梶井基次郎「檸檬」テスト対策練習問題と過去問まとめ
梶井基次郎「檸檬」は、高校現代文・文学国語のテストで扱われることのある短編小説だよ。
テストでは、主人公「私」の憂鬱、「えたいの知れない不吉な塊」の意味、檸檬が「私」に与える変化、丸善の場面、檸檬を「爆弾」に見立てる意味などが問われやすいんだ。
この記事では、「檸檬」の基本情報、重要語句、内容理解、本文抜き出し問題、記述問題を通して、テスト前に確認したいポイントを整理していくよ。
内容を先に確認したい人は、解説ページも参考にしてね。
梶井基次郎「檸檬」解説!あらすじ・檸檬の象徴・主人公の心情変化をわかりやすく解説
このテスト対策で確認すること
- 「檸檬」の作者・語り手・舞台
- 主人公「私」の心を押さえつけるもの
- 「えたいの知れない不吉な塊」の意味
- 「見すぼらしくて美しいもの」にひかれる理由
- 果物屋の場面の意味
- 檸檬の色・形・冷たさ・香り・重さ
- 檸檬が「私」に与えた変化
- 丸善が「重くるしい場所」になった理由
- 檸檬を本の上に置く場面の意味
- 檸檬を「爆弾」に見立てる意味
- 本文抜き出し問題・記述問題
- 「檸檬」の主題
目次
1. 基本情報・重要語句の問題
まずは、「檸檬」の基本情報と重要語句を確認しよう。
問1
ア:夏目漱石
イ:梶井基次郎
ウ:芥川龍之介
エ:中島敦
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【解説】「檸檬」の作者は梶井基次郎だよ。短編小説「檸檬」は、感覚表現と象徴表現が特徴的な作品なんだ。
問2
ア:K
イ:先生
ウ:私
エ:丸善の店員
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【解説】「檸檬」は、主人公である「私」が自分の心の状態や街での体験を語る形で進むよ。
問3
ア:京都の街、寺町、果物屋、丸善
イ:東京の学校と病院
ウ:中国の山中と役所
エ:鎌倉の海岸と雑司ヶ谷の墓地
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【解説】「檸檬」の主な舞台は、京都の街、寺町の果物屋、丸善だよ。場所の変化とともに、「私」の心情も変化していくんだ。
問4
ア:静かに落ち着くこと
イ:昔を懐かしむこと
ウ:美しく飾ること
エ:いらだち、あせる気持ち
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【解説】「焦躁」は、いらだちやあせる気持ちのことだよ。「私」の不安定な心の状態を表す語句として大切なんだ。
問5
ア:いやだと思うこと
イ:楽しみにすること
ウ:深く尊敬すること
エ:急いで歩くこと
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【解説】「嫌悪」は、いやだと思うことだよ。冒頭では、「焦躁」と並んで、「私」の心の不快感を表す語として出てくるよ。
問6
ア:はっきり決断すること
イ:あてもなくさまようこと
ウ:相手を説得すること
エ:物を積み上げること
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【解説】「彷徨」は、あてもなくさまようことだよ。「私」は落ち着けない気持ちを抱え、京都の街をさまよい歩いているんだ。
問7
ア:とても静かなこと
イ:古びて壊れかけていること
ウ:きらびやかで美しいこと
エ:気分が沈んでいること
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【解説】「絢爛」は、きらびやかで美しいことだよ。果物屋の店頭の光や色彩の豊かさを読むときに関わる語句だね。
問8
ア:四角く角ばった形
イ:平たく広がった形
ウ:円だけでできた形
エ:中央がふくらみ、両端が細くなった形
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【解説】「紡錘形」は、中央がふくらみ、両端が細くなった形だよ。檸檬の形を説明する重要語句なんだ。
問9
ア:おどけやしゃれを楽しむ心
イ:相手を強く憎む心
ウ:物事を忘れようとする心
エ:深く反省する心
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【解説】「諧謔心」は、おどけやしゃれを楽しむ心だよ。檸檬の重さを「すべての善いもの、美しいものを重量に換算した重さ」のように考える場面に関係するよ。
問10
ア:眠れない夜が続くこと
イ:酒を飲んだ翌日まで気分の悪さが残ること
ウ:病気が完全に治ること
エ:旅先で道に迷うこと
