「裸子植物と被子植物」の違いは?胚珠・子房・種子・果実をわかりやすく解説

中学校1年生の理科で学習する「裸子植物と被子植物」について、胚珠や子房のつくり、マツの雄花・雌花、種子や果実のでき方、代表的な植物をわかりやすく解説するよ。

裸子植物と被子植物は、どちらも種子をつくってなかまをふやす植物なんだ。では、何が違うのだろう?

いちばん大切な違いは、胚珠が子房に包まれているかどうかだよ。

この記事で分かること

  • 裸子植物と被子植物の共通点
  • 裸子植物と被子植物の決定的な違い
  • 裸子植物の胚珠が「むき出し」といわれる理由
  • マツの雄花・雌花のつくり
  • 胚珠・子房・種子・果実の関係
  • 裸子植物と被子植物の代表例
  • 葉の形だけでは正確に見分けられない理由
  • 定期テストでよく問われるポイント

中1理科「裸子植物と被子植物」テスト対策ポイント

  • 種子をつくってなかまをふやす植物を種子植物という
  • 種子植物は、裸子植物と被子植物に分けられる
  • 裸子植物は、胚珠が子房に包まれていない
  • 被子植物は、胚珠が子房の中にある
  • 受精後、胚珠は種子になる
  • 被子植物では、受精後に子房が果実になる
  • 裸子植物には子房がないため、子房からできる果実もできない
  • マツの雄花には花粉のうがあり、雌花には胚珠がある
  • マツでは、花粉は主に風によって運ばれる
  • 裸子植物の例は、マツ・スギ・ヒノキ・イチョウ・ソテツ
  • 被子植物の例は、アブラナ・サクラ・リンゴ・チューリップ・イネなど
目次

種子をつくる植物は2つに分けられる

裸子植物では胚珠がりん片にむき出しで、被子植物では胚珠が子房の中にあることを断面で比較した図解

植物のうち、種子をつくってなかまをふやす植物を、種子植物というよ。

種子植物は、次の2つのグループに分けられるんだ。

  • 裸子植物:胚珠が子房に包まれていない植物
  • 被子植物:胚珠が子房の中にある植物

「裸子植物」と「被子植物」という名前だけを見ると、種子が裸なのか、何かに包まれているのかを比べるように思えるよね。

でも、花が咲いている段階では、まだ種子はできていないよ。この段階で比べるのは、種子になる前の胚珠なんだ。

いちばん大切な違い

裸子植物と被子植物は、胚珠が子房に包まれているかどうかで分けられる。

たろう
「種子が裸かどうか」ではなくて、まずは胚珠を見るんだね。

くまごろう
そのとおり。受精すると、胚珠が種子に変わるんだよ。

裸子植物とは

裸子植物とは、胚珠が子房に包まれず、むき出しになっている植物のことだよ。

「裸子」という名前は、種子になる胚珠が、子房に包まれていないことを表しているんだ。

裸子植物の代表として、中学理科ではマツを観察することが多いよ。

マツには、被子植物のような花びらやがくはないけれど、中学理科では、生殖に関係する部分を雄花雌花と呼んで学習するんだ。

裸子植物の特徴

  • 胚珠が子房に包まれていない
  • 子房がない
  • 子房からできる果実をつくらない
  • 雄花と雌花がある
  • 花びらやがくをもたない
  • 花粉が風によって運ばれるものが多い

