「アレクサンダとぜんまいねずみ」内容とあらすじ・ポイントを解説
小学校2年生の国語で学習するレオ・レオニさんの「アレクサンダとぜんまいねずみ」について、あらすじと登場人物、場面ごとのお話の内容とポイント、作者のつたえたいことをわかりやすくまとめているよ。
「アレクサンダとぜんまいねずみ」のあらすじ・作者・登場人物を かくにんしよう。
「アレクサンダとぜんまいねずみ」の作者
「アレクサンダとぜんまいねずみ」は、レオ=レオニさんが かいたお話だよ。
レオ=レオニさんは、ほかにも 『あおくんときいろちゃん』や『スイミー』などの本も かいているよ。
レオ=レオニさんが 書いたお話を たにかわ しゅんたろうさんが 日本語に 書き直したんだ。
『スイミー』も、たにかわ しゅんたろう さんが 日本語に 書き直したよ。
「アレクサンダとぜんまいねずみ」の登場人物

- 【アレクサンダ】
人間のうちの かべの下の あなに すんでいるねずみ。人間に見つかると、悲鳴をあげられたり、ほうきで おいかけられたりして、きらわれていたよ。 - 【ウイリー】
おもちゃの ぜんまいねずみ。せなかのねじを 回してもらうと、動くよ。アニーという 人間の子の お気に入りのおもちゃで、かわいがられていたよ。 - 【まほうのとかげ】
生きものを ほかの生きものに かえることのできる ふしぎなとかげ。 - 【アニー】
アレクサンダが すんでいる うちの 人間の 女の子。ぜんまいねずみの ウィリーが お気に入りだよ。
「アレクサンダとぜんまいねずみ」のあらすじ
アレクサンダとぜんまいねずみ
さく:レオ=レオニ やく:たにかわ しゅんたろう
人間に見つかるたびに、悲鳴をあげられたり、ほうきでおいかけられたりしていた、ねずみのアレクサンダ。
ある日、そのうちの アニーという子の お気に入りのおもちゃである、ぜんまいねずみの ウイリーと 友だちになりました。
ウイリーが みんなから かわいがられていることを 知った アレクサンダは、「ウイリーみたいな ぜんまいねずみになって かわいがられたい」とねがいます。
ある日、ウイリーから 生きものを ほかの生きものに かえることができる、まほうのとかげの 話を聞いた アレクサンダは、とかげを たずねます。
そして、ぜんまいねずみになるという ねがいをかなえるために、とかげに言われたとおり、むらさきの小石を ひっしでさがすのでした。
ところが、むらさきの小石はいくらさがしても見つかりません。
つかれはてた アレクサンダが うちにもどると、ウイリーが ものおきのすみで 古いおもちゃのはこに入れられ、今にもすてられそうなことを知りました。
そのとき、とつぜん むらさきの小石を 見つけたアレクサンダは 「ウイリーを ぼくみたいなねずみに かえてほしい」と とかげにたのみます。
アレクサンダと ねずみになったウイリーは、夜明けまでおどりつづけました。
「アレクサンダとぜんまいねずみ」場面ごとの内容とポイント
「アレクサンダとぜんまいねずみ」の 場めん分けごとに、内容とポイントを かくにんしよう。
場めんは、「場しょ」や「登場人物」、「時間」などが かわったところをヒントにして かんがえるといいよ。
だれが どんなことを したかな?
アレクサンダのねがいは、お話の中で どのようにかわったかな?
登場人物の セリフや こうどうから、登場人物の ようすや 気もちを 思いうかべてみよう。
だい一の 場めん アレクサンダは 人間にきらわれている

だい一の 場めんは、『「たすけて! たすけて! ねずみよ!」』から「ほうきで おいかけたりする。」まで。
【場所】人間のうち(おそらく 台所)
【登場人物】アレクサンダ
【ないよう】アレクサンダは、人間に見つかると、悲鳴をあげられたり、ほうきで おいかけられたりしていたよ。
だい一の 場めんでは、アレクサンダの生活や 人間とのかんけいが しょうかいされているよ。
「たすけて! たすけて! ねずみよ!」という 悲鳴から お話がはじまるね。
この悲鳴は だれが言ったのかな?
