「白いぼうし(あまんきみこ)」女の子の正体は?あらすじと解説
小学校4年生国語で学習する、あまんきみこさん作「白いぼうし」のあらすじや登場人物、教科書の全文が確認できる動画、女の子の正体や新出漢字・使われている言葉の意味など、テストで出るポイントを解説するよ。
「白いぼうし」テスト対策ポイント
- 作者はあまんきみこさん
- 松井さんが夏みかんを車にのせていたのは、いなかのおふくろが送ってくれてあまりにうれしかったから
- 松井さんがぼうしをつまみあげたのは、車にひかれないようにと思ったから
- 松井さんが夏みかんをぼうしの中に入れたのは、男の子ががっかりしないようにと思ったから
- 女の子の正体は、「ちょう」だとかんがえることができる
- 「よかったね。」「よかったよ。」という声は、にげられたことをよろこんでいる、ちょうたちの声だとかんがえることができる
目次
「白いぼうし」基本情報とあらすじ
「白いぼうし」とはどんなお話なのか、あらすじをしょうかいするよ。
基本情報
作者 | あまんきみこ 他の作品:「ちいちゃんのかげおくり」「おにたのぼうし」など |
登場人物 | ・運転手の松井さん(松井 五郎) ・しんし(タクシーにのったお客) ・ちょう ・ふとったおまわりさん ・男の子(たけの たけお) ・男の子のお母さん ・女の子 |
場面 | ①松井さんとしんしが夏みかんの話をする ②松井さんがちょうをにがしてしまい、夏みかんをかわりにぼうしの中に入れる ③女の子があらわれる ④女の子がいなくなり、たくさんのちょうが飛ぶ野原で、「よかったね。」「よかったよ。」という小さな声を聞く |
出てん | 「白いぼうし」は「車のいろは空のいろ」の中のお話のひとつ。 「車のいろは空のいろ」では、空色のタクシーの運転手の松井さんと、いろんなふしぎなお客さんとのお話が書かれているよ。 |
あらすじ
白いぼうし
作:あまん きみこ
夏の日、タクシー運転手の松井さんは、「しんし」を乗せていた。
車の中の「夏みかん」がとてもよくにおうことに、しんしはおどろく。
夏みかんはもぎたてで、松井さんのいなかのお母さんが速達で送ってくれたものだった。それがとてもうれしくて、松井さんは夏みかんを車にのせてきたのだ。
しんしがおりたあと、松井さんは白いぼうしが道においてあるのを見つける。
車にひかれないようにと、つまみ上げると、中からちょうが飛び出して逃げてしまった。
ぼうしには幼稚園の男の子の名前。ちょうをつかまえるためにぼうしをおいていたのだ。
せっかくのえものを逃してしまったと、松井さんは男の子にもうしわけなく思って困ってしまった。
考えた松井さんは夏みかんをかわりにぼうしの中へ入れた。
車にもどると、シートには女の子がすわっていた。
「菜の花横町へ行きたい」と女の子はいう。
そこへぼうしの男の子とおかあさんがやってくる。
「早く行って」とあせる女の子。
ちょうが夏みかんに化けて、男の子はおどろいたかな?とわらいがこみ上げた松井さんだが、女の子がいなくなっていることに気がつく。
外には野原。ちょうがたくさん飛んでいた。
「よかったね。」「よかったよ。」「よかったね。」「よかったよ。」という小さな声が松井さんには聞こえた。
車の中にはまだ夏みかんのにおいがのこっていた。
「白いぼうし」場面分けと登場人物
「白いぼうし」のお話は、4つの場面に分けることができるよ。
場面分け
場面 | 場所 | 登場人物 | できごと |
---|---|---|---|
一 | 車の中 | 松井さん しんし | 松井さんと「しんし」が、夏みかんの話をする |
二 | 車の外 車道のすぐそばのやなぎの下 | 松井さん おまわりさん ちょう | 白いぼうしを見つけた松井さんは、ちょうをにがしてしまい、かわりに夏みかんをぼうしの中に入れる |
三 | 車の中 | 松井さん 女の子 男の子 男の子のお母さん | 車にもどるとあわてたようすの女の子がすわっていて、菜の花横町へ行きたいという |
