中島敦「山月記」読書感想文の書き方!高校生向けにテーマと例文を解説
中島敦「山月記」で読書感想文を書きたいけれど、「李徴が虎になる話で、どう感想を書けばいいの?」「臆病な自尊心って難しい……」と困っていないかな。
「山月記」は、ただの不思議な変身の物語ではないよ。才能にこだわりすぎること、努力から逃げてしまうこと、人に弱さを見せられないこと、自分の名声を大切な人より優先してしまうことなど、現代の私たちにも通じるテーマがたくさんある作品なんだ。
この記事では、高校生が「山月記」で読書感想文を書くときの、テーマの決め方・構成の作り方・書き出しの例・まとめ方をわかりやすく紹介するよ。
この記事で分かること
- 「山月記」が読書感想文に向いている理由
- 読書感想文で書きやすいテーマ
- 「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」を感想文に生かす方法
- 李徴を自分と結びつけて考えるコツ
- 読書感想文の構成メモ
- 書き出し・本文・まとめの例
- 丸写しではなく、自分の言葉で書くコツ
目次
1. 「山月記」は読書感想文に向いている?
「山月記」は、読書感想文にとても向いている作品だよ。
なぜなら、李徴の悩みは、昔の中国を舞台にした物語でありながら、現代の高校生にもかなり身近なものだからなんだ。
たとえば、次のような気持ちは、誰でも少しは分かるのではないかな。
「山月記」で考えやすいこと
- 自分には才能があると思いたい気持ち
- 努力して失敗するのが怖い気持ち
- 人に弱さを見せたくない気持ち
- 本気で挑戦する前に、言い訳を作ってしまう弱さ
- 大切な人より、自分の評価や名声を優先してしまう危うさ
読書感想文では、作品のあらすじを説明するだけではなく、作品を読んで自分が何を考えたかを書くことが大切だよ。
「山月記」は、李徴の失敗や後悔を通して、自分自身の弱さや努力のしかたについて考えやすい作品なんだ。
2. 読書感想文を書く前に、あらすじを確認しよう
まずは、「山月記」の大まかなあらすじを確認しよう。
「山月記」のあらすじ
李徴は、若くして役人になった優秀な人物だった。しかし、自尊心が高く、低い役職に満足できなかったため、官を辞めて詩人として名を残そうとする。
けれど、詩人としての名声はなかなか得られず、生活も苦しくなっていく。李徴は妻子を養うために再び役人になるが、自尊心が傷つき、心を荒らしていく。
ある夜、李徴は突然姿を消し、その後、人食い虎になってしまう。翌年、旧友の袁傪が旅の途中でその虎と出会う。虎は袁傪を襲いかけるが、相手が旧友だと気づき、姿を隠したまま自分が李徴であることを明かす。
李徴は袁傪に、自分が虎になった理由を語る。それは、自分の才能を信じながらも、努力して実力不足が明らかになることを恐れ、人と交わらず、「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」を育ててしまったからだった。
最後に李徴は、自分の詩を伝えてほしいこと、妻子を助けてほしいことを袁傪に頼む。そして虎の姿を見せ、月に向かって咆哮し、草むらの中へ消えていく。
読書感想文では、あらすじを長く書きすぎなくて大丈夫だよ。
あらすじは短めにまとめて、そこから先は李徴を見て自分が何を考えたかを書くようにしよう。
3. 「山月記」の読書感想文で書きやすいテーマ
「山月記」で読書感想文を書くなら、まずテーマを一つ選ぶと書きやすくなるよ。
おすすめのテーマは、次の5つだよ。
| テーマ | 書きやすい内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 努力できない弱さ | 李徴が才能を信じながら、本気で自分を磨けなかったことを考える | 勉強や部活と結びつけたい人 |
| 臆病な自尊心 | 失敗して実力不足が明らかになることを恐れる心について考える | 李徴の心情を深く書きたい人 |
| 尊大な羞恥心 | 傷つくのが怖くて、人に学べなかった李徴の弱さを書く | 人間関係と結びつけたい人 |
| 才能と努力 | 才能だけではなく、努力や人との関わりが必要だと考える | 前向きな感想文にしたい人 |
| 家族より詩を先に頼んだこと | 李徴の自己中心性や、名声への執着について考える | 人間の弱さを厳しく考えたい人 |
迷ったら、まずは「努力できない弱さ」か「臆病な自尊心」をテーマにするのがおすすめだよ。
この二つは、自分の経験と結びつけやすく、読書感想文としても深く書きやすいんだ。
4. テーマ別に、どんなことを書けばいい?