だれが言ったか 名前などは書かれていないけれど、7行目~9行目に「人間は、かれを見つけるたびに、たすけてと悲鳴をあげたり、ほうきでおいかけたりする」という文しょうがあるから、「たすけて! たすけて! ねずみよ!」と言ったのは 人間だと よそうできるね。
つまり、アレクサンダは 人間にとっては きらいなあいて、あいたくないあいてなんだね。
ねずみって 小さくてかわいいよね。ミッキーマウスや ぐりとぐらも ねずみだよ。どうして きらわれているんだろう?
ねずみが 人間のうちにすむと、おこめやパン、やさいやくだものなど、人間が食べるものを 食べてしまうから、こまってしまうんだ。
だから、家の中で ねずみを見つけると、たいじしたほうがいいと言われているよ。
なぜ アレクサンダが 人間に見つかったのかというと、
一つ二つのパンくずが ほしかったからだね。
人間の食べものを すこしだけもらいたくて、出てきたんだ。
「茶わん、おさら、スプーンが、四方八方にとびちった」とあるから、
この場めんは、人間が ごはんをじゅんびしている台所じゃないかな。
「ガシャン、ガラガラ」という音からも、人間が アレクサンダを たいじしようとして、バタバタと だいこんらんがおきているようすが 思いうかぶね。
アレクサンダは、ちっちゃな足の 出せるかぎりの スピードで、あなにむかって走ったよ。
「あな」とは アレクサンダのうちだね。
「ちっちゃな足の 出せるかぎりの スピード」ということは、アレクサンダが走れる中でも、一番早く走った ということだね。
なぜかというと、人間に つかまってしまったら、とじこめられたり、ころされたりしてしまうから、ひっしでにげたんだね。
こんなふうに、アレクサンダは 人間から きらわれていたよ。
「かれを見つけるたび」とあるから、この場めんは 一回だけおきた できごとではないんだ。
アレクサンダは、人間に 見つかるたびに いつも 悲鳴をあげられたり、ほうきで おいかけられたりして、たいへんな生活を送っていたんだね。
だい二の 場めん アレクサンダは ウイリーと出会い、ぜんまいねずみになりたくなる

だいニの 場めんは、「ある日」から『みんなに ちやほや かわいがられてみたいなあ。』」まで。
【時間】ある日
【場所】アニーのへや
【登場人物】アレクサンダ、ウイリー
【ないよう】アレクサンダとウイリーが友だちになったよ。かわいがられているウイリーの話を聞いて、アレクサンダは ぜんまいねずみになりたいと思ったよ。
だい二の場めんでは、ウイリーという おもちゃのねずみが とうじょうするよ。
アレクサンダとウイリーの 生活や 人間とのかんけいのちがい を見つけよう。
アレクサンダは アニー(人間の子の名前)のへやで キーキーいう音がするのを聞いて、しのびこんだよ。
「なんの音かな?」と気になって、そっとへやに入ってみたんだね。
そこでアレクサンダは もう一ぴきのねずみにあったよ。
どんなねずみかというと、「足のかわりに 車がついていて、せなかには ねじがある」ねずみだね。
アレクサンダは 「きみ、だれ?」と聞いたよ。
ぜんまいねずみを はじめてみたから、「ねずみみたいだけれど、ぼくとは ちがう体をしているな。 いったいだれなんだろう?」と ふしぎだったんだね。
ぜんまいねずみは「ぼく、ウイリー。」とこたえて、
「アニーのお気に入りのおもちゃ」
「みんなちやほやしてくれる」
「夜になると、白いまくらをして、人形とぬいぐるみのくまの間で、ねむる」などと 教えてくれたよ。
「お気に入りのおもちゃ」ということは、おもちゃの中でも、とくべつに大事にされて、よくあそばれている おもちゃだよね。
それに、あそんでいる時だけではなくて、ねる時も、まくらをセットしてもらったり、さみしくないように 人形たちといっしょにねかせてもらっていることからも、アニーが とても大事にしていることが わかるね。
この話を聞いたアレクサンダは、
「ぼくは あんまり大事にされていない。」と かなしそうにいったよ。
きっと「おもちゃのねずみだったら、大事にしてもらえるんだな」「ぼくとは おおちがいだ」「人間に かわいがってもらえるなんて、いいな」と 思ったんだね。
でも、アレクサンダは、友だちが見つかって うれしかったよ。
きっと 今まで 一人ぼっちだったし、人間にも きらわれているから、自分のことを きらわないでいてくれて、話ができる あいてができて うれしかったんじゃないかな。
