ラヴェル「ボレロ」解説!作曲者・曲の特徴・リズム・使われる楽器をわかりやすく
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中学校音楽で学習するラヴェル作曲「ボレロ」について、作曲者のラヴェル、曲の特徴、拍子や調、くり返されるリズムと旋律、使われる楽器、テストでよく出る音楽用語をわかりやすく解説するよ。

ラヴェル「ボレロ」テスト対策ポイント
- 作曲者はフランスの作曲家モーリス・ラヴェル
- ラヴェルは近現代の作曲家で、印象派・印象主義と関連づけて扱われることが多い
- ラヴェルは、優れた管弦楽法から「管弦楽の魔術師」と呼ばれることがある
- 「ボレロ」はもともとスペインで生まれた3拍子系の舞曲
- ラヴェルの「ボレロ」は、1928年にバレエ音楽として作曲された
- 拍子は4分の3拍子
- 基本の調はハ長調で、曲の終わり近くに一時的にホ長調へ転調し、その後ハ長調に戻って終わる
- スネアドラムから始まる同じリズム型が、ほぼ全曲を通してくり返される
- 2種類の旋律A・Bが、A・A・B・Bを基本にくり返される
- 最初はpp(ピアニッシモ)で始まり、曲全体が長いクレッシェンドのようにだんだん強くなっていく
- はじめに主題を演奏する楽器はフルート
- ピッツィカート、グリッサンド、弱音器、チェレスタ、サクソフォーンなどの語句もテストでよく出る
目次
ラヴェル「ボレロ」の基本情報
「ボレロ」は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが作曲したオーケストラ作品だよ。
もともとはバレエ音楽として作られたけれど、今日ではバレエをともなわずに、オーケストラだけで演奏されることも多いんだ。
| 曲名 | ボレロ |
| 作曲者 | モーリス・ラヴェル ※フルネームではジョゼフ・モーリス・ラヴェルと表記されることもある |
| 作曲された年 | 1928年 |
| 初演 | 1928年、パリ・オペラ座 |
| 作曲者の国 | フランス |
| 音楽的時代 | 近現代 ※印象派・印象主義と関連づけて扱われることも多い |
| 拍子 | 4分の3拍子 |
| 基本の調 | ハ長調 ※終結部で一時的にホ長調へ転調し、その後ハ長調に戻る |
| 演奏形態 | オーケストラ |
| 大きな特徴 | 同じリズムと2種類の旋律がくり返され、楽器を変えながらだんだん強くなっていく |
くまごろう作曲者ラヴェルについて

「ボレロ」を作曲したのは、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルだよ。
フルネームでは、ジョゼフ・モーリス・ラヴェルと表記されることもあるんだ。

ラヴェルは、1875年にフランス南西部のバスク地方にあるシブールで生まれたよ。
幼いころ(6歳ごろ)からピアノを学び、14歳でパリ音楽院に入ったよ。その後、作曲家ガブリエル・フォーレの作曲クラスで学んだんだ。
ラヴェルは、細やかで美しい響きを作ることがとても得意だった作曲家だよ。
特に、オーケストラの楽器をどのように組み合わせれば、どんな色合いの音になるのかを考える力にすぐれていたんだ。
オーケストレーションとは
オーケストレーションとは、オーケストラで演奏するときに、どの楽器にどの旋律や伴奏を担当させ、どのような音色の組み合わせを作るかを考えることだよ。
ピアノ曲などをオーケストラ用に編曲する場合にも使われる言葉なんだ。
ラヴェルは、管弦楽の響きを作るのがとても上手だったため、「管弦楽の魔術師」と呼ばれることがあるよ。
ムソルグスキーのピアノ曲「展覧会の絵」をオーケストラ用に編曲したことでも有名なんだ。
ラヴェルの代表作には、「ボレロ」のほかに、バレエ音楽「ダフニスとクロエ」、ピアノ曲「水の戯れ」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」などがあるよ。
ラヴェルの音楽的時代
ラヴェルは、近現代の作曲家として扱われることが多いよ。
また、ドビュッシーとともに印象派、または印象主義の作曲家として紹介されることもあるんだ。
ただし、音楽の時代区分にはいろいろな考え方があるよ。
学校のテストでは、教科書や授業プリントでどのように説明されているかを優先して覚えよう。
くまごろう「ボレロ」とはどんな曲?

