谷川俊太郎『春に』表現技法(心のダム)や作者の伝えたいこと
中学国語で学習する谷川俊太郎さんの詩「春に」について、使われている表現技法、詩の形式、言葉の意味、そして作者の伝えたいこと(主題)など、テスト対策に必要なポイントをわかりやすく解説するよ。
※このページでは、著作権に配慮し、詩の一部のみを引用して解説しています。全体はお手元の教科書などで確認してください。
「春に」 谷川 俊太郎
この詩は、春という季節に、大地や自然から伝わってくる「目に見えないエネルギー」を感じて、自分の中に湧き上がる「言葉にできない複雑な気もち」を描いた作品だよ。
喜びや悲しみ、行動したい気持ちと静かにしていたい気持ちなど、心の中でさまざまな感情がぶつかり合う「思春期」特有のもどかしさや心の葛藤(かっとう)が表現されているんだ。
具体的な内容は、教科書に載っている詩を読みながら、これからの解説を一緒に確認してね。
谷川俊太郎「春に」テスト対策ポイントまとめ
まずは、テスト前にざっと内容を把握するための重要ポイントをまとめるよ。
「春に」テスト対策ポイント
- 作者は日本の詩人谷川俊太郎
- 詩の形式は「口語自由詩」
- 表現技法として「反復法」「隠喩(暗喩)」「対句法(対比)」が使われている。
- 「この気もちはなんだろう」という言葉が4回繰り返されている(反復法)。
- 「心のダム」とは、湧き上がる感情を抑えようとする「理性」の例え(隠喩)。
- 「ぼく」が「もどかしい」理由は、何かをしたいエネルギーであふれているのに、正反対の感情が混ざり合っていて、どうしていいかわからないから。
- この詩の主題(テーマ)は、「思春期特有の、将来への期待と不安に揺れ、どうしていいかわからない心の葛藤(かっとう)」。
詩「春に」基本情報
| 作者 | 詩人の谷川俊太郎 |
| 詩の形式 | 口語自由詩 |
| 使われている表現技法 | 反復法・隠喩(暗喩)・対句法(対比) |
作者の谷川俊太郎さんってどんな人?
作者の谷川俊太郎さん(1931年〜2024年)は、太平洋戦争後の日本を代表する国民的詩人として高く評価されている人だよ。
詩だけでなく、絵本『スイミー』の翻訳(日本語訳)や、アニメ『鉄腕アトム』の主題歌の作詞など、幅広い分野で活躍したことでも知られているんだ。
★2024年にご逝去(亡くなること)されたばかりで、改めてその作品の素晴らしさが日本中で注目されているよ。入試や実力テストなどでも取り上げられやすいから、作者の名前は必ず漢字で書けるようにしておこう!
「春に」詩の形式について
「春に」の詩の形式は、「口語自由詩」だよ。
「口語」というのは、今の日本で私たちが普通に使っている「話し言葉」のこと。
「自由詩」というのは、五・七・五のような文字数の決まり(ルール)がなく、自由に書かれた詩のことだね。

たろう「春に」表現技法と工夫について
この詩には、言葉のリズムを作ったり、心の揺れ動きを表現したりするための「表現技法」がたくさん使われているよ。テストによく出るポイントなのでしっかりチェックしよう。
反復法
反復法とは
同じ言葉やフレーズを何度も繰り返すことで、リズムを生み出し、その言葉の印象を強く読み手に与える表現技法のこと。
詩の中で「この気もちはなんだろう」という言葉が4回繰り返されているよね。
これを繰り返すことで、自分でも上手く説明できない感情への戸惑いや、あふれ出しそうなエネルギーの強さが、読み手により強く伝わってくるんだ。
くまごろう隠喩(暗喩)
隠喩(暗喩)とは
「〜のようだ」「〜みたいだ」という言葉を使わずに、別のものに例える表現技法のこと。
★「〜のようだ」を使う例えは「直喩」というよ。
詩の中には、2つの重要な隠喩表現があるよ。
1. 「枝の先のふくらんだ新芽が心をつつく」
植物の新芽が実際に心臓をトントンとつつくわけではないよね。
これは、春の訪れや新しい生命力が、自分の心を刺激してくる様子を例えた表現なんだ。
2. 「心のダム」
心の中に本物のダム(水をせき止める壁)があるわけではないよね。
これは、心の中に湧き上がってくる激しい感情やエネルギーを、そのまま外に出さないように我慢して押さえ込もうとする「理性」を、ダムに例えているんだ。
くまごろう対句法(対比的な表現)
対句法とは
似たような形や構成の言葉を並べることで、リズムを作ったり、印象を強くしたりする表現技法のこと。
詩の中盤(8〜10行目)に注目してみてね。
よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりがかくれている
「〇〇だ 〜〇〇ある(いる)」という同じ形の文が3つ並んでいるね。
さらに、「よろこび⇔かなしみ」「いらだち⇔やすらぎ」というように、正反対の感情がセット(対比の形)になっているのがわかるかな?