アレクサンダが パンくずさがしにさそうと、ウイリーは 「ねじを まいてもらった時しか うごけない。でも、いいさ。みんな ぼくを かわいがってくれる。」と答えたよ。
「でも、いいさ」という言ばや「かわいがってもらえる」と くりかえしているところから、ウイリーは「自ゆうに動けないのは ざんねんだけれど、かわいがってもらえていることのほうが いいことだ。アニーのとくべつなおもちゃでいられて、しあわせさ。」と 思っていたんじゃないかな。
アレクサンダとウイリーは いろんな話をしたよ。
アレクサンダは、ほうきや、空とぶおさらや、ねずみとりとのぼうけんを話したね。
つまり、アレクサンダの生活は、人間においかけられる できごとばかり だったことがわかるね。
ウイリーは ペンギンやぬいぐるみのくま、アニーの話をしたよ。
ウイリーの話から、なかまがいることや、アニーに大事にされている生活を おくっていることが わかるね。
アレクサンダは、ウイリーをうらやむこともあったよ。
なぜかというと、「ウイリーみたいな ぜんまいねずみになって みんなにちやほや かわいがられてみたいなあ」と思ったからだね。
「ああ!」というためいきからも、「ぼくなんてきらわれているのに…」「ひとりぼっちでさみしいな。ウイリーみたいにかわいがられたら、しあわせだろうな」「ウイリーの生活と どうしてこんなに ちがうんだろう」と おちこんでいる気もちを そうぞうできるね。
アレクサンダとウイリーのちがいを くらべてみよう。
アレクサンダ | ウイリー | |
すんでいるところ | かべのしたのあな くらやみの中で ひとりぼっち | アニーのへや 白いまくら 人形とぬいぐるみの間で ねる |
人間とのかんけい | 悲鳴をあげられる ほうきでおいかけられる 大事にされない | アニーのお気に入り かわいがられる ちやほやされる |
お話のないよう | ほうきや、空とぶおさらや、ねずみとりのぼうけんの話 | ペンギンやぬいぐるみのくま、アニーの話 |
動き方 | 二本のちっちゃな足で 自ゆうにうごける | ねじをまいてもらった時しかうごけない |
アレクサンダの生活「さみしい、くらい、あぶない」
⇔ウイリーの生活「うれしい、しあわせ、あんぜん」だね。
だい三の 場めん アレクサンダは まほうのとかげの話を聞く

だい三の 場めんは、「ある日」から『きみみたいな ぜんまいねずみに かえられるっていうの?」』まで。
【時間】ある日
【登場人物】アレクサンダ、ウイリー
【ないよう】ウイリーが アレクサンダに 生きものを ほかの生きものにかえることができる まほうのとかげの話をしたよ。
ウイリーは アレクサンダに まほうのとかげの話をしたよ。
どんなとかげかというと、「生きものを ほかの生きものに かえることができる」とかげだね。
この話を聞いた アレクサンダは、「ぼくを、きみみたいなぜんまいねずみにかえられるっていうの?」といったよ。
アレクサンダは 「え!?本当? まほうのとかげに会えれば、ぜんまいねずみになって、ちやほやされたいという ねがいが かなうの?」と、きょうみをもったんだね。
きっと 顔も心も ぱっとかがやいたんじゃないかな。
だい四の 場めん アレクサンダは まほうのとかげに むらさきの小石を もってくるように いわれる

だい四の 場めんは、「その日の午後」から『「むらさきの小石を もっておいで。」』まで。
【時間】その日の午後
【場所】にわの小道のはじ
【登場人物】アレクサンダ、とかげ
【ないよう】アレクサンダは とかげに まんげつの夜、むらさきの小石を もってくるように 言われたよ。
アレクサンダは にわへ行き、小道のはじまで走ったよ。
「その日の午後」とあるから、ウイリーから まほうのとかげの話を聞いたのは午前中で、その後すぐに まほうのとかげを さがしにいったんだね。
「さっそく」という言ばや 「走っていった」という 行どうからも、「やったー!ぜんまいねずみになれるんだ!」「早くまほうのとかげに会いたいな」と まちきれないことが わかるね。
アレクサンダが よびかけると、とかげは出てきたよ。
とかげは、花々とちょうちょうの色をした 大きなとかげだったね。
お話といっしょに かかれている絵を見ると、とかげは 花やちょうちょうみたいな きれいで 明るい色が たくさんまざった 体をしているね。
とてもめずらしくて、ふしぎな力を もっていそうだね!