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【解説】「宿酔」は、辞書的には「しゅくすい」と読み、酒を飲んだ翌日まで気分の悪さが残ることを表すよ。本文では「ふつかよい」と読ませる場合があるので、教科書のルビも確認しよう。
2. 主人公「私」の状態を確認する問題
次に、主人公「私」の心の状態を確認しよう。
問11
ア:檸檬そのものの重さ
イ:丸善で買った本の重さ
ウ:「私」の心を押さえつける正体の分からない不安や憂鬱
エ:果物屋に積まれた果物の量感
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【解説】「えたいの知れない不吉な塊」は、「私」の心を押さえつけている、正体のはっきりしない不安や憂鬱を表しているよ。
問12
ア:肺尖カタルだけ
イ:神経衰弱だけ
ウ:借金だけ
エ:不吉な塊
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【解説】本文では、肺尖カタルや神経衰弱、借金がいけないのではなく、「いけないのはその不吉な塊だ」と語られているよ。外側の問題よりも、心の奥の重さが中心なんだ。
問13
ア:以前好きだった音楽や詩さえ楽しめなくなっている
イ:病気も借金もなく、毎日明るく過ごしている
ウ:丸善で働くことに満足している
エ:檸檬が嫌いで果物屋を避けている
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【解説】「私」は、以前なら喜べた美しい音楽や詩にも耐えられなくなっているよ。心が強い憂鬱に押さえつけられている状態なんだ。
問14
ア:仕事のために店を回っていたから
イ:友人を探していたから
ウ:何かが「私」を居堪らなくさせ、落ち着いていられなかったから
エ:丸善で買い物をするためだけに歩いていたから
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【解説】「私」は、心を押さえつける不吉な塊のために、じっとしていられず、街から街へさまよい続けているよ。
問15
ア:立派で整った表通りだけ
イ:新しく豪華な建物だけ
ウ:高価な美術品だけ
エ:見すぼらしくて美しいもの
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【解説】「私」は、壊れかかった街や裏通り、駄菓子屋の品物など、見すぼらしくてもどこか美しいものにひかれているよ。
問16
ア:今の「私」には立派で整ったものが重く感じられ、古びたものの中にささやかな美を感じるから
イ:表通りの店がすべて閉まっていたから
ウ:壊れた街を直す仕事をしていたから
エ:京都の地図を調べていたから
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【解説】「私」は、洗練された立派なものよりも、壊れかかったものや安っぽいものに、今の自分に合う感覚的な美を感じているんだ。
問17
ア:丸善の店員に見つからないようにするため
イ:京都から逃げ出し、誰も知らない街へ行ってしまいたい気持ちがあるから
ウ:果物屋の場所を忘れたいから
エ:檸檬を買ったことを後悔しているから
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【解説】「私」は、京都から逃げ出し、誰一人知らないような街で何も考えず休みたいと感じているよ。錯覚は、現実から逃れたい気持ちと関係しているんだ。
問18
ア:高価な宝石を集めたい気持ち
イ:店を開いて商売をしたい気持ち
ウ:幼いころの記憶や、かすかな感覚の楽しさにひかれる気持ち
エ:父母を責めたい気持ち
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【解説】びいどろや南京玉の味や感触は、「私」に幼いころの記憶や、かすかな爽やかさを思い出させるよ。ここでは感覚のよろこびが大切なんだ。
3. 檸檬との出会いと心情変化の問題
ここでは、果物屋で檸檬を見つけた場面と、「私」の心情変化を確認しよう。
問19
ア:鎌倉の海岸
イ:寺町の果物屋
ウ:丸善の書店
エ:友人の下宿
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【解説】「私」は、寺町の果物屋で檸檬を見つけて買うよ。この果物屋は、「私」にとって魅力的な色彩と量感を持つ場所として描かれているんだ。
問20
ア:立派な洋館で、白一色の静かな店として描かれる
イ:暗く何も置かれていない店として描かれる
ウ:果物や青物の色彩や量感が、豊かで魅力的に描かれる
エ:「私」に恐怖だけを与える場所として描かれる
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【解説】果物屋は、色彩や量感が豊かで、「私」の感覚を強く刺激する場所として描かれているよ。檸檬との出会いにつながる重要な場面なんだ。
