「想像力のスイッチを入れよう」内容とポイント解説(テスト対策)

小学5年国語で学習する「想像力のスイッチを入れよう」について、あらすじとテストで必要になるポイントをわかりやすく解説するよ。

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「想像力のスイッチを入れよう」 内容とポイント解説(テスト対策)

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目次【本記事の内容】

「想像力のスイッチを入れよう」
あらすじ

あらすじ

前回五位だったマラソン大会で、あなたは今回は十位だったとする。

あなたは「五位も下がった」という。
いっぽう先生は、「30秒もタイムがちぢまった」という。

同じ出来事でも、何を大事と思うかによって発信する内容はずいぶん変わるのだ。

これはメディアも同じだ。
大事だと思う側面を切り取って情報を伝えている。

その切り取られた情報だけから全体を判断しようとすると、思い込みがはたらくことがある。
思い込みを減らすには、「想像力のスイッチ」を入れることが大切なのだ。

書かれていることは「事実なのか印象なのか」
書かれていない部分に「何がかくれているのか」

思い込みや推測によってだれかを苦しめたり、誰かが不利益を受けたりしないために、「想像力のスイッチ」を入れるのだ。

あたえられた小さいまどから小さい景色をながめるのでなく、自分の想像力でかべを破り、大きな景色をながめて判断できる人間になってほしい。

「想像力のスイッチを入れよう」
事例と筆者の意見を整理しよう

「想像力のスイッチを入れよう」では、筆者が読む人に“想像力のスイッチを入れる”ということはどういうことか?そして、なぜ“想像力のスイッチを入れなければならないのか?”ということを説明しているね。

説明するために、読む人が筆者の考えをわかりやすくなるよう、3つの事例を紹介しているんだよ。

それぞれ、どんな事例が紹介されているのか。
そして、筆者はその事例をもとにどう考えているのか。

この「事例と、それに対する筆者の考え」を整理することが大切だよ。

事例①学校のマラソン大会

「あなた(読者のこと)」が学校のマラソン大会で走ったとしているね。

【出来事】

・学校のマラソン大会で十位に入った。
・前回のマラソン大会は五位だった。

学校のマラソン大会で順位が下がってがっかりしている男の子のイラスト

あなたあなた

前回の大会より、五位も順位がさがっちゃった・・・

先生先生

前回の大会より、三十秒もタイムがちぢまった

「前回は五位で、今回は十位」というまったく同じ出来事について、「あなた」と「先生」の言っていることは全然ちがうね。

「あなた」は、順位が大切だと思っている。
だから、順位が下がって残念に感じているね。

「先生」は、タイムが大切だと思っている。
だから、タイムがちぢまったから、良い結果だと感じているね。

【筆者の考え】

同じ出来事でも、何を大事と思うかによって、発信する内容がずいぶんちがってくる。

同じ「マラソン大会の結果」(出来事)について、

順位を大事にする生徒の発信だと「残念なこと」
タイムを大事にする先生の発信だと「良いこと」

こうやって、発信する内容がずいぶんちがってしまうということだね。

くまごろうくまごろう

逆に考えると、発信された内容だけでは、もとの出来事のことを正しくは理解できないともいえるね。

たろうたろう

「あなた」の発信だけだと、タイムがちぢんだことには気が付けないし、
「先生」の発信だけだと、順位は下がってしまったことには気が付けないままだよね。

事例②図形

図形の見えない部分がどんな形か考えている男の子のイラスト

【右半分が円で左半分が四角形の図形】

左半分をかくして見せる→見えている部分が円なので、全体を円だと思う

右半分をかくして見せる→見えている部分が四角形なので、全体を四角だと思う

左半分が四角形で右半分がが円の図形だったことに驚いている男の子のイラスト

たろうたろう

見えている部分だけで、のこりの部分を決めつけてしまうんだね。

切り取られた情報だけから全体を判断すると、思い込みが生まれてしまうことがあるんだ。

【筆者の考え】

思い込みを減らすため、あたえられた情報を事実の全てだと受け止めるのではなく、頭の中で「想像力のスイッチ」を入れてみることが大切だ。

想像力のスイッチとは・・

与えられた情報をそのまま受け取るのではなく、想像力を働かせて、与えられた情報以外の部分を考えてみるということ。

見えている部分が円でも、「かくれている部分はもしかしたら違う図形かも!?」と考えてみるということだね。

事例③サッカー監督の報道

「人気サッカーチームの監督が辞任して、Aさんが新しい監督になるのではないかと注目が集まっている」というメディアの報道についてだね。

【出来事】

・Aさんが、うら口から出ていった

レポーターレポーター

Aさんは報道陣をさけるためか、うら口からにげるように出ていった

出来事と、レポーターの情報を比べてみよう。

「報道陣をさけるため」と、「にげるように」というのはレポーターがつけ足した情報だね。

このつけ足された情報は、本当に起きたことというよりも、レポーターがいだいた印象にすぎない可能性があるんだ。

【筆者の考え①】

『まだ分からないよね。』と考える習慣をつけよう。

そもそも、「Aさんが新しい監督になるのではないかと注目があつまっている」という報道を見ただけで、「Aさんが新監督になる」と決めつけてしまわないように気をつけなければいけない。