アレクサンダは「ぼくを、ぜんまいねずみに かえられるって、ほんと?」と きいたよ。
「ふるえ声」とあるから、きんちょうしていたんだね。
「ぜんまいねずみになりたい」というねがいは、ウイリーにとって 大事なねがいだったから、ドキドキしながら 聞いたんだね。
とかげは 「月がまん丸の時、むらさきの小石をもっておいで。」と言ったよ。
つまり、とかげは アレクサンダをぜんまいねずみに かえてあげることができるけれど、そのためには まん月の日に むらさきの小石を もってくるひつようが あったんだね。
だい五の 場めん アレクサンダは まほうのとかげに ウイリーをねずみにかえてほしいと たのむ

だい五の 場めんは、「来る日も来る日も」から「むらさきの小石は きえていた。」まで。
【時間】来る日も来る日も
【場しょ】にわ、ものおきのすみ
【登場人物】アレクサンダ、ウイリー、とかげ
【ないよう】アレクサンダは、ウイリーがすてられそうだと知ったよ。アレクサンダは、とかげに ウイリーをねずみにかえてほしいと たのんだよ。
むらさきの小石をさがす
アレクサンダは にわで むらさきの小石を さがしたよ。
「来る日も来る日も」という 言ばから、「ぜんまいねずみになりたい」という気もちが とても強くて、毎日ひっしで あきらめずに さがしていたことが わかるね。
けれども、むらさきの小石は 一つもなかったよ。
「黄色い小石、青い小石、みどりの小石、―」の「―」には、黄色や青、みどりいがいの ほかの色の小石も 見つかったことを あらわしているんじゃないかな。
ほかの色の小石は たくさん見つかったのに、むらさきの小石は なかったんだね。
ウイリーが すてられそうだと 知る
つかれはてたアレクサンダは うちへもどったよ。
そして 古いおもちゃで いっぱいのはこの中に、つみきと こわれた人形に はさまれて ウイリーがいるのを 見つけたよ。
アレクサンダは「どうしたの?」と言ったよ。
アニーのへやにいるはずで、いつもかわいがられているウイリーが まるで いらなくなったごみのように ほうっておかれていたから「いったいなにがあったのかな?」と おどろいたんだね。
ウイリーが なぜ 古いおもちゃで いっぱいのはこの中に いたかというと
アニーが たんじょう日に 新しいおもちゃを もらったからだね。
つまり、それまでつかっていたおもちゃや こわれたおもちゃは いらなくなってしまったんだ。
この話を 聞いたアレクサンダは 「かわいそうに、かわいそうなウイリー!」と思ったよ。
「なかんばかり」とあるから、 今にもなきだしそうな気もちだったんだね。
「あんなに大事にされていたのに ひどいな」「ウイリーがすてられるなんて かなしいな」「せっかく友だちになれたのに、もう会えなくなってしまう」「ウイリーもつらいよね、だいじょうぶかな」という 気もちだったんじゃないかな。
人間に きらわれていた アレクサンダだから、大事にされないかなしさも 自分のことのように わかったんじゃないかな。
とかげに ウイリーを ねずみにしてほしいと おねがいする
とつぜん、アレクサンダは むらさきの小石を 見つけたよ。
「ゆめじゃないかな……? いや、本当だ!」とあるから、アレクサンダも しんじられないくらい おどろいたことが そうぞうできるね。
アレクサンダは むらさきの小石を しっかりうでにだき、まほうのとかげのところへ行ったよ。
「むねをどきどきさせて」「小石をしっかり うでにだき」「走り出た」「いきをきらして」という ようすや行どうから、「ついにねがいがかなう!」と いう気もちでいっぱいだったんだね。
とかげは 「おまえは、だれに、それとも、何になりたいの?」と言ったよ。
