「勧進帳(歌舞伎)」とは?あらすじと登場人物解説(テスト対策)

中学音楽で学習する歌舞伎「勧進帳」について、勧進帳とはなにか、お話のあらすじや登場人物、歌舞伎の基礎知識や使われている楽器など、「勧進帳」の定期テストで必要になるポイントをわかりやすく解説するよ。

 

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歌舞伎「勧進帳」あらすじと解説 (期末テスト対策ポイントまとめ)

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目次【本記事の内容】

「勧進帳」
基本情報をチェックしよう

「勧進帳」基本情報
【作曲】四世杵屋六三郎きねやろくさぶろう
【作詞】三代目並木五瓶なみきごへい
【初演された時代】江戸時代
【用いられる音楽】長唄ながうた
【ストーリー】頼朝よりともから逃げて奥州おうしゅうへ向かう義経よしつね弁慶べんけいらが、山伏やまぶしふんして関所せきしょを通るために関守せきもり富樫とがしの前でニセの勧進帳かんじんちょうを読み上げる。
※後半に詳しいストーリーを解説しているよ。
くまごろうくまごろう

「杵屋六三郎」は、江戸時代から今に続くまで名前を受け継いでいる長唄ながうた三味線方しゃみせんかただよ。
四世杵屋六三郎は、その中でも一番有名な人なんだ。
「並木五瓶」は、歌舞伎作者の名前で、プロデューサーみたいなイメージかな。4代目までいるよ。

「勧進帳」
テスト対策ポイント①
歌舞伎について覚えよう

歌舞伎かぶきとは?

歌舞伎は、日本を代表する伝統芸能のひとつ。

ワクワクするような物語を、「音楽」と「踊り(舞踊ぶよう)」ではなやかに「演じる(演技)」「総合芸術そうごうげいじゅつなんだ。

「総合芸術」って?

芸術には、「音楽」とか、「美術」とか、色々分野があるよね。
歌舞伎は、そのなかでも「音楽」「舞踊」「演技」のようにいくつかの分野が合わさった芸術だから、「総合芸術」と呼ぶんだよ。

歌舞伎の芸術の要素は、テストでもよく出されやすいので、この3つは必ず覚えよう!!

  • 音楽
  • 舞踊
  • 演技

歌舞伎の起源は?

歌舞伎の始まりは、1603年に、お国お国は、出雲出身と考えられているので、「出雲阿国(いずものおくに)」と呼ばれることも。でも、出雲出身かどうかは確実ではないという説もあるよ。出雲阿国)が作った「かぶきおどり」だと言われているよ。
色のついている言葉は、タップ(クリック)すると、詳しい解説が表示されるよ。

長唄ながうたとは?

歌舞伎の音楽にはいくつか種類があって、そのひとつが「長唄」というよ。

長唄は、歌舞伎の伴奏ばんそうや効果音のための音楽として発達したよ。

基本的にはうたと、三味線しゃみせんがメインで、他の楽器も一緒に演奏されたりするよ。

「勧進帳」では、唄と三味線の他に、小鼓こつづみ」「大鼓おおつづみ」「ふえ能管のうかん能笛のうてき)」が使われているんだ。
これらの楽器は、鳴物なりものと呼ばれるんだ。

※勧進帳で使われている「笛」は、正確には「能管」と呼ぶんだ。(能笛と呼ぶこともある)テストでの回答は、「笛」だけでは不正解となる場合もあるので、「能管」と答えられるようにしておくと安心だよ。

長唄のそれぞれの担当の呼び方

  • うたを担当・・・唄方うたかた
  • 三味線を担当・・三味線方
  • 三味線以外の楽器(鳴物)を担当・・囃子方はやしかた
くまごろうくまごろう

長唄は、演奏者が全部で2〜30人もいたりするけど、オーケストラなどのように指揮者はいないんだ。
唄方と三味線方のリーダーの2人が、隣に座り合ってお互いの呼吸を合わせて演奏を揃えるんだよ。

たろうたろう

「囃子方」って、ちょっと難しい言葉だと思ったけど、
「まつりのお囃子はやし」とか、ひなまつりの歌の「五人囃子ごにんばやしの・・・」なんかで使われている言葉だね。

「〇〇方」も、日常的な言葉で「裏方」なんて言葉があるよね。
「裏の方の仕事を担当する人」のことだよね。
だから、「〇〇担当」を「〇〇方」と呼ぶんだね。

歌舞伎の舞台

歌舞伎の舞台の名前を解説したイラスト

歌舞伎の舞台は、演劇を盛り上げるための工夫がたくさんされているんだ。

くまごろうくまごろう

赤字の部分は、テストでもよく出るので、絶対に覚えよう!

