尺八楽「巣鶴鈴慕(そうかくれいぼ)」期末テスト対策ポイント
中学音楽「巣鶴鈴慕(そうかくれいぼ)」とは?尺八楽とは?古琴流本曲とは?定期テスト対策に必要となるポイントをわかりやすく解説します。
目次【本記事の内容】
音楽の種類:尺八楽
演奏形態:尺八の独奏
作曲:不詳
時代:江戸時代
尺八楽とは
「巣鶴鈴慕」は、尺八という楽器で演奏される曲なんだ。
尺八で演奏される音楽のことを、「尺八楽」と呼ぶよ。
「尺八」+「音楽」で
「尺八楽」だね。
尺八について
日本を代表する管楽器
尺八は、日本を代表する「かんがっき」。管の中の空気をふるわせて音を出す楽器のこと。例:リコーダーやトランペットなど管楽器のひとつ。
※色のついた言葉は、クリックすると言葉の意味が表示されるよ!
尺八は、竹の根元部分を使って作られているんだ。
【江戸時代】虚無僧が吹く楽器だった
「巣鶴鈴慕」が作られたのは江戸時代。
江戸時代の尺八は、「虚無僧」と呼ばれる普化宗の僧侶が吹くものだったんだ。
僧侶である虚無僧は、修行をするために日本各地をまわるんだ。
各地をまわりながら尺八を吹くことで、人々から寄付をあつめていたよ。
虚無僧が寄付をあつめることを「托鉢」というよ。
この言葉はテストで出ることもあるので、覚えておこう!
【明治時代】一般の人々も吹くようになった
明治時代になると、普化宗が廃止されてしまったんだ。
なので、普化宗の虚無僧が修行として吹いていた尺八が、一般の人々にも楽器として普及していったんだ。
尺八の名前の由来
尺八は普通、「一尺八寸」の長さで作られていたよ。
このことから、「尺八」という名前がつけられたんだ。
「一尺八寸」はどのくらいの長さ?
「尺」と「寸」は日本に昔から伝わる、長さの単位のことだね。
一尺は一寸の10倍。
メートル法に換算すると、一尺は約30.3㎝だよ。
一寸は3.03㎝だね。
これをもとに計算すると、一尺八寸は
30.3+(3.03×8)=54.54
つまり、約55㎝になるよ。
尺八の各部分の名前を覚えよう
定期テストでは、尺八の各部分の名前を答える問題がよく出されるよ。
しっかり覚えよう!!
歌口
歌口は、尺八の管の中に息を吹き込むための部分だね。
指孔
指孔は、尺八から出る音を変えるために、指で押さえたり離したりする孔の部分のこと。
現在、一般的な尺八の指孔は5つ。
歌口の遠い方から「一孔」「二孔」「三孔」「四孔」「五孔」という名前になっているよ。
五孔は、尺八の裏側にあるので注意してね。
尺八の基本となる音
尺八の指孔をふさいだり、開けたりして出せる「基本的な音」は
レ ファ ソ ラ ド レ の6つ。
基本的な音は6つだけど、指孔のふさぎかたを調節することで、それ以外の音を出すこともできるよ。
リコーダーでも、指を半分だけずらしたりすると、音が高くなったりするよね。
吹き込む息も、鋭くしたりすることでもとの音から1オクターブ高くすることもできるよ。
尺八の音域
そうやって指や息を調節することで、低い「ド」から2オクターブ高い「ソ」まで出すことができるんだ。
尺八の演奏方法
尺八はただ普通に吹くだけではなくて、舌や喉、指を使って表現力豊かに演奏する方法があるんだ。
演歌で例えるなら、
「コブシをきかせて」歌ったりするよね。
カラオケでも、喉や口を使って「ビブラートをかける」こともあるよね。
それと同じイメージかな。
表現するための演奏方法
スリ上げ
閉じた指孔を徐々に開けて、音高を上げる奏法。
ふさいでいた指孔を少しずつ開ければ、音も少しずつ高くなるよね。
コロコロ
一孔と二孔を交互に開閉する奏法。
一孔を開けたときの音と、二孔を開けたときの音がすばやく繰り返されるね。
ピアノでいう「トリル」のイメージかな。
タマネ
舌または喉を震わせながら吹く奏法。
舌や喉を震わせることで、尺八から出る音も震えるよね。
音の高さを変えるための演奏方法
基本となる音以外の音を出すための演奏方法だね。
指孔のふさぎかたを調節したり、息の吹きこみかたを強くしたりする他にも、顎を使って音の高さを変えることができるんだ。
「メリ」と「カリ」
この「メリ」と「カリ」は、どっちが音を下げて、どっちが音を上げるのか答える問題がよく出るよ!!
古琴流本曲とは
江戸時代には、虚無僧と呼ばれる僧侶が尺八を吹きながら日本各地をまわっていたんだったよね。
その虚無僧のなかの初世「黒沢琴古」という人が、各地に伝わっていた尺八の曲を集めたんだ。
そうやって集められた曲を「琴古流本曲」と呼ぶよ。
今回習う「巣鶴鈴慕」は、古琴流本曲のなかの曲のひとつなんだ。
巣鶴鈴慕(そうかくれいぼ)とは
巣鶴鈴慕の作者は?
作者は不詳なんだ。
つまり、誰が作った曲なのかは分からないということ。
でも、18世紀半ば頃から人々に親しまれていた「鶴の巣籠」という曲をもとにしてできた曲のひとつだということは分かっているよ。
巣鶴鈴慕はどんな曲なの?
もとになった曲「鶴の巣籠」は、親鶴と子どもの愛情と別れをテーマにした曲なんだ。
雄の鶴と雌の鶴が出会い、
巣を作り、
雛鳥が生まれる。
厳しい寒さの中、親鶴は一生懸命子どもたちを育てるんだ。
子どもたちが巣立つと、母鶴は死んでしまうよ。
「鶴の巣籠」は、この親子の愛情をストーリーのように表現していているんだ。
スリ上げやタマネ、コロコロが鶴たちの動きや感情を表現するために使われているんだね。
全部で12の段でできているよ。
「巣鶴鈴慕」まとめ
- 尺八楽とは、尺八で演奏される音楽のこと
- 尺八は、日本を代表する管楽器のひとつ
- 江戸時代では、虚無僧が宗教的な修行として尺八を吹いていた
- 明治時代になると、一般の人々にも尺八が普及した
- 尺八は楽器の長さである「一尺八寸」が名前の由来になっている
- 尺八の各部分の名前を覚えよう!
- スリ上げ・コロコロ・タマネについて覚えよう!
- メリ・カリについて覚えよう!
- 琴古流本曲とは、虚無僧であった黒沢琴古が各地に伝わる尺八の曲を集めたもの。
- 巣鶴鈴慕の作曲者は不詳
- 鶴の巣籠という曲をもとに作られた
- 全部で12段からなっている
ここまで学習できたら、「巣鶴鈴慕」のテスト対策練習問題のページにチャレンジしよう!
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
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