【中学歴史】ヨーロッパにおける国民意識の高まりをわかりやすく解説!ドイツ・イタリア統一と中南米の独立
前の単元では、フランス革命とナポレオンの時代について学んだね。
フランス革命では、「人は自由で平等な権利を持つ」「政治の主権は国民にある」という考え方が広がったよ。そしてナポレオンは、戦争によってヨーロッパの多くの地域に影響を広げたんだ。
けれど、ナポレオンの支配を受けた地域では、別の気持ちも強くなっていったよ。それが「自分たちは同じ言葉や文化を持つ仲間なんだ」「外国に支配されず、自分たちの国をつくりたい」という国民意識なんだ。
この単元では、フランス革命とナポレオンの時代のあと、ヨーロッパで国民意識がどのように高まり、ドイツやイタリアの統一、中南米諸国の独立へどうつながっていったのかを見ていこう。

この記事でわかること
- 国民意識とは何か
- フランス革命・ナポレオンと国民意識の関係
- ウィーン会議後のヨーロッパの動き
- 1830年・1848年の革命の意味
- ドイツ統一とビスマルクの役割
- イタリア統一と中南米諸国の独立
目次
国民意識とは?

国民意識とは、「同じ国民としてまとまろう」とする意識のことだよ。
もう少し言うと、言葉、文化、歴史、生活のつながりをもとに、「自分たちは同じ仲間だ」「自分たちの国を自分たちでつくりたい」と考える気持ちのことなんだ。
たとえば、学校でクラス対抗の行事があると、「自分たちはこのクラスの一員だ」という気持ちが強くなることがあるよね。もちろん国民意識はそれよりずっと大きなものだけれど、「同じまとまりに属している」という感覚が強まる点は少し似ているんだ。
18世紀から19世紀のヨーロッパでは、この国民意識が大きな力になっていったよ。
それまでは、王や貴族が国を支配することが当たり前だと考えられることが多かったんだ。でも、フランス革命をきっかけに、「国の主人公は王ではなく国民ではないか」という考え方が広がっていったんだよ。
たろう
くまごろう
フランス革命とナポレオンが国民意識を広げた
フランス革命では、自由、平等、人権、国民主権の考え方が広がったよ。
それまでの社会では、王や貴族など一部の人々が特権を持ち、身分によって人々の立場が大きく分かれていたんだ。そこに対して、フランス革命は「国民が政治の主人公になる」という考え方を示したんだよ。
さらに、ナポレオンがヨーロッパ各地に勢力を広げると、フランス革命の考え方も広がっていったよ。
ただし、ナポレオンの支配を受けた地域の人々が、みんな喜んだわけではないんだ。外国であるフランスに支配されることで、「自分たちの地域や文化を守りたい」「自分たちの国をつくりたい」という気持ちも高まっていったんだよ。
つまり、ナポレオンの支配は、自由や平等の考え方を広げた一方で、各地の人々に「自分たちは何者なのか」を考えさせるきっかけにもなったんだ。
フランス革命・ナポレオンと国民意識の関係
- フランス革命で、自由・平等・国民主権の考え方が広がった。
- ナポレオンの支配によって、その考え方がヨーロッパ各地に伝わった。
- 一方で、外国支配への反発から「自分たちの国をつくりたい」という意識も高まった。
- この流れが、19世紀の国民国家づくりにつながっていった。
ウィーン会議と革命前の秩序
ナポレオンが敗れたあと、ヨーロッパ各国は1814年から1815年にかけてウィーン会議を開いたよ。
ウィーン会議では、フランス革命やナポレオンの時代で大きく変わったヨーロッパを、できるだけ革命前の状態に戻そうとしたんだ。