廻り舞台

その名の通り、回すことができる舞台のこと。

廻り舞台の前の方で演技をしているあいだに、後ろ半分の方で次の場面のセットを組んだりすることができるよ。

たろうたろう

場面が変わるときに、舞台が回って、次の場面のためのセットが登場する!ということだね。

黒御簾くろみす

黒いすだれがかかった小さな部屋のこと。

ここで、演技をしている役者の気持ちや、情景を表す唄や音楽を演奏するよ。

たろうたろう

歌舞伎といえば、よくある
「イヨーーーーッ!ポン!!」
みたいなアレだね。

つまり、効果音のようなイメージだね。

花道

観客席を貫くように設置された道で、歌舞伎俳優が舞台から出入りしたりするときに使われるよ。

「勧進帳」では、弁慶が最後にこの花道を「飛び六方」で引っ込む(退場すること)のが見所のひとつになっているよ。

スッポン

花道に設置された電動の装置で、下から歌舞伎俳優が乗って登場したりするときに使われるよ。

幽霊とか、妖術使いなんかの「なんだか怪しいキャラ」が登場するときなんかに効果的に使われるんだ。

「上手」と「下手」

客席から舞台を見たときに、右手側を「上手」と呼んで、左手側を「下手」と呼ぶんだ。

身分の高い者は上手に座ったりするし、
反対に身分の低い者は下手から登場したりするようになっているよ。

「勧進帳」でも、身分が高い「関守の富樫」は、上手にいるよね。

歌舞伎の演技と特徴

隈取り

歌舞伎の隈取りのイラスト

隈取りくまどりは、歌舞伎独特の化粧の方法のこと。

隈取りをすることで、遠くの観客からでも、役者の表情が見やすくなるんだ。

その人物のキャラ(強いとか、悪い人とか)の雰囲気に合わせた隈取りをする工夫がされていて、紅い隈取りは正義の人だったり、反対に青い隈取りは悪人や怨霊を表したりしているんだ。

見得

見得を解説しているイラスト

見得みえとは、物語の重要な場面や、人物の気持ちが盛り上がった「ここぞ!!」という時に、演技を止めてポーズを取る演出のこと。

目を寄せたり、見開いたり、睨んだりすることで観客の注目がその人物に一気に集まるように工夫されているよ。

飛び六方

飛び六方を解説しているイラスト

「六方」は、「東・西・南・北・天・地」の6方向に手を伸ばすことからそう呼ばれているんだ。

たろうたろう

意味が分かると、テストで漢字も間違えないで済むね!

歌舞伎などで使われる演出のひとつで、大きく手をふりながら、足を力強く踏んで歩くんだ。

基本的には、花道を通って引っ込む(退場する)ときに使われるよ。

この「六方」には、登場人物の性格や気持ちによって、色々なやり方があって、「勧進帳」の弁慶では「飛び六方」というのが大きな「見どころ」になっているんだ。

たろうたろう

弁慶が、義経を追いかけようと必死に急ぐ様子が伝わってくるね。

「勧進帳」
テスト対策ポイント②
物語の内容について覚えよう

「勧進帳」のストーリーは?

勧進帳のストーリーを解説

時は平安時代末期、源氏と平氏による、いくつかの戦いのこと源平合戦のあと。

かつて源氏のリーダー。後に鎌倉幕府を開く。源頼朝のもとへ駆けつけ、平氏を破った弟の源義経みなもとのよしつねは、勝手な行動がもとで頼朝の怒りをかってしまい、今ではその命を追われる身となっていた。

頼朝から逃れるために、義経は子供の頃過ごし、ゆかりのあった奥州平泉おうしゅうひらいずみ藤原秀衡ふじわらのひでひらのもとへ家来の弁慶べんけい「してんのう」。義経の4人の家来のことで、勧進帳では「亀井六郎・片岡八郎・常陸坊海尊・駿河次郎」のこと。四天王とともに向かっていた。

そのためには安宅あたか関所せきしょ(現在の石川県にあった関所)を通る必要がある。

義経一行は、正体を隠すために、東大寺の大仏を再建さいけんするために「かんじん」。寺や仏像を建てたり、直すために寄付を集めること。勧進を行う「「やまぶし」。山の中で修行をする僧のこと。山伏」に変装へんそうした。