新しい情報を見たり聞いたりしたときに、まず一度落ち着いて考えることが大切なんだね。

【筆者の考え②】

一つ一つの言葉について、『事実かな、印象かな。』と考えてみることが大切だ。

レポーターの情報には、事実だけではなくて、レポーターのいだいた印象がつけ足されていたよね。

あたえられた情報をそのまま受け取るのではなく、一つ一つの言葉を事実か、印象か考えてみることが大切なんだね。

【出来事】

Aさんが、来月から予定していた外国での仕事を最近キャンセルした

たろうたろう

この報道には印象は入っていなくて、事実だけだよね。

くまごろうくまごろう

事実だけだから安心かというと、そうでもないんだ。

「外国での仕事を最近キャンセルした」というただの事実のはずが、
「Aさんが新監督になるかもしれない」という報道と合わせると、「新監督になるから外国の仕事をキャンセルした」と感じてしまうかもしれないよね。

【筆者の考え③】

『他の見方もないかな。』と想像してみることが大切だ。

【筆者の考え④】

『何がかくれているかな』と、伝えていないことについても想像力を働かせることが大切だ。

外国での仕事をキャンセルする理由なんて、いくらでも考えられるよね。

「新監督になるからだ」なんて決めつけてしまうのはキケンだよね。

それ以外の理由はありえないかな??と他の見方を想像することが大切なんだね。

そもそも、「新監督がAさんになるのではないかと注目が集まっている」という報道も、Aさん以外に注目が集まっている人はいないのか?と、「書かれていないこと」の可能性も考えることが大切なんだね。

「想像力のスイッチを入れよう」
筆者の主張

これまでの事例をもとにした筆者の考えをまとめてみよう。

  • 同じ出来事でも、発信する側によって内容がずいぶん変わってしまう。
  • 切り取られた情報だけから全体を判断すると思いこみが生まれることがある。
  • 情報には、事実だけでなく印象が入っていることもある。
  • 伝えられていない部分に、何かがかくれているかもしれない。
  • 思いこみや推測によって、だれかが苦しめられたり、だれかが不利益を受けたりすることがある。
  • 思いこみを防ぐには、メディア側も、情報を受け取る側も努力が必要だ。

これらをすべてふまえて、筆者がこの「想像力のスイッチを入れよう」で伝えたいことが、筆者の主張だよ。

【筆者の主張】

思い込みを防ぐために、受け取る側は「想像力のスイッチ」を入れて努力する必要がある。

新出漢字

テストでは、新出漢字が出されることもあるので、確認しておこう!

カン・なれる・ならす
習慣
セイ
可能性
エキ
不利益
セイ
体制
ゾウ・つくる
構造
ケイ・かた
小型化

「想像力のスイッチを入れよう」
まとめ

まとめ
  • 3つの事例と、それぞれに対する筆者の考えを整理しよう
  • 筆者の主張は、
    「思い込みを防ぐために、受け取り側が想像力のスイッチを入れる努力をすることが必要だ」
  • 新出漢字を確認しよう

ここまで学習できたら、「想像力のスイッチを入れよう」テスト練習問題にもチャレンジしてみよう!

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

感想や意見を聞かせてね

  1. 亞か より:

    想像力だけで決めつけるのはダメ

  2. スヌーピー より:

    このサイトどのサイトよりも分かりやすくていつも自主学習の参考にしています!

  3. ののののの より:

    色々あった

  4. 匿名 より:

    とても詳しく、そうかなを頭に入れて行動することが大切だということも知れました

  5. わさび より:

    とても分かりやすくて、筆者の伝えたいことが分かった。

  6. のの より:

    息子が国語苦手だけど、このサイトを見つけてから成績が良くなっていったので、ゆみねこさん本当にありがとうございます!

    • yumineko より:

      ののさん

      とても嬉しいコメントありがとうございます!!
      お役に立てて、とっても嬉しいです。励みになります。
      これからも少しでも役立てますよう、頑張りますね!!

  7. ゆず より:

    質問なんですが、受け取る側の努力というのは、どうすることなんですか?

