「スーホの白い馬」内容とあらすじ・テスト対策ポイントを解説

「スーホの白い馬」のあらすじと、お話の内容とポイント意味調べにつかえる「ことばの意味」をわかりやすく しょうかいしているよ。

新しく出てくる漢字の書き取りができるワークシートプリントもダウンロードできるので、なぞり書きのれんしゅうを たくさんしよう。

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「スーホの白い馬」内容と あらすじ・テスト対策ポイントを解説

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目次

「スーホの白い馬」あらすじ

「スーホの白い馬」のあらすじ・作者(さく しゃ)登場(とうじょう)人物(じんぶつ)をかくにんしよう。

作者について

「スーホの白い馬」は、おおつか ゆうぞう さんが 書いた絵本だよ。

もともと、モンゴルの人々の中から生まれ、かたりつたえられてきた「馬頭(ばとう)(きん)」という お話があったんだ。
それを、おおつかゆうぞうさんが、日本の子どもたちにわかりやすいように 書き直したのが 「スーホの白い馬」だよ。

おおつか ゆうぞうさんは、「長くつ下のピッピ」「小さなスプーンおばさん」などの 外国のお話を 日本語にして、書いているよ。

登場人物(とうじょうじんぶつ)

  • 【スーホ】
    このお話の 主人公の ひつじかいの少年。
    年とったおばあさんと ふたりきりで、まずしいくらしを していたよ。
    ある日、白い子馬を 見つけて、つれて帰ったよ。
  • 【おばあさん】
    年取ったおばあさん。スーホとふたりきりで くらしていたよ。
  • 【ひつじかいたち】
    スーホのなかまの ひつじかいたち。
    白馬にのって けい馬大会に 出るよう、スーホに すすめたよ。
  • 【白馬】
    じめんに たおれていたところを、スーホに たすけられた白い馬。
    とのさまの馬に されてしまったけれど、にげだして、スーホのところへ帰ってきたよ。
  • 【おおかみ】
    ひつじたちをおそおうとした 大きなおおかみ。
    白馬が、おおかみと たたかって ひつじたちを まもったよ。
  • 【とのさま】
    草原いったいを おさめている とのさま。
    けい馬大会で 一等になったものは、とのさまのむすめと けっこんさせると言ったけれど、一等になった スーホを おいはらい、白馬を 自分のものにしたよ。
  • 家来け らいたち】
    とのさまの 家来たち。とのさまの めいれいに したがって、スーホに とびかかったり、白馬に 矢をはなったりしたよ。

あらすじ

スーホの白い馬
作:おおつか ゆうぞう 絵:リー=リーシアン

むかし、モンゴルの草原に スーホという まずしい ひつじかいの少年が いました。
ある日、スーホは 生まれたばかりの 白い子馬が たおれているのを 見つけ、つれて帰りました。
スーホは 心をこめて 子馬のせわをし、子馬は すくすくと そだちました。

あるばん、おおかみが ひつじたちを おそいにきました。
白馬は ひっしで ひつじたちを まもりました。
スーホは ひつじを まもってくれた白馬を 兄弟のように思い、「ありがとう。どんなときでも、ぼくはおまえといっしょだよ。」と 話しかけました。

ある年の春、一等になったものは とのさまのむすめと けっこんできるという けい馬大会が ひらかれました。
白馬にのって 出場したスーホは、一等になりました。
ところが、一等が まずしいひつじかいと知った とのさまは、スーホをおいはらい、白馬を 自分のものに しました。
白馬をとられた スーホは、かなしみがきえず、白馬のことばかり 考えていました。

白馬を じまんしたい とのさまは、白馬にのるところを みんなに見せようとしました。
とのさまが 白馬にまたがると、白馬は おそろしい いきおいではねあがり、にげ出しました。
おこったとのさまは、白馬をころせと 家来に めいれいしました。
矢がつぎつぎと ささりましたが、白馬は 走りつづけました。