四 | 車の中 小さな団地の前の小さな野原 | 松井さん たくさんのちょう | 女の子がいなくなり、たくさんのちょうが飛ぶ小さな野原で「よかったね。」「よかったよ。」という小さな声を聞く |
登場人物
松井さん(松井 五郎) | タクシー運転手。 ぼうしをつまみ上げて、ちょうをにがしてしまうよ。 ちょうのかわりに、夏みかんをぼうしの中に入れたよ。 |
しんし | 松井さんのタクシーにのったお客さん。 夏みかんがとてもよくにおうことにおどろいたよ。 |
太ったおまわりさん | ちょうをにがしてしまって、ため息をついていた松井さんを、じろじろ見ながら通りすぎたよ。 |
男の子(たけの たけお) | 白いぼうしの中にちょうをつかまえていたよ。 |
男の子のお母さん | ちょうを見せようとする男の子に引っぱってつれてこられたよ。 |
女の子 | とつぜんあらわれて、とつぜんいなくなってしまったよ。男の子を見てあわてていたよ。 |
テストでは、お話の中でおこったできごとのこまかいないようや、だれがどうしたか、なぜそうしたかなどを聞かれることが多いよ。
それぞれの場面で何がおきたか、登場人物の気持ちなどをしっかりかくにんしておこう!
第一の場面
【場所】車の中
【登場人物】松井さんと「しんし」
【できごと】松井さんと「しんし」が夏みかんの話をする
【気持ち】夏みかんを送ってくれて、うれしい
タクシーの中は、夏みかんのにおいでいっぱいになっていたよ。
松井さんと「しんし」の話から、松井さんが夏みかんをタクシーの中に持ってきた理由が分かるよ。
松井さんは、いなかのお母さんが、もぎたての夏みかんを速達で送ってくれたのがうれしくて、車にのせてきたんだね。
「ほう、ほう。」という「しんし」の言葉は、松井さんのお母さんの話を聞いて、感心していることをあらわしているよ。
第二の場面
【場所】車の外・車道のすぐそばのやなぎの下
【登場人物】松井さん・おまわりさん・ちょう
【できごと】白いぼうしを見つけた松井さんは、ちょうをにがしてしまい、かわりに夏みかんをぼうしの中に入れる
【気持ち】ぼうしが車にひかれたらかわいそうだな・せっかくのえものがいなくなったら、男の子ががっかりしてしまうな。こまったな
「しんし」をおろした後、松井さんは白いぼうしが道においてあるのを見つけるね。
風で飛ばされたら、ぼうしが車にひかれると思って、松井さんはぼうしをつまみ上げたね。
そうしたら、ぼうしからちょうが飛び出してにげてしまった。
ぼうしには「たけの たけお」という名前がぬってあった。
男の子がちょうをつかまえるために、わざとぼうしをおいていたことが分かったんだね。
せっかくのちょうがにげてしまって、男の子ががっかりすると思ってこまった松井さんは、ちょうのかわりに夏みかんをぼうしの中にいれたね。
ちょうがいなくなってしまっていても、「ちょうが夏みかんに化けた」ことに男の子がおどろいて、「まほうの夏みかん」だとよろこんでくれたらいいなと思ったからだね。
第三の場面
【場所】車の中
【登場人物】松井さん・女の子・男の子・男の子のお母さん
【できごと】車にもどるとあわてたようすの女の子がすわっていて、菜の花横町へ行きたいという
【気持ち】ふしぎな女の子だな。
松井さんが車にもどると、とつぜん女の子が車の後ろのシートにすわっていたよ。
女の子はつかれた声で、男の子がぼうしの中のちょうを「あみ」でつかまえようともどってくると、女の子はあわてて松井さんに早く行くように言ったね。
女の子はどこからやってきたのか、どうしてつかれているのか、どうして男の子が来るとあせりはじめたのか、ふしぎがたくさんだね。
第四の場面
【場所】車の中・小さな団地の前の小さな野原
【登場人物】松井さん・たくさんのちょう
【できごと】女の子がいなくなり、たくさんのちょうが飛ぶ小さな野原で「よかったね。」「よかったよ。」という小さな声を聞く
【気持ち】男の子が楽しんでくれるといいな。女の子はどこに行ったのだろう?
