「注文の多い料理店 (宮沢賢治)」あらすじと伝えたいことを考察
宮沢賢治の「注文の多い料理店」について、あらすじや物語の内容とポイント、意味調べに使える言葉の意味一覧をまとめているよ。
作者の伝えたいことはなにか?どうして犬たちは生き返ったのかなど、読書感想文のヒントにもなるよ。
目次
「注文の多い料理店」あらすじ
「注文の多い料理店」のあらすじ・作者・登場人物を確認しよう。
作者について
「注文の多い料理店」は 宮沢賢治(みやざわ けんじ)さんが 書いたお話だよ。宮沢賢治さんは 小学六年生の 国語で習う「やまなし」や、「雨ニモマケズ」「銀河鉄道の夜」などの お話も書いているよ。
登場人物
- 【二人の若い紳士】
東京からやってきた 二人の若い紳士。山奥で 帰り道が わからなくなったところ 見つけた 西洋料理店に入り、いろいろな注文を 受けたよ。実は その注文は 紳士たちを食べようとしていた 山猫が書いたものだったよ。
- 【二疋の犬】
二人の紳士が 連れていた 二匹の 白熊のような犬。山奥で死んでしまったけれど、西洋料理店で 山猫に食べられそうになった 二人の紳士を助けに来たよ。
- 【鉄砲打ち】
鉄砲を打つことが 専門の人(猟師)。二人の紳士を案内していたけれど、山奥すぎて どこかへ行ってしまったよ。
- 【山猫の子分】
西洋料理店にいた 山猫の子分たち。山猫の親分は 紳士たちを食べようとしていたよ。紳士たちに そのことがばれると、子分たちは こそこそ相談したり 「いらっしゃい」と呼びかけたりしたよ。
あらすじ
注文の多い料理店
作:宮沢 賢治
二人の若い紳士が 狩猟を楽しもうと かなりの山奥へ やって来ました。
ところが えものもおらず、案内役の猟師とも はぐれ、連れていたニ疋の犬も 死んでしまいます。
帰り道が わからなくなった二人の紳士は、「山猫軒」という 立派な西洋料理店を見つけ、入りました。
「山猫軒」では 廊下を進むごとに 扉があり、扉には 客への注文が書かれていました。
「当軒は 注文の多い料理店ですから どうかそこはご承知ください」というメッセージに、二人の紳士は 人気のある店だと思いこみ、様々な注文を 都合よく読み取りながら、注文のとおりに したがいました。
扉に書かれた 言葉のとおり、髪を整え、鉄砲を置き、帽子と外套を取り、金物類を置き、顔や手足にクリームを塗る 紳士たち。
ところが 十二個目の「お気の毒でした。もうこれだけです。からだ中に塩をたくさんよくもみ込んでください」という 注文を読んだ 紳士たちは、顔がくしゃくしゃの紙屑のようになり、声もなく泣きました。
なぜなら「注文が多い 西洋料理店」というのは、「店が 客に たくさんの注文をし、客を 西洋料理にして食べる店」であり、自分たちが 食べられようとしていることに 気づいたのです。
最後の扉の 向こう側には 何者かがいて、紳士たちに計画がばれてしまったことに気づくと、こそこそ相談したり 紳士たちに「とにかくいらっしゃい」と 叫んだりしました。
すると 死んでしまったはずの 二疋の白熊のような犬が やって来て 扉に飛びつきました。
「にゃあお、くゎあ、ごろごろ。」という声がして、「山猫軒」はけむりのように 消えました。
「山猫軒」で 紳士たちを食べようとしていたのは、山猫だったのです。
はぐれていた 案内役の猟師の声が 聞こえた 紳士たちは安心し、山鳥を買って 東京に帰りました。
しかし 一度 紙くずのようになった 二人の顔だけは、東京に帰っても、お湯に入っても、元には 戻りませんでした。
「注文の多い料理店」本文
二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。
「ぜんたい、ここらの山は怪しからんね。鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなあ。」
「鹿の黄いろな横っ腹なんぞに、二三発お見舞もうしたら、ずいぶん痛快だろうねえ。くるくるまわって、それからどたっと倒れるだろうねえ。」
それはだいぶの山奥でした。案内してきた専門の鉄砲打ちも、ちょっとまごついて、どこかへ行ってしまったくらいの山奥でした。
それに、あんまり山が物凄いので、その白熊のような犬が、二疋いっしょにめまいを起こして、しばらく吠って、それから泡を吐いて死んでしまいました。
「じつにぼくは、二千四百円の損害だ」と一人の紳士が、その犬の眼ぶたを、ちょっとかえしてみて言いました。
「ぼくは二千八百円の損害だ。」と、もひとりが、くやしそうに、あたまをまげて言いました。
はじめの紳士は、すこし顔いろを悪くして、じっと、もひとりの紳士の、顔つきを見ながら云いました。
「ぼくはもう戻ろうとおもう。」
「さあ、ぼくもちょうど寒くはなったし腹は空いてきたし戻ろうとおもう。」
「そいじゃ、これで切りあげよう。なあに戻りに、昨日の宿屋で、山鳥を拾円も買って帰ればいい。」
「兎もでていたねえ。そうすれば結局おんなじこった。では帰ろうじゃないか」
ところがどうも困ったことは、どっちへ行けば戻れるのか、いっこうに見当がつかなくなっていました。
風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。
「どうも腹が空いた。さっきから横っ腹が痛くてたまらないんだ。」
「ぼくもそうだ。もうあんまりあるきたくないな。」
「あるきたくないよ。ああ困ったなあ、何かたべたいなあ。」
「喰べたいもんだなあ」
二人の紳士は、ざわざわ鳴るすすきの中で、こんなことを云いました。
その時ふとうしろを見ますと、立派な一軒の西洋造りの家がありました。
そして玄関には
RESTAURANT
西洋料理店
WILDCAT HOUSE
山猫軒
という札がでていました。
「君、ちょうどいい。ここはこれでなかなか開けてるんだ。入ろうじゃないか」
「おや、こんなとこにおかしいね。しかしとにかく何か食事ができるんだろう」
「もちろんできるさ。看板にそう書いてあるじゃないか」
「はいろうじゃないか。ぼくはもう何か喰べたくて倒れそうなんだ。」
二人は玄関に立ちました。玄関は白い瀬戸の煉瓦で組んで、実に立派なもんです。
そして硝子の開き戸がたって、そこに金文字でこう書いてありました。
「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」
二人はそこで、ひどくよろこんで言いました。
「こいつはどうだ、やっぱり世の中はうまくできてるねえ、きょう一日なんぎした(苦労した)けれど、こんどはこんないいこともある。このうちは料理店だけれどもただでご馳走するんだぜ。」
「どうもそうらしい。決してご遠慮はありませんというのはその意味だ。」