問21
ア:灰色で四角い形をしている
イ:透明で軽いガラス玉である
ウ:青く細長い花火である
エ:単純な黄色と、丈の詰まった紡錘形が印象的である
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【解説】檸檬は、レモンエロウの絵具のような単純な色と、丈の詰まった紡錘形の形によって印象づけられているよ。
問22
ア:心を押さえつけていた不吉な塊がいくらかゆるみ、幸福な気持ちになる
イ:ますます怒りが強くなり、果物屋を壊したくなる
ウ:檸檬の存在をすぐに忘れてしまう
エ:丸善に入ることが完全に不可能になる
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【解説】檸檬を握ったことで、「私」の心を押さえつけていた不吉な塊が少しゆるみ、「私」は街の上で非常に幸福な気持ちになるよ。
問23
ア:病気を完全に治す効果
イ:熱っぽい身体と心を心地よく刺激し、爽やかさを感じさせる効果
ウ:借金を忘れさせない効果
エ:丸善の本を重くする効果
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【解説】「私」は熱っぽい身体を抱えているため、檸檬の冷たさをとても心地よく感じているよ。冷覚や触覚が、「私」の心を一時的に軽くするんだ。
問24
ア:気分が悪くなり、すぐに捨てた
イ:香りを嫌って鼻を遠ざけた
ウ:胸いっぱいに吸い込み、身内に元気が目覚めるように感じた
エ:何も感じなかった
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【解説】「私」は檸檬を何度も鼻に持っていき、香りを吸い込むことで、身体の中に元気が目覚めるように感じているよ。
問25
ア:檸檬の重さに、美しいものや善いものが手の中にあるような確かな実感を感じている
イ:本の重さが苦しいだけだと感じている
ウ:借金の金額を計算している
エ:果物屋の台が重いと考えている
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【解説】「私」は、檸檬の重さを、すべての善いもの・美しいものを重量に換算したような重さとして感じているよ。少し大げさで諧謔的な想像だけれど、「私」の幸福感が表れているんだ。
4. 丸善の場面と檸檬の象徴の問題
ここでは、丸善に入った後の「私」の心情と、檸檬を本の上に置く場面を確認しよう。
問26
ア:最初から嫌いで避け続けていた場所
イ:借金取りだけが集まる場所
ウ:香水や画集などにひかれ、小一時間も費すことがあった好きな場所
エ:果物だけを売る店
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【解説】以前の「私」にとって丸善は、香水や洒落た品物、画集などを見ることが楽しみだった場所だよ。だからこそ、今の「私」にとって重く感じられる変化が大切なんだ。
問27
ア:丸善に檸檬が売っていなかったから
イ:書籍や学生や勘定台が、借金取りの亡霊のように見え、現実の重さを感じさせるから
ウ:丸善が完全に閉店していたから
エ:丸善の店員に追い出されたから
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【解説】今の「私」には、丸善の書籍や学生や勘定台が借金取りの亡霊のように見えているよ。以前好きだった文化的な空間が、今は重苦しい現実を思い出させる場所になっているんだ。
問28
ア:以前のように一枚一枚を楽しく味わっている
イ:画集をすぐに買って満足している
ウ:画本を抜き出しても楽しめず、疲労や憂鬱を感じている
エ:果物屋の店主と話し込んでいる
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【解説】「私」は画本を抜き出しても、以前のように楽しめないよ。むしろ本の重さや作業そのものがつらくなり、憂鬱が戻ってくるんだ。
問29
ア:袂の中の檸檬
イ:友達からの手紙
ウ:父母からの小言
エ:乾蝦と棒鱈
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【解説】丸善で憂鬱になった「私」は、袂の中の檸檬を思い出すよ。ここから檸檬を本の上に置く場面へつながるんだ。
問30
ア:檸檬が本の色彩に埋もれて、まったく目立たなくなる
イ:檸檬の色彩が、雑然とした本の色の中で鮮やかに冴え返る
ウ:檸檬がすぐに腐ってしまう
エ:「私」が店員に檸檬を売る