ここからは、テーマごとにどんな内容を書けばよいかを見ていこう。
テーマ1:努力できない弱さ
李徴は、詩人として名を残したいと思っていたよ。
しかし、師についたり、詩友と切磋琢磨したりすることはしなかった。つまり、成功したい気持ちはあるのに、本当に自分を磨く努力からは逃げてしまったんだ。
考えるヒント
- 李徴は、なぜ本気で努力できなかったのか
- 才能があると思うことは、努力の助けになるのか、邪魔になるのか
- 自分も、失敗が怖くて本気を出せなかった経験はあるか
- 努力しないまま「自分は本当はできる」と思ってしまうことはないか
このテーマでは、李徴をただ「怠けていた人」と決めつけるのではなく、努力した結果、自分の限界が見えてしまうことを恐れていたという点に注目すると、感想文が深くなるよ。
テーマ2:臆病な自尊心
「臆病な自尊心」は、「自分は優れていると思いたいけれど、実力不足が明らかになることを恐れる心」だよ。
李徴は、自分に詩の才能があると信じたかった。けれど、本気で努力しても成功できなかったら、自分の才能が大したことないと分かってしまう。それが怖かったんだ。
考えるヒント
- 李徴の自尊心は、なぜ「臆病」なのか
- 自信と自尊心は、同じものなのか
- 失敗するくらいなら挑戦しない、という気持ちは分かるか
- 本当の自信は、どのように育つと思うか
このテーマで書くときは、「自尊心が高いことが悪い」と単純に書くより、失敗を受け入れられない自尊心の危うさを書くとよいよ。
テーマ3:尊大な羞恥心
「尊大な羞恥心」は、「本当は傷つくことを恐れているのに、偉そうにして人を遠ざける心」だよ。
李徴は、他人に学ぶことを恥ずかしいと感じていた。詩友と交わることも、自分の実力を比べられるようで怖かったのかもしれないね。
考えるヒント
- 李徴はなぜ人に学べなかったのか
- 「人に教えてもらうこと」は恥ずかしいことなのか
- 自分の弱さを見せられないと、人間関係はどうなるか
- 本当は不安なのに、強がってしまうことはないか
このテーマでは、李徴の孤独に注目しよう。人を遠ざけた結果、李徴は詩人としても、人間としても孤立していったと考えられるよ。
テーマ4:才能と努力
李徴は、才能に恵まれた人物だったよ。
でも、才能があるだけでは、詩人として名を残すことはできなかった。人に学び、自分を磨き続ける努力が必要だったんだ。
考えるヒント
- 才能と努力のどちらが大切だと思うか
- 才能がある人ほど、努力が必要になることはあるか
- 人に学ぶことは、才能を否定することなのか
- 李徴が本当に詩を磨いていたら、どうなっていたと思うか
このテーマでは、「才能に頼るだけではなく、自分を磨く努力が大切だ」という方向でまとめやすいよ。
テーマ5:家族より詩を先に頼んだこと
李徴は、虎になった後、袁傪に自分の詩を伝えてほしいと頼むよ。その後で、妻子のことも頼む。
しかし李徴は、妻子より先に自分の詩のことを気にかけてしまった自分に気づき、「こんな獣に身を堕とすのも、当然ではないか」と自分を責めるんだ。
考えるヒント
- 李徴は妻子を大切に思っていなかったのか
- なぜ李徴は、家族より詩を先に頼んでしまったのか
- 自分の夢や評価を、大切な人より優先してしまうことはないか
- 李徴が自分を責めたことには、どんな意味があるか
このテーマでは、李徴を一方的に責めるだけでなく、自分の弱さに気づいているからこそ苦しんでいるという点も書くと、読みの深い感想文になるよ。
5. 読書感想文の構成メモを作ろう
読書感想文は、いきなり原稿用紙に書き始めるより、先にメモを作ると書きやすいよ。
おすすめは、次の4段落構成だよ。
| 段落 | 書く内容 | 書き方のヒント |
|---|---|---|
| 第一段落 | 作品を読んで一番強く感じたこと | 李徴を見て考えたことから始める |
| 第二段落 | 印象に残った場面 | 臆病な自尊心、詩への執着、最後の咆哮などから選ぶ |
| 第三段落 | 自分の考えや経験 | 努力、失敗への不安、人に学ぶことなどと結びつける |
| 第四段落 | 作品を読んで考えが変わったこと | これから自分はどうしたいかでまとめる |
次のメモに答えると、感想文の材料がそろうよ。
読書感想文メモ
- 「山月記」を読んで、一番強く感じたことは何?