二人は戸を押して、なかへ入りました。そこはすぐ廊下になっていました。その硝子戸の裏側には、金文字でこうなっていました。
「ことに肥ったお方や若いお方は、大歓迎いたします」
二人は大歓迎というので、もう大よろこびです。
「君、ぼくらは大歓迎にあたっているのだ。」
「ぼくらは両方兼ねてるから」
ずんずん廊下を進んで行きますと、こんどは水いろのペンキ塗りの扉がありました。
「どうも変な家だ。どうしてこんなにたくさん戸があるのだろう。」
「これはロシア式だ。寒いとこや山の中はみんなこうさ。」
そして二人はその扉をあけようとしますと、上に黄いろな字でこう書いてありました。
「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」
「なかなかはやってるんだ。こんな山の中で。」
「それあそうだ。見たまえ、東京の大きな料理屋だって大通りにはすくないだろう」
二人は云いながら、その扉をあけました。するとその裏側に、
「注文はずいぶん多いでしょうがどうか一々こらえて下さい。」
「これはぜんたいどういうんだ。」ひとりの紳士は顔をしかめました。
「うん、これはきっと注文があまり多くて支度が手間取るけれどもごめん下さいと斯ういうことだ。」
「そうだろう。早くどこか室の中にはいりたいもんだな。」
「そしてテーブルに座りたいもんだな。」
ところがどうもうるさいことは、また扉が一つありました。そしてそのわきに鏡がかかって、その下には長い柄のついたブラシが置いてあったのです。
扉には赤い字で、
「お客さまがた、ここで髪をきちんとして、それからはきもの
の泥を落してください。」
と書いてありました。
「これはどうも尤もだ。僕もさっき玄関で、山のなかだとおもって見くびったんだよ」
「作法の厳しい家だ。きっとよほど偉い人たちが、たびたび来るんだ。」
そこで二人は、きれいに髪をけずって、靴の泥を落しました。
そしたら、どうです。ブラシを板の上に置くや否や、そいつがぼうっとかすんで無くなって、風がどうっと室の中に入ってきました。
二人はびっくりして、互によりそって、扉をがたんと開けて、次の室へ入って行きました。早く何か暖いものでもたべて、元気をつけて置かないと、もう途方もないことになってしまうと、二人とも思ったのでした。
扉の内側に、また変なことが書いてありました。
「鉄砲と弾丸をここへ置いてください。」
見るとすぐ横に黒い台がありました。
「なるほど、鉄砲を持ってものを食うという法はない。」
「いや、よほど偉いひとが始終来ているんだ。」
二人は鉄砲をはずし、帯皮を解いて、それを台の上に置きました。
また黒い扉がありました。
「どうか帽子と外套と靴をおとり下さい。」
「どうだ、とるか。」
「仕方ない、とろう。たしかによっぽどえらいひとなんだ。奥に来ているのは」
二人は帽子とオーバーコートを釘にかけ、靴をぬいでぺたぺたあるいて扉の中にはいりました。
扉の裏側には、
「ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金物類、
ことに尖ったものは、みんなここに置いてください」
と書いてありました。扉のすぐ横には黒塗りの立派な金庫も、ちゃんと口を開けて置いてありました。鍵まで添えてあったのです。
「ははあ、何かの料理に電気をつかうと見えるね。金気のものはあぶない。ことに尖ったものはあぶないと斯う云うんだろう。」
「そうだろう。して見ると勘定は帰りにここで払うのだろうか。」
「どうもそうらしい。」
「そうだ。きっと。」
二人はめがねをはずしたり、カフスボタンをとったり、みんな金庫のなかに入れて、ぱちんと錠をかけました。
すこし行きますとまた扉があって、その前に硝子の壺が一つありました。扉には斯う(このように)書いてありました。
「壺のなかのクリームを顔や手足にすっかり塗ってください。」
みるとたしかに壺のなかのものは牛乳のクリームでした。
「クリームをぬれというのはどういうんだ。」
「これはね、外がひじょうに寒いだろう。室のなかがあんまり暖いとひびがきれるから、その予防なんだ。どうも奥には、よほどえらいひとがきている。こんなとこで、案外ぼくらは、貴族とちかづきになるかも知れないよ。」
二人は壺のクリームを、顔に塗って手に塗ってそれから靴下をぬいで足に塗りました。それでもまだ残っていましたから、それは二人ともめいめい(それぞれ)こっそり顔へ塗るふりをしながら喰べました。
それから大急ぎで扉をあけますと、その裏側には、
「クリームをよく塗りましたか、耳にもよく塗りましたか、」
と書いてあって、ちいさなクリームの壺がここにも置いてありました。
「そうそう、ぼくは耳には塗らなかった。あぶなく耳にひびを切らすとこだった。ここの主人はじつに用意周到だね。」
「ああ、細かいとこまでよく気がつくよ。ところでぼくは早く何か喰べたいんだが、どうも斯う(このように)どこまでも廊下じゃ仕方ないね。」
するとすぐその前に次の戸がありました。
「料理はもうすぐできます。
十五分とお待たせはいたしません。
すぐたべられます。
早くあなたの頭に瓶の中の香水をよく振りかけてください。」
そして戸の前には金ピカの香水の瓶が置いてありました。
二人はその香水を、頭へぱちゃぱちゃ振りかけました。
ところがその香水は、どうも酢のような匂がするのでした。
「この香水はへんに酢くさい。どうしたんだろう。」
「まちがえたんだ。下女が風邪でも引いてまちがえて入れたんだ。」
二人は扉をあけて中にはいりました。
扉の裏側には、大きな字で斯う書いてありました。
「いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう。お気の毒でした。
もうこれだけです。どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさん
よくもみ込んでください。」
なるほど立派な青い瀬戸の塩壺は置いてありましたが、こんどというこんどは二人ともぎょっとしてお互にクリームをたくさん塗った顔を見合せました。
「どうもおかしいぜ。」
「ぼくもおかしいとおもう。」
「沢山の注文というのは、向うがこっちへ注文してるんだよ。」
「だからさ、西洋料理店というのは、ぼくの考えるところでは、西洋料理を、来た人にたべさせるのではなくて、来た人を西洋料理にして、食べてやる家とこういうことなんだ。これは、その、つ、つ、つ、つまり、ぼ、ぼ、ぼくらが……。」がたがたがたがた、ふるえだしてもうものが言えませんでした。
「その、ぼ、ぼくらが、……うわあ。」がたがたがたがたふるえだして、もうものが言えませんでした。
「遁げ……。」がたがたしながら一人の紳士はうしろの戸を押そうとしましたが、どうです、戸はもう一分も動きませんでした。
