「ごんぎつね」内容とあらすじ・ポイントを解説
「ごんぎつね」のあらすじと、お話の内容とポイント、意味調べにつかえる「ことばの意味」をわかりやすく しょうかいしているよ。
新しく出てくる漢字の書き取りができるワークシートプリントもダウンロードできるので、なぞり書きのれんしゅうを たくさんしよう。
目次
「ごんぎつね」あらすじ
「ごんぎつね」のあらすじ・作者・登場人物をかくにんしよう。
ごんぎつねの作者について
「ごんぎつね」は、新美南吉(にいみ なんきち)さんが 書いた絵本だよ。にいみ なんきち さんは、ほかにも 「手袋を買いに」「でんでんむしのかなしみ」などの 絵本を かいているよ。
ごんぎつねの登場人物
- 【ごんぎつね】
このお話の 主人公の ひとりぼっちの 小ぎつね。「ごん」とも よばれているよ。いたずらばかり していたけれど 兵十の うなぎを 取ってしまった いたずらを こうかいして、兵十に くりや松たけを とどけるよ。
- 【兵十(ひょうじゅう)】
村人の一人。おっかあと二人で まずしいくらしをしていたけれど おっかあが 死んでしまって、ひとりぼっちになったよ。
- 【弥助(やすけ)の家内(かない)】
弥助という百姓の妻。兵十のおっかあの そうしきのために、お歯黒を つけているところ や いわしを買うところを ごんが 見かけるよ。
- 【新兵衛(しんべえ)の家内】
かじやの新兵衛の妻。兵十のおっかあの そうしきのために かみをすいているところを、ごんは 見かけるよ。
- 【いわし売り】
いわしを売っている人。いわしを かごに 積んで、いわしを 売りに来たよ。
- 【加助(かすけ)】
村の百姓の一人。「毎日だれかが くりや松たけをくれる」と話した兵十に それは 神様のしわざだ と言うよ。
「ごんぎつね」のあらすじ
ごんぎつね
作:にいみ なんきち
「ごんぎつね」という ひとりぼっちの 小ぎつねは、村で いたずらばかりしていました。
ある秋のこと、ごんは 村人の 兵十が つかまえた うなぎを 川に もどすという いたずらをしました。
十日後、ごんは 兵十のおっかあの そうしきを 見かけました。
そして 「自分が取ったうなぎは 兵十のおっかあの うなぎだった」「自分のいたずらのせいで 兵十のおっかあは うなぎを 食べられないまま 死んでしまった」と いたずらを こうかいしました。
ごんは、うなぎの つぐないのために 兵十のうちに 毎日 くりや松たけを こっそり とどけました。
あるばん、ごんは 兵十が 加助に「だれかがくりや松たけを置いていく。」と話しているのを 聞きました。
ところが、加助は「それは神様のしわざだから、神様にお礼を言うといいよ。」と言いました。
ごんは、自分がおくりものをしているのに、神様にお礼を言われることに がっかりするのでした。
それでも、その次の日も ごんは くりを持って 兵十のうちに 出かけました。
兵十は、うちの中に うなぎを取った いたずらぎつねが 入っていくのに気づき、ごんを 火縄じゅうで うちました。
ごんは たおれました。
うちの中に くりが あるのを 見つけた兵十は 「ごん、おまいだったのか。いつも、くりをくれたのは。」と、ごんの つぐないに 気づきました。
ごんは、ぐったりしながら うなずきました。
親切にしてくれた ごんを うってしまったことに 気づいた 兵十は 火縄じゅうを 取り落とすのでした。
「ごんぎつね」本文(全文)
「ごんぎつね」の本文を しょうかいするよ。
ごんぎつね
これは、わたしが小さいときに、村の茂平というおじいさんから聞いたお話です。
昔は、わたしたちの村の近くの中山という所に、小さなお城があって、中山様というおとの様がおられたそうです。
その中山から少しはなれた山の中に、「ごんぎつね」というきつねがいました。ごんは、ひとりぼっちの小ぎつねで、しだのいっぱいしげった森の中に、あなをほって住んでいました。そして、夜でも昼でも、あたりの村へ出てきて、いたずらばかりしました。畑へ入っていもをほり散らしたり、菜種がらのほしてあるのへ火をつけたり、百姓家のうら手につるしてあるとんがらし(とうがらし)をむしり取っていったり、いろんなことをしました。
ある秋のことでした。二、三日雨がふり続いたその間、ごんは、外へも出られなくて、あなの中にしゃがんでいました。
雨があがると、ごんは、ほっとしてあなからはい出ました。空はからっと晴れて、もずの声がキンキンひびいていました。
ごんは、村の小川のつつみまで出てきました。あたりのすすきのほには、まだ雨のしずくが光っていました。川は、いつもは水が少ないのですが、三日もの雨で、水がどっとましていました。ただのときは水につかることのない、川べりのすすきやはぎのかぶが、黄色くにごった水に横だおしになって、もまれています。ごんは、川下の方へと、ぬかるみ道を歩いていきました。
ふと見ると、川の中に人がいて、何かやっています。ごんは、見つからないように、そうっと草の深い所へ歩きよって、そこからじっとのぞいてみました。
「兵十だな。」と、ごんは思いました。兵十は、ぼろぼろの黒い着物をまくし上げて、こしのところまで水にひたりながら、魚をとるはりきりというあみをゆすぶっていました。はちまきをした顔の横っちょうに、円いはぎの葉が一まい、大きなほくろみたいにへばりついていました。