アレクサンダは「ぼくは……」と 言いかけてやめたよ。
そして、
「とかげよ、とかげ。ウイリーを、ぼくみたいなねずみにかえてくれる?」と言ったね。
アレクサンダのねがいは、「ぜんまいねずみになって かわいがられたい」だったはずだよね。
そして、そのために ひっしで むらさきの小石を さがしていたよね。
でも、「ウイリーをぼくみたいなねずみにかえてほしい」と ねがいをかえたね。
アレクサンダは どうしてねがいをかえたのかな?
それはきっと 「ぜんまいねずみになって かわいがられる」ことよりも、「友だちのウイリーをたすけたい」「ウイリーと ずっといっしょにいられるほうが しあわせ」と 気づいたんじゃないかな。
「ぼくは……」と言いかけたところで、心からのねがいは「ウイリーとずっと友だちでいること」だと はっきりと気づいたんだね。
この場めんで、アレクサンダの気もち(ねがい)が 大きく かわったね。
「ぼくは……」の文しょうで、アレクサンダの気もちが かわったと考える人もいるよ。
とかげのもとに走って行ったり、大いそぎでとかげをよんだりしているところから、だんだんと 気もちが かわっていったんじゃないかと 考える人もいるよ。
だい六の 場めん アレクサンダとウイリーは おどりつづける

だい六の 場めんは、「アレクサンダは」から「夜明けまでおどりつづけた。」まで。
【場所】うち(かべの下のあな)
【登場人物】アレクサンダ、ウイリー
【ないよう】アレクサンダと ねずみになったウイリーは だきしめ、おどりつづけたよ。
アレクサンダは、走れるかぎりのはやさで、うちへかけもどったよ。
だい一の場めんでも、ちっちゃな足の 出せるかぎりのスピードで 走っていたけれど、それは 自分のいのちを まもるためだったね。
だい六の場めんでは、ウイリーの いのちをまもるため(すてられてしまう)から、いそいだんだね。
アレクサンダは、「おそかった。」と思ったよ。
なぜかというと、はこは空っぽだったから、ウイリーはすてられてしまったと考えたからだね。
アレクサンダは、おもい心で、あなへもどりかけたよ。
「ウイリーがすてられてしまったなんて、かなしい」「友だちを うしなってしまった」と かなしさやくさしさ、さみしさがまざったような どんよりした気もちだったんだね。
ところが、あなの中には 一ぴきのねずみがいたよ。
アレクサンダは 「きみ、だれ?」と こわごわ聞いたね。
「こわごわ」ということは「ウイリーだったらうれしいけれど、そんなはずがないよね」と 半分しんじて、半分うたがうような気もちで おそるおそる聞いたんじゃないかな。
そのねずみは、「ぼく、ウイリーだよ。」とこたえたよ。
だい二の場めんと だい六の 場めんでは 「きみ、だれ?」「ぼく、ウイリーだよ」という 同じ会話が 登場しているよ。
だい二の 場めんの「ぼく、ウイリーだよ」は じこしょうかいだけれど、
だい六の 場めんの「ぼく、ウイリーだよ」は じこしょうかいではなくて、「たすけてくれてありがとう」「また会えて 本当にうれしいよ」「きみと友だちになれて、なんてしあわせなんだろう」という気もちが こめられているんじゃないかな。
お話といっしょに かかれている絵をみると、車とねじがなくなって、足がはえているねずみが 二ひきいるね。
アレクサンダが とかげにおねがいしたことが かなって、ウイリーは ぜんまいねずみから 本もののねずみに かわったんだね。
アレクサンダは「ウイリー!」と言ったよ。
この「ウイリー!」という みじかい一言には、ぶじにウイリーをたすけることができてほっとした気持ちや またウイリーに会えてうれしくてたまらない気持ちが つまっているよ。
アレクサンダは、ウイリーをだきしめて、二ひきはにわの小道へ走り出たよ。