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【解説】積み上げた本の上に檸檬を置くと、檸檬は本の色彩を吸収するように、カーンと冴え返って見えるよ。重苦しい丸善の空気を、檸檬が一瞬支配するような場面なんだ。
問31
ア:檸檬が本当に爆発する危険物であることを表す
イ:丸善の店員が置いた本物の爆弾であることを表す
ウ:「私」が檸檬を想像の中で爆弾に見立て、丸善の重苦しさを吹き飛ばす快感を味わっていることを表す
エ:果物屋が丸善に送った商品であることを表す
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【解説】檸檬は本物の爆弾ではないよ。「私」は想像の中で檸檬を爆弾に見立て、丸善の重苦しい空間を吹き飛ばすような解放感を楽しんでいるんだ。
問32
ア:檸檬を置き忘れたことに気づかず、ただ不安になっている
イ:想像の中で丸善を爆破するいたずらめいた快感を抱き、微笑んでいる
ウ:店員に怒られて泣いている
エ:檸檬を買ったことを激しく後悔している
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【解説】「私」は、檸檬を丸善に置いたまま外へ出て、それを爆弾に見立てる想像を楽しんでいるよ。ここには、軽やかな反抗心や想像力による解放感が表れているんだ。
5. 本文抜き出し問題・記述問題
ここからは、本文の一部をもとにした抜き出し問題・記述問題を確認しよう。
「檸檬」のテストでは、本文中の表現を根拠にして、「私」の心情や檸檬の象徴を説明する問題が出やすいよ。
※本文は使用している教科書によって表記が少し異なることがあるので、掲載前に学校の本文表記に合わせて確認しよう。
本文
えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。焦躁と言おうか、嫌悪と言おうか――酒を飲んだあとに宿酔があるように、酒を毎日飲んでいると宿酔に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。
これはちょっといけなかった。結果した肺尖カタルや神経衰弱がいけないのではない。また背を焼くような借金などがいけないのではない。いけないのはその不吉な塊だ。
問33
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【解説】「私」の心を押さえつけている中心は「不吉な塊」だよ。病気や借金そのものよりも、正体の分からない憂鬱が問題として示されているんだ。
問34
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【解説】冒頭では、「焦躁」と「嫌悪」という語によって、「私」の落ち着かない不快な心の状態が表されているよ。
問35
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【解説】本文では「いけないのはその不吉な塊だ」と語られているよ。外側の問題より、心の奥にある説明しにくい憂鬱が中心になっているんだ。
問36
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【解説】この表現は、病気や借金だけでは説明できない、心の奥にある重苦しさを表しているよ。正体が分からないからこそ、「私」は落ち着けず街をさまようんだ。
本文
何故だかその頃私は見すぼらしくて美しいものに強くひきつけられたのを覚えている。風景にしても壊れかかった街だとか、その街にしてもよそよそしい表通りよりもどこか親しみのある、汚い洗濯物が干してあったりがらくたが転がしてあったりむさくるしい部屋が覗いていたりする裏通りが好きであった。
問37
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【解説】「私」は、立派で整ったものではなく、「見すぼらしくて美しいもの」にひかれているよ。ここに、今の「私」の美意識の変化が表れているんだ。
問38
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【解説】「私」は、立派で整ったものに耐えられない状態にあるよ。だから、古びた裏通りや見すぼらしいものの中に、かえって自分を慰める美しさを感じているんだ。
本文
その日私はいつになくその店で買物をした。というのはその店には珍しい檸檬が出ていたのだ。いったい私はあの檸檬が好きだ。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰まった紡錘形の恰好も。
始終私の心を圧えつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛んで来たとみえて、私は街の上で非常に幸福であった。
問39