しばらくすると、兵十は、はりきりあみのいちばん後ろのふくろのようになったところを、水の中から持ち上げました。その中には、しばの根や、草の葉や、くさった木切れなどが、ごちゃごちゃ入っていましたが、でも、ところどころ、白い物がきらきら光っています。それは、太いうなぎのはらや、大きなきすのはらでした。兵十は、びくの中へ、そのうなぎやきすを、ごみといっしょにぶちこみました。そして、また、ふくろの口をしばって、水の中へ入れました。
兵十は、それから、びくを持って川から上がり、びくを土手に置いといて、何をさがしにか、川上の方へかけていきました。
兵十がいなくなると、ごんは、ぴょいと草の中から飛び出して、びくのそばへかけつけました。ちょいと、いたずらがしたくなったのです。ごんは、びくの中の魚をつかみ出しては、はりきりあみのかかっている所より下手の川の中を目がけて、ぽんぽん投げこみました。どの魚も、トボンと音を立てながら、にごった水の中へもぐりこみました。
いちばんしまいに、太いうなぎをつかみにかかりましたが、なにしろぬるぬるとすべりぬけるので、手ではつかめません。ごんは、じれったくなって、頭をびくの中につっこんで、うなぎの頭を口にくわえました。うなぎは、キュッといって、ごんの首へまきつきました。そのとたんに兵十が、向こうから、
「うわあ、ぬすっとぎつねめ。」
とどなり立てました。ごんは、びっくりして飛び上がりました。うなぎをふりすててにげようとしましたが、うなぎは、ごんの首にまきついたままはなれません。ごんは、そのまま横っ飛びに飛び出して、一生けんめいににげていきました。
ほらあなの近くのはんの木の下でふり返ってみましたが、兵十は追っかけては来ませんでした。
ごんはほっとして、うなぎの頭をかみくだき、やっと外して、あなの外の草の葉の上にのせておきました。
十日ほどたって、ごんが弥助というお百姓のうちのうらを通りかかりますと、そこのいちじくの木のかげで、弥助の家内が、お歯黒をつけていました。かじ屋の新兵衛のうちのうらを通ると、新兵衛の家内が、かみをすいていました。ごんは、「ふふん、村に何かあるんだな。」と思いました。「なんだろう、秋祭りかな。祭りなら、たいこや笛の音がしそうなものだ。それにだいいち、お宮にのぼりが立つはずだが。」
こんなことを考えながらやって来ますと、いつのまにか、表に赤い井戸のある兵十のうちの前へ来ました。その小さなこわれかけた家の中には、おおぜいの人が集まっていました。よそ行きの着物を着て、こしに手ぬぐいをさげたりした女たちが、表のかまどで火をたいています。大きななべの中では、何かがぐずぐずにえていました。
「ああ、そうしきだ。」と、ごんは思いました。「兵十のうちのだれが死んだんだろう。」
お昼がすぎると、ごんは、村の墓地へ行って、六地蔵さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向こうには、お城の屋根がわらが光っています。墓地には、ひがん花が、赤いきれのようにさき続いていました。と、村の方から、カーン、カーンと、かねが鳴ってきました。そうしきの出る合図です。
やがて、白い着物を着たそうれつの者たちがやって来るのが、ちらちら見え始めました。話し声も近くなりました。そうれつは、墓地へ入ってきました。人々が通ったあとには、ひがん花がふみ折られていました。
ごんは、のび上がって見ました。兵十が、白いかみしもを着けて、いはいをささげています。いつもは、赤いさつまいもみたいな元気のいい顔が、今日はなんだかしおれていました。
「ははん、死んだのは、兵十のおっかあだ。」ごんは、そう思いながら頭を引っこめました。
そのばん、ごんは、あなの中で考えました。「兵十のおっかあは、とこについて、うなぎが食べたいと言ったにちがいない。それで、兵十が、はりきりあみを持ち出したんだ。ところが、わしがいたずらをして、うなぎを取ってきてしまった。だから、兵十は、おっかあにうなぎを食べさせることができなかった。そのまま、おっかあは、死んじゃったにちがいない。ああ、うなぎが食べたい、うなぎが食べたいと思いながら死んだんだろう。ちょっ、あんないたずらをしなけりゃよかった。」
月のいいばんでした。ごんは、ぶらぶら遊びに出かけました。中山様のお城の下を通って、少し行くと、細い道の向こうから、だれか来るようです。話し声が聞こえます。チンチロリン、チンチロリンと、松虫が鳴いています。
ごんは、道のかたがわにかくれて、じっとしていました。話し声は、だんだん近くなりました。それは、兵十と、加助というお百姓でした。
「そうそう、なあ、加助。」
と、兵十が言いました。
「ああん。」
「おれあ、このごろ、とても不思議なことがあるんだ。」
「何が。」
「おっかあが死んでからは、だれだか知らんが、おれにくりや松たけなんかを、毎日毎日くれるんだよ。」
「ふうん。だれが。」
「それが分からんのだよ。おれの知らんうちに置いていくんだ。」
ごんは、二人の後をつけていきました。
「ほんとかい。」
「ほんとだとも。うそと思うなら、あした見に来いよ。そのくりを見せてやるよ。」
「へえ、変なこともあるもんだなあ。」
それなり、二人はだまって歩いていきました。