「ボレロ」とは、もともと18世紀のスペインで生まれた3拍子系の舞曲のことだよ。
ラヴェルの「ボレロ」も、4分の3拍子で書かれているんだ。ただし、伝統的な舞曲をそのまま再現したものではなく、ボレロのリズムをもとに独自の作品として作られているよ。
ラヴェルの「ボレロ」は、1928年にバレエ音楽として作曲され、同じ年にパリのオペラ座で初演されたよ。
「ボレロ」のあらすじ
初演時の「ボレロ」は、スペインの酒場を舞台にしたバレエだったよ。
周囲の人々に促された一人の踊り手が長いテーブルの上で踊りはじめ、音楽が強くなるにつれて、踊りも少しずつ激しさを増していくんだ。
まわりの人々も次第に熱狂し、舞台の緊張と興奮はどんどん高まっていく。
最後は、大きな緊張と興奮の中で激しく終わるんだ。
つまり「ボレロ」は、一人の踊りから始まった熱気が、音楽とともに大きく高まっていく作品なんだね。
「ボレロ」のあらすじで覚えたいキーワード
- スペインの酒場
- 一人の踊り子
- 長いテーブルの上で踊りはじめる
- だんだん高まる熱気
- 最後は大きな緊張と興奮の中で激しく終わる
「ボレロ」はなぜ有名なの?
「ボレロ」がとても有名なのは、曲のつくりがとても独特だからだよ。
ふつうの曲では、途中で新しいメロディーが出てきたり、テンポが変わったり、曲想が大きく変化したりすることが多いよね。
でも「ボレロ」は、ほとんど最後まで、同じリズムと2種類の旋律をくり返しているんだ。
それなのに退屈にならないのは、主題を演奏する楽器が次々に変わり、音色が少しずつ変化していくからなんだよ。
さらに、最初はpp(ピアニッシモ)というとても弱い音で始まり、曲の終わりに向かって、どんどん音が大きくなっていくよ。
このため「ボレロ」は、曲全体が一つの長大なクレッシェンドのように作られた作品として知られているんだ。
クレッシェンドとは
クレッシェンドとは、音をだんだん強くするという意味の音楽用語だよ。
「ボレロ」では、曲全体が大きなクレッシェンドのように作られているんだ。
「ボレロ」のリズムと旋律A・B
「ボレロ」を理解するうえで、とても大切なのが、くり返されるリズムと2種類の旋律A・Bだよ。
スネアドラムがくり返す「ボレロのリズム」
「ボレロ」では、スネアドラムから始まる同じリズム型が、ほぼ全曲を通してくり返されるよ。
曲が進むと、ほかの打楽器や複数のスネアドラムも加わりながら、このリズムが曲全体を支えていくんだ。

最後の2小節ではリズム型がくずれる
スネアドラムは、ほぼ全曲を通して同じリズム型をくり返すけれど、最後の2小節では、それまで続いてきたリズム型を離れ、オーケストラとともに曲を終結させるリズムへ変化するよ。
同じリズム型をくり返し続ける「ボレロ」の中で、反復の規則がくずれる例外的な場面なんだ。
スネアドラムは、日本語では小太鼓と呼ばれることもあるよ。
「ボレロ」では、このスネアドラムのリズムが、まるで踊りの足音や、少しずつ高まる鼓動のように、曲全体を支えているんだ。
くまごろう旋律Aと旋律B
「ボレロ」では、主題となる旋律が2種類あるよ。
この記事では、テストでよく使われる表し方に合わせて、旋律Aと旋律Bと呼ぶね。
旋律A
旋律Aは、比較的わかりやすく、すっきりした印象の旋律だよ。
はじめにフルートがこの旋律を演奏するところは、テストでもよく出るポイントなんだ。

旋律B
旋律Bは、旋律Aよりも少し不思議な響きに感じられるかもしれないね。
楽譜を見ると、旋律Bには、ハ長調の音階には含まれない音を示す臨時記号が多く使われていることがわかるよ。
そのため、旋律Aとは違った独特の色合いに聞こえるんだ。