そのばん、スーホとおばあさんは 外で 音がすることに 気づきました。
すると、そこには 白馬がいました。
白馬は ひどいきずを うけながらも、大すきな スーホのところへ 帰ってきたのです。
ところが つぎの日、弱りはてた白馬は、しにました。

かなしさとくさしさで ねむれなかったスーホでしたが、あるばん、白馬のゆめを 見ました。
それは、白馬が 自分の体をつかって、がっきを作ってほしいと話す ゆめでした。
ゆめからさめた スーホは、すぐに がっきを作りました。
これが、馬頭琴ば とう きん というがっきです。
スーホは 馬頭琴をひくたびに、白馬との思い出を 思い出し、すぐそばに 白馬がいるような 気がしました。
やがて、馬頭琴は モンゴルの 草原中に広まり、ひつじかいたちは その美しい音に つかれをわすれるのでした。

「スーホの白い馬」内容とポイント

「スーホの白い馬」の場面分けごとに、内容(ないよう)とポイントを かくにんしよう。

場面は、「ばしょ」や「とうじょうじんぶつ」、「じかん」などが かわったところをヒントにして 考えるといいよ。(「スーホの白い馬」の場面分けは、先生や学校によって わる可能性か のう せいがあるよ。)

登場人物の セリフやこうどうから、「登場人物が どんな気もちだったか」を 考えてみよう。

だい1の ばめん 馬頭琴という がっきのしょうかい

だい1のばめんは、「中国の北の方」から「こんな話があるのです。」のところまで。

【ばしょ】モンゴル
【ないよう】馬頭琴 というがっきが しょうかい されているよ。

「スーホの白い馬」は、モンゴルという 外国のお話だね。

モンゴルは どんな国かというと、中国の北の方にあって、広い草原が 広がっているんだね。
モンゴルの人々は、ひつじや牛や馬などを かって、くらしていたんだね。

しぜんゆたかで、どうぶつたちが のびのびすごしている けしきが おもいうかぶね。

アジアにおけるモンゴルの地図のイラスト
たろうたろう

ちずで見ると、モンゴルは 中国の上で ロシアの下にあるね。日本とも うみをはさんで けっこうちかいね。

そんなモンゴルには 「馬頭琴」という がっきが あるんだね。
どんながっきかというと、がっきの いちばん上が 馬の頭の形を しているんだね。
お話の下に かかれている絵を見ると、たしかに 馬の頭の形をしているね。

馬頭琴のイラスト

だい1の ばめんのさいごは、「どうして、こういうがっきができたのでしょう。それには、こんな話があるのです。」と書いてあるね。

「こんな話」とは、どんな話なんだろう?
それが つぎのばめんから しょうかいされているよ。

つまり、「スーホの白い馬」は、「馬頭琴 というがっきが できたりゆう」をしょうかいしている話 なんだね。

くまごろうくまごろう

だい1の ばめんは、お話がはじまるまえの、かんたんなしょうかいだね。どんなお話が はじまるのか、おしえてくれているよ。

だい2の ばめん スーホが 白馬をつれてかえってくるよ

だい2の ばめんは、「むかし、モンゴルの草原に」から、「月日はとぶようにすぎていきました。」のところまで。長いから、少しずつ かくにんしよう。

【じかん】むかし
【ばしょ】モンゴルの草原
【ないよう】スーホが 白い馬を見つけて、つれて帰ったよ。スーホと白馬は 兄弟のように たすけあうようになったよ。

スーホのしょうかい

【じかん】むかし
【ばしょ】モンゴルの草原

むかし、モンゴルの草原に、スーホという 少年がいたね。
どんな少年かというと、まずしいひつじかいで、年とったおばあさんと ふたりきりで くらしていたね。

スーホは、おとなにまけなくらい、よくはたらいたね。
なぜかというと、おばあさんをたすけるため じゃないかな。

おばあさんは、年をとっているから、きっと体力も おとろえているよね。
だから スーホは「おばあさんに むりをさせないように、自分がはたらこう!」という 気もちだったのかもしれないね。
スーホは まじめで、やさしいね。