加助が、ひょいと後ろを見ました。ごんはびくっとして、小さくなって立ち止まりました。加助は、ごんには気がつかないで、そのままさっさと歩きました。吉兵衛というお百姓のうちまで来ると、二人はそこへ入っていきました。ポンポンポンポンと木魚の音がしています。まどのしょうじに明かりが差していて、大きなぼうず頭がうつって、動いていました。ごんは、「お念仏があるんだな。」と思いながら、井戸のそばにしゃがんでいました。しばらくすると、また三人ほど人が連れ立って、吉兵衛のうちへ入っていきました。
おきょうを読む声が聞こえてきました。
ごんは、お念仏がすむまで、井戸のそばにしゃがんでいました。兵十と加助は、またいっしょに帰っていきます。ごんは、二人の話を聞こうと思って、ついていきました。兵十のかげぼうしをふみふみ行きました。
お城の前まで来たとき、加助が言いだしました。
「さっきの話は、きっと、そりゃあ、神様のしわざだぞ。」
「えっ。」
と、兵十はびっくりして、加助の顔を見ました。
「おれはあれからずっと考えていたが、どうも、そりゃ、人間じゃない、神様だ。神様が、おまえがたった一人になったのをあわれに思わっしゃって、いろんな物をめぐんでくださるんだよ。」
「そうかなあ。」
「そうだとも。だから、毎日、神様にお礼を言うがいいよ。」
「うん。」
ごんは、「へえ、こいつはつまらないな。」と思いました。
「おれがくりや松たけを持っていってやるのに、そのおれにはお礼を言わないで、神様にお礼を言うんじゃあ、おれは引き合わないなあ。」
その明くる日もごんは、くりを持って、兵十の家へ出かけました。兵十は物置でなわをなっていました。それでごんは、うら口から、こっそり中へ入りました。
そのとき兵十は、ふと顔を上げました。と、きつねが家の中へ入ったではありませんか。こないだうなぎをぬすみやがった、あのごんぎつねめが、またいたずらをしに来たな。
「ようし。」
兵十は、立ち上がって、納屋(なや)にかけてある火なわじゅうを取って、火薬をつめました。
そして足音をしのばせて近よって、今、戸口を出ようとするごんを、ドンとうちました。ごんはばたりとたおれました。兵十はかけよってきました。家の中を見ると、土間にくりが固めて置いてあるのが目につきました。
「おや。」と、兵十はびっくりしてごんに目を落としました。
「ごん、お前だったのか。いつもくりをくれたのは。」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなづきました。
兵十は、火なわじゅうをばたりと取り落としました。青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました。
「ごんぎつね」内容とポイント
「ごんぎつね」の場面分けごとに、内容とポイントを かくにんしよう。
登場人物の セリフや行動から、「登場人物がどんな気持ちだったか」を 考えてみよう。
だい1の 場面:ごんは 兵十に いたずらをする
だい1の 場面では、ごんは 兵十が つかまえた 魚を 川の中へ もどすという いたずらをしたよ。少しずつ かくにんしよう。
【いつ】わたしが 村の茂平 という おじいさんから 聞いた 話
【どこ】昔お城があった中山という所の近くの村と山
「わたし」は お話を私たちに教えてくれる「語り手」のことだね。
このお話は、「語り手」が 村の茂平という おじいさんから 聞いた 昔話なんだね。
ごんは いたずらばかり している 小ぎつね
ごんは、村の近くの 中山という所から 少しはなれた 山の中に 住んでいる きつねだね。
どんなきつねかというと、ひとりぼっちの小ぎつねで、夜でも昼でも 村に来て いたずらばかり しているよね。
どうして、ごんは いたずらばかりしているのかな。
ごんは ひとりぼっちだから、きっと 「さみしいな」「だれかと遊びたいな」と思って、いたずらを くりかえしていたんじゃないかな。
ごんは 兵十が 魚を 取っているのを 見つける
【いつ】ある秋のこと
【どこ】村の小川
ふり続いた雨が あがると、ごんは ほっとして あなからはい出たね。
なぜほっとしたかというと、雨がやんで やっと外に 出れたからだね。
きっと、あなの中で じっとしゃがみながら「つまらないな。」「早く外へ出たいな。」と思っていたんじゃないかな。
ごんが 川にくると 川の水が どっと ましていたね。
その様子は 「ただのときは水につかることのない、川べりのすすきやはぎのかぶが、黄色くにごった水に横だおしになって、もまれていた」という文からも、わかるね。
「ただのとき」は「いつも」と同じ意味だね。
雨あがりの川は、水量が多く、近づくのは きけんな様子だったことがわかるね。
ごんは、川の中に人がいるのを見つけて 草の深い所から じっとのぞくね。なぜかというと、「だれが何をしているんだろう?」と気になったからだね。
川にいたのは、兵十で 魚をとる はりきりあみを ゆすぶっていたね。
つまり、川で 魚を とろうと していたんだね。
「顔の横っちょうに、円いはぎの葉が一まい、大きなほくろみたいにへばりついていた」とあるけれど、兵十は 葉がついているのが 気にならないのかな。
もしかしたら、葉がついていることに 気がついていないかもしれないし、気づいているけれど 葉を取る よゆうなんて ないのかもしれないね。
それくらい、一生けんめいに 集中して 魚をとっているんだね。
