芥川龍之介「羅生門」読書感想文の書き方!中学生・高校生向けにテーマと例文を解説
芥川龍之介「羅生門」で読書感想文を書きたいけれど、「何を書けばいいの?」「下人が老婆の着物を奪う話で、どう感想を書けばいいの?」と困っていないかな。
「羅生門」は、ただのこわい話ではなく、人間は追いつめられたときにどう変わってしまうのか、生きるためなら悪いことをしてもよいのかを考えさせる作品だよ。
この記事では、中学生・高校生が「羅生門」で読書感想文を書くときの、テーマの決め方・構成の作り方・書き出しの例・まとめ方をわかりやすく紹介するよ。
この記事で分かること
- 「羅生門」が読書感想文に向いている理由
- 読書感想文で使いやすいテーマ
- 「下人を責められるか」「生きるための悪」などの考え方
- 感想文を書くための構成メモ
- 書き出し・本文・まとめの例
- 丸写しではなく、自分の言葉で書くコツ
目次
1. 「羅生門」は読書感想文に向いている?
「羅生門」は、読書感想文にとても向いている作品だよ。
なぜなら、ただ「あらすじがおもしろかった」と書くよりも、自分ならどうするか、下人を責められるか、生きるためなら悪は許されるのかなど、自分の考えを書きやすい作品だからなんだ。
読書感想文で大切なのは、作品の説明だけを書くことではないよ。作品を読んで、自分が何を考えたかを書くことなんだ。
「羅生門」で考えやすいこと
- 下人は本当に悪い人なのか
- 老婆の言い分は正しいのか
- 生きるためなら、悪いことをしてもよいのか
- 人は追いつめられると変わってしまうのか
- 自分も、都合のよい言い訳をしてしまうことはないか
このようなテーマは、読書感想文にとても使いやすいよ。
2. 読書感想文を書く前に、あらすじを確認しよう
まずは、「羅生門」の大まかなあらすじを確認しよう。
「羅生門」のあらすじ
物語の舞台は、荒れ果てた京都の羅生門。仕事を失った下人は、雨の中で行くあてもなく、飢え死にするか、盗人になるかを迷っている。
下人が羅生門の楼の上に上ると、老婆が死骸の髪の毛を抜いているのを見つける。下人はそれを悪だと感じ、老婆を責める。
しかし老婆は、「生きるためには仕方がない」と言い、自分の行為を正当化する。その言葉を聞いた下人は、今度はその理屈を利用して、老婆の着物を奪い、夜の闇へ消えていく。
読書感想文では、あらすじを長く書きすぎる必要はないよ。
あらすじは、全体の四分の一くらいまでにして、そこから先は自分が考えたことを書くようにしよう。
3. 「羅生門」の読書感想文で書きやすいテーマ
「羅生門」で読書感想文を書くなら、まずテーマを一つ選ぶと書きやすくなるよ。
おすすめのテーマは、次の5つだよ。
| テーマ | 書きやすい内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 下人を責められるのか | 悪いことをした下人を、自分なら責められるか考える | 自分の意見を書きたい人 |
| 生きるためなら悪は許されるのか | 老婆の言い分と下人の行動を比べて考える | 善悪について深く考えたい人 |
| 人は環境によって変わるのか | 下人が追いつめられて変化していくところに注目する | 人物の心情変化を書きたい人 |
| 最後の一文から考える | 「下人の行方は、誰も知らない。」から未来を想像する | 印象的な終わり方について書きたい人 |
| 自分の生活と結びつける | 自分も言い訳をした経験や、弱さを感じた経験と結びつける | 自分の体験を入れたい人 |
どのテーマを選んでもよいけれど、迷ったら「下人を責められるのか」がおすすめだよ。中学生にも高校生にも書きやすく、自分の考えを広げやすいからなんだ。
4. テーマ別に、どんなことを書けばいい?