旋律Aと旋律Bの見分け方
- 旋律A:比較的すっきりした印象
- 旋律B:臨時記号が多く、少し独特な響きがする
- 楽譜問題では、旋律Bにフラットなどの臨時記号が多いことに注目しよう
旋律はどのようにくり返される?
「ボレロ」では、旋律Aと旋律Bが、次のようにくり返されるよ。
A → A → B → B → A → A → B → B → A → A → B → B → A → A → B → B → A → B
つまり、Aが2回、Bが2回ずつ提示される形を基本に、2種類の旋律が何度もくり返されるんだ。
主題となる旋律は、AとBを合わせて全部で18回提示されるよ。AとBはそれぞれ9回ずつ登場し、最後はA・Bの順に1回ずつ提示されるんだ。
ここで大切なのは、「メロディーそのものがどんどん変わる曲」ではなく、同じ旋律を、楽器や音色を変えながらくり返す曲だということなんだ。
「ボレロ」で使われる楽器

「ボレロ」は、オーケストラで演奏される曲だよ。
ただし、ただ大勢の楽器がいっせいに鳴るだけではなく、最初は少ない楽器から始まり、少しずつ楽器が増えていくところが特徴なんだ。
同じ旋律でも、楽器が変わると、まるで違う色に聞こえるよね。
ラヴェルは、その「音色の変化」をとても巧みに使っているんだ。
主題を担当する楽器と音色の組み合わせ(1~11回目)
「ボレロ」では、主題を演奏する楽器が少しずつ変わっていくよ。前半では主題が主に1つの楽器から次の楽器へ受け渡され、途中から複数の楽器の組み合わせが使われるんだ。後半になると、弦楽器やほぼ全オーケストラへと広がっていくよ。
細かい順番まで毎回テストに出るとは限らないけれど、最初のフルートや、珍しい楽器であるサクソフォーン、チェレスタ、オーボエ・ダモーレなどは確認しておこう。
| 回数・旋律 | 主題を担当する楽器・音色の組み合わせ | ポイント |
|---|---|---|
| 1回目(A) | フルート | 最初に主題を演奏する楽器。頻出 |
| 2回目(A) | クラリネット | シングルリードの木管楽器 |
| 3回目(B) | ファゴット | 長い管が二つ折りになっている木管楽器 |
| 4回目(B) | 小クラリネット | クラリネットの仲間 |
| 5回目(A) | オーボエ・ダモーレ | オーボエよりやわらかい音色 |
| 6回目(A) | フルート+弱音器を付けたトランペット | 2つの楽器を重ね、独特の音色を作る |
| 7回目(B) | テナーサクソフォーン | オーケストラでは比較的珍しい楽器 |
| 8回目(B) | ソプラニーノ・サクソフォーン ※演奏ではソプラノサクソフォーンが使われる場合もある | サクソフォーンの仲間 |
| 9回目(A) | ホルン+2本のピッコロ+チェレスタ | ホルンの主旋律に、2本のピッコロとチェレスタの音を重ねる |
| 10回目(A) | オーボエ・ダモーレ+複数のクラリネット+コーラングレ | 複数の木管楽器を重ねた音色 |
| 11回目(B) | トロンボーン | 独奏の動きと音色が特徴的 |
12回目以降は、複数の木管楽器や弦楽器などが加わり、主題を演奏する編成がしだいに大きくなっていくよ。最後には、ほぼオーケストラ全体による力強い響きへと広がるんだ。
くまごろうスネアドラム

スネアドラムは、小太鼓とも呼ばれる打楽器だよ。
「ボレロ」では、ほぼ最初から最後までリズムをきざみ続ける、とても重要な楽器なんだ。
フルートとピッコロ
フルートは、「ボレロ」で最初に主題を演奏する楽器だよ。
金属製に見えるため金管楽器と間違えやすいけれど、分類は木管楽器なんだ。

フルートの演奏を実際に聴いてみよう。
ピッコロはフルートの仲間で、フルートよりも小さく、1オクターブ高い音が出るよ。
「ピッコロ」はイタリア語で「小さい」という意味なんだ。