奥の方にはまだ一枚扉があって、大きなかぎ穴が二つつき、銀いろのホークとナイフの形が切りだしてあって、
「いや、わざわざご苦労です。
大へん結構にできました。
さあさあおなかにおはいりください。」
と書いてありました。おまけにかぎ穴からはきょろきょろ二つの青い眼玉がこっちをのぞいています。
「うわあ。」がたがたがたがた。
「うわあ。」がたがたがたがた。
ふたりは泣き出しました。
すると戸の中では、こそこそこんなことを云っています。
「だめだよ。もう気がついたよ。塩をもみこまないようだよ。」
「あたりまえさ。親分の書きようがまずいんだ。あすこへ、いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう、お気の毒でしたなんて、間抜けたことを書いたもんだ。」
「どっちでもいいよ。どうせぼくらには、骨も分けて呉れやしないんだ。」
「それはそうだ。けれどももしここへあいつらがはいって来なかったら、それはぼくらの責任だぜ。」
「呼ぼうか、呼ぼう。おい、お客さん方、早くいらっしゃい。いらっしゃい。いらっしゃい。お皿も洗ってありますし、菜っ葉ももうよく塩でもんで置きました。あとはあなたがたと、菜っ葉をうまくとりあわせて、まっ白なお皿にのせるだけです。はやくいらっしゃい。」
「へい、いらっしゃい、いらっしゃい。それともサラドはお嫌いですか。そんならこれから火を起してフライにしてあげましょうか。とにかくはやくいらっしゃい。」
二人はあんまり心を痛めたために、顔がまるでくしゃくしゃの紙屑のようになり、お互にその顔を見合せ、ぶるぶるふるえ、声もなく泣きました。
中ではふっふっとわらってまた叫んでいます。
「いらっしゃい、いらっしゃい。そんなに泣いては折角のクリームが流れるじゃありませんか。へい、ただいま。じきもってまいります。さあ、早くいらっしゃい。」
「早くいらっしゃい。親方がもうナフキンをかけて、ナイフをもって、舌なめずりして、お客さま方を待っていられます。」
二人は泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。
そのときうしろからいきなり、
「わん、わん、ぐゎあ。」という声がして、あの白熊のような犬が二疋、扉をつきやぶって室の中に飛び込んできました。鍵穴の眼玉はたちまちなくなり、犬どもはううとうなってしばらく室の中をくるくる廻っていましたが、また一声
「わん。」と高く吠えて、いきなり次の扉に飛びつきました。戸はがたりとひらき、犬どもは吸い込まれるように飛んで行きました。
その扉の向うのまっくらやみのなかで、
「にゃあお、くゎあ、ごろごろ。」という声がして、それからがさがさ鳴りました。
室はけむりのように消え、二人は寒さにぶるぶるふるえて、草の中に立っていました。
見ると、上着や靴や財布やネクタイピンは、あっちの枝にぶらさがったり、こっちの根もとにちらばったりしています。風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。
犬がふうとうなって戻ってきました。
そしてうしろからは、
「旦那あ、旦那あ、」と叫ぶものがあります。
二人は俄かに元気がついて
「おおい、おおい、ここだぞ、早く来い。」と叫びました。
簔帽子をかぶった専門の猟師が、草をざわざわ分けてやってきました。
そこで二人はやっと安心しました。
そして猟師のもってきた団子をたべ、途中で十円だけ山鳥を買って東京に帰りました。
しかし、さっき一ぺん紙くずのようになった二人の顔だけは、東京に帰っても、お湯にはいっても、もうもとのとおりになおりませんでした。
「注文の多い料理店」内容とポイント
「注文の多い料理店」の場面分けごとに、内容とポイントを 確認しよう。
場面は、「場所」や「登場人物」、「時間」などが 変わったところをヒントにして 考えるといいよ。(「注文の多い料理店」の場面分けは、先生や学校によって変わる可能性があるよ。)
登場人物の セリフや行動から、「登場人物が どんな気持ちだったか」を 考えてみよう。
第一の場面 二人の紳士が 山奥で道に迷う
第一の場面は「二人の若い紳士が」から「いっこうに見当がつかなくなっていました。」まで。
【場所】だいぶ山奥
【登場人物】二人の紳士・ニ疋の犬・専門の鉄砲打ち
【内容】狩猟にきた 二人の紳士が 山奥で 帰り道が 分からなくなったよ。
二人の若い紳士が、だいぶ山奥を あるいていたね。
二人は「すっかり イギリスの兵隊の かたちをして」「ぴかぴかする 鉄砲をかついで」「白熊のような犬を 二疋つれて」いたね。
「イギリスの兵隊の かたち」とは、イギリスの 兵隊のような かっこうを していた ということだね。
宮沢賢治が 生きていたのは、一八九六年~一九三三年。当時は、商品を 機械で 大量生産することに せいこうしたイギリスが、大きな力を持ち、日本とも同盟(おたがいに助け合うという約束)を結んだりしたよ。この時代は 日本も イギリスのえいきょうを 受けていたんだ。
「ぴかぴかする鉄砲」は きっと 新しい鉄砲だね。
二人の紳士は 狩猟をしたことが ないのかもしれないね。
「白熊のような」とは 白くて 太っている ということだね。
狩猟には 足の速い犬が むいているから、紳士がつれている犬は 狩猟になれた 犬では なさそうだね。
二人は 「なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなあ。」
「鹿の黄いろな 横っ腹なんぞに、二三発 お見舞もうしたら、ずいぶん 痛快だろうねえ。」などと 言ったね。
二人は 狩猟を 楽しいスポーツのように 考えていることが わかるね。
狩猟は 生活のために 獲物をしとめる仕事なのに、二人の紳士は 動物の命を 殺すことを 楽しいと思っていて ざんこくな感じがするね。
二人がいる場所は「案内してきた専門の鉄砲打ちも、ちょっとまごついて、どこかへ行ってしまったくらい」山奥なんだね。
つまり ふだんから狩猟をし、山にくわしい鉄砲打ちも「このあたりは行きたくないな」「案内していいものか」と とまどい、どこかへ行ってしまうほどの、人が おとずれるようなところではない 山奥だったんだね。
紳士たちは 山や狩猟のことを知らず あまく考えていた感じがするね。
猟師体験ツアー みたいなイメージで 遊びに来た感覚 だったのかもしれないね。
すると 犬が二疋とも めまいを起こして 死んでしまったね。
なぜかというと 「あんまり山が物凄い」からだね。
人以上にびん感な犬は 山奥の不気味な気配を 感じ取ったのかもしれないね。
一人は「じつにぼくは、二千四百円の損害だ」と 犬の眼ぶたを、ちょっとかえしてみて言ったね。
もう一人は「ぼくは二千八百円の損害だ。」と 言ったね。
どうして 二人の紳士は お金の話をしたのかな?
