敬語の種類と一覧(尊敬語・謙譲語・丁寧語の違い)
尊敬語と謙譲語、丁寧語は何が違うのか?敬語の種類と意味は?どうやって敬語にすればいいのか?良く使われる敬語を一覧にまとめています。
目次【本記事の内容】
敬語とは?
「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の違い
敬語とは
敬語とは、
「相手に対する敬う気持ちを表す言葉」のこと。
相手を敬う??
太郎君が買い物に行って、お客さんなのに普通の言葉を使われたらちょっとモヤっとするよね。それはお客さんとして大切に扱われていないと思うからだね。
ほかにも、先生や先輩に対して友達と話すような普通の言葉づかいを使ったら、失礼になってしまうよね。
だから相手が嫌な気持ちにならないように、丁寧な言葉を使ったり、普通とは違う特別な言い方をしたりするよね。
こうやって、相手に対して、「あなたを大切にしていますよ」という気持ちが伝わるようにとか、目上の人に対して失礼のないように敬意を表すために使う言葉をまとめて「敬語」というんだ。
「敬う」ためのことばだから、「敬語」なんだね。
ちなみに、敬語が使われるのは「話し相手」に対してだけではなくて、「話題に出てくる人」や「話題に出てくる物」に対して使うこともあるよ。
例えば、Aさんがある会社に電話をして、電話に出たCさんにBさんを呼んでもらうとき、「Bさんはいらっしゃいますか??」と言うよね。
この「いらっしゃる」は、話している相手のCさんにではなくて、Bさんに対して使われている敬語だよね。
さて、「相手を敬う気持ちを表す」といっても、そのときの状況とか、気持ちの表し方にはいろいろあるよね。
なので、「敬語」には3つの種類があるよ。
敬語の種類
- 丁寧語
- 尊敬語
- 謙譲語
それぞれをくわしく解説するよ。
相手と自分が対等な関係のときに使う敬語
「丁寧語」
対等な関係?
さっきの例でいうと、お店で買い物をするときかな。
「お客さん」と「お店の人」は、どちらかがエラいとかではないよね。
つまり、「イコール」の関係。
他にも、初めて会ったばかりの人同士とか。
どちらかがエラいとか、上下の関係はないけれど、「相手を敬っている気持ち」を表すために使うのが「丁寧語」なんだ。
丁寧語は、その名のとおり「丁寧な言い方」をするというイメージ。
「タメ口」とか「ですます調」とか言わないかな?
タメ口がつまり普通の言葉で、「ですます調」が丁寧語だね。
丁寧語・・・自分と相手は同じ立ち位置。どちらが上とかはない。
相手が自分よりも目上のときに使う敬語
「尊敬語」または「謙譲語」
丁寧語は対等な関係なのに対して、「相手が自分よりも目上な場合」に使う敬語が「尊敬語」と「謙譲語」なんだ。
例えば、会社の部下と上司とか。先生と生徒とか。孫とおじいちゃん・おばあちゃんとか。
この場合は、敬語を使うことで自分よりも目上の相手を「上にあつかう」ようにするんだ。
相手を自分よりも「上」にするには、2つの方法があるよ。
ひとつは、「相手を自分より上に持ち上げる」
もうひとつは、「自分が相手よりも下にさがる」。
方法はちがっても、結果的には「相手が上」になるんだね!
「相手を上に持ち上げる」敬語が、「尊敬語」
「自分が相手よりも下にさがる」敬語が、「謙譲語」だよ。
尊敬語・・・
相手が自分よりも目上の場合に使う。
直接相手を高めることで、相手を上にあつかう。
謙譲語・・・
相手が自分よりも目上の場合に使う。
自分のことをへりくだることで、相手を上にあつかう。
敬語の作り方と一覧
丁寧語・尊敬語・謙譲語の違いはわかったけど、普通の言葉をどんなふうに変えればいいの?