クラリネット・オーボエ・ファゴット
クラリネット、オーボエ、ファゴットは、どれも木管楽器だよ。
木管楽器か金管楽器かは、あとで詳しく説明するけれど、楽器の材料だけではなく、音を出すしくみで分類されるんだ。

クラリネットの演奏を実際に聴いてみよう。
ファゴットは、長い管が二つ折りにされているのが特徴だよ。
見た目の特徴も、楽器名を答える問題で出やすいので確認しておこう。

ファゴットの演奏を実際に聴いてみよう。
オーボエ・ダモーレは、オーボエの仲間の木管楽器だよ。
「オーボエダモーレ」と、中黒を入れずに表記されることもあるんだ。
名前に使われているamore(アモーレ)は、イタリア語で「愛」という意味だよ。
そのため、オーボエ・ダモーレは「愛のオーボエ」という意味の名前なんだ。

オーボエとの違い
オーボエ・ダモーレは、ふつうのオーボエよりも管が少し長く、オーボエよりも低い音が出るよ。
オーボエがハ調の楽器であるのに対して、オーボエ・ダモーレはイ調の移調楽器なんだ。
楽譜に書かれた音よりも、実際には短3度低い音が鳴るよ。
オーボエ・ダモーレの特徴
- オーボエの仲間の木管楽器
- 2枚のリードを使うダブルリードの楽器
- オーボエよりも管が少し長い
- オーボエよりも低く、やわらかい音が出る
- 先端のベルが、丸みのある卵形になっている
- イ調の移調楽器
音色の特徴
オーボエ・ダモーレの音色は、オーボエに似ているけれど、オーボエよりも少し低く、やわらかく落ち着いた響きをもっているよ。
オーボエの明るくはっきりした音に比べると、オーボエ・ダモーレは、あたたかく、少しくすんだような音色に感じられることもあるんだ。
「ボレロ」ではどのように使われる?
「ボレロ」では、オーボエ・ダモーレが主題を担当する場面があるよ。
主題がさまざまな楽器へ受け渡されていく中で、オーボエ・ダモーレのやわらかく独特な音色が加わることで、それまでとは違った音の色合いが生まれるんだ。
後の主題では、オーボエ・ダモーレがクラリネットの仲間やコーラングレなどと重なり、複数の木管楽器を組み合わせた複雑な音色も作られるよ。
くまごろうサクソフォーン

サクソフォーンは金属でできているけれど、リードを使って音を出すため、分類としては木管楽器だよ。
「ボレロ」では、サクソフォーンのように、オーケストラでは比較的珍しい楽器が使われていることも特徴なんだ。
楽器名は、サクソフォーン、サクソフォン、サックスなどと表記されることがあるよ。
文字数指定がある問題では、指定に合わせて答えよう。
テナーサクソフォーンの音色を聴いてみよう。
チェレスタ

チェレスタは、見た目は小さなピアノのような鍵盤楽器だよ。
でも、ピアノのように弦をハンマーでたたくのではなく、金属音板をハンマーでたたいて音を出すんだ。
そのため、きらきらした、少し幻想的な音色がするよ。
「ボレロ」では、ピッコロやホルンなどと組み合わさって、独特の音色を作っているんだ。
チャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」の金平糖の踊りの場面で演奏されるチェレスタの音色を聴いてみよう。
弱音器を付けたトランペット
「ボレロ」では、弱音器を付けたトランペットも使われるよ。
「弱音トランペット」と呼ばれることもあるけれど、特別な種類のトランペットではなく、ふつうのトランペットのベルに弱音器を取り付けて演奏しているんだ。