それは「犬の命=お金」と考えているからだね。
犬の死を悲しむのではなく、犬のねだん分のお金を 損してしまったことをくやしく思ったんだね。
「犬の眼ぶたを、ちょっとかえしてみて」という行動からも、犬の命を 大事にしていないことがわかるね。
はじめの紳士は、すこし顔いろを悪くして、もう一人の紳士の顔つきを 見ながら「ぼくはもう戻ろうとおもう。」と 言ったね。
「顔いろを悪く」ということは、きっと 獲物もいなく 犬も死んだから なんとなく気分が悪い ということじゃないかな。
「顔つきを見ながら」というのは 相手の反応を うかがっているね。
もう一人も「ぼくも ちょうど寒くはなったし 腹は空いてきたし 戻ろうとおもう。」とこたえたね。
「山奥だし、犬が死んでこわい」という理由ではなく、「寒い」「お腹が空いた」という理由にしているところが、なんだか 強がっている感じが するね。
それから 二人は相談して 宿屋で 山鳥と兎を 買って帰ることにしたね。
なぜかというと 「そうすれば結局おんなじこった」だからだね。
つまり、山鳥と兎を 買うことと、狩りで 獲物をしとめることは 同じ結果だと思っていて、二人は 獲物を持ち帰りさえできれば 満足するんだね。
「手ぶらで帰るのは かっこ悪い。」「山鳥と兎を買えば、と中であきらめたと思われないし、じまんできる。」と 思ったのかもしれないね。
でも 二人は、どっちへ行けば 戻れるのか わからなくなったね。
紳士って、やさしくて きちんとしている かっこいい男の人だと思うな。この二人は 紳士と書いてあるけれど、命を大事にしていないし、お金や自分のことばかりで 紳士らしくないな。
第二の場面 二人の紳士が 西洋料理店を 見つける
第二の場面は 「風がどうと吹いてきて」から「ぼくはもう何か喰べたくて倒れそうなんだ。』」まで。
【場所】西洋料理店の前
【登場人物】二人の紳士
【内容】二人の紳士は 立派な西洋料理店を 見つけて 入ることにしたよ。
「風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました」とあるね。
山奥で 強い風がふいて 草や木の葉、木が いっせいに 音を立てている 不気味な情景を 想像できるね。
でも 二人の紳士は そんなことに気づかなかったのか 気にしなかったのかはわからないけれど、とにかく お腹が空いた という気持ちで いっぱいだったね。
ふと うしろを見ると、立派な 一軒の 西洋造りの家が あったね。
RESTAURANT 西洋料理店 WILDCAT HOUSE 山猫軒
一人の紳士が「ここは これでなかなか 開けてるんだ。入ろうじゃないか」と言ったね。
「開けてる」というのは、立派な西洋料理店があるから 人が住んでいて 意外と開発されている ということだね。
もう一人は「おや、こんなとこに おかしいね。しかし とにかく 何か食事ができるんだろう」と言ったね。
「おかしい」とうたがったけれど、お腹が空いていたから「食事がしたい」という気持ちの方が 強かったんだね。
もう一人が「もちろんできるさ。看板にそう書いてあるじゃないか」と言ったね。
「そう書いてある」とは、「西洋料理店」と 書いてあるから 食事ができる ということだね。
第三の場面 二人の紳士は いろいろな注文を うける
第三の場面は 「二人は玄関に立ちました。」から「下女が風邪でも引いてまちがえて入れたんだ。」まで。
【場所】西洋料理店の中
【登場人物】二人の紳士
【内容】二人の紳士は 西洋料理店の 廊下を 進むたびに、注文をうけたよ。
西洋料理店では 廊下を進むたびに たくさんの扉があって、その扉の表と裏には メッセージが書かれていたね。
紳士たちは 「注文の多い店」という メッセージを読んで、人気のある店だと喜び、自分たちに 都合よく読み取って メッセージのとおりに 行動していくよ。
でも 扉に書かれていたメッセージは 実は 紳士たちを食べようとしていた山猫たちが 書いたものだったんだ。
山猫たちは、紳士たちをおいしく食べるために 全部で 十三個のメッセージ(=紳士たちへの注文)を書いたよ。
このお話の 面白いところは 紳士たちが 受け取った 注文の意味と、山猫たちが 書いた 注文の意味が、すれちがっている ところなんだ。
それぞれの注文の、紳士たちの受け取り方と 山猫たちが考えていたことの ちがいに注目して、読んでいこう。
注文 1
玄関は 白い瀬戸の 煉瓦で、立派だったね。
硝子の開き戸に 金文字で メッセージ(注文)が 書かれていたね。
どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません。
【二人の紳士の 受け取り方】
二人は ひどくよろこんだね。
なぜかというと 「きょう一日 なんぎしたけれど、こんどは こんないいこともある」「このうちは 料理店だけれども ただでご馳走する」と思ったからだね。
「なんぎした」とは 鉄砲打ちとはぐれ、犬が死に、獲物もおらず、帰り道がわからなくなり、お腹も空いた などの、大変だったことだね。
「こんないいこと」とは 立派な西洋料理店を見つけ、しかも 無料なことだね。
もう一人は「どうもそうらしい。決してご遠慮はありませんというのは その意味だ。」と言ったね。
「どうもそうらしい」「その意味」とは、ただでご馳走してくれる ということだね。
つまり 二人は「決してご遠慮はありません」とは、「料理はただです。遠慮しないでくださいね」という意味だと とらえたんだね。
「ご遠慮ありません」という文章は 変だな。「ご遠慮いりません」が正しいんじゃないかな。
おかしな日本語に 気づかないくらい、紳士たちは 自分たちの 都合のいいように 勝手に読み取っているね。
【山猫の 考え】
どなたでもいいから 入ってもらいたい。
ぼくたちは 来た人に 遠慮せずに いろいろな注文をして 食べちゃうぞ。
山猫は ごうかな見た目や ていねいな言葉で 「客を安心させよう」「もてなされていると 思わせよう」としている感じがするね。
他の注文でも ごうかな見た目やていねいな言葉が 使われているから、注目してみよう。
注文 2
中に入ると すぐ廊下があって、硝子戸の裏側に 金文字で メッセージが書かれていたね。
ことに 肥ったお方や若いお方は、大歓迎いたします。
【二人の紳士の 受け取り方】
二人は 大よろこびだったね。
なぜかというと「ぼくらは 大歓迎にあたっている」「ぼくらは 両方兼ねている」からだね。
つまり 二人とも 肥っていて 若いんだね。
「肥っている」「若い」という二つの条件に ぴったり あてはまっていたから、うれしかったんだね。
【山猫の 考え】
油がのった 肥っている人や、しんせんで 上質な肉の 若い人は、おいしいから大歓迎だ。
注文 3
二人は ずんずん廊下を 進んで行ったね。
「ずんずん」という言葉から、二人が歓迎されて いい気分になり 勢いよくあるいていることが わかるね。
今度は 水いろの ペンキ塗りの扉が あったね。
一人が「どうも変な家だ。どうして こんなに たくさん戸が あるのだろう。」と言ったね。
もう一人は「これはロシア式だ。寒いとこや 山の中は みんなこうさ。」と言ったね。
