スメタナ「ブルタバ(モルダウ)」とは?徹底解説(テスト対策)

中学校3年生の音楽で学習するスメタナ作曲「ブルタバ(モルダウ)」について、テスト対策ポイントである作曲者のスメタナについて、ブルタバの意味や交響詩について、演奏形態、使われる楽器、それぞれの場面(情景)の意味と特徴をわかりやすく解説するよ。

「ブルタバ(モルダウ)」テスト対策ポイント

  • 作曲者はチェコの作曲家であるベドルジフ・スメタナ
  • スメタナはロマン派時代の作曲家で、国民学派である
  • スメタナは「チェコ国民音楽の父」と称されている
  • スメタナはプラハでピアノ演奏と作曲を学び、50歳のころ聴力を失った
  • 「ブルタバ」はチェコ語で、「モルダウ」はドイツ語である
  • 当時チェコはオーストリアによって支配されていたためチェコ語が禁止されており、2つの呼び名が存在する
  • 「ブルタバ」が表現しているのは、チェコ共和国最長の川「ブルタバ川」
  • ブルタバは、詩や絵画、物語などを表現する管弦楽曲であり、このような曲を「交響詩」という
  • ブルタバは、6つの交響詩からなる連作交響詩「わが祖国」の第2曲である
  • ブルタバの演奏形態は「オーケストラ」
  • 7つの場面「ブルタバの2つの源流」「森の狩猟」「農民の結婚式」「月の光、水の精の踊り」「聖ヨハネの急流」「幅広く流れるブルタバ」「ビシェフラトの動機」の標題と順番、内容を覚えよう
  • 曲のはじめはフルートからはじまる
  • 主題を演奏するのは、ヴァイオリンとオーボエ
  • 「森の狩猟」では、ホルンが演奏される
  • 「農民の結婚式」ではチェコの民族舞踊「ポルカ」が登場する
  • 「月の光、水の精の踊り」では、弦楽器に弱音器をつけて演奏される
  • 「幅広く流れるブルタバ」では、主題がホ長調で演奏される

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目次

ブルタバ(モルダウ)の基本情報

原題Vltava
作曲者ベドルジフ・スメタナ
作曲された年1874年
初演1875年
調ホ短調
作曲の種類交響詩
連作交響詩「わが祖国」の第2曲
表現しているものチェコ共和国最長の川「ブルタバ川」
2つのタイトルがある理由当時チェコはオーストリアに支配されていたため、チェコ語の「ブルタバ」とドイツ語の「モルダウ」という2つのタイトルが存在する

「ブルタバ(モルダウ)」とは?

「ブルタバ(モルダウ)」は1874年にチェコの作曲家であるスメタナによって作曲されたよ。
原題は「Vltava」で、6つの交響詩から成る連作交響詩「わが祖国」という作品のひとつなんだ。

交響詩とは

交響詩とは、詩や絵画、物語などの内容を表現する管弦楽曲のこと。
つまり、ある伝説物語を表現する曲だったり、「ブルタバ」のように、チェコの伝統や風景を表現する曲のことだね。

連作交響詩とは

連作交響詩とは、その名のとおり、何曲かの交響詩が連続してひとつの作品になっているもののことだよ。

「ブルタバ」は、連作交響詩「わが祖国」のなかの第2曲。
「わが祖国」自体は合計約74分で、「ブルタバ」はそのうち約12分の演奏時間だよ。

連作交響詩「わが祖国」は、スメタナの祖国であるチェコの歴史や伝説、風景を描いた作品なんだ。

連作交響詩「わが祖国」の6曲とは

第1曲:ヴィシェフラド
ボヘミア王国の国王が住んでいた、プラハにあるヴィシェフラド城をテーマにした作品。

第2曲:ブルタバ
チェコの歴史や伝説、風景を描いた作品。

第3曲:シャールカ
チェコの伝説「乙女戦争」に登場する勇女の物語をテーマにした作品。

第4曲:ボヘミアの森と草原から
チェコの田舎の美しさをテーマにした作品。

第5曲:ターボル
ボヘミアとポーランドを中心としたキリスト教プロテスタントの元になる「フス派」とカトリック(神聖ローマ帝国)との間で行われた戦い「フス戦争」をテーマにした作品。
「ターボル」とは、ボヘミアの古い街の名前で、フス派の重要拠点だったんだ。