兵十が はりきりあみを 持ち上げると、中には しばの根や、草の葉や くさった木切れなどが、入っていたね。
でも 「ところどころ、白い物がきらきら光っていた」ね。
「白い物」は、「太いうなぎのはらや 大きなきす(川魚のはや)のはら」だったね。
つまり、兵十は 魚を つかまえることが できたんだね。
兵十は びくのなかへ、うなぎやきすを、ごみといっしょに ぶちこんだね。ごみというのは、しばの根や、草の葉や くさった木切れなどのことだね。
ごんは 兵十に いたずらをする
兵十が いなくなると、ごんは、びくのそばへ かけつけたね。
なぜかというと、「ちょいと、いたずらがしたくなった」からだね。
「ちょいと」というのは、「ちょっと」ということだね。
ごんは 特に 理由は ないけれど、なんとなく いたずらが したくなったんだね。
なぜかというと やっと外に 出れたから いたずらするのが 待ちどおしかったのかもしれないね。
「かけつけた」という 行動からも 「きょうみしんしんで、わくわくしている様子」が 伝わってくるよね。
どんないたずらを したかというと、「びくの中の魚をつかみ出しては、川の中に投げこんだ」 という いたずらだね。
つまり 兵十が せっかく つかまえた 魚を 勝手に 川へもどして、びくの中には ごみだけを のこしたんだね。
ごんは、「はりきりあみのかかっている所より下手の川の中を目がけて」魚を投げこんだね。
なぜかというと、はりきりあみ より 上手の川に 魚を 投げたら、魚が 泳ぎながら また あみにかかってしまう からじゃないかな。
ちょっと いじわるな 感じがするけれど、はりきりあみ よりも 下手に投げることで、魚が もう あみに 入らないように したんだね。
「ぼんぼん投げこみ」「ドボンと音を立てながら」という様子から、ごんのいたずらの仕方は いきおいがあって ざつな感じが するね。
ごんは しまいに 太い うなぎを つかみにかかったけれど、手ではつかめなかったね。
だから ごんは 頭を びくの中に つっこんで、うなぎの頭を 口にくわえたね。
なぜかというと、うなぎがぬるぬるして、つかめないことを じれったく思ったからだね。
「じれったい」は もどかしい という意味だね。
ごんは、思いどおりにいかないと すぐにもどかしく 思ってしまう所が あるんだね。
やんちゃで、あらっぽい感じが するね。
兵十は、「うわあ、ぬすっとぎつねめ。」と どなったね。
なぜかというと、せっかくつかまえた うなぎを、ごんが 口にくわえているのを 見つけたからだね。
きっと「ひどい!」「なんてやつだ!」と おこったんじゃないかな。
ごんは 一生けんめいに にげて ほらあなの 近くで ふり返ったね。
なぜかというと、兵十が 追っかけてきたか 気になったからだね。
兵十は 追っかけてこなかったね。
「ほっとした」とあるから、ごんは 「兵十が追っかけてきませんように」と 思っていたんだね。
でも ひとりぼっちで さびしくて いたずらばかりしていたから、「兵十は追っかけてきたかな?」と 少し わくわくする気持ちも まじっていたかもしれないね。
だい2の 場面:ごんは いたずらを こうかいする
だい2の 場面では、兵十のおっかあが 死んだことを 知ったごんは、うなぎを取った いたずらを こうかいするよ。
【いつ】(兵十にいたずらをしてから)十日ほどたって
【どこ】弥助という お百姓の うちのうらなどの 村の中
ごんは 兵十のおっかあの そうしきを 見かける
弥助の家内が お歯黒をつけ、新兵衛の家内が かみをすいているのを 見たごんは、「ふふん、村に何かあるんだな。」と思ったね。
お歯黒は、昔の女の人が していた おけしょうで、かみをすく というのは、かみの毛を きれいに とかしている ということだよ。
つまり、女の人が 身なりを きれいにしているところを 見かけたから、きっと 村で 行事などの とくべつなことが あるはずだと 思ったんだね。
ごんは 秋祭りかと思ったけれど、本当にそうか 考えていたね。
なぜかというと、「祭りならたいこや笛の音がしそう」「お宮にのぼりが立つはず」と思ったからだね。
ごんは、村に いろいろな いたずらをしに来ていたから、村のことも くわしくなっていたんだね。
ごんは、兵十の うちの前に 来て、「ああ、そうしきだ。」と思ったね。
なぜかというと、「おおぜいの人が集まって」、「よそ行きの着物を着て、こしに手ぬぐいをさげたりした女たちが、表のかまどで火をたいて」「大きななべの中では、何かがぐずぐずにえていた」からだね。
昔は、そうしきは 家で 行っていたんだ。
そして、近所の女の人たちに 集まってもらい、そうしきのあとに みんなで 食べる ご飯づくりを お願いしたんだよ。
ごんは 村の墓地へ 行って、六地蔵さんの かげに かくれていたね。
なぜかというと、「兵十のうちのだれが死んだんだろう。」と 気になっていたからだね。
そうしきのときに、人々が 墓地に 来ることを 知っていたから、その様子を 見ようと 先回りして 墓地に かくれて 待っていたんだね。
そうれつが 墓地に入ってくると、ごんは「のび上がって」見たね。
そうれつの様子を よく見ようとしている行動から、だれが 死んだのか とても 気になっている様子が 伝わってくるね。
「ははん、死んだのは兵十のおっかあだ。」と ごんは 思ったね。
