「飛鳥時代」期末テスト対策ポイントまとめ
このページでは、中学歴史「飛鳥時代」について、中学で覚えなきゃいけないことに絞って解説するよ。
中学の歴史は、小学校で習う内容に「さらにエピソードがプラスされたり」、「もっと詳しくなっている」ので、まずは小学校の歴史を理解することが大事だよ。
このサイトの「6年生社会」では、小学校で習う「飛鳥時代」の解説ページもあるので、合わせて読んでみてね!
まずは小学校で習うことをチェックしておこう!
- 蘇我氏と渡来人の関係
- 飛鳥文化について
「プラスされる学習」の前に、まずはサクッと飛鳥時代のことをおさらいしておこう!
飛鳥時代、基本知識をおさらい!
蘇我氏ってなんだっけ?
蘇我氏は、河内地方で栄えた豪族一族
飛鳥時代の豪族たちは、血縁関係を基本に「氏」という集団を作っていたね。
「蘇我氏」というのは、現在の大阪の河内地方で栄えていた豪族だったね。
大和朝廷ってなんだっけ?
大和朝廷は、有力な豪族が連合して作った政府のこと
その中でもトップになる人を決めたんだけど、それが大王だったね。
大王を中心に、有力な豪族たちはそれぞれ決まった役職について朝廷の政治をおこなっていたんだ。
その役職ごとに「姓」という「役職に対しての名前」が豪族にあたえられたね。
このしくみを「氏姓制度」と呼ぶよ。
この言葉は詳しく高校歴史で学習するよ。
蘇我氏ってなんで力を持つようになったんだっけ?
蘇我氏は朝廷の中でもかなり偉い「大臣」という役職の姓を受けていたよ。
なぜなら、蘇我氏はもともと大王の血筋から生まれた一族だったので、朝廷でも力を持っていたという説があるよ。
さらに蘇我氏は「自分の娘を大王の妃にする」方法でどんどんと力をつけていったんだ。
聖徳太子ってどんなことをしたんだっけ?
聖徳太子は、用明天皇の皇子で、本当は厩戸皇子という名前だったね。
女性である推古天皇の摂政をして政治をおこなうサポートをしていたよ。
聖徳太子が目指したのは「天皇を中心とした国づくり」。
そのためにも、豪族が力を持ちすぎないようにしようと色々がんばったんだ。
冠位十二階や十七条の憲法は、そのために作られた制度だったね。
十七条の憲法の条文の中の言葉を埋める問題が定期テストで出た中学校があるよ!
Q:一に曰く、「 」をもって貴しとなし・・
答えは「和」。
仲良くしましょう、という意味だね。
さらに、十七条の憲法と関係の深い宗教を選ぶ問題が出た中学校があるよ。
答えは、「儒教」。
儒教は、孔子が説いた考え方や信仰なんだ。
聖徳太子は儒教の教えを参考にして十七条の憲法を作ったと言われているよ。
十七条の憲法の内容十七条の憲法の内容をかんたんな言葉で解説しているページがあるので、ぜひ参考にしてね!
ざっと飛鳥時代の復習ができたら、いよいよ「中学でプラスされる学習」について解説するよ!
プラスされる学習①
「蘇我氏と渡来人の関係」
朝廷でどんどん力を持って行った蘇我氏だけど、その「力を持った」キッカケのひとつが実は渡来人なんだ。
渡来人は、すぐれた技術や、政治の知識などもっていたよね。
蘇我氏は、渡来人が伝えた仏教を進んで受け入れることで、渡来人と仲良くしたんだ。
そうすることで、蘇我氏は渡来人から進んだ技術や知識をどんどん取り入れて「朝廷でも力を持つ」までパワーアップしたというワケ。
すぐれた技術を持っているということは、より強い武器を作ったりすることもできるからね。
ほかにも、渡来人と仲良くすることで、朝廷の財政(お金をどう使うか計画したり、お金を集めたりすること)を蘇我氏が任されるようになった。
蘇我氏が大和政権でどんどん力をつけていったキッカケのひとつが、渡来人と仲良くしていたことなんだね。
プラスされる学習②
「飛鳥文化について」
仏教は、蘇我氏や聖徳太子に受け入れられたよね。
聖徳太子が作った「十七条の憲法」も、仏教の教えがもとになっていたりしたよね。
政治の中心になった蘇我氏や聖徳太子が仏教を取り入れたことで、ほかの豪族や皇族の間でも仏教が受け入れられるようになったんだ。
こうして、日本で最初の「仏教文化」が広まったよ。
朝廷があった「飛鳥(現在の奈良)」でおこった文化だから、「飛鳥文化」と呼ぶよ。
聖徳太子ゆかりの法隆寺には、飛鳥文化の特徴がたくさんあるよ!