ここからは、テーマごとにどんな内容を書けばよいかを見ていこう。
テーマ1:下人を責められるのか
このテーマでは、下人が老婆の着物を奪ったことについて考えるよ。
下人がしたことは、もちろん正しいことではないよ。けれど、仕事を失い、飢え死にするかもしれない状況に追いつめられていたことも事実なんだ。
考えるヒント
- 下人がしたことは悪いことだと思うか
- でも、下人の立場だったら自分はどうしただろうか
- 人を責めるとき、自分は相手の事情まで考えているか
- 「悪いことをした人」を簡単に責めてよいのか
このテーマで書くときは、「下人は悪い」と言い切るだけでなく、それでも自分は本当に下人を責められるのかと考えると、感想文が深くなるよ。
テーマ2:生きるためなら悪は許されるのか
老婆は、死骸の髪の毛を抜く理由として、「生きるためには仕方がない」という考えを語るよ。
下人は最初、その行為を「許すべからざる悪」と感じる。けれど最後には、老婆と同じように「生きるため」という理由で、老婆の着物を奪ってしまうんだ。
考えるヒント
- 老婆の言い分には、少しでも納得できるところがあるか
- 生きるためなら、どこまで許されるのか
- 下人は老婆を責めていたのに、なぜ自分も盗みをしたのか
- 自分に都合のよい理屈で、自分の行動を正当化することはないか
このテーマでは、悪いことをした理由がある場合、その悪は許されるのかを考えると書きやすいよ。
テーマ3:人は環境によって変わるのか
下人は、物語の最初から完全な悪人だったわけではないよ。
最初は、飢え死にするか盗人になるかで迷っている。老婆の行為を見たときには、悪に対する強い反感も持っていた。けれど最後には、自分が老婆の着物を奪う側になってしまうんだ。
考えるヒント
- 下人は最初から悪人だったのか
- 下人を変えたのは、どんな状況だったのか
- 人は追いつめられると、正しい判断ができなくなるのか
- 自分も、余裕がないときに人に冷たくしてしまうことはないか
このテーマでは、下人を「悪い人」と決めつけるのではなく、なぜ下人は変わってしまったのかを考えるとよいよ。
テーマ4:最後の一文から考える
「羅生門」は、「下人の行方は、誰も知らない。」という一文で終わるよ。
この終わり方は、下人がその後どうなったのかをはっきり説明していない。だから読者は、下人の未来を自分で考えることになるんだ。
考えるヒント
- 下人はこの後、どんな人生を送ったと思うか
- 「誰も知らない」という終わり方を読んで、どんな気持ちになったか
- 下人はもう戻れないところへ行ってしまったのか
- この終わり方だからこそ、作品の印象は強くなっているか
最後の一文が気になった人は、このテーマを選ぶと、印象に残った場面から感想文を書き始めやすいよ。
5. 読書感想文の構成メモを作ろう
読書感想文は、いきなり原稿用紙に書き始めるより、先にメモを作ると書きやすいよ。
おすすめは、次の4段落構成だよ。
| 段落 | 書く内容 | 書き方のヒント |
|---|---|---|
| 第一段落 | 作品を読んで一番強く感じたこと | 「私は〜と感じた」から始める |
| 第二段落 | 印象に残った場面 | 下人・老婆・最後の一文などから選ぶ |
| 第三段落 | 自分の考えや経験 | 自分ならどうするか、現代にも通じることを書く |
| 第四段落 | 作品を読んで考えが変わったこと | これからどうしたいかでまとめる |
次のメモに答えると、感想文の材料がそろうよ。
読書感想文メモ
- 「羅生門」を読んで、一番強く感じたことは何?
- 一番印象に残った場面はどこ?
- 下人の行動について、あなたはどう思う?
- 老婆の「生きるためには仕方がない」という考えに、あなたは納得できる?
- 自分の生活の中で、似たように「言い訳」をしたことはある?
- この作品を読んで、これから自分はどんなことに気をつけたい?
このメモに短く答えてから、文章にふくらませていくと、感想文が書きやすくなるよ。
6. 書き出しの例
読書感想文で最初に困りやすいのが、書き出しだよね。
「羅生門」の感想文では、次のような書き出しが使いやすいよ。
書き出し例1:強く感じたことから始める
私は「羅生門」を読んで、人間は追いつめられると、自分でも思っていなかった行動をしてしまうことがあるのだと感じた。
この書き出しは、「人は環境によって変わるのか」というテーマで書きたいときに向いているよ。
書き出し例2:疑問から始める
下人は、本当にただの悪人なのだろうか。私は「羅生門」を読み終えたあと、そのことを何度も考えた。
この書き出しは、「下人を責められるのか」というテーマで書きたいときに使いやすいよ。
書き出し例3:印象に残った場面から始める
私が「羅生門」で一番印象に残ったのは、下人が老婆の着物を奪い、夜の底へかけ下りていく場面である。
この書き出しは、最後の場面や表現に注目して書きたいときにおすすめだよ。
7. 本文の書き方の例
感想文の本文では、ただ「こわかった」「おもしろかった」と書くだけでは少し弱いよ。
次の順番で書くと、考えが伝わりやすくなるよ。
本文の書き方
- 印象に残った場面を書く
- その場面で人物が何をしたかを書く