寒い地域では まどや玄関を 二重にして、風や寒い空気が入りにくいように しているところがあるんだ。
だから この紳士は、戸がたくさんあるのは 寒さ対さくだと 思いこんだんだね。
水いろの ペンキ塗りの扉には、黄いろな字で メッセージが あったね。
当軒は 注文の多い料理店ですから どうか そこは ご承知ください。
【二人の紳士の 受け取り方】
一人が「なかなか はやってるんだ。こんな山の中で。」と言ったね。
もう一人も「それあそうだ。」と なっ得し合ったね。
二人は 「注文の多い」を「人気がある」という意味だと思い、人気のあるお店なんだと 感心したんだね。
【山猫の 考え】
おいしく食べるための 注文を たくさんするが、引き受けてほしい。
注文 4
扉の裏側にも、メッセージがあったね。
注文は ずいぶん 多いでしょうが どうか一々こらえて下さい。
【二人の紳士の 受け取り方】
一人は 「これはぜんたいどういうんだ。」と顔をしかめたね。
なんだかおかしいなと うたがったんだね。
もう一人は「きっと 注文が あまり 多くて 支度が手間取るけれども ごめん下さい と斯ういうことだ。」と言ったね。
つまり 客が多くて いそがしいから 料理を 出すのに 時間がかかるという意味だと 思ったんだね。
すると はじめの一人は「そうだろう。早くどこか室の中に はいりたいもんだな。」と言ったね。
一度は うたがったけれど、「注文が多い=客が多くていそがしいから 時間がかかる」という 相手の説明に 同意したんだね。
おかしいなと思っても 相手の意見に すぐに同意したり、自分たちの 都合のいいように 受け取ったりする様子から、紳士たちは「自分がわかっていないことを バカにされたくない」「こわがっているとは 気づかれたくない」と お互いに 見栄を張り合っている 感じがするね。
【山猫の 考え】
おいしく食べるための 注文を たくさんするが 一つ一つがまんしてほしい。
注文 5
次の扉には 赤い字のメッセージと、鏡と長い柄のついたブラシ があったね。
お客さまがた、ここで髪をきちんとして、それから はきものの泥を 落してください。
四つ目までの注文は、お店のしょうかいだったけれど、五つ目の注文からは お客さんに 具体的な指示を 出しているね。
【二人の紳士の受け取り方】
一人が「これはどうも尤もだ。僕もさっき玄関で、山のなかだとおもって 見くびったんだよ」と言ったね。
「これはどうも尤もだ」とあるから 身なりをきれいにしてほしい というメッセージに なっ得しているね。
「山のなかだとおもって見くびった」とは、山の中の お店だから 身なりを気にせず、気軽に入っていいだろう と思っていたんだね。
もう一人は「作法の厳しい家だ。きっと よほど偉い人たちが、たびたび 来るんだ。」と言ったね。
きちんとした身だしなみに こだわっているから、それくらい品のある 偉い人が来るのに ふさわしい店だと 考えたんだね。
髪と靴を きれいにした二人が、ブラシを 板の上に置くや否や、そいつが ぼうっとかすんで 無くなって、風が どうっと 室の中に入ってきたね。
「そいつ」とは、ブラシだね。
二人は びっくりして、互によりそって、扉を がたんと開けて、次の室へ 入ったね。
なぜかというと 使ったはずのブラシが消え、風が吹いた という不気味な出来事に、おどろき こわくなったからだね。
「がたんと開けて」という行動からも「不気味なところから 早く 安全なところへ 行きたい」という 必死な気持ちが 伝わるね。
【山猫の 考え】
おいしく食べたいから、体を きれいにしてほしい。
注文 6
扉の内側に 変なことが 書いてあり、黒い台も あったね。
鉄砲と弾丸を ここへ 置いてください。
【二人の紳士の 受け取り方】
一人が「なるほど、鉄砲を持って ものを食う という法はない。」と言ったね。
「法」は「作法」という意味じゃないかな。
鉄砲を持って 食事をするなんて、食事の場に ふさわしくないと 理解したんだね。
もう一人は「いや、よほど偉いひとが 始終来ているんだ。」と言ったね。
「偉い人が来ているから 作法に 特別気を付けているんだ」と、ここでも 改めて 思ったんだね。
二人は 鉄砲を外して 台の上に置いたね。
【山猫の 考え】
正体がばれて うたれるとこまるから、鉄砲は 置いてほしい。
鉄砲を持っている 二人の格好を どこかから見ていて、この注文を 書いた感じがするね。
注文 7
今度は 黒い扉に メッセージがあったね。
どうか 帽子と外套と靴を おとり下さい。
【二人の紳士の 受け取り方】
一人が「どうだ、とるか。」と言ったね。
どうして 取る必要があるんだろうと ぎ問に思いつつも、相手に 判断を ゆだねている感じが するね。
もう一人は「仕方ない、とろう。たしかに よっぽどえらいひとなんだ。奥に来ているのは」と言ったね。
えらい人が来ている という思いこみを さらに強めて、帽子やコートを 身に着けたままでは、失礼だと 思ったんだね。
二人は 帽子とオーバーコートを ぬいだね。
【山猫の 考え】
食べるのに、帽子と外套は じゃまだ。
注文 8
扉の裏側に メッセージと 黒塗りの立派な金庫と 鍵があったね。
ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金物類、ことに尖ったものは、みんなここに置いてください。
【二人の紳士の 受け取り方】
一人は「ははあ、何かの料理に 電気をつかうと見えるね。」と言ったね。
「電気をつかうと見える」は、電気をつかうと考えられる(予想できる)ということだね。
電気を使うと 金物は 感電する可能性があるから 危ないと 思ったんだね。
もう一人が「そうだろう。して見ると 勘定は帰りに ここで払うのだろうか。」と言うと、紳士たちは「どうもそうらしい。」「そうだ。きっと。」と言い合ったね。
勘定は お会計のことだね。
財布を 金庫に入れるから お会計は 部屋の中ではなく、帰りに 廊下で 払うのだろうと思ったんだんね。
一つ目の注文「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」の時には、ただで ご馳走してくれる と思いこんだのに、ここでは お会計を気にしているから 言っていることが 変わっているね。
でも 二人は 一つ目の注文の時と言っていることが 違うことに 気づいていないね。
きっと 物事を 深く考えているのではなく、その場その場で 自分たちに 都合のいい 読み取り方を しているんじゃないかな。
二人は 金物類を金庫に入れ、錠をかけたね。
【山猫の 考え】
金物や尖ったものが あると、食べにくいし、のどにささったら こまるから 外させよう。
やっぱり 二人の格好を見て 注文を 書いたのかもしれないね。
注文 9
次の扉の前には 牛乳のクリームの入った 硝子の壺があったね。
壺のなかの クリームを 顔や手足に すっかり 塗ってください。
【二人の紳士の 受け取り方】
一人が「クリームをぬれというのは どういうんだ。」と、もう一人に聞いたね。
もう一人は「室のなかが あんまり暖いと ひびがきれるから、その予防なんだ。どうも奥には、よほど えらいひとが きている。こんなとこで、案外ぼくらは、貴族と ちかづきになるかも知れないよ。」と言ったね。