そして、夜明けまでおどりつづけたね。
二人とも うれしくてたまらない気もち、これからもいっしょにいられるよろこびが おさえきれないようすが ひしひしと つたわってくるね。
「アレクサンダとぜんまいねずみ」作者がつたえたいこと
アレクサンダは ぜんまいねずみになって かわいがられることを のぞんでいたけれど、人間においかけられるという たいへんなことがあっても、友だちといっしょにいられることが しあわせだと気づいたよね。
自分のねがいのためだけに さがしていたときは 見つからなかった むらさきの小石が ウイリーのいのちがあぶないことを かなしんでいた時に見つかったのは 友だちがいることのたいせつさや 自分にとって なにが一番大事かを 気づかせるためだったのかもしれないね。
作者はきっと わたしたちに たいへんなことがあっても、なかまがいることのすばらしさやありがたさを つたえたかったんじゃないかな。
そして、ほかのだれかになろうとしたり、見かけのしあわせを さがすのではなくて、自分にとって なにが一番大事なのかに 気づくことがたいせつだとということも つたえたかったんじゃないかな。
「おまえは、だれに、それとも、何になりたいの?」という とかげの言ばは
わたしたちにとっても 本当に一番大事なことは何かを 考えさせられる、心にひびく メッセージだね。
「アレクサンダとぜんまいねずみ」言葉の意味
「アレクサンダとぜんまいねずみ」で出てくる言葉の意味をまとめているよ。
ことば | いみ |
---|---|
悲鳴 | こわいときや、びっくりしたときに、大きな声でさけぶこと |
四方八方 | まえも、うしろも、みぎも、ひだりも、ぜんぶのほうこうのこと |
出せるかぎりのスピード | もっている力のかぎり、いちばん早く走ること |
しのびこむ | 見つからないように、こっそり入ること |
ぜんまい | おもちゃをうごかす、まわるバネのこと |
ちやほやする | すごくほめて、たいせつにすること |
大事にされる | みんなから、とてもたいせつに思われること |
すきをみる | 相手がぼんやりしているときや、あいていないところを見つけること |
おもに | いちばんたいせつなこと |
かくれ家 | 誰にも見つからない、ひみつのばしょのこと |
うらやむ | 相手の持っているものが、自分もほしいなあと思うこと |
ためいきをつく | つかれたときや、かなしいときに「はあ」と息をはくこと |
ひみつめかす | 「めかす」とは、「それらしくする」ということ。なので、ひみつっぽくすること。 |
ふるえ声 | こわくて、声がぶるぶるすること |
つかれはてる | とてもつかれて、もう動けないくらいになること |
明くる日 | 次の日のこと |
なかんばかり | もうなきそうなくらい、かなしい気持ちのこと |
目に入る | 見えること |
いきをきらす | 走ったあとみたいに、はあはあすること |
月がみちる | 月がまんまるになること |
目もくらむ | まぶしくて、よく見えなくなること |
用心深く | 気をつけて、危ないことがないかよく見るようす |
こわごわ | こわいけど、少しずつやってみるようす |
「アレクサンダとぜんまいねずみ」新しい漢字
漢字 | 音よみ | くんよみ |
---|---|---|
悲 | ヒ | かな(しい) かな(しむ) |
鳴 | メイ | な(る) |
事 | ジ | こと |
所 | ショ | ところ |
深 | シン | ふか(い) |
運営者情報

ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