- 一番印象に残った場面はどこ?
- 李徴のどこに共感できる? または共感できない?
- 「臆病な自尊心」は、自分にも少しあると思う?
- 失敗が怖くて、本気で努力できなかった経験はある?
- 人に教えてもらうことや、弱さを見せることについてどう思う?
- この作品を読んで、これから自分はどんなことに気をつけたい?
このメモに短く答えてから文章にすると、感想文がかなり書きやすくなるよ。
6. 書き出しの例
読書感想文で最初に困りやすいのが、書き出しだよね。
「山月記」の感想文では、次のような書き出しが使いやすいよ。
書き出し例1:李徴への共感から始める
私は「山月記」を読んで、李徴の弱さは決して特別なものではなく、自分の中にも少しあるものだと感じた。
この書き出しは、「臆病な自尊心」や「努力できない弱さ」をテーマにするときに使いやすいよ。
書き出し例2:疑問から始める
李徴は、なぜ自分の才能を信じていたのに、その才能を磨く努力から逃げてしまったのだろうか。
この書き出しは、李徴の心の矛盾を中心に書きたいときにおすすめだよ。
書き出し例3:印象に残った言葉から始める
「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」という言葉が、私には強く印象に残った。
この書き出しは、重要語句を中心に感想文を書きたいときに向いているよ。
書き出し例4:最後の場面から始める
私が「山月記」で一番忘れられないのは、虎となった李徴が月に向かって咆哮する最後の場面である。
この書き出しは、最後の咆哮や李徴の孤独をテーマにしたいときに使いやすいよ。
7. 本文の書き方の例
感想文の本文では、ただ「李徴はかわいそうだった」「虎になるのがこわかった」と書くだけでは少し弱いよ。
次の順番で書くと、考えが伝わりやすくなるよ。
本文の書き方
- 印象に残った場面や言葉を書く
- その場面で李徴がどのような人物として描かれているかを書く
- それを読んで自分がどう感じたかを書く
- 自分の経験や考えと結びつける
たとえば、「臆病な自尊心」をテーマにするなら、次のように考えを広げられるよ。
李徴は、自分には詩の才能があると信じていた。しかし、師についたり、詩友と切磋琢磨したりすることはしなかった。努力しても成功できなかったとき、自分の才能のなさが明らかになることを恐れていたからだと思う。
ここから、自分の考えを続けるなら、次のように書けるよ。
私はこの李徴の弱さを、完全に他人事だとは思えなかった。私も、努力して失敗するくらいなら、最初から本気を出さなかったことにしたいと思ってしまうことがある。本気でやって失敗するより、「まだ本気を出していない」と思える方が、自分を守れる気がするからだ。
このように、本文の場面 → 李徴の心情 → 自分の考えや経験の順番で書くと、読書感想文らしくなるよ。
8. まとめ方の例
読書感想文の最後は、作品を読んで自分の考えがどう変わったかを書くと、まとまりやすいよ。
まとめ方の例をいくつか紹介するね。
まとめ例1:努力につなげる
「山月記」を読んで、私は才能があるかどうかを気にする前に、まず自分を磨く努力を続けることが大切なのだと感じた。失敗を恐れて何もしなければ、李徴のように後悔だけが残ってしまうのかもしれない。
まとめ例2:自尊心との向き合い方でまとめる
自尊心は、自分を支える力にもなる。しかし、失敗を恐れて人に学ぶことを避けてしまえば、自分を成長させる機会を失ってしまう。私はこれから、自分の弱さを認めながら、人に学ぶことを大切にしたい。
まとめ例3:最後の咆哮にふれる
最後に月を仰いで咆哮する李徴の姿は、自分の弱さに気づきながらも、もう元には戻れない悲しみを表しているように感じた。私は、取り返しがつかなくなる前に、自分の弱さと向き合う勇気を持ちたいと思った。
9. 「山月記」読書感想文の短い例文
ここでは、短めの例文を紹介するよ。
ただし、このまま丸写しするのではなく、自分が感じたことや、自分の経験に置きかえて書くようにしよう。