つまり もう一人は クリームは ひびわれを 防止する目的だと 知ったかぶり、店のやさしさだと 思いこんだんだね。
そして「こんなていねいな店には、とても偉い人が 来ているにちがいない。自分たちも、貴族と 知り合えるかもしれない」と喜んだんだね。
貴族と知り合いになることを 期待している ということは、二人の紳士は お金や地位に かちを感じているよね。
よく深い性格を していることが わかるね。
二人は クリームを 顔や手、足に塗ったね。
そして、二人とも めいめい こっそり 顔へ塗るふりを しながら クリームを喰べたね。
「めいめいこっそり」は、おたがいに ばれないように クリームを食べた ということだね。
ずるくて 意地きたない感じが するね。
【山猫の 考え】
おいしく食べるための 味付けとして、クリームを塗らせよう。
注文 10
それから 大急ぎで 扉をあけたね。
「早く食べたい」「クリームを食べたのが ばれないうちに次へ行きたい」という気持ちから「大急ぎ」だったのかもしれないね。
ちいさなクリームの壺が あって、扉の裏側に メッセージが あったね。
クリームを よく塗りましたか、耳にも よく塗りましたか。
【二人の紳士の 受け取り方】
一人が「そうそう、ぼくは 耳には 塗らなかった。」「ここの主人は じつに用意周到だね。」と言ったね。
もう一人は「ああ、細かいとこまで よく気がつくよ。」と言ったね。
二人とも 耳まで塗る という細かいところまで ていねいに 教えてくれるなんて、よく気づく店主だなと 感心したんだね。
【山猫の 考え】
耳に 塗り忘れているから、塗らせよう。
注文 11
すぐその前に 次の戸が あり、金ピカの香水の瓶とメッセージが あったね。
料理は もうすぐできます。十五分と お待たせはいたしません。すぐたべられます。
早くあなたの頭に 瓶の中の香水を よく振りかけてください。
【二人の紳士の 受け取り方】
二人は 香水を 頭へ ぱちゃぱちゃ 振りかけたね。
「すぐたべられます」という言葉や 高級そうな金ぴかの瓶に 飛びついて、二人は まようことなく 喜んで 香水を かけたんだね。
ところが 香水は、酢のような匂がしたね。
一人が「この香水は へんに酢くさい。」と言ったね。
もう一人は「下女が 風邪でも引いて まちがえて入れたんだ。」と 答えたね。
紳士たちは 酢が入っていたのは 下女のミスだと 思ったんだね。
なぜかというと、西洋料理店で 働いている下女が 風邪で においを感じなくなって、酢と香水を 見分けられなかった と考えたからだね。
十個目の注文の時に「ここの主人は じつに用意周到だ」と言っていたから、「店主が まちがえるはずがない。きっと 下女が まちがえたんだ」と勝手に 決めつけたのかもしれないね。
なんだか 身分の低い人を 見下している感じが するね。
【山猫の 考え】
料理は もうすぐ完成だ。十五分もかからずに すぐに 紳士たちを 食べることができるぞ。おいしく食べるための酢を かけておこう。
「金ピカの香水の瓶」は、見た目をごうかにして いい香水と思われるようにしたのかもしれないね。
「すぐたべられます」を 紳士たちは「すぐに食事を食べることができる(〇〇ができる)」ととらえ、山猫は「紳士たちは 山猫に すぐに食べられる(〇〇される)」 という意味で使っているね。
第四の場面 二人の紳士は 自分たちが食べられることに 気づく
第四の場面は 「二人は扉をあけて中にはりました。」から「二人は泣いて泣いて泣いて泣いて 泣きました。」まで。
【場所】西洋料理店の中
【登場人物】紳士・山猫の子分
【内容】二人の紳士は 自分たちが 西洋料理にされて 食べられようとしていることに 気づいたよ。
注文 12
扉の裏側に 大きな字のメッセージと 立派な 青い瀬戸の 塩壺が あったね。
いろいろ注文が 多くて うるさかったでしょう。お気の毒でした。もうこれだけです。どうか からだ中に、壺の中の塩を たくさん よく もみ込んでください。
【二人の紳士の 受け取り方】
こんどというこんどは 二人とも ぎょっとして 顔を 見合せたね。
なぜかというと 二人とも「どうもおかしいぜ。」「ぼくもおかしいとおもう。」と思ったからだね。
一人が「沢山の注文というのは、向うが こっちへ 注文してるんだよ。」と言ったね。
「向う」は西洋料理店、「こっち」は二人の紳士 のことだね。
つまり「注文が多い=人気」ではなく、「西洋料理店が 客に たくさんの注文をする」意味だと気づいたんだね。
もう一人は「西洋料理店というのは、ぼくの考えるところでは、西洋料理を、来た人に たべさせるのではなくて、来た人を 西洋料理にして、食べてやる家とこういうことなんだ。これは、その、つ、つ、つ、つまり、ぼ、ぼ、ぼくらが……。」と言ったね。
もう一人も「西洋料理店は、客を おいしい西洋料理にして食べる店であり、自分たちが 食べられようとしている」と気づいたんだね。
「……」は、「食べられる!」と言おうとしたんじゃないかな。
でも おそろしくて 最後まで言えなかったんだね。
「これは、その、つ、つ、つ、つまり、ぼ、ぼ、ぼくらが」と 読点が続く点や「がたがたがた、ふるえ」「ものが言えない」様子からも、紳士が 食べられるという事実に気づいて あせったり こわがったりしていることが 伝わるね。
もう一人も「その、ぼ、ぼくらが、……うわあ。」がたがたがたがたふるえだして、もうものが言えなかったね。
「……」は「食べられてしまう!」を言おうとしたんじゃないかな。
でも もう一人も、おそろしくて 最後まで言えなかったんだね。
「遁げ……。」がたがたしながら 一人の紳士は うしろの戸を 押そうとしたけれど、戸は もう一分も 動かなかったね。
「遁げ……。」は 「にげよう」もしくは「にげなくちゃ」などと言おうとしたんじゃないかな。
でも 戸は開かず、二人は にげられなかったね。
【山猫の 考え】
いろいろ注文が 多くて めんどうだっただろうに、まんまとひっかかるなんて お気の毒ですね。もうこれで最後だ。おいしく食べるために からだ中に 塩を もみこませよう。
「大きな字」で書いたから、この注文を強調しているよね。
最後の仕上げだから なんとしても やってほしかったんだね。
「立派な青い瀬戸の塩壺」に入れることで 相手に 飛びついてもらいたいという ねらいも感じられるね。
十二個目の注文で、山猫の考えと 紳士が受け取る 注文の意味が 同じになったね。
注文 13
まだ扉があり、大きな二つのかぎ穴と 銀いろのホークとナイフの形が 切りだしてあったね。
いや、わざわざご苦労です。大へん結構に できました。さあさあ おなかに おはいりください。
【二人の紳士の 受け取り方 = 山猫の 考え】
食べられる運命なのに わざわざ 注文にしたがってくれて ご苦労さま。紳士たちが 注文のとおりに 行動してくれたから 大へん おいしそうな いい料理が できたな。さあさあ お腹にお入りください。
もし まだ 紳士たちが 山猫に食べられることに 気づいていなかったら、「おなかに おはいりください」は、「お中(部屋の中)にお入りください」という意味に 受け取っただろうね。