それから、スーホは 歌が とてもうまいね。
どのくらいうまいかというと、ほかのひつじかいたちに たのまれて、よく歌を 歌った くらいだね。
やさしくて 歌もうまいスーホは、ほかのひつじかいたちとも なかがよく、かわいがられていたことを そうぞうできるね。

スーホが 白馬を つれて帰る

【じかん】ある日のこと

ある日のこと、日はしずみ、あたりは どんどん くらくなってくるのに、スーホは 帰ってこなかったね。

おばあさんは、しんぱいになり、ひつじかいたちも、どうしたのだろう、とさわぎはじめたね。
なぜかというと「スーホやひつじたちに 何かあったのかな?」と 思ったからだね。

スーホは、何か白いものを だきかかえて、帰ってきたね。
「何か白いもの」とは、生まれたばかりの、小さな白い馬 だったね。

スーホは、にこにこしながら、わけを話したね。
「わけ」とは、子馬をつれて帰ってきたりゆう のことだね。

子馬をつれて帰った りゆうは、「白い馬が じめんにたおれて、もがいていたけれど、もちぬしや おかあさん馬もいない。夜になったら、おおかみに 食べられてしまうかもしれない。」と 思ったからだね。
スーホは、ひとりぼっちで たおれていた 子馬が しんぱいだったんだね。

スーホが「にこにこ」していたのは どうしてかな?

きっと、「子馬のおせわができるなんて、うれしいな」「かわいい子馬と いっしょにくらせるなんて、うれしいな」という 気もちだったんじゃないかな。
「だきかかえて」という こうどうから、子馬のことを かわいがっていることが わかるね。

子馬は すくすくとそだったね。

なぜかというと、スーホが、心をこめて せわをしたからだね。
「心をこめて」とは、「かわいい子馬が 元気にそだちますように」と あいじょういっぱいに、やさしく ていねいに せわをしたということだね。

子馬は、雪のように白く、きりっと引きしまって、だれでも、思わず 見とれるほどになったね。
「見とれる」とは、心をひきよせられて、うっとりと ながめることだよ。

つまり、子馬は スーホのせわのおかげで、だれもがうっとりするほど、うつくしくて たくましい馬に せいちょうしたんだね。

白馬が ひつじたちを おおかみから まもる

【じかん】あるばんのこと

あるばんのこと、ねむっていたスーホは、はっと目をさましたね。
なぜかというと、けたたましい馬の鳴き声と、ひつじのさわぎが 聞こえたからだね。

スーホは、はねおきると、外にとび出し、ひつじのかこいのそばに かけつけたね。
「はねおきる」「とび出す」「かけつける」という こうどうから、スーホがとても いそいでいることが わかるね。

なぜかというと、「白馬やひつじたちに 何かあったのかもしれない。」としんぱいで たまらなかったからだね。

すると 大きなおおかみが、ひつじに とびかかろうとしていたね。
そして わかい白馬が おおかみの前に 立ちふさがって、ひっしに ふせいでいたね。

つまり、白馬は おおかみに食べられないように、ひつじたちを まもっていたんだね。

白馬は 体中あせびっしょりだったね。
なぜかというと、ずいぶん長い間、おおかみと たたかっていたからだね。

自分も おおかみに やられてしまうかも しれないのに、どうして白馬は ひつじたちを まもってくれたのかな?

白馬にとって、スーホは 自分をひろって そだててくれた おんじん(力になって、そだててくれた人のこと)だよね。
きっと「スーホ、ほんとうにありがとう」と思っているよね。

だから 白馬は「ひつじが食べられたら、スーホが かなしむだろうな。しごともなくなって こまるだろうな。こんどは、ぼくが たすけてくれた スーホのやくに立つ番だ!」と 思ったんじゃないかな。

スーホは おおかみをおいはらって、白馬のそばに かけよったね。
そして、白馬の体をなでながら、兄弟に 言うように「よくやってくれたね、白馬。本当にありがとう。これから先、どんなときでも、ぼくはおまえといっしょだよ。」と話しかけたね。