第6曲:ブラニーク
第5曲に続いて、フス戦争をテーマにした作品。「ブラニーク」とは、フス派の戦士たちが眠っているボヘミアにある山の名前。

「ブルタバ」と「モルダウ」の違いについて

なぜ作品名が「ブルタバ(モルダウ)」と表されているのか不思議だよね。
「ブルタバ」も「モルダウ」も、実は同じ川のことを表す名前なんだ。
どうして2つの表し方があるのかというと、「ブルタバ」はチェコ語で、「モルダウ」はドイツ語なんだよ。

スメタナが「わが祖国」を作曲した1874年当時のチェコは、オーストリアに支配されていたため、ドイツ語を話さなくてはならなかったんだ。
だから、ブルタバ川(チェコ語)のことは、「モルダウ川(ドイツ語)」と呼んでいた。そのため、曲の名前も「ブルタバ(モルダウ)」と表記するんだね。

スメタナ作曲のブルタバ(モルダウ)について、チェコとブルタバ川について説明している図解

ブルタバ川について

「ブルタバ」とは、チェコ共和国最長の川の名前のことなんだ。
『わが祖国』の第2曲「ブルタバ(モルダウ)」は、このブルタバ川をテーマにした作品なんだよ。

チェコのブルタバ川の画像

スメタナの言葉より

この曲は、ヴルタヴァ川の流れを描写している。ヴルタヴァ川は、Teplá Vltava と Studená Vltava と呼ばれる2つの源流から流れだし、それらが合流し一つの流れとなる。そして森林や牧草地を経て、農夫たちの結婚式の傍を流れる。夜となり、月光の下、水の妖精たちが舞う。岩に潰され廃墟となった気高き城と宮殿の傍を流れ、ヴルタヴァ川は聖ヤン(ヨハネ)の急流で渦を巻く。そこを抜けると、川幅が広がりながらヴィシェフラドの傍を流れてプラハへと流れる。そして長い流れを経て、最後はラベ川(ドイツ語名:エルベ川)へと消えていく。

スメタナのこの言葉どおり、作品では7つの場面が描かれているんだ。
詳しくは「場面について」で説明するよ。

「ブルタバ(モルダウ)」の作曲者「スメタナ」について

ベドルジハ・スメタナとはどういう人物かを説明している図解イラスト
名前ベドルジハ・スメタナ
(Bedřich Smetana)
生没年1824年3月2日~1884年5月12日
(60歳)
出身国チェコのボヘミア地方(リトミシュル)
ジャンルチェコ国民楽派
時代ロマン派
代表作『わが祖国』『売られた花嫁』『弦楽四重奏曲第1番 「わが生涯より」』
何と称されれているか「チェコ国民音楽の父」と称されている

「ブルタバ(モルダウ)」を作曲したのは、「ベドルジハ・スメタナ(Bedřich Smetana)1824-1884」。
チェコの作曲家で、指揮者でもあり、ピアニストでもあるよ。

1824年にチェコのボヘミア(リトミシュル)で生まれたスメタナは、幼い頃からヴァイオリンとピアノを習い、なんと6歳でピアノの公演を開いて、8歳には作曲をしていたんだ。
ものすごい音楽的才能があったんだね。

15歳のころに、お父さんを説得してプラハへ進学するものの、プラハの学校では「いなかもの」と馬鹿にされてしまって、うまくなじめなかったんだ。
そうして学校に行けなくなってしまったスメタナは、リストの演奏を聴いたり、ベートーベンやショパンを学んで、音楽にのめり込むようになったんだ。

そんなスメタナの様子を知ったお父さんによって、スメタナは一度故郷であるボヘミア地方に連れ戻されたんだけれど、お父さんの反対を押し切って、本格的に音楽の勉強をするために19歳のころ再びプラハへ上京したよ。

プラハでは、ピアノと作曲を学んで、指揮者や作曲家として活動したんだ。

当時のチェコは、オーストリア帝国によって支配されていたんだけれど、スメタナはチェコ独立のための民族運動にも積極的に参加していたよ。

スメタナは、自分の祖国であるチェコの歴史や文化的な特徴を音楽で表現する国民楽派の音楽家として知られているんだ。

国民楽派とは

自分の国(民族)の歴史や文化の特徴を音楽作品で表現しようとする人々のこと。

自分たちの文化や言葉を取り戻すこと、チェコの独立を願って「わが祖国」を完成させたんだ。その活躍から、スメタナは「チェコ国民音楽の父」と称されているよ。※「チェコ音楽の父」「チェコ音楽の創始者」と呼ぶ場合も。