法隆寺のこんなところが飛鳥文化!
法隆寺の中門
法隆寺の中門に使われている柱は、真っ直ぐではなくて、柱の真ん中より下あたりが一番「太い」デザインになっているんだ。
このデザインが、ギリシャのパルテノン神殿の影響を受けている!という説があるよ。
出典元:人文研究見聞録
パルテノン神殿の柱は、古代のギリシャなどで作られている「エンタンシスの柱」というデザイン。
このデザインは、柱を真っ直ぐにしないで、下から上に向かってだんだん細くなるようになっているんだ。
こうすることで、下から見上げた時に「柱がしっかりとしている」ように見えるメリットがあるよ。錯覚の効果だね。
法隆寺の中門に使われている柱も同じデザインなので、「法隆寺の中門の柱は、古代ギリシャの影響を受けている」と考える説※があるんだよ。
※この説には、反対する声もあるよ。
もしこの「エンタンシスの柱」のデザインがギリシャから日本まで伝わったのなら、その途中の地域でも同じようなデザインの柱があっても良いのに、何も無いので「法隆寺の中門の柱のデザインは、日本独自に生み出されたもの」という意見も多いんだ。
法隆寺の金堂釈迦三尊像
中国の竜門石窟の石仏の影響を受けている!
洛陽龍門 賓陽中洞坐佛 posted by (C)zhshzhsh
出典:人文研究見聞録
法隆寺の金堂壁画
インドのアジャンタ壁画の影響を受けている!
左がインドのアジャンダ壁画に描かれているもので、右が法隆寺金堂壁画に描かれている物。とても似ているね。
広隆寺の弥勒菩薩も飛鳥文化!
広隆寺にある弥勒菩薩像も、朝鮮の弥勒菩薩像の影響を受けているよ。
朝鮮の弥勒菩薩像
広隆寺にある弥勒菩薩像
ギリシャに中国、インドに朝鮮・・世界各地の影響を受けているんだね!
飛鳥文化のまとめ
時期 | 推古天皇の時代 (6世紀後半~7世紀なかごろ) |
きっかけ | 仏教賛成派の聖徳太子と蘇我氏から、皇室や有力な豪族へ広まっていった |
特徴 | ・日本で初めておこった仏教文化 ・中国や朝鮮、ギリシャ、インドなど世界レベルの文化の影響をうけている。 ・渡来人が活躍している |
どんな建物があるの? | 法隆寺、四天王寺、飛鳥寺 |
どんな彫刻があるの? | 法隆寺の金堂釈迦三尊像、法隆寺の百済観音像、夢殿救世観音像、広隆寺の弥勒菩薩像、中宮寺の弥勒菩薩像、薬師如来像 |
どんな絵画があるの? | 法隆寺の玉虫厨子須弥座絵 |
どんな工芸品があるの? | 中宮寺の天寿国繍帳、法隆寺の玉虫厨子 |
どんな文化があるの? | 暦、紙、墨、絵の具 |
飛鳥時代の工芸品で、「昆虫の羽を飾りに使った仏具は何か」答える問題が定期テストで出た中学校があるよ!
答えは「玉虫厨子」だね。
中学歴史ではココをプラスで押さえればOK!
飛鳥時代まとめ
・仏教を受け入れていた聖徳太子と蘇我氏から、皇室や有力な豪族に仏教文化が広まった。
・推古天皇の時代に、日本で初めての仏教文化がおこった。
・朝廷のある飛鳥でおこった文化なので、飛鳥文化と呼ぶ。
・法隆寺などの建築物や、仏像、工芸品などは、中国や朝鮮、ギリシャやインドなどの世界的な文化の影響を受けている。
・十七条の憲法は、中国の儒教を参考にしている。
次は大化の改新について解説するよ!
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ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
とってもわかりやすかったです!
ありがとうございました!!