「からたちの花」内容とポイント解説(テスト対策まとめ)
小学5年生国語でまなぶ「からたちの花」について、テストで必要になるポイントを解説するよ!
「からたちの花」
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目次【本記事の内容】
- 1.「からたちの花」とは?
- 2.どんな内容なの?
- 3.どんな工夫がされているの?
- 4.まとめ
「からたちの花」って
どんな詩なの?
からたちの花 作:北原白秋
からたちの 花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
からたちのとげはいたいよ。
青い青い針のとげだよ。
からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとおる道だよ。
からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。
からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんなやさしかったよ。
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
誰が作った詩なの?北原白秋について
「からたちの花」の詩を作ったのは、北原白秋。
明治時代から昭和時代のあいだ、詩人として活躍した人なんだ。
童謡の歌詞を作ったりもしているよ。
「からたちの花」も、童謡になっているんだよ。
「からたちの花」は6連でできている!
「からたちの花」は、6連でできているんだ。
連って?
連というのは、詩を「大きなまとまりで分けたもの」のこと 。
ふつうの文章だと、大きなまとまりのことを「段落」と呼ぶよね。
文章にとっての「段落」が、詩にとっての「連」だよ。
からたちの花は6連でできている!
①
からたちの 花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
②
からたちのとげはいたいよ。
青い青い針のとげだよ。
③
からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとおる道だよ。
④
からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。
⑤
からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんなやさしかったよ。
⑥
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
ちなみに、「からたちの花」の詩は、同じ数の音で作られていることも覚えておこう。
「からたちの花が咲いたよ(12音)」
「白い白い花がさいたよ(13音)」
のように、どの連も「12音」と「13音」の組み合わせになっているよ。
それから、「からたちの花」は、昔の言葉ではなくて、今と同じ言葉で作られていることも覚えておこう。
テスト対策ポイント①
詩の内容を確認しよう!
「からたちの花」には、よく考えてみないとわからない部分がいくつかあるよ。
テストでは、そこが問題に出されやすいので、ひとつひとつ確認しておこう!
【良く出る】「青い針」とは?
第2連の、「青い青い針のとげだよ」の「青い針」とはなんのことだろう?
すぐ前に、「からたちのとげはいたいよ」と書いてあるとおり、「青い針」というのは、「からたちのとげ」のことだね。
ところで、そもそも「からたち」ってどんな植物なの?
「からたち」は、ミカンの仲間の木なんだ。
春には甘い香りの白い花を咲かせて、10月ごろにはミカンに似ている実がなるよ。
からたちのトゲは、長さが5センチくらいあって、とってもするどいよ。
するどいトゲのおかげで、敵が入ってこないように守るのにちょうどいいから、垣根にされることが多かったよ。
ところで、「青い針」と詩には書かれているけれど、からたちの木のトゲはべつに青くはないよ。
では、なぜ「青い」なんて書いてあるのか?この後くわしく解説するよ。
からたちはどこに咲いているの?
からたちの花が咲いているのは、どこだろう??
第3連には、「からたちは畑の垣根よ。いつもいつも通る道だよ。」と書かれているね。
なので、からたちの花が咲いているのは、「私」がいつも通る道にある、畑の垣根だということがわかるね。
【良く出る】「まろい金のたま」とは?
第4連に出てくる、「まろい金のたま」とはなんのことだろう?
すぐ前には、「からたちも秋は実るよ。」と書かれているね。
「実る」というのは、「実をつける」という意味だね。
なので、「まろい金のたま」は、からたちの実のことだということがわかるね。
「まろい」ってどういう意味?
「まろい」は、まるい形のことだよ。それだけじゃなくて、「角がなくて、おだやか」という意味もあるんだ。
からたちのトゲが青くはないのと同じで、からたちの実もべつに「金色」ではないよ。
では、なぜ「金のたま」という言葉が使われているのか?
これも、後でくわしく解説するよ。
泣いたのはだれ?
やさしかったのはだれ?
第5連には「からたちのそばで泣いたよ みんなみんなやさしかったよ。」と書かれているけれど,いったい誰が泣いたのかな?そして、みんなとは誰のことだろう?