どうして、スーホは、兄弟に言うように 話したのかな。

きっと、スーホは、かわいがって そだてた白馬が たくましくせいちょうし、自分のために 命がけでがんばってくれたことに かんどうしたんじゃないかな。
本当の兄弟のように たすけあえたり、おたがいの気もちを わかり合えたりする、こころづよさを かんじたんだね。

だから「どんなときでも、いっしょだよ」と言ったんだね。
「かけよった」「なでながら」という こうどうからも、スーホが 白馬のことを とてもだいじに 思っていることがわかるね。

くまごろうくまごろう

スーホが 白馬をかわいがる いっぽうてきな あいじょうではなく、白馬も スーホを だいじに思っていたんだね。白馬が ひつじをまもったばめんで、二人のきずなが さらにふかまった かんじがするね。

だい3の ばめん 白馬が とのさまに とられる

だい3の ばめんは、「ある年の春」から「どうなったのでしょう。」のところまで。
長いから、少しずつ かくにんしよう。

【じかん】ある年の春
【ばしょ】けい馬大会
【ないよう】スーホは けい馬大会で 一等になったけれど、とのさまに 白い馬を うばわれたよ。

スーホは けい馬大会で 一等になる

【じかん】ある年の春

ある年の春、知らせが つたわってきたね。
どんな知らせかというと、「とのさまが けい馬の大会をひらく」「一等になったものは、とのさまのむすめと けっこんさせる」 という知らせだね。

「このあたりをおさめているとのさま」とは、草原いったいを しはいしている 力のあるえらい人 ということだね。
「けい馬」とは、人が馬にのって どれだけ早く 馬を走らせることができるかを きょうそうする ことだよ。

なかまの ひつじかいたちは、スーホに けい馬に出るよう すすめたね。

とのさまのむすめと けっこんしたら、ゆうふくなくらしが できるよね。
だから ひつじかいたちは、まずしいスーホに しあわせになってほしいと思って、すすめたのかもしれないね。
それに、うつくしくたくましい白馬なら きっとかてると 思ったんじゃないかな。

スーホは、けい馬に出ることにしたね。

けい馬大会では、たくましいわかものたちが いっせいにむちをふり、馬は とぶようにかけたね。
どうして むちをふるかというと、けい馬では「はやく走ってね」という 合図をするために、馬に むちをふるんだ。

「たくましいわかもの」「馬はとぶようにかけた」というようすから、みんなしんけんに しょうぶをしている ことがわかるね。

でも、一等になったのは、スーホの白馬 だったね。
どうして スーホは 一等に なれたのかな?

スーホと白馬は 兄弟のような つよいきずなが あったよね。
だから、「白馬よろしくね」という スーホの気もちと、「スーホのために がんばりたい」という 白馬の気もちが 一つになっていたんじゃないかな。

二人の気もちが 一つになっていたから、だれよりも 早く走れたんだね。

とのさまは「白い馬ののり手を つれてまいれ。」とさけんだね。
きっと、「どんなすばらしいわかものを むこにできるのだろう」と 楽しみ だったんじゃないかな。

スーホは とのさまに 白馬をとられる

ところが、とのさまは、スーホを見ると、むすめのむこにする というやくそくを 知らんふりしたね。
なぜかというと、スーホが まずしいみなりの ひつじかい だったからだね。

きっと「おかねもちで 力のある とのさまと、まずしいひつじかいでは かちが ちがう。まずしいみなりの人を むこにするなんて とんでもない。」と思ったんじゃないかな。

とのさまは お金があるかどうかや 見た目で 人のかちを きめていて、かちのないと思ったスーホには やくそくをやぶったね。

とのさまは「おまえには、ぎんかを 三まいくれてやる。その白い馬をここにおいて、さっさと帰れ。」と言ったね。
ぎんかとは、お金のことだね。

なぜかというと、とのさまは「スーホは いらないけれど、一等になった うつくしいすばらしい馬は 自分のものにしたい。お金をやれば、まずしいひつじかいは まんぞくするだろう。」と思ったからだね。

スーホは、かっとなって、「馬を売りに来たのではありません。」とむちゅうで 言いかえしたね。
「かっとなって」は おこったということだね。

スーホは まずしいから、お金をもらえたら たすかるよね。
でも、どうして スーホは おこったのかな?