なぜかというと、「兵十がいはいをささげて」いて、「いつもは 赤いさつまいも みたいな 元気の いい顔が、今日は なんだか しおれていた」からだね。
兵十は おっかあが 死んでしまったから 元気がなくて、悲しい気持ち だったんだね。
ごんは いたずらを こうかいする
そうしきを見た日のばん、ごんは あなの中で 考えたね。
何を 考えたかというと、一つは「兵十のおっかあは とこについていて、うなぎが 食べたいと 言ったから、兵十が うなぎを つかまえたのではないか」ということだね。
もう一つは「自分がうなぎを取ってしまったから、兵十のおっかあは うなぎを 食べられないまま 死んでしまったのではないか」ということだね。
「とこについて」とは、病気で ねこんでいた ということだね。
昔は 今よりも 食べ物が 少なくて、まずしい家も 多かったから、うなぎのように 栄養のあるものは めったに 食べられなかったんだ。
昔の人は 病気に なった時だけは、栄養のあるものを なんとか食べさせようとしたんだよ。
だから だい1の場面で、兵十は 病気の おっかあのために 一生けんめい うなぎを つかまえようとしていだんね。
水かさが 増した川だったのに、うなぎを つかまえていたから、おっかあの具合があまり よくなくて、急いでいたのかもしれないね。
そのことに 気づいたごんは、「ちょっ、あんないたずらをしなけりゃよかった。」と思ったよね。
つまり、自分のせいで 兵十のおっかあが うなぎを食べられないまま 死んでしまったと思って、いたずらを こうかいしたんだね。
「ちょっ」とは、「ちぇっ」と同じ意味で、したうちを うっているということだね。
「そのばん、ごんは、あなの中で考えました。」という文から、ごんは 兵十のおっかあの そうしきを見てから、そのことが ずっと 気になっていたんじゃないかな。
だい1の 場面では、ごんは いたずらばかりしていて、いたずらの仕方も ざつ だったよね。
でも、ごんは 自分の行動の よくなかったところを みとめられる すなおな心や、ごめんなさいと 思える やさしい心も 持っているんだね。
だい3の 場面:ごんは いわしやくりを 兵十の家にとどける
だい3の 場面では、ごんは 兵十の家へ こっそり いわしやくりをとどけるよ。
【いつ】(書いていない)
【どこ】兵十のうち
ごんは 兵十のうちに いわしを投げこむ
ごんは 兵十を見て、「おれと同じ、ひとりぼっちの兵十か。」と思ったね。
なぜかというと、おっかあが 死んでしまって 兵十が 一人に なったからだね。
みんなも、友だちや 好きな人と にているところや 同じところが あると、なんだか 仲間のように感じて うれしい気持ちに なるよね。
兵十も、「おれと同じ」ひとりぼっちだということに 仲間のような 気持ちを 感じて、親しみを もったんじゃないかな。
ごんは いわし売りが いわしを 売っているすきに、いわしをつかんで 兵十のうちの中へ いわしを投げこんだね。
そして、「うなぎのつぐないに、まず一つ、いいことをした」と思ったね。
「いいこと」とは、「兵十のうちにいわしを投げこんだこと」だね。
なぜかというと、うなぎを 取ってしまった代わりに いわしのおくりものが できたから 兵十に よろこんでもらえると 思ったんだね。
ところが 次の日、兵十のうちへ 行くと、兵十は 「ぼんやりと考えこんで」いて、「ほっぺたに、かすりきずがついていた」ね。
なぜかというと 兵十のうちに いわしが あったから 兵十が ぬすんだと うたがわれて いわし屋に ひどい目に 合わされたからだね。
ごんは、しまったと思ったね。
なぜかというと、いいことをしたつもりだったのに 自分のせいで 兵十が ぬすびとと うたがわれてしまったからだね。
いわし売りを見て 思いついた 最初のつぐないは 失敗したんだね。
ごんは 兵十に くりや松たけを とどける
ごんは、そっと物置の方へ回って、入り口にくりを置いたね。
いわしは「放りこんだ」けれど、くりは「そっと」「置いた」ね。
おくりものの 仕方が ていねいに なっているから、いわしの時よりも、心のこもった おくりものになっている感じが するね。
ごんは、次の日も、その次の日も くりを、その次の日には、松たけも とどけたね。
だい1の場面では ざつで あらっぽい所もあった ごんが、毎日 おくりものを とどけているから、ごんの「ごめんなさい」という 気持ちの 深さが よくわかるね。
それに 兵十に対して 同じひとりぼっちという 仲間のような 気持ちも 感じているから、「今日は 兵十 どうしているかな?」と 毎日 気になっていたのかもしれないね。
だい4の 場面:ごんは 兵十と加助の 話を聞く
だい4の 場面では、ごんは 兵十が 加助に、兵十のうちに とどく おくりものの話を しているのを 聞いたよ。
【いつ】月のいいばん
【どこ】中山様のお城の下の細い道
ごんが ぶらぶら遊びに 出かけると、兵十と加助が 話しながら やってきたね。
兵十は、加助に「おれあ、このごろ、とても不思議なことがあるんだ。」と 言ったね。
「不思議なこと」は、「おっかあが死んでから、だれかが くりや松たけを 毎日くれること」だね。
加助は「だれが。」と聞いたけれど、兵十は「それが分からんのだよ。」と 言ったね。
なぜかというと、兵十が 気づかない間に くりや松たけが 置いてあるからだね。