なぜなら、各国の王や貴族にとって、フランス革命の考え方はとてもこわいものだったからだよ。「国民が王を倒す」「人々が自由や権利を求める」という動きが広がれば、自分たちの国でも革命が起こるかもしれないと考えたんだ。
そこで、ウィーン会議では、王や貴族を中心とする秩序を回復し、革命の広がりをおさえようとしたんだよ。
けれど、一度広がった自由や国民主権の考え方は、完全には消えなかったんだ。人々の間には、「昔のように王や貴族だけが強い政治に戻るのはおかしい」という気持ちが残り続けたよ。
このように、ウィーン会議後のヨーロッパでは、革命前の秩序に戻そうとする動きと、自由や国民意識を求める動きがぶつかっていくことになるんだ。
1830年・1848年の革命
ウィーン会議で革命前の秩序に戻そうとしても、人々の不満はなくならなかったよ。
フランスでは1830年に革命が起こり、さらに1848年にも革命が起こったんだ。これらの革命は、自由や政治参加を求める人々の動きと深く関係しているよ。
1848年の革命は、フランスだけでなくヨーロッパ各地に広がったため、諸国民の春と呼ばれることもあるんだ。各地で、人々が自由な政治や憲法、国民としてのまとまりを求めるようになっていったよ。
ここで大切なのは、革命が起こったからといって、すぐにすべての国で理想の政治が完成したわけではないということなんだ。
でも、1830年や1848年の革命は、「王や貴族だけの政治」から「国民が政治に参加する時代」へ向かう大きな流れを示していたんだよ。
また、この時期には、新聞や学校教育が広がり、多くの人々が同じ情報や同じ言葉を共有しやすくなっていったよ。これも国民意識が高まる大きな背景になったんだ。
産業革命と社会の変化
19世紀のヨーロッパでは、政治だけでなく、社会や経済も大きく変わっていったよ。
特に大きかったのが、産業革命の広がりなんだ。工場で大量にものをつくるようになり、鉄道や蒸気船などの交通も発達していったよ。
交通や通信が発達すると、人やもの、情報が広い範囲で行き来するようになるよね。その結果、同じ地域の人々がつながりやすくなり、「同じ国民」としての意識も高まりやすくなったんだ。
イギリスでは産業革命が進み、1851年にはロンドンで第1回万国博覧会が開かれたよ。これは、工業力や技術の発展を世界に示す大きなイベントだったんだ。
一方で、工場で働く労働者が増え、労働条件や政治参加を求める声も強くなっていったよ。産業革命は、豊かさを生むだけでなく、社会のしくみを変える力にもなったんだ。
産業革命が国民意識に関係する理由
- 鉄道や蒸気船で、人やものの移動が活発になった。
- 新聞や学校教育が広がり、同じ情報を共有しやすくなった。
- 都市で働く人々が増え、政治参加を求める声が強まった。
- 工業力を背景に、国家としてまとまる力が重要になった。
ドイツの統一とビスマルク
19世紀のドイツは、最初から一つの国だったわけではないよ。多くの国や地域に分かれていたんだ。
その中で力を持っていたのが、プロイセンだったよ。プロイセンでは、首相のビスマルクが中心となって、ドイツ統一を進めたんだ。
ビスマルクは、話し合いだけでなく、軍事力も使って統一を進めようとした人物だよ。彼は「鉄血宰相」と呼ばれたんだ。「鉄血」とは、ビスマルクが演説で使った「鉄と血」という表現に由来しているよ。「鉄」は軍事力、つまり武器や兵器、「血」は戦争や兵士の犠牲を意味すると考えるとわかりやすいんだ。