それは とのさまが だいじな白馬を 自分のものにしようと したからだね。
みんなは、お金をわたすから 家族や友達をよこせ と言われたら、どう思うかな?
とても いやな気もちになるし、家族や友達を売ることなんて できないよね。

だいじな兄弟である白馬を お金とひきかえに うばおうとしていることに おこったんだね。
「むちゅうで」という ことばから、とのさまにさからったら ひどい目にあうかもしれない ということは考えずに 思ったことを まっすぐ つたえたことがわかるね。

とのさまは「なんだと、ただのひつじかいが、このわしにさからうのか。ものども、こいつをうちのめせ。」とどなり立てたね。

とのさまは スーホが 自分の思いどおりにならないから、おこったんだね。
いばっていて、自分かってだよね。

スーホは、おおぜいになぐられ、けとばされて、気をうしなったね。
とのさまは、白馬をとり上げると、大いばりで 帰っていったね。

スーホは、きずやあざだらけ だったけれど、おばあさんの 手当てのおかげで 何日かたつと やっとなおったね。
でも 白馬を とられたかなしみは、どうしてもきえなかったね。

「だいじな兄弟をうしなってしまった。」「白馬にもう会えないかもしれない…」と かなしい気もちで いっぱいだったんだね。

「白馬はどうしているだろうと、スーホは、そればかり考えていた」というようすから、スーホは、はなれていても ずっと白馬のことを 思っていることがわかるね。

くまごろうくまごろう

スーホの体のきずはなおったけれど、心のきずは きえなかったんだね。

だい4の ばめん 白馬は スーホのところへ にげかえってきたけれど、しんでしまう

だい4の ばめんは、「すばらしい馬を手に入れたとのさまは」から、「しんでしまいました。」のところまで。
長いから、少しずつ かくにんしよう。

【じかん】ある日のこと
【ないよう】白馬は スーホのところへ にげかえってきたけれど、しんでしまったよ。

白馬が とのさまのところから にげる

とのさまは、まったくいい気もちで 白馬を 見せびらかしたくて たまらなかったね。
「まったくいい気もち」とは、とてもごきげん ということだね。

なぜ白馬を 見せびらかしたいのかというと、「すばらしい馬をもっている自分は すごい!」と じまんしたかったからだね。

くまごろうくまごろう

白馬のことを、スーホは「兄弟」、とのさまは「自分のすごさを あらわすもの」と思っているね。スーホは だい1の ばめんで たすけるために 白馬をつれて帰ったけれど、とのさまは 自分のために、白馬を 手にいれたんだね。

ある日のこと、とのさまは おきゃくを たくさんよんで、さかもり(おさけをのんで楽しむパーティ)をしたね。
そして、みんなに 見せてやろうと、白馬にまたがったね。

すると、白馬は おそろしいいきおいで はね上がったね。
とのさまは じめんにころげおちたね。

白馬は、とのさまの手から たづなを ふりはなすと、風のように かけ出したね。
つまり、白馬は とのさまを おとして、にげたんだね。

きっと、「スーホに会いたい」「スーホにらんぼうする人と いっしょにいたくない」という 気もちだったんじゃないかな。
「そのときです」という 一文から 白馬が にげるチャンスを まっていたかんじがするね。

とのさまは 「早く、あいつをつかまえろ。つかまらないなら、弓で いころしてしまえ。」と どなりちらしたね。
白馬のことを すばらしい馬だと 思っていたのに、自分にさからったとたん「あいつ」とよんだり、「ころせ」と言ったりして、いっしゅんで たいどをかえたね。