実はスメタナは、50歳の時に病に倒れて、聴力も失ってしまったんだ。
「わが祖国」を完成させたころには完全に失聴していたよ。

スメタナの活躍した音楽的時代

スメタナが活躍した音楽的時代は「ロマン派」。同じ時代に活躍した作曲家には、ショパンやシューマン、シューベルトがいるよ。

「ブルタバ(モルダウ)」の演奏形態と使われる楽器

『ブルタバ(モルダウ)』は、「オーケストラ」で演奏されるよ。

オーケストラとは

弦楽器・管楽器・打楽器・鍵盤楽器その他さまざまな楽器を組み合わせた大規模な合奏のこと。

オーケストラで使用される楽器は、「弦楽器」「木管楽器」「金管楽器」「打楽器」「鍵盤楽器」に大きく分けられるよ。

ブルタバ(モルダウ)で使われる楽器をそれぞれ確認しよう。

ブルタバで使われている楽器について

弦楽器

  • ヴァイオリン
  • ヴィオラ
  • チェロ
  • コントラバス
  • ハープ

木管楽器

  • ピッコロ
  • フルート
  • オーボエ
  • クラリネット
  • ファゴット

木管楽器と金管楽器の違いについて

木管楽器か金管楽器かの違いは、楽器の素材が木製か金属製かではなく、「唇を振動させて音をだす→金管」「リードという薄い木製の板をとりつけて、それを振動させることで音をだす→木管」というように分類されるよ。

くまごろうくまごろう

ピッコロとフルートは、金属製なので金管楽器と間違えやすいけれど、唇を振動させて音を出すのではなく、唄口に息を吹き込むときの空気の流れがリードの役目になり(エアリード)音をだしているので、木管楽器に分類されるので注意しよう!!

金管楽器

  • ホルン
  • トランペット
  • トロンボーン
  • チューバ

打楽器

  • ティンパニ
  • トライアングル
  • バスドラム
  • シンバル
くまごろうくまごろう

「ブルタバの7つの場面で、打楽器が使われているのはどこか?」という課題が出ることもあるよ。

打楽器が多く使われているのは、クライマックスの第7場面「ビシェフラトの動機」だよ。
ティンパニやシンバルで、クライマックスにふさわしい壮大なスケールが表現されているよ。

「ブルタバ(モルダウ)」の場面(情景)

「ブルタバ」は、7つの場面からできているよ。
山奥からわき出た小さな源流が合流してひとつの川になって、森を抜け、村を抜け、だんだんと激しく流れてやがてプラハへと流れ込んでいく様子までが描かれているんだ。

スメタナ作曲のブルタバ(モルダウ)の7つの場面(情景)を図解にしたイラスト
くまごろうくまごろう

テストでは、この場面の名前や、順番が出ることがあるよ。
ぜひこのイラストのイメージを思い出してね。

それぞれの場面で描かれている情景があって、その情景にふさわしい曲の特徴があるよ。
場面の順番や名前などはテストにもよく出るので、よく確認しよう!

➀の場面:ブルタバの2つの源流

第1の場面では、山奥からわき出た2つの源流が合流して、ひとつの川「ブルタバ川」になるまでの様子が描かれているよ。

まず、上行音型(上に向かう音の形)のフルートと、下降音形(下に向かう音の形)のクラリネットから始まるのが特徴。

ブルタバの2つの源流の楽譜を説明する図解イラスト

これは、2つの小さな水源から湧き出す水の流れを表現しているんだ。
ヴァイオリンのピッツィカートと、ハープは水面がキラキラと反射している様子や、水が跳ねる様子を表しているよ。

ブルタバの2つの源流で、ハープとバイオリンが水滴がはねる様子を表現していることを説明するイラスト

ピッツィカートとは

「ピッチカート」「ピチカート」とも言うけれど、現在は「ピッツィカート」が一般的だよ。

本来は弦を弓でひいて演奏する弦楽器の弦を指ではじいて音を出す奏法のことだよ。
ハープのような「ポロン」という音を出したり、弦を強くはじいて「バチン」という打楽器のような音を出せたり、曲にアクセントをつけることができるよ。

ピッツィカートとはどういう奏法かを説明する図解イラスト
くまごろうくまごろう

曲がフルートで始まるということはテスト頻出なので、覚えよう!