こうして反対の言葉を対句法(対比)で並べることで、心の中に良い状態と悪い状態がごちゃ混ぜになっている複雑な様子が、とてもよく表現されているんだ。
「春に」詩の構成と内容の読み解き
この詩は、連(れん)に分かれてはいないけれど、読み進めるにつれて「ぼく」が感じているエネルギーがどんどん具体的になっていくんだ。内容を読み解いていこう。
前半:目に見えないエネルギーの正体
「ぼく」は、大地から足の裏を伝わって、のどまでこみ上げてくる「目に見えないエネルギー」を感じているよ。
これは、春になって草木が芽吹くような「自然の強い生命力」と、自分自身が子供から大人へと成長していく「心と体のエネルギー」が重なり合っている状態だと考えられるね。
中盤:せめぎあう相反する感情(心のダム)
中盤では、対句法で「よろこびとかなしみ」「いらだちとやすらぎ」が同時に存在していることが語られているよ。
大人になっていくことへの期待(ワクワク)と、まだ見ぬ未来への不安が混ざり合っているんだね。
そのあふれそうな感情は、「心のダム(理性)」によってギリギリでせき止められているけれど、その中で「よどみ渦まきせめぎあい」、今にも決壊してあふれ出しそうになっているんだ。
後半:なぜ「もどかしい」のか?
後半には、相反する(反対の)欲求がたくさん出てくるよ。
- 「地平線のかなたへと歩きつづけたい」⇔「草の上でじっとしていたい」
- 「大声でだれかを呼びたい」⇔「ひとりで黙っていたい」
たろう「ぼくはもどかしい」とあるけれど、なぜもどかしい(いらいらする)のだろう?
それは、「何かをしたいエネルギーでいっぱいなのに、正反対の感情が心の中で混ざり合っていて、そのエネルギーをどう使えばいいのか自分でもわからないから」なんだね。
「春に」言葉の意味
詩の中に出てくる少し難しい言葉の意味を確認しておこう。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| せめぎあい | 互いに争うこと。心の中で別々の感情がぶつかり合って、押し合っている状態のことだよ。 |
| もどかしい | 思い通りにならなくて、いらいらすること。じれったいこと。自分の気持ちがうまくコントロールできない歯がゆさだね。 |
| かなた | 遠く離れた場所のこと。未来や未知の世界への憧れを表しているよ。 |
「春に」作者の思い・伝えたいこと(主題)
この詩の主題(テーマ)は、「思春期特有の、将来への期待と不安に揺れ、どうしていいかわからない心の葛藤(かっとう)」だよ。
幼稚園や小学校低学年の頃には感じなかったような、「なんとなくイライラする」「急にどこか遠くへ行きたくなるけれど、やっぱり一人で部屋にいたい」といった複雑な気持ち。
それは、春の自然と同じように、みんなの中にある「成長しようとするエネルギー」が満ちあふれている証拠なんだ。
くまごろう「春に」テスト対策ポイントまとめ(直前チェック用)
最後に、テスト直前の最終チェック用にポイントを絞ってまとめるよ。
- 作者:谷川俊太郎(2024年にご逝去。漢字で書けるように!)
- 形式:「口語自由詩」
- 表現技法:「反復法」「隠喩(暗喩)」「対句法(対比)」など。
- 隠喩の意味:「心のダム」は、感情のままに行動することを抑えようとする「理性」の例え。
- もどかしい理由:自分の中にエネルギーがあふれているのに、相反する(反対の)感情が同居していて、どうしていいかわからないから。
- 主題(テーマ):「思春期特有の、将来への期待と不安に揺れ、どうしていいかわからない心の葛藤(かっとう)」。
ここまで学習できたら、ぜひ「春に」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!
谷川俊太郎『春に』テスト対策練習問題と過去問まとめ
【中学国語】谷川俊太郎「春に」漢字ドリル
【中学国語】谷川俊太郎「春に」語句・表現技法ドリル
【中学国語】谷川俊太郎「春に」内容理解ドリル
【中学国語】谷川俊太郎「春に」主題・表現効果ドリル
谷川俊太郎さんの「春に」、中学生のみんなの心にピタッと当てはまるような詩だったね。
テスト勉強はもちろんだけど、自分の中に「なんだかわからないもどかしい気持ち」が湧いてきたら、この詩を思い出してみてね!
当サイトは、著作権法に配慮し、正当な範囲内で引用を行っています。掲載している文章、画像、動画等の著作権は、各権利者に帰属します。
本ページでは、谷川俊太郎「春に」(出典例:東京書籍出版『国語2』所収)より、学習・批評の目的で必要最小限の部分のみを引用し明示しています。全体はお手元の教科書等でご確認ください。
掲載内容に問題がある場合、権利者様ご本人よりご連絡いただけましたら、速やかに確認のうえ、修正・削除等の対応を行います。
運営者情報
yumineko
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

