「集合と要素」記号の書き方と意味をわかりやすく解説
「集合」とは?「要素」とは?「属する」とは?高校数学Aで学ぶ「集合と要素」について、言葉の意味や記号の意味をイラストや身近なたとえを使ってわかりやすく解説します。
「集合と要素」
目次【本記事の内容】
- 1.集合と要素とは(教科書の説明)
- 2.「集合・要素・属する」とは?身近な例で考えてみよう
- 2-1.集合とは
- 2-1.要素とは
- 3.Aとかaとは?
- 4.∈ってどういう意味?
- 4-1.∈とは
- 4-2.∉とは
- 5.集合を表す書き方とは?
- 5-1.表し方①
- 5-2.表し方②
「集合」と「要素」とは
教科書の説明
ある条件を満たすもの全体の集まりを集合といい、集合をつくっている個々のものを集合の要素という。
aが集合Aの要素であるとき、aは集合Aに属するといい、a∈Aで表す。また、bが集合Aの要素でないことをb∉Aで表す。 集合を表すには、要素を書き並べて表すか、要素の条件を書いて表す。 例 12の正の約数全体の集合A A={1,2,3,4,6,12} A={x|xは12の正の約数}難しい言葉ばかりだし、記号を見ただけでクラクラする・・
そうだよね。
言葉自体が難しいし、見たこともない記号が出てきてパニックだよね。
「何を言っているのかさっぱりわからない!」という子の為に通訳していくよ!
「集合」「要素」「属する」とは?
ある条件を満たすもの全体の集まりを集合といい、集合をつくっている個々のものを集合の要素という。
教科書では難しそうに話してるけど、実はとっても単純なハナシなんだ。
さっそく、身近なものにおきかえて通訳していくよ!
たとえば、「学校のクラス」におきかえて考えてみよう。
「集合」とは
「あるグループ」というようなもの!
「学校のクラス」で例えると・・
学校のクラスには「1年1組」というグループがあるよね。
これはつまり、「『1年1組である』という条件を満たす生徒の集まり」 なんだね。
この集まりのことを「集合」と呼ぶ、というだけのことなんだ。
「要素」とは
グループにはもちろん、メンバーがいるよね。
「要素」というのは、「そのグループのメンバー」のことなんだ。
「学校のクラス」で例えると・・
「1年1組」のメンバーは、「1年1組の生徒たち」だよね。
だから「1年1組」という「集合」の「要素」は、「1年1組の生徒たち」のこと だよ。
では続けるよ。
aが集合Aの要素であるとき、aは集合Aに属するといい、a∈Aで表す。また、bが集合Aの要素でないことをb∉Aで表す。
つづけて学校のクラスにたとえて通訳していくよ。
Aとかaとか、一体何のこと?
グループの名前だけど、「1年1組」とかいちいち言ったり書いたりするのは大変だよね。
なので、グループの名前を省略して、たとえば「A」と呼ぼうよ!というだけのことなんだ。
そして要素(メンバー)のことも省略して、「a」と呼ぶんだよ。
記号「∈」はどういう意味??
「∈」とは
例えば、田中君は1年1組で、山田君は1年2組だったとしよう。
さらに田中君を「a」君、山田君を「b」君と呼ぶことにするよ。
田中君「a」は1年1組の生徒だよね。
つまり、「1年1組のメンバー」だね。
この「あるグループのメンバーである」ということを「属する」という言葉で表現する んだ。
さらに「属する」ということを表すことができる記号があって、それが「∈」なんだ。
ということは、「田中君は1年1組のメンバー」ということを「田中君∈1年1組」と、記号で表せるんだね。
さらに田中君を「a」、1年1組を「A」と省略すれば、「a∈A」だけでいいんだ。
わかりやすいし、ラクチンだよね。
「∈」はなんて読むの??
∈はそのまま「属する」と読むよ。A∈Bなら、一般的に「AはBに属する」と読むよ。 このとき、Bの立場から考えると、「BはAを元として含む」と読むよ。
「∉」とは
「属する」という記号があるなら、「属していない」という記号もある んだよ。
それが「∉」 なんだ。
山田君「b」は1年1組の生徒ではない。つまり「属していない」よね。
なので、
「山田君∉1年1組」
つまり、「b∉A」と表すよ。
教科書の説明は、こういうことを言っているんだ。
すごく当たり前のことを言っているだけで、拍子抜けだね。
内容自体は身近な例に置き換えてみればカンタンに理解できるよね。あとは、∈とか∉の記号を覚えればいいだけだね。
集合のことを表すには書き方のルールがある
では教科書の内容の続きを見てみよう。
集合を表すには、要素を書き並べて表すか、要素の条件を書いて表す。
これは、「集合Aがどんなものかを説明する方法は2つあるよー」ということを言っているよ。
いきなり「集合A」とだけ言われても、「えっ それ、なんのグループ?」ってなるでしょ。これを、「○○なグループ」と説明する方法があるということ だね。
方法①
メンバーを1人1人紹介する!
方法のひとつはメンバーを1人1人書き並べること。
さっきの例えで言うと、1年1組の生徒の名前を1人ずつ書き並べる方法だね。
書き方にはルールがあるよ。
その集合の記号={メンバー名・メンバー名・メンバー名・・・}
↓この場合は
A={山田・伊藤・鈴木・斎藤・・・}
という書き方をするんだ。
この「・・・」は以下省略の意味で使われているよ。
もし4人しかいないクラスなら、
A={山田・伊藤・鈴木・斎藤}でOKだよ。
方法②
メンバーになれる条件を紹介する!
もう一つの方法は、条件を書き記す。
1年1組のグループに入る条件は、そのままだけど「1年1組の生徒であること」だよね。
これにも書き方のルールがあるよ。
その集合の記号={x|条件を示す文}
というように書くんだ。
なので、今回の場合は
A={x|xは1年1組の生徒}
と書くことになるね。
xは要素の代表として登場しているよ。
「生徒名を一人だけ書くわけにいかないからxって呼んでおくね」
といった感じかな。
A={x|
の前半部分は
「集団Aはxな人たちの集まりだよー。」
という意味で、
xは1年1組の生徒}
という後半部分は、
「xは1年1組の生徒だよー。」
という意味なんだ。
どうかな?
身近な話で置き換えて、いつも使っている言葉で説明してみれば、集合と要素の関係はそんなに難しいことではないよね。あとはそれぞれの記号の持つ意味を覚えれば大丈夫!
次は「部分集合・共通部分・和集合」について解説するよ!
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ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。