自分の思いどおりに いかないものは「ころせ」だなんて、とてもらんぼうだし、やっぱり 白馬のことを「もの」だと思っているよね。

家来たちは いっせいに 矢をはなったね。
白馬のせには、つぎつぎに、矢がささったね。

「つぎつぎと」ということは、矢が何本も たくさんささった ということだね。
矢がたくさんささったら、いたいし、くるしいから、ふつうなら たおれてしまうはずだよね。
それでも、白馬は 走りつづけたね。

なぜかというと、「スーホに会いたい」からだね。
その つよい気もちだけで、白馬は 走りつづけたんだね。

白馬が スーホのところへ かえってくる

【じかん】そのばんのこと

スーホが ねようとしていると、外の方で 音がしたね。
どんな音かというと、「カタカタ、カタカタ」という音だね。

ようすを見に行った おばあさんは、「白馬だよ。うちの白馬だよ。」と さけび声を 上げたね。
おばあさんは 白馬がいたから おどろいたんだね。

スーホは はねおきて、かけていったね。
びっくりして うれしくて いそいで 白馬のところへ 行ったんだね。

でも、やっと会えた白馬は 矢が何本も つきささり、あせが たきのように ながれおちていたね。

「矢が何本も つきささり」ということは、命にかかわる ひどいきずだよね。
「たきのように」とは、ドバドバと 止まることなく、あせが ながれつづけている ということだね。

白馬は、ひどいきずをうけながら、走って、走って、走りつづけて、大すきなスーホの ところへ 帰ってきたね。
「走って、走って、走りつづけて」ということは、くるしくても 一ども休まずに、ずっと 走ってきたんだね。

なぜかというと、「スーホに会いたい」と つよくねがっていたからだね。

スーホは、はを 食いしばりながら、矢をぬいたね。
なぜかというと、「だいじな白馬が こうげきされて、くやしい」「ひどい目に合わせて ごめんね」という気もち だったんじゃないかな。

それから スーホは、「白馬、ぼくの白馬、しなないでおくれ。」と言ったね。
きっと 「やっと会えたのに、たいせつな兄弟を うしなうなんてつらい」という 気もちだったよね。

でも、白馬は いきは、だんだん細くなり、目の光もきえていったね。
そして、白馬は しんでしまったね。

だい5のばめん スーホが 馬頭琴を作る

だい5の ばめんは、「かなしさとくやしさで」から「聞く人の心をゆりうごかすのでした。」のところまで。

【じかん】あるばん
【ないよう】ゆめに出てきた 白馬が 教えてくれたとおりに、スーホは がっきを作ったよ。

スーホは 白馬のゆめを 見る

かなしさとくやしさで、スーホは、いくばんも(「なん日も」のこと)ねむれなかったね。
ねることができないほど、「白馬がしんだかなしさ」や「白馬をころされたくやしさ」、「白馬をたすけられなかったくやしさ」などで むねがいっぱいだったんだね。

それに、だい4のばめんで「いきは、だんだん細くなり、目の光もきえて」いく白馬のようすを 見ていたから、しんでいく 白馬のすがたが どうしても わすれらなかったのかもしれないね。

やっとあるばん、ねむりこんだとき スーホは 白馬のゆめを 見たね。
どんなゆめかというと、スーホがなでると、白馬が、体をすりよせて、やさしくスーホに話しかける ゆめだね。

白馬が 話しかけたのは、つぎのことばだね。
そんなにかなしまないでください。それより、わたしのほねやかわや、すじや毛をつかって、がっきを作ってください。そうすれば、わたしは、いつまでもあなたのそばにいられますから。

白馬は、自分の体で がっきを作ってほしいと スーホにおねがいしたんだね。
なぜかというと、がっきになれば「いつまでも スーホのそばに いられる」からだね。
「しんでしまったけれど、心はいつもそばにいるよ」という 気もちだったんじゃないかな。