ごんは、二人の後をつけていったね。
なぜかというと、二人が 自分のことを話していると 気がついたからだね。
ごんは、兵十が 自分のおくりものを どう思っているのか、気になったんじゃないかな。
兵十と加助は だまって歩いていったね。
二人とも「だれが おくりものを とどけているんだろう。」と 考えていたのかもしれないね。
兵十と加助は、吉兵衛のうちへ 入っていき、ごんは、「お念仏があるんだな。」と思ったね。
なぜかというと、「ボンボンボンボンと木魚の音がして」「大きなぼうず頭がうつって」いたからだね。
「大きなぼうす頭」とは おぼうさんのことだね。
だい5の 場面:ごんは 兵十へのおくりものが 神様のしわざだと 思われて がっかりする
だい5の 場面では、ごんは、自分のしたおくりものが「神様のしわざ」と 思われている 話を聞くよ。
【いつ】お念仏が 終わった後
【どこ】お念仏の 帰り道
加助が 兵十へのおくりものは 神様のしわざと言う
ごんは、お念仏がすむまで 井戸のそばに しゃがんでいたね。
なぜかというと、兵十と加助の話を 聞こうと思っていたから 二人が 出てくるのを ずっと 待っていたんだね。
二人が 「おくりものの 話の続きを するだろう」と 思ったんだね。
ごんは、二人に ついていって 兵十のかげぼうしを ふみふみ 行ったね。
「月のいいばん」だったから、月に 照らされて 夜なのに かげぼうしが 見えたんだね。
「かげぼうしをふみふみ」ということは、ごんは 兵十の かげぼうしを ふみながら 歩いていたよね。
つまり、兵十の すぐ後ろに いたんだね。
だい1の 場面では 草の 深い所から、だい2の 場面では 六地蔵さんのかげから、だい3の 場面では 物置の 後ろから、だい4の 場面の 前半では 道のかたがわに かくれて、兵十を見ていたよね。
でも この場面では 今までで 一番 兵十に 近づいているよね。
「兵十がどう思っているか知りたい」という ごんの 強い気持ちが 感じられるね。
加助は「きっと、そりゃあ、神様のしわざだぞ。」と言ったね。
なぜかというと、神様が 一人になった 兵十を あわれに思って、物を めぐんでくれていると 考えたからだね。
兵十は、「えっ。」とびっくりしたり、「そうかなあ。」と 考えたりしたね。
でも、加助が「毎日、神様にお礼を言うがいいよ。」と言うと、「うん。」と言ったね。
最初は 神様のしわざと 言われて びっりしたけれど、最後は なっとくした感じが するね。
ごんは 神様のしわざと言われて がっかりする
ごんは 「こいつは つまらないな。」と思ったね。
こいつとは、「神様に お礼を 言うこと」だね。
なぜかというと、「自分がくりや松たけをとどけているのに、神様にお礼を言われるなんて、おれは引き合わない」と思ったからだね。
「引き合わない」とは、「つり合わない」「がんばったぶんの いい結果にならない」ということだね。
「神様に お礼を言われるのが 引き合わない」ということは、「自分に お礼を 言われるのは 引き合う」と いうことだよね。
つまり、このときのごんは 兵十に「ありがとう」「ごんのおかげで助かっているよ」と思われたかったんじゃないかな。
もともと おくりものは「うなぎのつぐない」のためで、こっそりとどけていたから 「兵十に気づいてほしい」とは 思っていなかったはずだよね。
でも、ひとりぼっちという 共通点が あることや 毎日 兵十のもとへ 通ううちに 兵十に対して 親しい気持ちが 強くなって 「兵十と仲よくなりたいな」「自分の気持ちをわかってほしいな」と 期待するように なっていたのかもしれないね。
だから、「神様にお礼を言う」なんて 話になって、とても がっかりしてしまったんだね。
だい6の 場面:ごんは 兵十にうたれる
だい6の 場面では、ごんは 兵十に うたれてしまうけれど、おくりものをしていたのは ごんだったと 兵十に わかってもらえたよ。
【いつ】その明くる日(だい5の場面で、兵十と加助の 話を 聞いた 次の日)
【どこ】兵十のうち
兵十が ごんを うつ
ごんは 次の日も くりを 持って 兵十の うちに行ったね。
だい5の 場面で「引き合わない」と がっかりしていたけれど、それでも 兵十に よろこんでもらいたいから いつものように おくりものを とどけたんだね。
兵十が 顔を 上げると、ごんが うちの中に 入っていくところだったね。
兵十は 「ようし。」と 立ち上がって、火縄じゅうに 火薬を つめたね。
なぜかというと、うなぎを ぬすんだ ごんが また いたずらを しに来たと 思って、「今こそこらしめるチャンスだ!」と 思ったんだね。
そして、足音を しのばせて近よったね。
なぜかというと、もし ごんに 気づかれて にげられたら せっかくの こらしめるチャンスを むだにしてしまうから しんちょうに 近づいたんだね。
それから ごんのことを ドン とうったね。
ごんは、ばたりと たおれたね。
ということは、兵十が うった 火縄じゅうの たまが、ごんに しっかり めいちゅうしたんだね。
兵十は ごんのつぐないに 気づく
兵十は かけよってきたね。
きっと「いたずらきつねは 死んだかな?」「今日は どんないたずらを したのかな?」と かくにんしに 来たんじゃないかな。