からたちのそばで泣いたのは、からたちの垣根がある道をいつも通ってきた「私」だね。
ところで、「私」というのは、作者の北原白秋さんのことなの?
素直に考えると、「私」はこの詩を作った北原白秋さんのことだと思うよね。
でも、北原白秋さんがこの詩を作ることになったきっかけを考えると、そうとも言い切れないよ。
からたちの花には、人生についての思いがこめられている
「からたちの花」は、童謡にもなっているよね。
実は、「からたちの花」の詩は、童謡の作曲者である、山田耕作さんの体験をもとに北原白秋が作った詩だとも言われているんだ。
山田耕作さんは、働いているところでツライ目にあったとき、畑のからたちの垣根まで逃げ出して泣いていたりしたんだって。
そんな山田耕作さんの体験をもとに作られた「からたちの花」には、人生についての思いがこめられているんだ。
【からたちを人生に例えると・・】
「からたちの花の白さ」には、まだ汚れのない、まっしろな人生という意味がこめられているよ。
「からたちのとげはいたい」には、人生の痛みや苦しみという意味がこめられているんだ。
まだ未熟で若いから、痛みや苦しみを味わうこともあるということで、「青い」という言葉が使われているんだ。
「青い」には、「未熟」という意味があるからね。
「からたちも秋は実るよ」には、人生の成功や、人間として完成するという意味がこめられているんだ。
「からたちも秋は実るよ」の「からたちも」という言葉には、「人間も実る」という意味がかくされていたんだね。
「まろい金のたま」の「まろい」は、からたちの実が丸い形というのはもちろん、人間として完成したことを「まろい(角がなくておだやか)」と表現しているんだね。
「たま」は宝物という意味でもあるんだ。人間として完成した状態を、宝物のようにたとえているんだね。
「金」という色も、人間として完成するから、美しい「金」という言葉が使われているんだね。
そして、最後にまた「からたちの白い花が咲く」と戻ることで、人生はこうやってくりかえしめぐっていく、という意味がこめられていると考えることもできるよ。
こうして考えると、「からたちのそばで泣いた」私というのは、作者の北原白秋さんではなくて、山田耕作さんのことなのかもしれないね。
「みんなみんなやさしかった」も、詩の中では「からたちの花」という意味だけに感じたけれど、山田耕作さんが人生で出会った、まわりの人々のやさしさという意味もこめられているかもしれないよ。
北原白秋がこの詩にこめた思いを考えると、またこの詩から受ける印象が変わってくるね。
テスト対策ポイント②
どんな工夫がされているか確認しよう!
「からたちの花」には、いろいろな工夫がされているよ。
テストでも良く出るので、確認しておこう!
「・・・よ。」という終わり方の工夫
「からたちの花」」は、すべての文が「・・・・よ。」で終わっているよね。
これは、詩を読む人に、やさしく語りかけるようなイメージを持たせるための工夫なんだ。
言葉をくりかえす工夫
「からたちの花」には、同じ言葉がくりかえされるところがたくさん出てくるね。
「白い白い」「青い青い」「いつもいつも」「まろいまろい」「みんなみんな」
こうやって言葉をくりかえすことで、詩にリズム感が生まれて、その言葉が強く印象に残るようにするための工夫なんだ。
「からたちの花」
テスト対策ポイントまとめ
- 作者は北原白秋
- からたちの花は6連でできている
- からたちが咲いているのは、いつも通る道の畑の垣根
- 「青い針」とは、「からたちのとげ」のこと
- 「まろい金のたま」とは「からたちの実」のこと
- からたちのそばで泣いたのは、作者(私)
- やさしかったのは、からたち
- 「・・・よ」と呼びかける終わり方で、やさしさを出している
- くりかえすことで、言葉の印象を強くしている
ここまで学習できたら、「からたちの花」テスト練習問題のページにチャレンジしてみよう!
運営者情報

ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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とてもわかりやすい内容で参考にさせてもらいました。
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分かりやすかった
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先生がいいている事とおんなじ
すごくよかったです
これからも頑張ってください!