敬語の作り方には、それぞれ共通のやりかたと、それぞれオリジナルのやりかたがあるよ。
敬語の作り方のパターン
①丁寧語・尊敬語・謙譲語どれも共通のパターン
②丁寧語・尊敬語・謙譲語それぞれオリジナルのパターン
①丁寧語・尊敬語・謙譲語共通の作り方
その言葉に「接頭語」をつける
言葉の頭に、決まった言葉をくっつけるやり方。
丁寧語・尊敬語・謙譲語それぞれ、もともとの言葉の頭に「決まった言葉」をくっつける方法だよ。
丁寧語を作るときの決まった言葉の例
「お」・「ご」
尊敬語を作るときの決まった言葉の例
「お」・「ご」・「御」・「貴」
謙譲語を作るときの決まった言葉の例
「粗」・「弊」・「愚」・「拙」・「小」
尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 | |
茶 | お茶 ×「おいしい茶でした」 ◯「おいしいお茶でした」 相手の出してくれた茶に 良い言葉をつけて高めているよ。 |
粗茶 ×「茶をどうぞ」 ◯「粗茶をどうぞ」 自分の出した茶に 良くない言葉をつけて下げているよ。 |
お茶 ×「茶を飲みますか?」 ◯「お茶を飲みますか?」 茶に「お」をつけることで、 丁寧な言い方にしているよ。 |
飯 | ご飯 ×「飯を食べますか?」 ◯「ご飯をたべますか?」 |
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社 | 御社・貴社 ×「あなたの会社」 ◯「御社」 |
弊社 ×「うちの会社」 ◯「弊社」 |
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両親 | ご両親 ×「あなたの両親」 ◯「ご両親」 |
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息子 | ご子息 ×「あなたの息子」 ◯「ご子息」 |
愚息(ぐそく) ×「うちの息子」 ◯「愚息」 |
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家 | お宅 ×「あなたの家」 ◯「お宅」 |
拙宅(せったく) ×「自分の家」 ◯「拙宅」 |
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自分 | 小生(しょうせい) ×「自分は」 ◯「小生は」 |
尊敬語を作るときの「決まった言葉」は、「御」とか「貴」という良い意味を持つ言葉だね。
それに比べて、謙譲語を作るときの「決まった言葉」は、「粗」とか「愚」とか「拙」なんかのあまり良くないイメージの言葉だね。
良い意味をもつ言葉をつけることで、「相手を持ち上げる」ことができるし、良くない言葉をつけることで、「自分を下げる」ことができるんだね。
敬語動詞を使う
敬語動詞とは、尊敬や謙譲、丁寧な意味をもつ特別な動詞のことだよ。
もともとの言葉に、他の言葉をくっつけるのではなくて、「もともとの言葉じたいが特別な言葉に変身する」イメージだね。
普通の表現 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
いる | いらっしゃる | おります | おります |
ある | あられる | ございます | ございます |
なる | 相なります | ||
する | なさる | いたす | |
言う | おっしゃる | 申す・申し上げる | |
知る | 存じる | ||
思う | 存じる | ||
話す | おっしゃる | 申す・申し上げる | |
見る | ご覧になる | 拝見する | |
着る | おめしになる | ||
もらう | いただく | ||
やる | さしあげる | ||
くれる | くださる | ||
受ける | うけたまわる | ||
食べる | めしあがる・あがる | いただく | |
飲む | めしあがる・あがる | いただく | |
聞く | うかがう・拝聴する・うけたまわる | ||
行く | いらっしゃる | 参る | |
来る | いらっしゃる | ||
訪問する | うかがう |
これはもう、その特別な言葉をそれぞれ覚えるしかないね。
②丁寧語・尊敬語・謙譲語それぞれオリジナルの作り方
共通の作り方とはちがって、丁寧語・尊敬語・謙譲語それぞれオリジナルの作り方もあるんだ。
丁寧語オリジナルのパターン
言葉の終わりに、「ます」「です」をつける
「ます」「です」をつける例
「行く」に「ます」をつけて・・「行きます」
「今日は晴れ」に「です」をつけて・・「今日は晴れです」
よくいう「です」「ます」調のことだね。
尊敬語オリジナルのパターン
接尾語をつける(言葉のおしりに決まった言葉をつける)
「さま」「上」「さん」をつける例
AがBを呼ぶときに・・「Aさま」「Aさん」と呼ぶ。
お父さんを呼ぶときに・・「父上」と呼ぶ。
人の名前に「敬称をつける」とかよく言うね。
なるほど、敬うためにつけるものだから「敬称」だったんだ。
「れる」「られる」をつける
「聞く」に「れる」をつけて・・「聞かれる」
「乗る」に「られる」をつけて・・「乗られる
特別な言葉で、もとの言葉を囲む
「お・・・になる」「お・・・なさる」
「ご・・になる」「ご・・なさる」を使う
「読む」・・「お読みになる」
「喜ぶ」・・「お喜びになる」
「出席する」・・「ご出席なさる」
「発言する」・・「ご発言なさる」
謙譲語オリジナルのパターン
特別な言葉で、もとの言葉を囲む
「お・・する」「お・・申す」
「ご・・する」「ご・・申す」
「読む」・・「お読みする」
「頼む」・・「お頼み申しあげる」
「報告」・・「ご報告する」
「案内する」・・「ご案内申しあげる」
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
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とても、わかりやすくて勉強になりました!
私は、目上の人と話すことが多いのでちゃんと話せてるかなと不安でした。
尊敬語と謙譲語の区別に苦戦中です…笑
これを見て、敬語のことをまた勉強したいと思います! -
感謝
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感謝
分かりやすい!!
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凄くわかりやすかったです。来日の中間テスト頑張りたいと思います。本当にありがとうございます。
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これから営業活動をしますので、とても参考になりました。
何度も復習して、顧客に失礼のない対応を尽力して参ります。 -
ありがとうございます
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分かりやすい記事をありがとうございます。
恐れ入りますが、二重敬語について質問があります。
「ご確認いたします」「ご連絡申し上げます」「お伺いいたします」は、二重敬語になるのでしょうか。ご確認・ご連絡・ご報告などは、「ご飯」などと同じく、名詞に「ご」がつくタイプの丁寧語だと思っていましたが、そもそもこの認識が違うのでしょうか。(伺うだけは少し違うのかな…)
二重敬語は、尊敬語と尊敬語、あるいは謙譲語と謙譲語を重ねるもの(「ご覧になられた」や「させていただく」など)だと思っていたため、先述のものが丁寧語であれば、ご確認・ご連絡・ご報告の後に「いたします」「申し上げます」などの謙譲語や、「される」などの尊敬語を付けても、二重敬語にはならないと考えていました。
誤解・齟齬があれば、理由なども合わせてご教示いただけますと幸いです。お手数ですが、お願いできませんでしょうか。 -
中学の定期考査前に見たらとてもわかりやすくて助かりました!
いつもわかりやすい解説ありがとうございます!
とってもわかりやすかったです。
感謝!