プロイセンは、1866年にオーストリアとの戦争である普墺戦争に勝利し、さらに1870〜1871年にフランスとの戦争である普仏戦争に勝利したよ。その結果、1871年にドイツ帝国が成立したんだ。
このとき、プロイセン王のヴィルヘルム1世がドイツ皇帝となったよ。ドイツは統一によって強い国家となり、のちにヨーロッパの国際関係にも大きな影響を与えていくんだ。
たろう
くまごろうイタリアの統一
イタリアも、19世紀のはじめには一つの国ではなかったよ。北部や中部、南部などがいくつもの国や勢力に分かれていたんだ。
イタリアでは、外国の支配を受けていた地域もあり、「イタリア人として一つの国にまとまりたい」という国民意識が高まっていったよ。
その中心となったのが、北部のサルデーニャ王国だったんだ。サルデーニャ王国は、イタリア統一を進める重要な役割を果たしたよ。
また、南部ではガリバルディが活躍し、統一の動きを進めたんだ。こうした動きが合わさって、1861年にイタリア王国が成立したよ。
ドイツとイタリアの統一は、「同じ民族・文化を持つ人々が一つの国にまとまろうとする動き」として、セットで押さえるとわかりやすいよ。
| 国 | 統一前の状態 | 中心となった国・人物 | 成立 |
|---|---|---|---|
| ドイツ | 多くの国や地域に分かれていた | プロイセン、ビスマルク | 1871年、ドイツ帝国 |
| イタリア | 多くの国や勢力に分かれていた | サルデーニャ王国、ガリバルディなど | 1861年、イタリア王国 |

中南米諸国の独立
国民意識の高まりは、ヨーロッパだけでなく、世界のほかの地域にも関係していたよ。
中南米では、かつてスペインやポルトガルなどの植民地だった地域で、19世紀のはじめに独立の動きが広がったんだ。
この背景には、アメリカ独立革命やフランス革命の影響があったよ。「植民地の人々も、自分たちの政治を自分たちで決めたい」という考え方が広がっていったんだ。
スペインの植民地だったメキシコやアルゼンチンなどが独立し、ポルトガルの植民地だったブラジルも1822年に独立したよ。ブラジルの独立は、ポルトガル王室の一員であったペドロ1世が独立を宣言した点で、スペイン植民地の独立運動とは少し性格が異なるんだ。
ただし、独立したからといって、すぐに安定した政治や平等な社会ができたわけではないんだ。植民地時代からの社会の差や経済の問題は、その後も残り続けたよ。
それでも、中南米諸国の独立は、欧米の革命の考え方が世界へ広がっていったことを示す大切な出来事なんだ。
この単元の大きな流れ
この単元は、出来事の名前を一つずつ覚えるだけだと、少しバラバラに見えてしまうかもしれないね。
でも、流れで見るとかなりわかりやすくなるよ。
ヨーロッパにおける国民意識の高まりの流れ
- フランス革命で、自由・平等・国民主権の考え方が広がる。
- ナポレオンの支配で、ヨーロッパ各地に革命の考え方が伝わる。
- 同時に、外国支配への反発から国民意識が高まる。
- ウィーン会議で革命前の秩序に戻そうとする。
- しかし、1830年・1848年の革命などで、自由や政治参加を求める動きが続く。
- 国民意識を背景に、ドイツやイタリアが統一される。
- 中南米でも、植民地からの独立が進む。
つまり、この単元の中心は、「国民が政治の主人公になる」という考え方と、「同じ国民としてまとまろう」という意識が広がっていったことなんだよ。
次の時代へどうつながる?