そこにヴァイオリン、オーボエが合わさって、ブルタバの有名な旋律(主題)が演奏されるよ。

ブルタバの主題について説明する図解イラスト

ここで1つの川になる様子が描かれているんだね。

ブルタバの主題について

ブルタバの主題は、チェコ民謡の「コチカレゼディーロウ」という曲をモチーフにしているとも言われているよ。
「コチカレゼディーロウ」の歌詞には、「雨が降れば濡れるが、太陽が出れば乾く」という部分があるんだ。

ブルタバを作曲した当時は、チェコはオーストリアに支配されていたよね。
「今は苦しい時代だけれど、いずれ明るい未来を開こう」という、チェコの独立を願う思いがこめられているのかもしれないね。

くまごろうくまごろう

ブルタバの主題を演奏する楽器は「ヴァイオリン」と「オーボエ」ということをしっかりおさえておこう!

➁の場面:森の狩猟

やがて情景は森の中にうつるよ。
ホルンのファンファーレではじまるのが特徴。
ホルンは、狩猟でも使われていた角笛をルーツにした楽器なんだ。

ブルタバの森の狩猟について説明する図解イラスト
くまごろうくまごろう

「森の狩猟」でホルンが使われていることもよくテストで問題にでるので、覚えておこう!

③の場面:農民の結婚式

これまでの水の流れの様子からガラッと変わって、チェコの民族舞踏である「ポルカ」が演奏されるよ。

ブルタバの農民の結婚式について説明する図解イラスト

これは農民たちが、結婚式を楽しんでいる様子を描いているんだ。

ポルカとは

ポルカとは、チェコの伝統的な民族舞曲。
1830年頃におこったとされているよ。

2拍子の軽快なリズムのダンスが特徴だよ。
「ポルカ」は「ポーランドの女性」という意味の言葉なんだ。

④の場面:月の光、水の精の踊り

農民たちの村から離れると、場面は夜になって、静かでとても繊細なメロディーが演奏されるよ。

ブルタバの月の光、水の精の踊りについて説明する図解イラスト

「月の光、水の精の踊り」では、弦楽器に「弱音器(ミュート)」をつけて演奏されるよ。
弱音器をつけることで、繊細な音色を表現することができるんだ。
楽譜にも、「con sordini(コンソルディーノ)」という「弱音器をつけて演奏する」という指示が書かれているね。

また、楽譜には「8va」という音楽記号も書かれているよ。
これは、「オクターヴァ・アルタ」という、「1オクターブ高く演奏する」という意味の指示だよ。
音が1オクターブ高くなることで、さらに繊細な響きになるよね。

バイオリンの弱音器を説明する画像

ヴァイオリンの弱音器(ミュート)は、「駒」と呼ばれる部分に被せる形で取り付けるんだ。
駒の振動を抑えることで、音量を小さくすることができるんだよ。

⑤の場面:聖ヨハネの急流

とても静かな場面とはうって変わって、曲調は激しくなるよ。
なんだか急かされているような、恐ろしさと危険さを感じるような印象を受けるよね。

「聖ヨハネの急流」とあるけれど、そういう名前の名所があるわけではないよ。
「聖ヨハネ」とは、14世紀のボヘミアにいたキリスト教の司祭のことなんだ。「ネポムクの聖ヨハネ」というよ。

ネポムクの聖ヨハネは、ボヘミア国王の怒りを買ってしまって拷問にあい、その遺体はプラハのカレル橋に投げ捨てられてしまったんだ。
そして約1ヶ月後に、ブルタバ川の川岸で発見されたよ。

引き上げられたネポムクの聖ヨハネの遺体は、その舌が300年以上経っても腐敗することがなかったことから、奇跡とされたんだ。

そのことから、ネポムクの聖ヨハネは聖人として、プラハのカレル橋に像がたてられたよ。
その台座のレリーフに触れると、幸せが訪れるとされているんだ。

ブルタバの「聖ヨハネの急流」について説明する図解イラスト

王による拷問にあい、命を落とした聖ヨハネのエピソードは、まるでオーストリアの圧政に苦しむチェコの姿に重なるようだよね。

命を落としても聖人となった聖ヨハネのように、チェコも苦しみを乗り越え、自国の伝統や文化を取り戻したいというスメタナの願いが込められているのかもしれないね。

⑥の場面:幅広く流れるブルタバ

「幅広く流れるブルタバ」では、ブルタバの主題が「ホ長調(シャープ4つ)」で演奏されるんだ。
曲の始めの主題は、ホ短調で演奏されたよね。
短調から長調になることで、急流を抜け、チェコの首都であるプラハへと雄大に流れ出すブルタバ川の明るく壮大なイメージを表現しているんだ。

