限の部分のみを引用し明示しています。全体はお手元の教科書等でご確認ください。

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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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