19世紀のヨーロッパでは、国民意識の高まりによって、ドイツやイタリアのような新しい強国が生まれたよ。
一方で、国民意識が高まると、「自分たちの国を強くしたい」「ほかの国に負けたくない」という競争心も強くなっていったんだ。
さらに、産業革命によって工業力をつけた国々は、原料や市場を求めて海外へ進出していくようになるよ。
この流れは、次の単元で学ぶ欧米諸国の発展や、アジア・アフリカへの進出、帝国主義の時代へとつながっていくんだ。
だからこの単元は、「国民としてまとまる動き」と「国同士の競争が強まる動き」の両方をつなぐ、とても大切な橋渡しの単元なんだよ。
重要語句ミニ辞典
この単元でよく出る重要語句を整理しておこう。
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 国民意識 | 同じ国民としてまとまろうとする意識。 |
| ウィーン会議 | ナポレオンの退位後、ヨーロッパ各国が革命前の秩序を回復しようとして開いた会議。 |
| 1830年の革命 | フランスで起こった革命。自由を求める動きの一つ。 |
| 1848年の革命 | フランスをはじめヨーロッパ各地に影響を与えた革命。諸国民の春とも呼ばれる。 |
| 産業革命 | 工場で大量にものをつくるようになり、社会や経済が大きく変化したこと。 |
| 万国博覧会 | 各国の工業製品や技術などを展示する国際的な催し。第1回は1851年にロンドンで開かれた。 |
| プロイセン | ドイツ統一の中心となった国。 |
| ビスマルク | プロイセンの首相。ドイツ統一を進め、「鉄血宰相」と呼ばれた。 |
| 普墺戦争 | 1866年、プロイセンがオーストリアに勝利した戦争。ドイツ統一に向けた重要な戦争。 |
| 普仏戦争 | 1870〜1871年、プロイセンがフランスに勝利した戦争。ドイツ帝国成立につながった。 |
| ドイツ帝国 | 1871年に成立した、統一されたドイツの国家。 |
| ヴィルヘルム1世 | プロイセン王。1871年、ドイツ皇帝となった。 |
| サルデーニャ王国 | イタリア統一の中心となった国。 |
| ガリバルディ | イタリア統一運動で活躍した人物。 |
| イタリア王国 | 1861年に成立した、統一されたイタリアの国家。 |
| 中南米諸国の独立 | 19世紀はじめに、スペインやポルトガルの植民地だった地域で独立が進んだこと。 |

テストで問われやすいポイント
テスト対策ポイント
- 国民意識とは、同じ言葉や文化、歴史を持つ人々が「同じ国民としてまとまろう」とする意識のこと。
- フランス革命で、自由・平等・人権・国民主権の考え方が広がった。
- ナポレオンの支配は、革命の考え方を広げる一方で、外国支配への反発や国民意識の高まりも生んだ。
- ウィーン会議は1814〜1815年に開かれ、革命前の秩序を回復しようとした。
- 1830年・1848年の革命では、自由や政治参加、国民としてのまとまりを求める動きが続いた。
- 1848年の革命は、ヨーロッパ各地に広がり、「諸国民の春」とも呼ばれる。
- 産業革命による鉄道・蒸気船・新聞・学校教育の広がりは、国民意識を高める背景になった。
- 1851年、ロンドンで第1回万国博覧会が開かれた。
- ドイツ統一の中心となった国はプロイセン、中心人物はビスマルク。
- ビスマルクは「鉄血宰相」と呼ばれ、軍事力を用いてドイツ統一を進めた。
- プロイセンは、1866年の普墺戦争、1870〜1871年の普仏戦争を経て、1871年にドイツ帝国を成立させた。
- 1871年、プロイセン王ヴィルヘルム1世がドイツ皇帝となった。
- イタリア統一の中心となった国はサルデーニャ王国で、ガリバルディも統一運動で活躍した。
- 1861年、イタリア王国が成立した。
- 中南米では、19世紀はじめにスペインやポルトガルの植民地だった地域で独立が進んだ。
- 中南米諸国の独立には、アメリカ独立革命やフランス革命の影響があった。
練習問題とドリルに挑戦しよう
ここまで学習できたら、ぜひ「ヨーロッパにおける国民意識の高まり」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!
- 『ヨーロッパにおける国民意識の高まり』テスト対策練習問題
- 【中学歴史】「ヨーロッパにおける国民意識の高まり」重要語句ドリル
- 【中学歴史】「国民意識と革命」内容理解ドリル
- 【中学歴史】「ドイツ・イタリアの統一」内容理解ドリル
- 【中学歴史】「中南米諸国の独立」内容理解ドリル
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