そして、うちの中に くりが かためて 置いてあるのを 見つけたね。
「かためて」とあるから、ごんは くりを ならべるように 大事に 置いていたんだね。
兵十は「おや。」と びっくりして、ごんを見るね。
そして、「ごん、おまい(おまえ)だったのか。いつも、くりをくれたのは。」と言ったね。
なぜかというと、ごんが いたずらを しに来たと 思っていたのに、神様が めぐんでくれていると 思った くりが あったから、「おくりものをくれていたのは まさか ごん?」と びっくりしたからだね。
信じられるような、信じられないような ふくざつな気持ち だったかもしれないね。
だい1の場面では「ぬすっとぎつね」、ごんをうつ直前は「いたずらぎつね」と言っていたのに、くりに気づいてからは「ごん」と 名前をよんでいるから、兵十の ごんに対する にくい気持ちが なくなっている感じがするよね。
ごんは ぐったりと目をつぶったまま、うなずいたね。
なぜかというと、自分が おくりものを していたことを 兵十に 伝えたかったからだね。
ごんは 火縄じゅうで うたれたから、きっと うなずくのも しんどかった はずだよね。
それでも ごんは 兵十に「おくりものをしていたのは おれだよ。」と わかってもらいたくて、力をふりしぼって うなずいたんじゃないかな。
兵十は 火縄じゅうを ばたりと 取り落としたね。
なぜかというと ごんが 自分に しんせつに してくれていたのに、それに気づかず、ごんを うってしまったことが とてもショック だったからだね。
「なんてことをしてしまったんだ。」と こうかいして、何も 考えられなくなって 全身から 力がぬけて、じゅうを 落としたんじゃないかな。
ということは、ごんの気持ちは 「兵十にわかってもらえた」ということでもあるよね。
うたれて苦しかっただろうし、もっと 兵十と 話したかった かもしれないけれど、きっと ごんは いっしゅんでも 兵十と 心が通じあえて うれしかったんじゃないかな。
このお話は「青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました」という最後の一文で 終わっているね。
「青いけむり」は 火縄じゅうから たまが うち出されたときの けむりが 出ている ということだね。
ごんは ぐったりしているし、兵十は 火縄じゅうを 取り落としたから、この場面で 動いているのは、青いけむりだけ ということだね。
兵十やごんの セリフも動きも 止まった この場面を そうぞうすると、言葉を失って かたまっている 兵十の 大きなショックが 私たちの心にも ひしひしと 伝わってくるね。
このお話は、語り手の「わたし」が 村の茂平というおじいさんから 聞いたお話だったよね。
ということは、兵十が この出来事を 村人に話したから 村人やその家族に 語りつがれていった んじゃないかな。
兵十は どうして ごんの話を 村人に 話したのかな?
もしかしたら、「自分をわかってほしい というごんの気持ちを 大切にするため」や、「自分が ごんを ごかいしてしまった失敗を みんなには してほしくない」と思って、村人に 話したのかもしれないね。
ごんのために 何かできることはないか と考えた 兵十なりの つぐない だったのかもしれないね。
作者が伝えたかったこと
だい1の 場面から だい6の 場面での ごんと兵十の おたがいに対する 気持ちを 整理してみよう。
ごんの気持ち | 兵十の気持ち | |
だい1の場面 | ちょっとしたいたずら(さびしい、理由はない) | ぬすっとぎつねめ(いかり) |
だい2の場面 | あんなことしなければよかった(こうかい) | (元気がない、悲しい) |
だい3の場面 | ・おれと同じひとりぼっち(親しみ) ・うなぎのつぐないに、いいことをした→しまった ・毎日 くりや松たけをとどける | だれが、いわしなんかうちに放りこんだんだろう(めいわく) |
だい4の場面 | ・二人の後をつけていく(兵十はどう思っているの?) | 毎日だれかがおくりものをしていて、不思議だ |
だい5の場面 | ・神様にお礼を言われるなんて、引き合わない | くりをくれているのは、神様なんだ |
だい6の場面 | ・その次の日もくりをとどけた(よろこんでほしい) ・ぐったりと目をつぶったまま、うなずいた | ・いたずらぎつねをやっつけよう(にくい) ・「ごん、おまいだったのか。」(びっくり) ・火縄じゅうをばたりと落とした(ショック、こうかい) |
だい1の 場面で ごんにとって、兵十は ちょっとしたいたずらをする 相手だったよね。
でも、だい2の 場面から ごんの 兵十に対する 気持ちは 変わって、兵十に つぐないを 始め、だんだんと「自分に気づいてほしい」と 思っていくよね。
反対に 兵十は、ずっと ごんのことを にくい いたずらぎつねだと 思っていたよね。
でも、だい 6の場面の 後半で ごんが くりを持ってきたことに 気づき、ごんの気持ちが、兵十に とどいたよね。
ごんと 兵十の気持ちは ずっとすれちがっていたけれど、ごんがうたれた後で やっと 心を通じ合わせることが できたね。
ごんの気持ちが なかなか 兵十に わかってもらえなかったように、みんなも 家族や 友だちに 自分の気持ちを わかってもらえなかったり、ごかいされてしまったりしたら、悲しいよね。