弱音器とは
弱音器は、楽器に取り付けて、音量や音色を変えるための器具だよ。
カタカナではミュートともいうんだ。
トランペットでは、音が出るベルの部分に弱音器を取り付けるよ。
弱音器を付けると、音がただ小さくなるだけではなく、明るく華やかなトランペットの音色が、少しおさえられた、細く遠くに聞こえるような音色へ変化するんだ。
弱音器を付ける目的
- 音量をおさえる
- 音色を変化させる
- ほかの楽器と重ねたときに、新しい音色を作る
「ボレロ」ではフルートと一緒に演奏する
「ボレロ」では、主題がさまざまな楽器へ受け渡されていくよ。
主題の6回目では、弱音器を付けたトランペットとフルートが一緒に主題を演奏するんだ。
トランペットだけで演奏すると、明るく力強い音が目立つよね。
そこで弱音器を付けて音色をやわらげ、フルートの音と重ねることで、どちらか一方の楽器だけでは作れない、少し不思議で独特な音色を生み出しているんだ。
これは、異なる楽器の音色を組み合わせて新しい響きを作る、ラヴェルのすぐれたオーケストレーションがよく分かる部分だよ。
くまごろうトロンボーン

トロンボーンは、スライドと呼ばれる伸縮する管を動かして音の高さを変える金管楽器だよ。
この仕組みによって、音の高さを連続的に変えるグリッサンドを表現しやすいんだ。ただし、「ボレロ」のトロンボーン独奏全体がグリッサンドで演奏されるわけではないよ。
木管楽器と金管楽器はどうやって分けるの?
木管楽器と金管楽器は、楽器が木でできているか、金属でできているかだけで分けられているわけではないよ。
基本的には、どのようなしくみで音を出すかによって分類されるんだ。
木管楽器と金管楽器の大きな違い
- 木管楽器:息を吹き込み、空気の流れやリードの振動によって音を出す
- 金管楽器:マウスピースに当てた唇を振動させて音を出す
木管楽器の音の出し方
木管楽器には、音を出すしくみがいくつかあるよ。
- フルート・ピッコロ:吹き口の縁に息を当て、空気の流れを振動させて音を出す
- クラリネット・サクソフォーン:1枚のリードを振動させて音を出す
- オーボエ、オーボエ・ダモーレ、コーラングレ、ファゴット:2枚のリードを重ねたダブルリードを振動させて音を出す
リードとは、息を吹き込むと振動して音を生み出す薄い板のことだよ。
リードとは
リードとは、管楽器のマウスピースなどにつけて、息を吹き込んだときに振動して音を出す薄い板のことだよ。
葦(あし)やダンチクなどの植物を素材にして作られることが多いんだ。
クラリネットやサクソフォーンは、1枚のリードを使うシングルリードの楽器だよ。
オーボエやファゴットは、2枚のリードを重ねたダブルリードの楽器なんだ。
金管楽器の音の出し方
金管楽器は、奏者がマウスピースに唇を当て、息を吹き込みながら唇そのものを振動させて音を出すよ。
トランペット、ホルン、トロンボーン、チューバなどは、すべてこのしくみで音を出すため、金管楽器に分類されるんだ。
トランペットやホルンは、バルブを押して管の長さを変えることで音の高さを調節するよ。
トロンボーンは、スライドを動かして管の長さを変え、音の高さを調節するんだ。
金属でできていても木管楽器になる
ここで間違えやすいのが、フルートとサクソフォーンだよ。
現在のフルートやサクソフォーンは、金属で作られているものが多いよね。
けれど、どちらも唇を振動させて音を出す金管楽器ではないため、木管楽器に分類されるんだ。
- フルート:吹き口の縁に息を当てて音を出すため、木管楽器
- サクソフォーン:リードを振動させて音を出すため、木管楽器
- トランペット:唇を振動させて音を出すため、金管楽器
- トロンボーン:唇を振動させて音を出すため、金管楽器
くまごろう終結部で加わる打楽器
「ボレロ」で最も目立つ打楽器は、ほぼ全曲を通して同じリズム型をくり返すスネアドラムだよ。
けれど、使われている打楽器はスネアドラムだけではないんだ。
曲がクライマックスに近づくと、ティンパニ、バスドラム、シンバル、タムタムなども加わり、オーケストラ全体の響きをさらに大きく、力強くしていくよ。
タムタムとは
タムタムは、大きな金属製の円盤を、やわらかいばちで打って音を出す打楽器だよ。
中国を起源とする銅鑼の仲間で、英語ではtam-tamと表記されるんだ。