- それを読んで自分がどう感じたかを書く
- 自分の生活や考えと結びつける
たとえば、下人の行動について書くなら、次のように考えを広げられるよ。
下人は、最初は老婆の行為を悪だと感じていた。しかし老婆の「生きるためには仕方がない」という言葉を聞くと、その考えを自分の行動の理由にしてしまう。私はここに、人間の弱さが表れていると思った。
ここから、自分の考えを続けるなら、次のように書けるよ。
私も、自分に都合のよい理由を見つけて、よくない行動を正当化してしまうことがある。たとえば、忙しいからという理由で、やるべきことを後回しにしてしまうことがある。もちろん、下人の盗みとは違うけれど、自分の行動を言い訳で正当化してしまう弱さは、自分の中にもあると感じた。
このように、作品の場面 → 自分の考え → 自分の生活の順番で書くと、読書感想文らしくなるよ。
8. まとめ方の例
読書感想文の最後は、作品を読んで自分の考えがどう変わったかを書くと、まとまりやすいよ。
まとめ方の例をいくつか紹介するね。
まとめ例1:自分のこれからにつなげる
「羅生門」を読んで、私は人を簡単に責める前に、その人がどのような状況に置かれているのかを考えたいと思った。そして、自分が苦しいときにも、都合のよい言い訳で悪い行動を正当化しないようにしたい。
まとめ例2:作品の主題に戻る
この作品は、悪い人を単純に責める話ではなく、人間の心がどれほど弱く、状況によって変わってしまうものなのかを問いかけているのだと思う。
まとめ例3:最後の一文にふれる
「下人の行方は、誰も知らない。」という最後の一文は、下人の未来だけでなく、人間の心の行方も分からないという不安を残しているように感じた。
9. 「羅生門」読書感想文の短い例文
ここでは、短めの例文を紹介するよ。
ただし、このまま丸写しするのではなく、自分が感じたことや、自分の経験に置きかえて書くようにしよう。
私は「羅生門」を読んで、人間は追いつめられると、自分の悪い行動さえ正当化してしまうことがあるのだと感じた。
下人は、最初から盗みをすることをはっきり決めていたわけではない。仕事を失い、行くあてもなく、飢え死にするか盗人になるかで迷っていた。そんな下人が、羅生門の上で死人の髪の毛を抜く老婆を見つける。下人は、その行為を悪だと感じ、老婆に強い憎悪を抱く。
しかし、老婆は「生きるためには仕方がない」という考えを語る。その言葉を聞いた下人は、今度はその理屈を自分のものにして、老婆の着物を奪ってしまう。私はこの場面を読んで、下人の変化がとてもこわいと思った。なぜなら、下人は悪を憎んでいたはずなのに、いつの間にか自分も悪を行う側になっているからだ。
私は、下人のような大きな悪をしたことはない。けれど、自分に都合のよい理由をつけて、よくない行動を正当化してしまうことはある。たとえば、忙しいから、疲れているからという理由で、やるべきことを後回しにしてしまうことがある。そのとき、自分では仕方がないと思っていても、本当は自分に甘いだけなのかもしれない。
「羅生門」は、下人という一人の人物を通して、人間の心の弱さを描いている作品だと思う。人を責めることは簡単だけれど、自分も同じような弱さを持っていないかを考えることは難しい。この作品を読んで、私は自分に都合のよい言い訳をする前に、自分の行動を一度立ち止まって考えたいと思った。
この例文では、次の流れで書いているよ。
- 最初に、作品を読んで感じたことを書く
- 下人の行動と心情の変化を説明する
- 自分の生活と結びつける
- 最後に、作品から学んだことを書く
10. 丸写しではなく、自分の感想文にするコツ
読書感想文では、例文をそのまま写すのではなく、自分の考えを入れることが大切だよ。
次の部分を自分の言葉に変えると、自分だけの感想文になりやすいよ。
自分の感想文にするポイント
- 一番印象に残った場面を、自分で選ぶ
- 下人を責められるかどうか、自分の意見を書く
- 老婆の考えに納得できるか、自分の立場を書く
- 自分の経験や、現代の生活と結びつける
- 最後に、自分がこれからどうしたいかを書く
たとえば、次のように言葉を変えると、自分らしい感想文になるよ。
| 例文の考え | 自分の言葉に変える例 |
|---|---|
| 下人を責めきれない | 私は下人の行動は悪いと思うが、同じ状況なら自分も正しくいられるか不安になった。 |
| 老婆の理屈がこわい | 老婆の言葉は一見もっともらしいけれど、悪いことを正当化する危うさがあると思った。 |
| 人間の弱さを感じた | 私はこの作品を読んで、人間は心に余裕がなくなると、正しい判断ができなくなるのだと感じた。 |
| 最後が印象に残った | 「誰も知らない」という終わり方によって、下人がもう戻れない場所へ行ってしまったように感じた。 |
「羅生門」の読書感想文では、正解の感想を探す必要はないよ。
大切なのは、下人や老婆の行動を見て、自分は何を考えたのかを言葉にすることなんだ。
まずは、「下人を責められるか」「生きるためなら悪は許されるのか」「自分にも似た弱さはないか」の中から、一つテーマを選んで書き始めてみよう。
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