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【解説】檸檬の鮮やかな黄色は、絵具にたとえられているよ。色彩表現がとても重要な場面なんだ。
問40
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【解説】「紡錘形」は、中央がふくらみ、両端が細くなった形のことだよ。檸檬の形の確かな存在感を表しているんだ。
問41
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【解説】檸檬は、「私」の現実の問題を解決したわけではないよ。でも、色・形・冷たさ・香り・重さによって、「私」の心を一時的に軽くしているんだ。
本文
平常あんなに避けていた丸善がその時の私にはやすやすと入れるように思えた。
しかしどうしたことだろう、私の心を充たしていた幸福な感情はだんだん逃げていった。香水の壜にも煙管にも私の心はのしかかってはゆかなかった。憂鬱が立て罩めて来る、私は歩き廻った疲労が出て来たのだと思った。
問42
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【解説】檸檬によって心が軽くなったため、以前は重く感じていた丸善にも入れるように思えたんだ。
問43
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【解説】丸善に入ると、檸檬による幸福感は次第に薄れていくよ。丸善の空間が、再び「私」に重苦しさを感じさせるんだ。
問44
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【解説】丸善は、以前の「私」が好んだ場所だよ。しかし今は、書籍や学生や勘定台が現実の重さを思い出させ、「私」に憂鬱を感じさせる場所になっているんだ。
本文
やっとそれはでき上がった。そして軽く跳りあがる心を制しながら、その城壁の頂きに恐る恐る檸檬を据えつけた。そしてそれは上出来だった。
見わたすと、その檸檬の色彩はガチャガチャした色の階調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、カーンと冴えかえっていた。
問45
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【解説】「据えつけた」という表現から、ただ置いたというよりも、檸檬を本の山の頂上に慎重に配置している感じが伝わるよ。
問46
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【解説】檸檬は、ガチャガチャした本の色彩を吸収するように、鮮やかに際立って見えているよ。檸檬の象徴性が強く表れる場面なんだ。
問47
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【解説】「私」は、現実の丸善を変えたわけではないよ。でも、檸檬を置くことで、重苦しい空間を一瞬だけ自分の想像と美の世界に変えているんだ。
本文
丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう。
私はこの想像を熱心に追求した。「そうしたらあの気詰まりな丸善も粉葉微塵だろう」
問48
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【解説】「私」は檸檬を本物の爆弾として扱っているわけではなく、想像の中で「恐ろしい爆弾」に見立てているよ。
問49
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【解説】「私」は、檸檬を爆弾に見立て、丸善が大爆発する想像を楽しんでいるよ。実際の破壊ではなく、想像による解放感が大切なんだ。
問50
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【解説】檸檬は現実の爆弾ではないよ。けれど「私」にとっては、丸善の重苦しさや現実の圧迫感を、想像の中で吹き飛ばす力を持つものとして働いているんだ。
6. 主題・表現効果の問題
最後に、作品全体の主題や表現効果を確認しよう。
問51
ア:商売で成功するための努力
イ:憂鬱に押さえつけられた心が、檸檬という小さな美と想像力によって一瞬だけ解放されること
ウ:京都の観光名所を紹介すること
エ:友人との友情を取り戻すこと
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【解説】「檸檬」は、現実の問題を解決する物語ではないよ。けれど、檸檬という小さな美と想像力によって、「私」の心が一瞬だけ軽くなるところに作品の中心があるんだ。