見た目はゴングとよく似ているけれど、オーケストラでは、決まった音の高さをもたない大きな金属製打楽器を、タムタムと呼ぶことが多いよ。
タムタムの音の特徴
- 低く重い響きがする
- 音を打ったあとも余韻が長く残る
- 決まった音の高さを感じにくい
- 緊張感や迫力、衝撃を強めることができる
「ボレロ」では、タムタムは曲の終わり近くで加わるよ。
それまで少しずつ大きくなってきた音楽に、低く広がる重い響きを重ねることで、クライマックスの迫力と緊張感をいっそう強めているんだ。
スネアドラムが曲全体のリズムを支える役割をもつのに対して、タムタムは終結部の衝撃と迫力を強める役割をもつと考えると、違いが分かりやすいよ。
くまごろうテストで出やすい奏法・音楽用語
ピッツィカート
ピッツィカートとは、弦楽器の弦を弓ではなく、指でつまんではじいて音を出す奏法のことだよ。

「ボレロ」では、冒頭から弦楽器による伴奏としてピッツィカートが使われているよ。
音を短く、リズムよく響かせることができる奏法なんだ。
表記として「ピチカート」「ピツィカート」と書かれることもあるけれど、この記事ではピッツィカートに統一するね。テストでは、授業プリントの表記に合わせると安心だよ。
グリッサンド
グリッサンドとは、一音一音をはっきり区切らず、音の高さをなめらかにすべらせるように上下させる奏法のことだよ。
「ボレロ」のトロンボーン独奏には、音をなめらかにつなぐグリッサンド的な動きが含まれているよ。
ただし、独奏全体を一続きのグリッサンドとして演奏するわけではなく、楽譜に書かれた音を演奏しながら、部分的になめらかな動きを生かしているんだ。
弱音器(ミュート)
弱音器とは、楽器の音量や音色を変えるために取りつける器具のことだよ。
カタカナではミュートともいうんだ。
「ボレロ」では、主題の6回目に、弱音器を付けたトランペットとフルートが重なって演奏し、独特の音色を作るよ。
なお、練習のために音量をおさえる「消音器」と、演奏表現のために音量や音色を変える弱音器は、目的が少し違うので注意しよう。
転調
転調とは、曲の途中で調が変わることだよ。
「ボレロ」は基本的にはハ長調で進むけれど、終結部で突然ホ長調に転調し、その状態が8小節続いたあと、再びハ長調に戻って終わるんだ。