反対に 兵十が ごんの気持ちに 気づかなかったように、相手の 本当の気持ちに 気づかず、ひどいたいどを とってしまうことも あるかもしれないね。
それも とても悲しいこと だよね。
でも みんなは 一人一人 ちがう人間だから、いっしょに生きていく上で 考え方や 感じ方が ちがうことも あるよね。
だから おたがいに 本当の気持ちを「わかり合える」ことって、実は とても難しいことなのかもしれないね。
だからこそ、おたがいに「わかり合えた」時や 「心が通い合った」時は とてもうれしいよね。
私たちは おたがいに すれちがわないように 自分の すなおな気持ちを 伝えたり、自分の行動を ふり返ったり、相手のことを りかいしようとすることが とても大切なんじゃないかな。
作者は、このお話を通して、きっと 私たちに「ちがう考えやそれぞれの事情を持つ人が、お互いにわかり合えることの難しさ」や「わかり合えないことの悲しさ」を伝えたかったんじゃないかな。
そして「お互いに わかり合えることの よろこび」も 伝えたかったんじゃないかな。
ことばの意味
「ごんぎつね」で使われていることばの意味をまとめたよ。
※「ごんぎつね」のお話の中でつかわれている意味なので ちゅういしよう。
ことば | 意味 |
---|---|
菜種がら | アブラナという花の「くき」のぶぶん。もえやすいので、かまどに火をおこすときに つかわれる。 |
百姓 | のうぎょうを して くらす人のこと。 |
もず | くちばしが するどく、頭が大きい小鳥。 |
つつみ | 川や池などの水が あふれて出てこないように、土を高くきずいたもの。 |
まくしあげる | そでや すそを まくって あげること。 |
はりきりあみ | 大雨がふった後に、池から落ちてくるウナギを川でつかまえるための あみ。川のはば いっぱいに はりきって つかうので、「はりきりあみ」という。 |
びく | つかまえた魚を入れておく かごのこと。 |
じれったくなる | ものごとが うまくいかなくて イライラすること。 |
はんの木 | 高さが10~20メートルくらいある木。 |
家内 | おくさんのこと。お話の中では、弥助のおくさん。 |
お歯黒 | 歯を黒くそめるための黒い鉄のえきたい。昔はけっこんした女の人は歯を黒くする ふうしゅうが あった。 |
かじ屋 | はものなど鉄のどうぐをつくる しょく人のこと。 |
かみをすく | かみを とかしたり、かみの りょうを へらしたり、かみの手入れをすること。 |
のぼり | 細長いきれ(ぬの)を さおの先につけて立てるもの。 |
よそ行き | ふだんとはちがい、お出かけの時に着るふくのこと。 |
彼岸花 | 「ひがんばな」。秋の おひがんのころにさく花。 |
かみしも | 上下でそろったふくそう。昔の正式な時に着るふくのこと。 お話の中では、そうしきのために男の人が着る白いかみしものこと。 |
しおれる | 草や花が元気がなくなって弱るようす。お話の中では、兵十の顔が元気がないようすのこと。 |
とこにつく | 寝ること、病気で寝ること。お話の中では、兵十のお母さんが病気で寝ていたこと。 |
生きのいい | 元気があるようす。お話の中では、いわしが とれたばかりで元気がいいということ。 |
いせいのいい | 元気があるようす。お話の中では、いわし売りの声が元気があるようすのこと。 |
お念仏 | 仏(ほとけ)さまのことを念じること。お話の中では、たくさんの人があつまって、お念仏をとなえること。 |
かげぼうし | 人のかげのこと。 |
しわざ | したこと。 |
あわれに思う | きのどくに思うこと。 |
めぐむ | お話の中では、物をあたえること。 |
引き合わない | わりに合わないこと。 |
縄をなう | 糸やひもを より合わせて一本にして縄にすること。 |
火縄銃 | 「ひなわじゅう」。昔のてっぽうのこと。 |
新しい漢字
「ごんぎつね」の学習で新しく習う漢字をまとめたよ。
なぞり書きのワークシートプリントをダウンロードして、たくさん練習しよう。
漢字 | 音読み・訓読み・使い方 |
---|---|
変 | ヘン・か(わる) 変身(へんしん)・変わり者(かわりもの) |
種 | シュ・たね 種族(しゅぞく)・菜種油(なたねあぶら) |
続 | ゾク・つづ(く) 続出(ぞくしゅつ)・続きもの(つづきもの) |
折 | セツ・お(る) 骨折(こっせつ)・折り紙(おりがみ) |
積 | セキ・つ(む) 蓄積(ちくせき)・積み木(つみき) |
飯 | ハン・めし 炒飯(ちゃーはん)・飯粒(めしつぶ) |
松 | ショウ・まつ 松竹梅(しょうちくばい)・松の木(まつのき) |
不 | フ・ブ 不思議(ふしぎ) |
議 | ギ 会議(かいぎ) |
差 | サ・さ(す) 落差(らくさ)・傘を差す(かさをさす) |
念 | ネン 念仏(ねんぶつ) |
連 | レン・つら(なる) 連絡(れんらく)・連なる山(つらなるやま) |
景 | ケイ 情景(じょうけい)・景色(けしき) |
末 | マツ・すえ 結末(けつまつ)・末っ子(すえっこ) |
運営者情報
ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
ありがとう