問52
ア:「私」の憂鬱を一時的にやわらげる鮮やかな美や感覚のよろこび
イ:「私」を永遠に救う宗教的な奇跡
ウ:借金を返すためのお金
エ:丸善の商品として売られている高級品
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【解説】檸檬は、病気や借金を現実に解決するものではないよ。でも、色・冷たさ・香り・重さによって、「私」の憂鬱を一時的にやわらげる象徴的な存在なんだ。
問53
ア:法律の説明や政治制度
イ:戦争の記録や年号
ウ:檸檬の色・冷たさ・香り・重さ
エ:登場人物同士の長い会話
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【解説】「檸檬」では、視覚・触覚・嗅覚・重さなどの感覚表現がとても重要だよ。檸檬は、理屈ではなく感覚を通して「私」の心を動かしているんだ。
問54
ア:檸檬は「私」の心を一時的に軽くする存在である
イ:檸檬は感覚的な美や想像力と関係している
ウ:丸善は今の「私」にとって重苦しい場所である
エ:檸檬は本物の爆弾であり、丸善は実際に爆発した
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【解説】檸檬は本物の爆弾ではなく、丸善も実際には爆発していないよ。「爆弾」は、想像の中で重苦しい現実を吹き飛ばす比喩として読むことが大切なんだ。
問55
ア:現実の事件を起こしたことを示す
イ:想像力によって、気詰まりな丸善から一時的に解放されることを示す
ウ:檸檬を嫌いになったことを示す
エ:果物屋に戻りたい気持ちだけを示す
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【解説】「私」は、現実に丸善を破壊するのではなく、想像の中で丸善を吹き飛ばしているよ。これによって、一時的な解放感や軽やかな反抗心が表れているんだ。
問56
ア:喜び → 怒り → 満足 → 退屈
イ:安心 → 勝利 → 反省 → 悲しみ
ウ:憂鬱 → 檸檬による幸福 → 丸善で再び憂鬱 → 想像力による解放
エ:孤独 → 友情 → 結婚 → 別れ
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【解説】「檸檬」では、主人公の心情が、憂鬱から檸檬による一時的な幸福へ、丸善での再びの憂鬱へ、そして想像力による解放へと変化していくよ。
7. テスト前の重要ポイント
最後に、「檸檬」のテストで特に大切なポイントをまとめるよ。
「檸檬」テスト対策ポイント
- 作者は梶井基次郎。
- 語り手は「私」。
- 主な舞台は、京都の街、寺町の果物屋、丸善。
- 「私」は、病気・借金・神経の疲れなどを抱え、強い憂鬱に苦しんでいる。
- 「えたいの知れない不吉な塊」は、正体の分からない不安や憂鬱を表す。
- 本文では、肺尖カタルや神経衰弱、借金よりも、「不吉な塊」が問題として強調されている。
- 「私」は、美しい音楽や詩、以前好きだった丸善さえ楽しめなくなっている。
- 「私」は、壊れかかった街や裏通り、安っぽい品物など、「見すぼらしくて美しいもの」にひかれる。
- 檸檬は、単純な黄色、紡錘形、冷たさ、香り、重さによって「私」の感覚を刺激する。
- 檸檬を握ったことで、不吉な塊がいくらか弛み、「私」は非常に幸福になる。
- 丸善は、以前の「私」が好きだった場所だが、今の「私」には重くるしい場所になっている。
- 本の上に檸檬を置くことで、檸檬の色彩が鮮やかに冴え返る。
- 檸檬を「黄金色に輝く恐ろしい爆弾」に見立てる場面は、現実の破壊ではなく、想像力による解放感を表す。
- 主題は、憂鬱に押さえつけられた心が、檸檬という小さな美と想像力によって一瞬だけ解放されること。
「檸檬」は、ただ「檸檬を買って丸善に置いた話」ではないよ。
大切なのは、檸檬が「私」の心をどう変えたかを読むことなんだ。
「私」は、病気や借金などの現実から完全に救われたわけではない。けれど、檸檬の色・冷たさ・香り・重さ、そして爆弾のように見立てる想像力によって、一瞬だけ憂鬱から自由になる。
だから「檸檬」を読むときは、感覚的な美、主人公の心情変化、檸檬の象徴、想像力による解放を意識することが大切なんだ。
解説記事やドリルも使って、「檸檬」の理解をしっかり定着させよう。
梶井基次郎「檸檬」解説!あらすじ・檸檬の象徴・主人公の心情変化をわかりやすく解説
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梶井基次郎「檸檬」読書感想文の書き方!高校生向けにテーマと例文を解説
運営者情報
yumineko
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

