同類項・次数とは(整式の整理)式の整理をわかりやすく解説
同類項とは?次数とは?◯次式とは?降べきの順・昇べきの順に並べるにはどうしたらいいのか。高校数学1「整式の整理」について、式を整理するために必要な基本用語をわかりやすく解説。
「整式の整理とは」
目次【本記事の内容】
- 1.整式の整理とは
- 1-1.同類項とは
- 1-2.整式を整理するとは
- 2.整式の次数とは
- 2-1.○次式とは
- 3.降べきの順・昇べきの順とは
- 3-1.ある1つの文字に着目するとは
- 4.まとめ
整式の整理とは?
逆に、次数の低い項から順に並べることを昇べきの順に整理するという。
なんだか難しそうに思えるけど・・早速通訳していくね。
整式における2つの項で、文字の部分が同じ項を同類項という。同類項を1つにまとめて式を簡単にすることを、整式を整理するという。
同類項とは?
整式というのは、単項式と多項式の総称だったね。
まぁ、つまり普通に「ある数式の中で」というくらいの認識で今はいいと思うよ。
その整式の中に「文字の部分が同じ」項が2つ以上あるとき、「同類項」と呼ぶんだ。
「同じ」だから「同類」ということだね。
【例】
\(2x^2+5y+4x^2\) という整式があったら、
「\(x^2\)」の項が「\(2x^2\)」と「\(4x^2\)」のふたつあるよね。
文字の部分が同じだから、このふたつは「同類項」と呼ぶということ。
整式を整理するとは?
そして、この「同類項」は、文字部分が一緒だから、計算できるんだ。
計算して、シンプルにすることを「整式を整理する」と言っているんだ。
【例】
\(2x^2+5y+4x^2\) だったら、
「\(2x^2\)」と「\(4x^2\)」はひとまとめにして
「\((2+4)x^2\)」と計算できる。
シンプルに「\(6x^2\)」になるね。
整式の次数とは?
では次。
整理された整式において、各項の次数のうち最も高いものを、その整式の次数といい、次数がnの整式をn次式という。
「整理された整式において」って?
「整理された整式において」なんて言われると、「整理された整式」の時しかダメに聞こえるけど、べつに整理された整式に限らないよ。
用語説明のページで説明した「次数/多項式の次数」のように、もともと「整式の中にある各項の次数の中で、一番高いのを代表してその整式の次数と呼ぶ」よね。
ではなんで、「整理された整式において」なんて付け加えているかというと、
「一番高い次数を選ぶのに、同じ文字の同類項が何個もあったらややこしいから、まずは整理してからね」
と言いたいだけなんだね。
【例】
\(2x^2+5y\)
だったら、同類項がないんだからそのまま
「\(2x^2\)(2次)」と「\(5y\)(1次)」
を比べて、一番高い2次の項である「\(2x^2\)」の次数を代表にするから、この整式の次数は「2」だったよね。
そして、今回付け加えられたのが
\(2x^2+5y+4x^2\)
みたいに同類項があるなら、「整理してからね」という話なだけだよ。
だから、
\(2x^2+5y+4x^2\)
=\(6x^2+5y\)
「\(6x^2\)(2次)」と「5y(1次)」を比べて、一番高い2次を選ぶから、
この整式の次数は「2」だね。
つまりは「整式の次数を決めるときは、同類項がある場合は整理してから決めてね!」ということだね。
○次式とは?
整式の次数が決まったとき、
今までは「整式の次数は○○」と言っていたけど、
これからは「○○次式」と「一言」で言うよ。というだけのこと。
\(n\)は「number」の頭文字の\(n\)なだけで、「ある数字」という言葉の代わりに\(n\)を使っているだけだね。
【例】
\(2x^2+5y+4x^2\)
=\(6x^2+5y\)
「\(6x^2+5y\)」の整式の次数は「2」だったんだよね。
ということはこれは「2次式」だよ。
降べきの順・昇べきの順とは
では最後、
ある1つの文字に着目して整式を整理するとき、次数の高い項から順に並べることを降べきの順に整理するという。
逆に、次数の低い項から順に並べることを昇べきの順に整理するという。
ここで身構えてしまうのが、「降べき」とか「昇べき」とかいう耳慣れない言葉だね。
「べき」ってどういう意味?
「べき」というのは、「累乗」のことだよ。
漢字では冪と書くんだ。
漢字があまり馴染みがないものなので、ひらがなで書かれているだけだよ。
「累乗」も難しい言葉だよね。
ひとまず今は「次数」と同じ意味として考えていればOKだよ。
「降べき」は「次数が降りていく」ということだから、
次数が高いものから→次数が低いものへ並べるんだ。
その逆、「昇べき」は「次数が昇っていく」んだから、
次数が低いものから→次数が高いものへ並べればいいね。
ある1つの文字に着目するとは?
この時、整式の中に文字がいくつか入っていたら、例えば「x2(2次)」も「y2(2次)」もあるんだけど、どっちを先にすればいいの?と困ってしまうね。
なので、「ある1つの文字に着目」する必要があるんだね。
「xに着目して」と言われていれば、x2とy2の2次の文字がふたつあっても、
「x」のことだけを考えて選べばいいんだから。
ここで注意なのは、「xに着目して」るんだから、\(y^2\)は「x目線で考えると」「次数は0(ゼロ)」だよ。
【例】
\(2x^2+xy^2-5x^3+y\)
これを「xに着目して」降べきの順にならべるよ。
\(2x^2\)(xの次数は2)
\(+xy^2\)(xの次数は1)
\(-5x^3\)(xの次数は3)
+y(xの次数は0)
xの次数が一番多い順から「降りていく」んだから、
\(-5x^3+2x^2+xy^2+y\) の順番にすればいいね!
「整式の整理」まとめ
- 整式の中に「文字の部分が同じ」項が2つ以上あるとき、その項同士を同類項と呼ぶ
- 同類項を計算して整式をシンプルにすることを「整式を整理する」という。
- 各項の次数のうち最も高いものをその「整式の次数」という。
- 整式の次数が「n」の時、その整式を「n次式」という。
- ある1つの文字に着目して、整式を次数の高い項から順に並べることを「降べきの順に整理する」という。
- ある1つの文字に着目して、整式を次数の低い項から順に並べることを「昇べきの順に整理する」という。
これで整式の整理の仕方は分かったかな?
導入で伝えたとおり、そもそも整理の仕方を学習する目的は、これから先、整式同士を足したりかけたり、展開したり因数分解していくのに少しでもシンプルにしておく必要があるからだよ。
ここまで学習できたら、整式の整理の出題パターンを確認しよう!
次回からはいよいよ整式同士の加法・減法を学習しよう。
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。