松井さんは、白いぼうしをあけた男の子が、ちょうのかわりに夏みかんが入っていることにおどろくだろうなぁ、とそうぞうして笑ったね。
イタズラをした時、あいてがどんなはんのうをするかかんがえて、ワクワクするかんじかな。
ふしぎなことがおこって、男の子が楽しんでくれるといいな、と松井さんは思っているのかもしれないね。
そんな中、後ろの席にいたはずの女の子がいなくなっていてビックリするよ。
そこはちょうど小さな野原で、ちょうがたくさん飛んでいたね。
そして「よかったね。」「よかったよ。」という小さな声が松井さんに聞こえたね。
「白いぼうし」夏みかんの意味
松井さんは、どうして白いぼうしの中に夏みかんを入れたのかな?
男の子がつかまえていた「ちょう」と、夏みかんをくらべながらかんがえてみよう。
ちょう | 夏みかん | |
---|---|---|
大切さ とくべつさ | 「せっかくのえもの」 →いっしょうけんめいつかまえた「ちょう」だから、たいせつでとくべつ | とてもよくにおう もぎたて いちばん大きい →めずらしくて、とくべつ いなかのおふくろが送ってきてくれた →たいせつ |
うれしさ | 「どんなにがっかりするだろう」 →つかまえて、うれしかったのだろう お母さんの手を、ぐいぐい引っぱって →うれしくて、はやく見せたい | 「あまりうれしかったので」 →とってもうれしい |
うつくしさ | あたたかい日の光をそのままそめつけたよう 見事な色 すっぱい、いいにおいが、風であたりに広がる |
せっかくつかまえた「ちょう」は、男の子にとってとてもたいせつなものだね。
夏みかんも、松井さんにとって、とてもたいせつなものだね。
ちょうがいなくなってしまって、男の子ががっかりしてしまわないように、松井さんはじぶんがたいせつにしている夏みかんをかわりにぼうしの中へ入れたんだね。
「ちょうが夏みかんに化けた」と思って、男の子がおどろくだろうな、よろこんでくれるかな、と松井さんは楽しみにしているね。
ぼうしが車にひかれないようにしたり、男の子をがっかりさせないようにしたり、松井さんはとてもやさしいね。
「白いぼうし」女の子の正体
「白いぼうし」に出てくる女の子は、いつのまにか車にのっていたり、なぜかあわてていたり、きゅうにいなくなってしまったり・・。とてもふしぎな女の子だよね。
女の子の正体は、男の子がつままえていた「ちょう」なのではないかとかんがえることができるよ。
女の子の正体が「ちょう」だと思えるできごとや、女の子のセリフを本文からさがしてまとめてみよう。
本文 | ちょうだと思う理由 |
---|---|
「道にまよったの。行っても行っても、四角い建物ばかりだもん。」 | ちょうだから、人間の建物を見なれていないのでは? |
つかれたような声 | 男の子につかまっていて、つかれていたのでは? |
「菜の花横町ってあるかしら。」 | 本当は「菜の花橋」なのに、ちょうたちは「菜の花横町」と呼んでいたのでは? ちょうだから、菜の花があるところに行きたいのでは? |
せかせかと言いました | 男の子が来たとたん、あわてている? |
「早く、おじちゃん、早く行ってちょうだい。」 | 男の子からにげたがっている? |
バックミラーには、だれもうつっていません。ふり返っても、だれもいません。 | 走っている車からおりられないはず。ちょうだから飛んでにげていけた? |
白いちょうが、二十も三十も、いえ、もっとたくさん飛んでいました。 | 女の子がいなくなったのと、ちょうが飛んでいたのが同じ場所 |
「よかったね。」「よかったよ。」 | にげられて、みんなでよろこんでいる? |
「白いぼうし」は、あまんきみこさんが書いた「車のいろは空のいろ」のお話のひとつだよね。
じつは、「車のいろは空のいろ」では、他にも人間のように変身した動物たちのお話が出てくるんだ。
だから、やっぱりこの女の子もちょうが変身したのでは?とかんがえることもできるよ。
ちなみに、作者のあまんきみこさんは、女の子の正体をきかれて「ちょうかどうかは分からない」と答えているよ。
「白いぼうし」は、ちょっとふしぎなできごとを楽しむお話だよね。
「女の子の正体はちょうだったのか、そうでないのか」は、お話をよむ人それぞれが自由にかんがえて、そのふしぎさにワクワクしてほしいと、あまんきみこさんは思っているのかもしれないね。
「よかったね。」「よかったよ。」とは、誰が言っているのか?