だい1の、白馬が おおかみから ひつじたちを まもってくれた ばめんで、スーホは白馬に「これから先、どんなときでも、ぼくはおまえといっしょだよ。」と言ったよね。

白馬は このやくそくを だいじにおぼえていて、しんでしまっても やくそくをはたそうと してくれたんだね。
スーホと白馬は、会えなくなってしまってもおたがいに 「いつまでもいっしょにいたい」と 同じ気もちで いたんだね。

スーホは がっきを作る

【じかん】ゆめからさめると

ゆめからさめると、スーホは すぐ そのがっきを 作りはじめたね。
むちゅうで 組み立てていったね。
「そのがっき」とは、白馬が教えてくれた、白馬の ほねや かわや すじや毛を つかって、作るがっきのことだね。

なぜかというと、がっきを作れば 白馬と いっしょにいられるからだね。
「すぐ」「むちゅうで」という ことばから、スーホが「早く白馬に会いたい!」と 思っていることが わかるね。

かなしさとくやしさで いっぱいだったスーホにとって「白馬といっしょにいられる」ことが、「生きるきぼう」になったんだね。

がっきは できあがったね。
これが 馬頭琴というんだね。

つまり、だい1の ばめんで しょうかいされた「馬頭琴」は、スーホが 白馬の体を つかって作った がっきなんだね。

くまごろうくまごろう

馬頭琴は、スーホと白馬の ふかいきずなから 生まれたんだね。

スーホは、どこへ行くときも、馬頭琴を もっていったね。
なぜかというと、「どんなときでも、白馬といっしょにいたい」と 思っていたからだね。

スーホは、馬頭琴を ひくたびに、白馬を ころされたくやしさや、白馬にのって 草原をかけ回った 楽しさを 思い出したね。
そして、スーホは 自分のすぐわきに、白馬がいるような気がしたね。

なぜかというと、白馬は しんでしまったけれど、馬頭琴という がっきに すがたをかえて、スーホのそばに よりそってくれていたからだね。
スーホと白馬は、会えなくても 心はつながっていたんだね。

そんなとき、がっきの音は、ますますうつくしくひびき、聞く人の心を ゆりうごかしたね。
「そんなとき」とは、スーホが 白馬のことを 思い出したり、すぐわきに 白馬がいるような 気がしたりしたとき だね。

どうして、スーホがひく 馬頭琴は、聞く人の心を ゆりうごかしたのかな?

きっと、音にこめられた スーホの気もちが、聞く人の心に とどいたからじゃないかな。

どんな気もちが こめられていたかというと、スーホは 白馬との楽しい思い出や くやしい思い出を 思い出していたよね。
お話ぜんたいを ふりかえってみると、白馬との思い出には、悲しいこと、つらいこと、うれしいこと、心づよいことなども あったよね。
おたがいを思う、あたたかい気もちも あったよね。

スーホが 白馬を思う いろいろな気もちが 音にこめられ、がっきになった 白馬も その思いに よりそってくれていたから、聞く人それぞれの気もちやじょうきょうによって 同じ気もちになったり、気づくものがあったりして、心にぐっとひびいたんじゃないかな。

だい6の ばめん 馬頭琴は モンゴルの草原中に 広まった

たい6のばめんは、「やがて」から「一日のつかれをわすれるのでした。」のところまで。

【じかん】やがて
【ばしょ】モンゴルの草原中
【ないよう】馬頭琴が モンゴルの草原中に 広まったよ。

やがて、馬頭琴は、広いモンゴルの草原中に広まったね。
なぜかというと、スーホのかなでる音が 聞く人の心を ゆりうごかしたから、とてもすてきながっきだと 広まっていったのかもしれないね。

そして、ひつじかいたちは 夕方になると、よりあつまって、馬頭琴の うつくしい音に耳をすまし、一日のつかれを わすれたね。

スーホと白馬の きずなから うまれた馬頭琴は、ひつじかいたちを いやすがっきとして、あいされつづけたんだね。

さいごに、このお話を ふりかえってみよう。

スーホと白馬は、「どんなときも、いっしょだよ」という つよいきずなで むすばれていたよね。
だから、とのさまに はなればなれにされてしまっても、おたがいのことを ずっと思っていたよね。