ブルタバの幅広く流れるブルタバについて説明する図解イラスト

⑦の場面:ビシェフラトの動機

幅広く流れていくブルタバ川は、チェコの首都であるプラハへと流れ込み、やがてチェコの象徴でもあるビシェフラト城が見えてくるよ。

ビシェフラと城は、ボヘミア国王が住んでいたお城跡なんだ。

ここでビシェフラト城を表現するために、連作交響詩「わが祖国」の第1曲目の「ビシェフラト」で使われていた動機(モチーフ)が旋律に登場するよ。

ブルタバのビシェフラトの動機について説明する図解イラスト

「ブルタバ」に込められたスメタナの思いとは

学校によっては、「ブルタバにはスメタナのどのような思いが込められているか」という課題が出ることもあるよ。

当時の背景をふくめて考えてみよう。
「ブルタバ」が作曲された当時は、スメタナの故郷であるチェコはオーストリアによって支配されていたよね。

スメタナは自国の伝統を表現する「国民学派」の作曲家だよね。
だから、「ブルタバ」は「チェコの独立を願って」作曲されたと考えることが出来るんだ。

「ブルタバ」の曲のはじめでは、「ブルタバの源流」や「森」「農民の村」や「ポルカ」、「美しい月の光」などが描かれていて、スメタナの故郷であるチェコの美しい情景や伝統を慈しんでいるように感じられるね。

そんな中、「ヨハネの急流」では、とつぜん曲調は激しくなるね。
ここでは、オーストリアの支配に苦しめられるチェコの姿が重ねられているのかもしれないね。

急流を抜けると、ブルタバ川はチェコの首都であるプラハへと幅広く流れていき、チェコの象徴であるビシェフラトが現れるよ。
これは、いつかオーストリアからの支配を脱して、チェコが独立して自分たちの伝統や文化を取り戻すことを願う気持ちが表現されているのかもしれないね。

くまごろうくまごろう

「ブルタバを聴いてどう感じたか、スメタナにはどんな思いがあったのか、には正解はないよ。みんなも、自分がどう感じたか、ぜひ自分の言葉で表現してみてね。

「ブルタバ(モルダウ)」まとめ

「ブルタバ(モルダウ)」テスト対策ポイント

  • 作曲者はチェコの作曲家であるベドルジフ・スメタナ
  • スメタナはロマン派時代の作曲家で、国民学派である
  • スメタナは「チェコ国民音楽の父」と称されている
  • スメタナはプラハでピアノ演奏と作曲を学び、50歳のころ聴力を失った
  • 「ブルタバ」はチェコ語で、「モルダウ」はドイツ語である
  • 当時チェコはオーストリアによって支配されていたためチェコ語が禁止されており、2つの呼び名が存在する
  • 「ブルタバ」が表現しているのは、チェコ共和国最長の川「ブルタバ川」
  • ブルタバは、詩や絵画、物語などを表現する管弦楽曲であり、このような曲を「交響詩」という
  • ブルタバは、6つの交響詩からなる連作交響詩「わが祖国」の第2曲である
  • ブルタバの演奏形態は「オーケストラ」
  • 7つの場面「ブルタバの2つの源流」「森の狩猟」「農民の結婚式」「月の光、水の精の踊り」「聖ヨハネの急流」「幅広く流れるブルタバ」「ビシェフラトの動機」の標題と順番、内容を覚えよう
  • 曲のはじめはフルートからはじまる
  • 主題を演奏するのは、ヴァイオリンとオーボエ
  • 「森の狩猟」では、ホルンが演奏される
  • 「農民の結婚式」ではチェコの民族舞踊「ポルカ」が登場する
  • 「月の光、水の精の踊り」では、弦楽器に弱音器をつけて演奏される
  • 「幅広く流れるブルタバ」では、主題がホ長調で演奏される

ここまで学習したら、「ブルタバ(モルダウ)」のテスト対策練習問題に挑戦しよう!

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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