ずっと同じリズムと旋律がくり返されてきたところで、終わり近くに急に調が変わるため、強いインパクトが生まれるよ。

「ボレロ」重要語句のまとめ
| 語句・項目 | 意味・ポイント |
|---|---|
| 作曲者 | モーリス・ラヴェル。フランスの作曲家 |
| 出生地 | フランス南西部、バスク地方のシブール |
| 音楽的時代 | 近現代。印象派・印象主義と関連づけて扱われることも多い |
| 異名 | 優れた管弦楽法から「管弦楽の魔術師」と呼ばれることがある |
| 代表作 | 「ボレロ」「ダフニスとクロエ」「水の戯れ」「亡き王女のためのパヴァーヌ」など |
| オーケストラ編曲 | ムソルグスキー「展覧会の絵」の編曲で知られる |
| ボレロ | もともとは18世紀スペインで生まれた3拍子系の舞曲 |
| 拍子 | 4分の3拍子 |
| 基本の調 | ハ長調。終結部で一時的にホ長調へ転調し、その後ハ長調に戻る |
| 初演 | 1928年、パリ・オペラ座 |
| 演奏形態 | オーケストラ |
| スネアドラム | この楽器から始まる同じリズム型が、ほぼ全曲を通してくり返される |
| 旋律A・B | 2種類の主題。旋律Bは臨時記号が多い |
| pp | ピアニッシモ。とても弱く |
| クレッシェンド | だんだん強く |
| ピッツィカート | 弦楽器の弦を指ではじいて音を出す奏法 |
| グリッサンド | 音の高さをなめらかにすべらせる奏法。トロンボーンで出題されやすい |
| 弱音器 | ミュートともいう。音量や音色を変える器具 |
| チェレスタ | 金属音板をハンマーでたたいて音を出す鍵盤楽器 |
| サクソフォーン | 金属製だが、リードで音を出すため木管楽器に分類される |
「ボレロ」テスト対策ポイント
- 作曲者はモーリス・ラヴェル
- ラヴェルはフランスの作曲家で、近現代・印象派と関連づけて扱われる
- ラヴェルは、優れた管弦楽法から「管弦楽の魔術師」と呼ばれることがある
- 「ボレロ」は1928年にバレエ音楽として作曲された
- 4分の3拍子、基本はハ長調
- 終結部で一時的にホ長調へ転調し、その後ハ長調に戻って終わる
- スネアドラムから始まる同じリズム型が、ほぼ全曲を通してくり返される
- 2種類の旋律A・Bがくり返される
- 最初に主題を演奏する楽器はフルート
- 旋律Bは臨時記号が多く使われている
- ppから始まり、曲全体が長いクレッシェンドのようにだんだん強くなる
- ピッツィカート、グリッサンド、弱音器、チェレスタ、サクソフォーンの特徴を確認しよう
ここまで学習できたら、ラヴェル「ボレロ」のテスト対策練習問題とドリルにも挑戦しよう!
ラヴェル「ボレロ」テスト対策練習問題①:作曲者・曲の特徴・リズム・奏法
ラヴェル「ボレロ」テスト対策練習問題②:旋律・聞き取り・使われる楽器
【中学音楽】ラヴェル「ボレロ」重要語句ドリル
【中学音楽】「ボレロ」旋律・リズム・聞き取りドリル
【中学音楽】「ボレロ」楽器ドリル
【中学音楽】「ボレロ」奏法・表現ドリル
参考文献・参考資料
この記事は、次の資料を参考にして作成しています。
楽譜確認:Maurice Ravel, Boléro, Durand, Complete Score (mono), IMSLP #949562
- IRCAM「Maurice Ravel」作曲家資料
- パリ・オペラ座「Maurice Ravel」作曲家・作品資料
- フィルハーモニー・ド・パリ「Boléro de Maurice Ravel」作品解説
- パリ音楽院コレクション「Boléro」初演資料
- Tucson Symphony Orchestra「Ravel’s Boléro」作品解説
- Timbre and Orchestration Resource「Ravel, Boléro」管弦楽法の分析資料
- National Repertory Orchestra「Ravel’s Boléro」作品解説
※複数の資料を確認したうえで、中学生向けに内容と表現を整理しています。
更新・修正記録
2026年7月、IMSLPで公開されているデュラン版のオーケストラ総譜「Complete Score (mono) #949562」および複数の音楽資料を確認し、記事本文・図解・楽器解説を再検証しました。
- 終結部の転調について、「最後の2小節でホ長調に転調」から、「終結部で一時的にホ長調へ転調し、その後ハ長調に戻る」へ修正しました。
- 旋律A・Bの提示順を、「AとBが交互にくり返される」から、「A・A・B・Bを基本にくり返され、最後にA・Bが提示される」へ修正しました。
- 主題を担当する楽器の順番と、弱音器付きトランペットとフルート、ホルン・ピッコロ・チェレスタなどによる音色の組み合わせを、総譜に基づいて見直しました。
- 初演時のバレエについて、舞台設定や踊りの展開、終結場面の説明を、確認できる資料に基づいて修正しました。
- オーボエ・ダモーレ、サクソフォーン、チェレスタ、弱音器付きトランペット、トロンボーン、タムタムなどの楽器・奏法に関する解説を追加・修正しました。