白馬は しんでしまったけれど、馬頭琴に すがたをかえて、スーホと白馬は いっしょにいることができたね。
そして、二人のきずなから 生まれた馬頭琴は、ひつじかいたちに あいされたね。

きっと、作者は このお話をとおして わたしたちに「はなればなれになっても、たとえしんでしまっても、おたがいを 思い合うことは とてもすばらしいこと」「おたがいを思う つよいきずなは たとえはなればなれになっても、けっして なくなるものではないこと」を つたえたかったんじゃないかな。

ことばの意味

「スーホの白い馬」に 出てくる ことばの意味を しょうかいするよ。
※「スーホの白い馬」の中で つかわれている 意味なので ちゅういしてね。

ことば意味
モンゴル中国と ロシアの となりにある 国
草原草に おおわれて、木が ほとんどない ばしょのこと
馬頭琴モンゴルに つたわっている がっき。「げん」と「弓」に 馬の毛が つかわれている。
「さお(もつところ)」の さきっぽが 馬の頭のかたちに なっている
まずしいあまり お金がなくて くるしい せいかつを していること
ひつじかいひつじを かって、せわをするのが しごとの人のこと
心をこめてあいてのことを おもって、たいせつに ていねいに すること 
すくすくいきおいよく のびたり、元気よく せいちょう すること
見とれるうつくしさ などに、こころを うばわれて うっとり 見ること
けたたましいびっくりするような、するどい 高い音
はねおきるはねるようにして いきおいよく おきること
立ちふさがる前に立って、行くのを じゃまして とめること
ふせぐさえぎって とめること
いったいそのあたり ぜんたいのこと
おさめる王さまやリーダーとして、国を まとめること
けい馬人をのせた馬が はしって、はやさを きそう スポーツ
すすめる人に よいと思うものを するように さそうこと
またがるまたを ひらいて 馬にのること
たくましい体が がっしりして、力づよい ようす
いっせいぜんいんが そろって おなじタイミングで すること
むち馬を たたいて 走らせるための ほそながい ぼう
みなりふくそうのこと
知らんふり知らないように ふるまうこと
かっとなる頭に血が のぼって れいせいに なれない ようす
さからうはんこう すること。いうことを きかないこと
うちのめすあいてが おきあがれないほど はげしく なぐること
どなり立てるおおごえで たくさん どなること
つきっきりずっと そばに ついていること
さかもりおさけをのんで たのしむこと
さいちゅうちょうど なにかを している ときのこと
いころすいった矢を あてて ころすこと
弓を引きしぼる弓に 矢を セットして、げんを じゅぶんに 引くこと
(まさに 矢を いる まえ ということ) 
矢をはなつ矢を いること
うなりを立ててまるで うなっているような 低い音を たてること
ふいにとくに おもいも しない ようす
はを食いしばるぐっと 力をいれることで、上と下の はが つよく かみしめられている ようす
弱りはてるとても 弱っていること
いくばんいくつかの ばん
心をゆりうごかすかんどうして 心が うごかされること
よりあつまるたくさんの人が 1つのばしょに あつまること

「スーホの白い馬」でならう新しい漢字

「スーホの白い馬」で あたらしく ならう漢字を しょうかいするよ。

漢字読み方
音読み:ホク
訓読み:きた
音読み:ギュウ
訓読み:うし
音読み:イン
訓読み:ひ(く)
音読み:バイ
訓読み:う(る)
音読み:ジャク
訓読み:よわ(い)

新出漢字の なぞりがきをしよう

「スーホの白い馬」で あたらしく ならう漢字の なぞりがきプリントを よういしたよ。

プリントアウトして、たくさん れんしゅうしよう。

「スーホの白い馬」全文を かくにんしよう

教科書の「スーホの白い馬」の全文を かくにんできる どうがを しょうかいするよ。

お手本にして、たくさん 音どくの れんしゅうをしよう。

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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