私は「山月記」を読んで、李徴の弱さは決して昔の物語の中だけのものではなく、自分の中にも少しあるものだと感じた。
李徴は、若くして役人になるほど優秀な人物だった。しかし、自分の才能を強く信じていたため、低い役職に満足できず、官を辞めて詩人として名を残そうとした。ここだけを見ると、李徴は夢を追いかけた人のようにも見える。けれど、李徴は詩人として成功するために、師についたり、詩友と切磋琢磨したりすることをしなかった。
私が特に印象に残ったのは、「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」という言葉である。李徴は、自分には才能があると思いたかった。しかし、本気で努力して失敗すれば、自分の才能が大したことないと分かってしまう。それを恐れたからこそ、人に学ぶことを避けたのだと思う。
私は、この李徴の気持ちを完全には否定できなかった。私も、勉強や部活動で、本気で取り組んで失敗するのが怖いと思ったことがある。努力しても結果が出なかったとき、自分には力がないのだと分かってしまう気がするからだ。そのため、最初から「まだ本気を出していない」と思える状態に逃げたくなることがある。
しかし、「山月記」を読んで、その考え方は自分を守っているようで、実は自分の成長を止めてしまうものなのだと感じた。李徴は、自分の才能を信じながらも、その才能を磨く努力をしなかった。その結果、詩人としての夢だけでなく、人間としての生活まで失ってしまった。
最後に、虎となった李徴が月に向かって咆哮する場面は、とても悲しかった。自分の弱さに気づいたときには、もう人間には戻れない。そう考えると、李徴の姿は、努力から逃げ続けた人間の後悔そのもののように思えた。
私はこの作品を読んで、才能があるかどうかを考える前に、まず自分を磨く努力を続けることが大切なのだと思った。また、失敗することや人に学ぶことを恥ずかしいと思わず、自分の弱さを認める勇気を持ちたい。李徴の悲劇は、私に、自分の弱さと向き合うことの大切さを教えてくれた。
この例文では、次の流れで書いているよ。
- 最初に、作品を読んで感じたことを書く
- 李徴の人物像と失敗を説明する
- 「臆病な自尊心」に注目する
- 自分の経験と結びつける
- 最後に、作品から学んだことを書く
10. 丸写しではなく、自分の感想文にするコツ
読書感想文では、例文をそのまま写すのではなく、自分の考えを入れることが大切だよ。
次の部分を自分の言葉に変えると、自分だけの感想文になりやすいよ。
自分の感想文にするポイント
- 一番印象に残った場面を、自分で選ぶ
- 李徴に共感できるところ、共感できないところを書く
- 「臆病な自尊心」が自分にもあるか考える
- 自分の勉強・部活・人間関係の経験と結びつける
- 最後に、これから自分がどうしたいかを書く
たとえば、次のように言葉を変えると、自分らしい感想文になるよ。
| 例文の考え | 自分の言葉に変える例 |
|---|---|
| 李徴の弱さは自分にもある | 私は、失敗するのが怖くて挑戦を避けたことがあるので、李徴の気持ちが少し分かる。 |
| 努力から逃げることの怖さ | 努力しないまま自分には才能があると思い続けることは、自分を守るようで、実は自分を苦しめるのだと思った。 |
| 人に学ぶことの大切さ | 李徴を見て、人に教えてもらうことは恥ずかしいことではなく、自分を成長させるために必要なことだと感じた。 |
| 最後の咆哮が印象に残った | 李徴の咆哮は、言葉では伝えきれない後悔や孤独を表しているように感じた。 |
「山月記」の読書感想文では、立派な答えを探す必要はないよ。
大切なのは、李徴の姿を見て、自分は何を考えたのかを言葉にすることなんだ。
まずは、「努力できない弱さ」「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」「才能と努力」「家族より詩を先に頼んだこと」の中から、一つテーマを選んで書き始めてみよう。
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