かぎ穴からは きょろきょろ二つの青い眼玉が こっちをのぞいていたね。
つまり 扉の反対側に だれかがいて かぎ穴から 紳士たちを 見ていたんだね。
「うわあ。」がたがたがたがた。「うわあ。」がたがたがたがた。
ふたりは 泣き出したね。
扉のおくに だれかがいるから 食べられると思ったんじゃないかな。
すると 戸の中では、だれかが「だめだよ。もう気がついたよ。」と こそこそ言ったね。
「紳士たちを食べようとしていることがばれた」と思ったんだね。
すると 別のだれかが 「あたりまえさ。親分の書きようが まずいんだ。あすこへ、いろいろ注文が 多くて うるさかったでしょう、お気の毒でしたなんて、間抜けたことを書いたもんだ。」と言ったね。
「あすこ」とは、十二個目の扉の 裏側のことだね。
扉の中にいる だれかには「親分」がいるんだね。
「親分の書きようが まずい」とあるから、扉のメッセージは 親分が 書いていたんだんね。
子分の一人は 親分が「いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう、お気の毒でした」と書いたのは よくないと思っていて、そのせいで 紳士たちに おかしいと気づかれてしまった と考えたんだね。
それから 「どっちでもいいよ。どうせ ぼくらには、骨も 分けて呉れやしないんだ。」
「けれども もし ここへ あいつらが はいって来なかったら、それは ぼくらの責任だぜ。」と言っていたね。
「ぼくら」というのは、親分に したがっている子分たちだね。
「あいつら」は 二人の紳士のことだね。
「それは ぼくらの責任だぜ」とは 紳士たちが来なければ 子分たちが 親分から おこられたり、ばつをあたえられたりする ということだね。
だから「呼ぼうか、呼ぼう。」と言ったね。
子分の一人が「おい、お客さん方、早くいらっしゃい。いらっしゃい。いらっしゃい。」「あとはあなたがたと、菜っ葉を うまくとりあわせて、まっ白なお皿に のせるだけです。はやくいらっしゃい。」と言ったね。
「おい」とらんぼうに 呼びかけているし、食べようとしていることを もうかくしてはいないね。
「早くいらっしゃい。いらっしゃい。いらっしゃい。」とくり返しているセリフから、何としても来てほしい という気持ちが感じられるね。
他の子分も「へい、いらっしゃい、いらっしゃい。それとも サラドは お嫌いですか。そんなら これから 火を起して フライにしてあげましょうか。とにかく はやく いらっしゃい。」と言ったね。
「サラド」は きっと サラダのこと じゃないかな。
紳士たちは サラダにされる予定 だったんだね。
「とにかく はやく いらっしゃい」というセリフからも、「早く来てほしい。来さえすれば、自分たちが 責められない」という気持ちを 想像できるね。
二人は 顔が まるで くしゃくしゃの紙屑のようになり、お互に その顔を見合せ、ぶるぶるふるえ、声もなく 泣いたね。
「まるでくしゃくしゃの紙屑のように」というのは、しわくちゃになった ということじゃないかな。
紙を くしゃくしゃにすると 折れ目(しわ)だらけになるよね。
二人は 自分たちが食べられる というおそろしいじょうきょうに しわくちゃになるほど 顔が ゆがんだんだね。
「声もなく泣いた」とは、おそろしさやショックが あまりにも大きくて 声を出すことも できなかったんじゃないかな。
中では ふっふっとわらって また叫んでいたね。
子分たちは 二人が こわがっている様子を楽しんでいる感じが するね。
中からは「いらっしゃい、いらっしゃい。そんなに泣いては 折角のクリームが 流れるじゃありませんか。へい、ただいま。じきもってまいります。さあ、早くいらっしゃい。」という声が聞こえたね。
「へい、ただいま。じきもってまいります。」は、親分に 言ったんじゃないかな。
親分が「まだか?早くしろ」と 言ったのかもしれないね。
他の子分も「早くいらっしゃい。親方が もうナフキンをかけて、ナイフをもって、舌なめずりして、お客さま方を 待っていられます。」と言ったね。
親分は はらぺこで 今か今かと 待ちかまえているんだね。
二人は 泣いて泣いて泣いて泣いて泣いたね。
「泣いて」が 五回もくり返されているのは、二人が 泣くことしか できなかったということを 表したかったんじゃないかな。
あんなに見栄を張っていた 紳士たちは ただ泣くだけで にげることが できなかったんだね。
第五の場面 犬が 二人の紳士を 助けに来る
第五の場面は、「そのときうしろからいきなり」から「木はごとんごとんと鳴りました。」まで。
【場所】西洋料理店の中
【登場人物】二人の紳士・ニ疋の犬・山猫
【内容】二疋の 白熊のような犬が 二人の紳士を 助けに来たよ。
いきなり あの白熊のような犬が 二疋、扉を つきやぶって 室の中に 飛び込んできたね。
「あの白熊のような犬」とは、二人の紳士が 連れていた犬だね。
えっ!犬は 第一の場面で 死んでしまったんじゃなかった?
そうだね。不思議だね。本当に死んでいたのか 実は 生きていたのか くわしいことは書いていないね。でも 犬は 犬の命を大事にしていなかった紳士たちを 助けに来てくれたんだね。
眼玉は たちまちいなくなったね。
何者かは 犬に気づかれないように 扉からはなれたんだね。
犬は、しばらく 室の中を 廻っていたけれど、また一声「わん。」と 高く吠えて、いきなり 次の扉に 飛びついたね。
戸は、がたりとひらき、犬どもは 吸い込まれるように 飛んで行ったね。
「しばらく 室の中を 廻っていた」という行動から、犬たちは 何者かの気配を感じて 探していた感じがするね。
そして「扉の向こうに だれかがいるぞ」と気づいたんだね。
「がたりとひらき」「吸い込まれるように」という様子から、犬たちが 勢いよく 飛びこんでいったことが わかるね。
扉の向うの まっくらやみのなかで「にゃあお、くゎあ、ごろごろ。」という 声がして、それからがさがさ鳴ったね。
「にゃあお、くゎあ、ごろごろ。」は 猫の鳴き声だよね。
山に住んでいる 野生の猫だから 山猫だね。
第二の場面で 西洋料理店の玄関にも「山猫軒」と書いてあったね。
西洋料理店で 紳士たちを 食べようとしていた者の正体は「山猫」だったというのが、やっとこの場面で 明らかになるんだね。
「がさがさ鳴った」ということは、山猫たちが あわてて 外に にげていったんじゃないかな。
室は けむりのように消え、二人は 寒さに ぶるぶるふるえて、草の中に 立っていたね。
「室」は 西洋料理店のことだね。
「室は けむりのように消え」ということは 西洋料理店は とつぜんなくなったんだね。
それまで 紳士たちは 「こわいから」ふるえていたけれど、室が消えると「寒いから」ふるえているね。
西洋料理店での出来事や こわかった気持ちも、消えた西洋料理店といっしょに わすれてしまった感じがするね。
「風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。」とあるね。
この一文は 第二の場面の始まりと 同じだね。
風がふくと 西洋料理店があらわれ、西洋料理店が消えると また同じ風が ふいたんだね。