女の子がいなくなって、車を止めるとそこは小さな団地の前の小さな野原だったね。
そこには白いちょうが二十も三十も飛んでいて、
「よかったね。」
「よかったよ。」
「よかったね。」
「よかったよ。」
という小さな小さな声を松井さんは聞いたね。
これは、いったいだれが言っているのかな?
もし、女の子の正体がちょうなのだったら、男の子につかまりそうになっていたちょうが、ぶじににげられたことを、ちょうのなかまが みんなでよろこんでいたのかもしれないね。
「白いぼうし」意味調べ
「白いぼうし」で登場する言葉の意味をまとめているよ。
※「白いぼうし」の中でつかわれている意味なので、ちゅういしよう。
紳士 | 【意味】高い地位にある男性のこと。 【例】ほりぼたで乗せたお客のしんしが・・ |
たくし上げる | 【意味】服のソデなどを、手で引き上げること。 【例】ワイシャツのそでを、うでまでたくし上げていました |
もぎたて | 【意味】収穫したばかりということ。 【例】「もぎたてなのです。きのう、いなかのおふくろが・・」 |
ぬい取り | 【意味】布に、糸などで模様をぬいつけること。 【例】赤いししゆう糸で、小さくぬい取りがしてあります。 |
えもの | 【意味】狩りや漁などでとれたもののこと。 【例】せっかくのえものがいなくなっていたら・・ |
かたをすぼめて | 【意味】肩をおとすように縮めること。元気がなくて、しょんぼりしたようすのこと。 【例】ちょっとの間、かたをすぼめてつっ立っていた松井さんは・・ |
そめつける | 【意味】染めて色や模様をつけること。 【例】日の光をそのままそめつけたような、見事な色 |
せかせか | 【意味】動きがおちつかないこと。 【例】後ろから乗り出して、せかせかと言いました。 |
目を丸くする | 【意味】おどろいて、目を大きく見ひらくこと 【例】あの子は、どんなに目を丸くしただろう。 |
化ける | 【意味】形をかえて、ほかの姿になること。 【例】なにしろ、ちょうが化けたんだから・・・ |
わらいがこみ上げる | 【意味】笑うことを我慢できないようすのこと。 【例】ひとりでにわらいがこみ上げてきました。 |
「白いぼうし」新出漢字
「白いぼうし」で新しく習う漢字をまとめているよ。
信 | 信号・信じる |
達 | 速達・友達 |
飛 | 飛ぶ |
席 | 客席 |
健 | 建物 |
菜 | 菜の花 |
例 | 例える |
「白いぼうし」テスト対策ポイントまとめ
「白いぼうし」テスト対策ポイント
- 作者はあまんきみこさん
- 松井さんが夏みかんを車にのせていたのは、いなかのおふくろが送ってくれてあまりにうれしかったから
- 松井さんがぼうしをつまみあげたのは、車にひかれないようにと思ったから
- 松井さんが夏みかんをぼうしの中に入れたのは、男の子ががっかりしないようにと思ったから
- 女の子の正体は、「ちょう」だとかんがえることができる
- 「よかったね。」「よかったよ。」という声は、にげられたことをよろこんでいる、ちょうたちの声だとかんがえることができる
ここまで学習できたら、「白いぼうし」のテスト対策練習問題に挑戦してみよう!
「白いぼうし」教科書全文
「白いぼうし」の教科書の全文がかくにんできる、どうがをしょうかいするよ。
ないようをかくにんしたり、音読のさんこうにしよう。
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
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おもしろい
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とても勉強になりました。
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とっても頑張って勉強をしてクラストップ10位なんてすごい
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コメント失礼します。
大変勉強になりました。
ありがとうございますもしよければ
一つの花 もお願いします。
もうありましたらすいません。 -
分かりやすくて参考になりました
じぎょうの、参考になりました