しかし、安宅の関守の富樫左衛門とがしのさえもんのもとには、すでに頼朝から「義経は山伏に変装している可能性がある」との警告文けいこくぶんが届いていた。

当然、義経一行を疑う富樫。

その疑いを晴らすため、弁慶はたまたま持ち合わせていた巻物を手に取り、あたかも「「かんじんちょう」。寄付を集めるための目的などを書いた巻物。勧進帳」であるかのように、内容を読み上げた(勧進帳読み上げ)。

まだ納得がいかない富樫は、弁慶に山伏についての質問をするが、弁慶はすべて見事に答えた(山伏問答やまぶしもんどう)。

弁慶の見事な答えに、富樫は関所の通行を許可する。
安心したのもつかの間、その時、番兵のひとりが「ごうりき」。旅のお供をして、山伏などの荷物を代わりに持って運ぶ人のこと。強力があまりに義経に似ていると指摘してきする。

このピンチを切り抜けるために、弁慶は「おまえが義経に似ているせいで、このように疑われることになった!!」とわざと怒り、杖で義経を叩いた。

家来が主君を叩くなど、ありえないことだった。
だからこそ、「自分たちは義経の家来などではない」ということを示したのだ。

こうまでして義経を守ろうと必死な弁慶の行動に、富樫は心を動かされ、義経一行が関所を通ることを許したのだった。

無事に関所を通過できたものの、弁慶は主君を叩くというとんでもない自分の行動を激しく悔やみ、涙する。

そんな弁慶に、義経は優しく手を差し伸べてなぐさめ、今までの平氏との戦いや、弁慶の活躍の思い出を語る。

関所を過ぎてしばらくすると、義経一行のもとへ富樫がやってくる。

「疑ってすまなかった」とお詫びのしるしとして酒を振る舞いに来たのだった。

酒のお礼にと、富樫の前で「延年えんねんの舞」を披露する弁慶(延年の舞)。
舞っている間に、義経・四天王を先に行かせる。

義経が逃げ切ったことを確認した弁慶は、「おい」。修行する僧が荷物などを入れて背負う箱のこと。を背負い、富樫に礼をし、主君である義経の後を急いで追いかけるのだった(飛び六方ろっぽう)。

「勧進帳」
テスト対策ポイントまとめ

まとめ
  • 作曲は四世杵屋六三郎
  • 作詞は三代目並木五瓶
  • 初演は江戸時代
  • 長唄が用いられている
  • 歌舞伎は、音楽・舞踊・演技からなる総合芸術
  • 起源は1603年に出雲お国が創始した「かぶきおどり」
  • 唄を担当するのは唄方
  • 三味線を担当するのは三味線方
  • 三味線以外の楽器を担当するのは囃子方
  • 勧進帳で使われる楽器は小鼓・大鼓・笛(能管)
  • 指揮者はいない
  • 歌舞伎の舞台の名前を覚えよう!
  • 勧進帳のストーリーを覚えよう!
  • 隈取り・見得・飛び六方について覚えよう!
yuminekoyumineko

ここまで学習できたら、ぜひ歌舞伎「勧進帳」のテスト練習問題にもチャレンジしてね。

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

感想や意見を聞かせてね

  1. より:

    とても試験勉強に役立ちます!
    ありがとうございます(*'▽'*)

  2. より:

    テストへの自信がついた

  3. ねこ より:

    すごく分かりやすくて勉強に役立ちました!
    ありがとうございます!

  4. かき より:

    教科書にのってないようなことまで詳しく書いてあってわかりやすかったです!
    ありがとうございます。

  5. はっせ より:

    めっちゃ わかりやすかったです。 ありがとうございました

  6. まっしゅぽてと より:

    音楽のプリント音楽の先生にテスト直前に回収されて
    分かんなかったとこだから
    色々理解できてよかったです!!
    ありがとうございます!

  7. 名無し より:

    笛じゃなくて、能管のほうがいいと思います!!

    私は笛で×になってしまったので・・

    でもすごくわかりやすかったです!!ありがとうございます^-^

    • yumineko より:

      とても参考になるコメントをありがとうございます!
      笛で×だったのですね・・・なかなか厳しい採点ポイントですね。
      教えていただいて本当に助かりました。
      本文も修正させていただきますね。