    • yumineko より:

      ゆずさん

      筆者の考えている、「(情報を)受け取る側の努力」とは、「想像力のスイッチを入れること」です。
      想像力のスイッチを入れるとは、大きく具体的に言うと
      ・書かれていることが事実なのか、印象なのかを冷静に判断すること
      ・書かれていない部分に「何がかくれているのか」を想像すること
      この2つです。

      どちらも、最近のSNSでも問題になっていることですね。
      投稿者の考えにもとづいたコメントがついた状態の投稿から、それを見た人まで、投稿者と同じ考えを植えつけられてしまう(印象操作)。
      たとえば、「こんなひどい人がいたんです!」という、投稿者の偏った発信の仕方のせいで、受け取り側も「この人は悪い人だ」という印象で
      見てしまい、事実がどうかが置き去りになってしまったり。
      前後が切り取られた動画で、「こんなことされた!」と投稿者の主張だけが通ってしまって炎上したり。
      事実を確認すると、その動画の前に、投稿者も悪いことをしていた、ということもよくあることです。

      情報を受け取るときには、このような「偏った情報なのではないか?」ということを忘れないようにして、「事実はどうなんだろう?」「これより前にはなにがあったのだろう」と
      想像力を働かせることが必要だ、と筆者は主張しているのですね。

  8. ゆちま より:

    わかりやすい。ためになった。

  9. remonn より:

    筆者は、どうして複数の事例を挙げたのでしょうか?
    また、事例を挙げて説明する効果はあるんですか?

    教えていただきたいです‼

    • yumineko より:

      remonnさん

      「想像力のスイッチを入れよう」は、筆者の考えを読み手に伝えようとする「説明的文章」です。
      なので、目的は「筆者の考え」を読んだ人にできるだけ理解してもらい、納得してもらうことです。

      誰かを説得したり、納得させる時には、できるだけたくさんの事例を挙げるのが効果的です。
      たとえば、remonnさんも、ご両親に何かを買ってもらったりしてほしいとした場合、
      その商品の素晴らしさ、その商品を買ったことによるメリットなど、できるだけたくさんの具体的なアピールポイントを
      伝えますよね。

      たくさんの事例や具体的な事例を紹介することで、より筆者の考えの説得力が増すというわけです。

  10. シュガー より:

    質問です‼

     筆者が「想像力のスイッチ」という表現をしたのはなんでですか❓

     それに対して、ゆみねこさんがどう考えているのか教えてください❕

    • yumineko より:

      シュガーさん

      文章を書く際には、できるだけ読み手の興味を引きつけたり、印象に残るように工夫することが大切です。
      「スイッチ」ということばを使うことで、より具体的なイメージがわきますし、身近なことばを使うことで、読み手もより興味をもってくれる効果もあります。
      「想像力を養いましょう」よりも、「想像力のスイッチを入れよう」というほうが、堅苦しくなく、印象にも残らないでしょうか??

      このサイトを作ったきっかけは、「教科書の表現ではわかりにくい」と感じている子供たちに、より興味をもってもらえるようにカンタンなことばや
      身近なことばで説明することで、勉強を楽しく感じてもらいたい、という思いからです。
      なので、私もできるだけ「想像力のスイッチ」のような、楽しい言い回しを使うように心がけたいと考えています。

  11. ショコラ より:

    「想像力のスイッチを入れよう」の要旨はなんですか?

    教えてください!

    • yumineko より:

      ショコラさん

      「要旨」というと、説明文の場合は大体は筆者の主張が要旨となります。
      「想像力のスイッチを入れよう」の場合は、解説でもまとめているとおり、

      ・同じ出来事でも、発信する側によって内容がずいぶん変わってしまう。
      ・切り取られた情報だけから全体を判断すると思いこみが生まれることがある。
      ・情報には、事実だけでなく印象が入っていることもある。
      ・伝えられていない部分に、何かがかくれているかもしれない。
      ・思いこみや推測によって、だれかが苦しめられたり、だれかが不利益を受けたりすることがある。
      ・思いこみを防ぐには、メディア側も、情報を受け取る側も努力が必要だ。

      これらを踏まえて「想像力のスイッチを入れる」が筆者の主張です。

      要約すると、
      「情報には、事実だけでなく印象が入るため、発信者によって内容が変わる。また伝えられていない部分に何かがかくされている可能性もあり、切り取られた情報だけから全体を判断することによって思い込みが生まれ、誰かの不利益となることもある。それを防ぐには、発信者側の努力はもちろん、受け取る側も『想像力のスイッチを入れる』努力が必要である。」
      というところでしょうか・・。