「風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました」は、不気味な非現実の世界への 始まりと終わり をあらわしているよ。
第六の場面 二人の紳士が 東京に帰る
第六の場面は、「犬がふうとうなって」から「もうもとのとおりになおりませんでした。」まで。
【場所】山奥から東京へ
【登場人物】二人の紳士・ニ疋の犬・専門の猟師
【内容】二人の紳士は 東京に帰ったけれど、紙くずのようになった顔は もとにもどらなかったよ。
犬が ふうとうなって 戻って来たね。
犬は 戻って来たけれど、山猫に「ここにいるからな!」と いかくしているのかもしれないね。
それから「旦那あ、旦那あ、」と 叫ぶものがあると、二人の紳士は「おおい、おおい、ここだぞ、早く来い。」と叫んだね。
なぜかというと 叫んでいるのは 案内役の猟師で、自分たちを呼んでいる と 気づいたからだね。
「これでやっと帰ることができる。」と ほっとしたんだね。
二人は 途中で 山鳥を買って、東京に帰ったね。
第一の場面で 山鳥を買えば 狩猟をしたのと同じだと 言っていたとおりに、山鳥を買って 帰ったんだね。
「おおい、おおい、ここだぞ、早く来い。」というセリフや 山鳥を買って帰るという行動を見ると、二人の紳士のいばっていて かっこつけている性格は、変わっていないね。
山猫軒でおそろしい目にあったけれど、反省したり、行動に 気を付けたりしている様子は 見られないよね。
でも 一つだけ 変わったことが あったね。
それは 二人の顔だね。
西洋料理店で 自分たちが食べられることに気づき、おそろしさに 顔が紙くずのように しわくちゃになった二人の顔は、東京に帰っても、お湯に入っても もとに もどらなかったんだね。
二人の紳士は 犬のおかげで 命は助かったけれど、しちゃくちゃの顔で 生きていかなければ ならなくなったんだね。
「注文の多い料理店」言葉の意味(意味調べ)
言葉 | 意味 |
---|---|
怪しからん | けしからん。 物事のすじ道から外れていて、とてもよくないこと |
お見舞いもうす | 「お見舞いする」は、「食らわせる」という意味もある |
痛快 | 胸がすっとするほど、気持ちがよいこと |
まごつく | どうすればよいか分からなくて、うろうろすること |
損害 | 事故などで、失われた利益のこと |
切りあげる | 続けていたことに区切りをつけて、いったんそこで終わりにすること |
山鳥 | 山の中にすむ鳥のこと |
見当がつかない | さっぱり想像できないようす |
西洋造り | 建物を西洋風の構造にすること |
開けてる | 人が多く住むようになって、にぎやかなこと |
瀬戸の煉瓦 | 瀬戸焼で有名な、愛知県瀬戸市で作られたレンガのこと |
金文字 | 金泥(きんでい)で書いたり、金ぱくや金粉などで表した文字のこと |
なんぎする | くろうすること |
両方兼ねる | 「兼ねる」とは、一つで、二つ以上の働きをすること。ここでは、「肥っている」と「若い」の両方を、紳士たちが当てはまっていること |
ご承知ください | あらかじめ知っておいてください、ということ |
こらえる | がまんすること |
顔をしかめる | ふきげんになり、顔やおでこの皮をちぢめて、シワをよせること |
支度 | 準備 |
手間取る | 時間がかかること |
柄 | 手でもつためについている、細長い部分 |
尤も | そのとおり |
見くびる | 甘くみること |
作法 | マナー |
髪をけずる | くしで髪をとかすこと |
置くや否や | 置いたとたん |
途方もないこと | どうしてよいか分からないこと |
始終 | はじめから終わりまでずっと |
帯皮 | 幅の広い革ベルト |
外套 | コート |
勘定 | 代金 |
ひびがきれる | 皮膚に乾燥や寒さによって細かい切れ目ができること |
案外 | 思いのほか |
めいめい | それぞれ |
用意周到 | 準備が万全で、すべて整っていること |
下女 | 雑用をさせるために雇う女性。女中 |
一分 | 全体の十分の一 |
間抜け | 気がつかずに馬鹿なことをすること |
俄かに | 急に |
蓑帽子 | 頭から背中にかけてかぶる蓑(新宮沢賢治語彙辞典より) |
「注文の多い料理店」伝えたいこと
作者の宮沢賢治は、このお話で何を伝えたかったのだろう?
はっきりとは書かれていないので「正解」はわからないけれど、「注文の多い料理店」を読んだ人が感じたことをまとめているよ。
動物の命を粗末にする(遊びで猟をするなど)人間に対する、動物からの仕返し→生き物の命を大切にしよう、生き物を粗末にするものには罰がある
人間が一番偉い(ほかの動物を食べるだけ)ではない、人間が食べられることも考える必要がある→命はみんな平等だ
見栄っ張りな人間は、自分を良く見せようとか、豪華なものをすぐに信じてしまうとか、大切なことに気がつかない→見た目だけに騙されず、本当のことを見抜けるようになろう
犬が死んでしまったのに、軽くあつかい、お金のことや自分たちのことばかりを気にかける紳士たち→人間の身勝手さ、強欲さ
軽くあつかわれた犬たちなのに、主人の危機を助けようと駆けつける→動物の無償の愛、愛情の深さ
自分たちを賢い、特別だと思っている人間が、自然や動物に手玉にとられて、顔がくしゃくしゃになるほどになってしまう→欲深く勘違いしている人間に対する皮肉
「注文の多い料理店」考察
「注文の多い料理店」では、不思議な部分がいくつかあるね。
それぞれを考察してみよう。
死んだはずの犬が生き返ったのはなぜ?
紳士たちの飼っていた犬は、泡を吹いて死んでしまったはずだったのに、山猫に食べられそうになった紳士たちを助けにやってきたよね。
これは、「犬が死んだ」というのは、実は山猫の術にすでにかかっていたからで、紳士たちがそう思わされていただけで、本当は生きていたのでは?と考えることもできるよ。
犬たちも山猫の術にかかって、泡を吹いて死んだように気絶してしまっただけかもしれないと考えることもできるね。
でも、最終てきに犬は山猫の術を破って、主人たちの危機を救おうとかけつけたのかもしれないね。
紳士たちの顔がくしゃくしゃのままだったのはなぜ?
恐怖のあまり「顔がくしゃくしゃになった」紳士たち。
なんとか命も助かって、家に戻れたはずなのに、お湯にはいっても戻らなくなってしまったね。
これは、犬たちのおかげで山猫に食べられずにはすんだけれど、生き物の命を軽くあつかった罰として、山猫の呪い(術)がかかったままなのではないかと考えることができるよ。
ほかにも、本当に怖い思いをしたので、紳士たちの心に深く「自然を甘く見てはいけない、生き物を大切にしなくてはいけない、人間が偉いばかりではない」という教訓が刻まれたことを表現しているのではないかとも考えられるね。
運営者情報
ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
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わかりやすかったです!
いつもお疲れ様です!!
わかりやすかったです!ありがとうございますいつもお疲れ様です!!