- 木管楽器と金管楽器の分類、シングルリードとダブルリード、チェレスタの発音のしくみなど、楽器に関する基礎知識を整理しました。
- スネアドラムのリズムについて、同じリズム型がほぼ全曲を通してくり返される一方、最後の2小節では反復を離れて終結のリズムへ変化することを追記しました。
- 記事内の図解、楽器画像、音源、画像キャプションを見直し、参考にした楽譜・作品資料を記事末尾に明記しました。
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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「ボレロ」でホ長調からハ長調にもどるのは、最後の6小節でした。
訂正してお詫び申し上げます。
なお、最後の2小節のみ、小太鼓がボレロのリズムから「解放」されているのは楽譜から確認できます。
よろしくお願いします。-
野本先生
このたびは、記事を丁寧にご確認いただき、大変貴重なご指摘をお寄せくださり、誠にありがとうございます。
また、解説ページそのものについて高く評価してくださったうえで、教育現場への影響まで考え、具体的に問題点をご指摘いただきましたこと、心より感謝申し上げます。
ご指摘のとおり、多くの子どもたちや先生方に利用いただく教材である以上、その影響力に見合う正確性を確保する責任があると、改めて重く受け止めております。
特に、終結部の調性や小太鼓の記述など、原曲のオーケストラ・スコアを確認すれば防ぐことのできた誤りが含まれていたことについて、深く反省しております。
まずは今回具体的にご指摘いただいた箇所について、原曲の総譜を確認したうえで、解説記事・テスト問題・解答を優先して見直し、必要な訂正を行います。
また、「運命」「モルダウ」「春」「魔王」など、先生が言及されたほかの鑑賞教材についても、該当記事だけでなく、関連するテスト問題やドリルを含め、原曲楽譜や信頼できる資料をもとに順次再確認いたします。
今後、音楽教材を制作・更新する際には、教科書や一般的な解説資料だけでなく、IMSLP等で原曲の総譜を確認する工程を必須とし、確認した資料を記録するなど、再発防止のためのチェック体制を整えてまいります。
修正が完了しましたら、訂正内容について改めてご報告させていただきます。
お忙しい中、教育現場への影響を案じて、これほど具体的なご指摘をくださったことに、重ねて御礼申し上げます。
今後も子どもたちや先生方に安心して利用いただける教材となるよう、誠実に改善を続けてまいります。 -
野本先生
ご指摘いただきました内容につきまして、まずはラヴェル《ボレロ》の記事・テスト問題・解説を見直し、修正を行いましたので、ご報告申し上げます。
ご指摘を受け、IMSLPで公開されている原曲のオーケストラ総譜を確認しながら、終結部の調性、小太鼓の記述をはじめ、関連する内容を改めて確認・修正いたしました。
今回の件を通じて、影響力のある教育教材を公開する責任の重さを改めて痛感いたしました。
私は「経済的な事情によって学ぶ機会が左右されない社会をつくりたい」という思いから、子どもたちが無料で学べる教材を作り続けておりますが、その思いを実現するためにも、まず教材が正確であることが何より大切であると考えております。
今後は、音楽教材については教科書や参考資料だけでなく、原曲の総譜など一次資料を必ず確認することを制作工程に組み込み、今回ご指摘いただいた「運命」「モルダウ」「春」「魔王」をはじめ、他の鑑賞教材についても順次見直しを進めてまいります。
お忙しい中、教育現場への影響を案じ、これほど丁寧にご指摘くださったことに、改めて心より御礼申し上げます。
もし今後もお気づきの点などございましたら、ご多忙のところ大変恐縮ではございますが、ご教示いただけましたら大変ありがたく存じます。
このたびは本当にありがとうございました。
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視聴回数のたいへん多い、すばらしい解説ページだと思い、高く評価いたします。
その一方で、細かな点でミスが見受けられるのが残念です。もし期末テスト等の作問で参照される現場の先生が多い場合には、視聴回数分の誤りを現場に広げてしまう可能性がありますので、いくつか訂正をお願いいたします。
・もしかして、オーケストラ・スコアを見ないで解説していますか? たとえて言うなら、旅行案内を書くのに、現地に行ったこともなければ(学生オーケストラなどの経験)、地図(楽譜)で確かめることもなしに執筆していませんか?
・「最後の2小節でホ長調に転調する」というのは、地図を見ずに書いていませんか? 最後の2小節で「ハ長調に戻って終わる」のですが。
・最後の2小節は、小太鼓の2小節パターンが途切れる唯一の箇所です。
・そのほかにも細かいミスはございますが、とりあえず期末試験や採点に悪影響を与えるのはまずいので、早急に訂正してください。
・そのほかの鑑賞教材、「運命」「モルダウ」「春」「魔王」ほかでも、テスト問題として不適切な解答や解説が散見されました。原曲楽譜を見て、教材研究をし直し、記事やテスト問題を訂正されるよう、心よりお願い申し上げます。