「裸子植物には花がない」と説明されることもあるけれど、中学校の教科書ではマツの雄花・雌花という言葉を使うよ。

ただし、サクラやアブラナのような、花びら・がく・おしべ・めしべがそろった花とは、つくりが大きく違うんだ。

マツの雄花と雌花のつくり

マツの枝につく雄花と雌花の位置、および雌花のりん片につく胚珠と雄花のりん片につく花粉のうを示した白黒の理科図版

マツの枝を春に観察すると、新しい枝の先の方に雌花、その下の方に雄花がついていることがあるよ。

マツの雄花

マツの雄花には、うろこのような形をしたりん片がたくさん集まっているよ。

雄花のりん片には花粉のうがあり、その中で花粉がつくられるんだ。

花粉のうから出た花粉は、主に風によって運ばれるよ。

マツの雌花

マツの雌花にも、りん片がたくさん集まっているよ。

雌花のりん片には、種子のもとになる胚珠がついているんだ。

マツの雌花には子房がないため、胚珠は子房の中に入っていないよ。これが、裸子植物のいちばん大切な特徴なんだ。

マツの花りん片についているもの役割
雄花花粉のう花粉をつくる
雌花胚珠受精後に種子になる

たろう
雄花には花粉のう、雌花には胚珠があるんだね。

くまごろう
この組み合わせは、テストでとてもよく出るよ。漢字でも書けるようにしておこう。

マツの種子ができるまで

雄花でつくられた花粉が、雌花の胚珠につくことを受粉というよ。

マツの花粉には空気を含んだ袋のような部分があり、風に運ばれやすいつくりをしているんだ。

受粉したあとに受精が行われると、胚珠は種子になるよ。

マツの雌花は時間をかけて成長し、やがてまつかさになるんだ。一般には「松ぼっくり」と呼ばれているね。

まつかさが成熟して乾燥すると、りん片が開き、中にできた種子が外へ出るよ。

マツの種子には、うすい翼のような部分があり、風に乗って運ばれやすくなっているんだ。

マツの種子ができる流れ

雄花で花粉がつくられる

花粉が風に運ばれる

花粉が雌花の胚珠につく

受粉・受精が行われる

胚珠が種子になる

マツの雄花で花粉がつくられ、風で雌花へ運ばれ、雌花の胚珠が種子となり、雌花がまつかさへ成長する流れを示した図解

松ぼっくり全体が1個の種子になるわけではないよ。また、松ぼっくりからはがれた1枚のりん片が、そのまま種子になるわけでもないんだ。

種子は、りん片についていた胚珠が成長してできたものだよ。

被子植物とは

被子植物とは、胚珠が子房の中にある植物のことだよ。

「被子」という名前には、種子になる胚珠が子房に包まれている、という意味があるんだ。

アブラナ・サクラ・リンゴ・チューリップ・イネなど、私たちの身のまわりで見られる多くの植物が被子植物だよ。

被子植物の花には、一般におしべとめしべがあるよ。めしべは、先の方から柱頭・花柱・子房に分けられるんだ。

そして、子房の中には胚珠があるよ。

花の部分特徴・役割
おしべやくで花粉をつくる
柱頭花粉がつく部分
花柱柱頭と子房の間にある部分
子房中に胚珠がある
胚珠受精後に種子になる
被子植物の花の断面に、柱頭・花柱・子房・胚珠・やく・花糸・花弁・がくを正確に示した理科図版

被子植物には、花びらが大きく目立つものもあれば、イネのように花びらが目立たないものもあるよ。

「きれいな花びらがあるかどうか」だけで、被子植物かどうかを判断することはできないので注意しよう。

被子植物の種子と果実ができるまで

被子植物では、花粉がめしべの柱頭につくことを受粉というよ。

受粉したあと、花粉から花粉管がのび、その中を生殖細胞が移動して胚珠に達するんだ。

受精が行われると、花の一部は次のように変化するよ。

被子植物の最重要公式

胚珠 → 種子
子房 → 果実

「はいしゅは種子、しぼうは果実」とセットで覚えよう。

被子植物の花で受精後に胚珠が種子、子房が果実になる対応を、花と果実の断面で示した理科図版

たとえば、アブラナでは、受精後に子房が成長して細長い果実になり、その中に種子ができるよ。

リンゴやミカンのように、やわらかく食べられる果実もあるね。ただし、果実はすべて甘くて食べられるものではないよ。

アブラナのさや、エンドウのさや、イネの実なども、植物の分類では果実なんだ。

果実や種子は、風・水・動物など、植物によってさまざまな方法で運ばれるよ。

動物に食べられることで種子が運ばれる植物もあるけれど、すべての被子植物がその方法を使うわけではないんだ。

裸子植物と被子植物の違い

裸子植物と被子植物の違いを、表で整理してみよう。

比べるところ裸子植物被子植物
胚珠子房に包まれていない子房の中にある
子房ないある
果実つくらない子房が成長して果実になる
種子胚珠が成長してできる胚珠が成長してできる
花のつくり花びらやがくをもたず、雄花・雌花があるおしべ・めしべをもち、花びらやがくをもつものが多い
代表例マツ・スギ・ヒノキ・イチョウ・ソテツアブラナ・サクラ・リンゴ・チューリップ・イネ

どちらも、受精後に胚珠が種子になることは同じだよ。

違うのは、その胚珠を包む子房があるか、ないかなんだ。

見分けるときの合言葉

胚珠がむき出しなら裸子植物
胚珠が子房の中なら被子植物

裸子植物と被子植物の代表例

裸子植物の代表例

  • マツ
  • スギ
  • ヒノキ
  • イチョウ
  • ソテツ

マツ・スギ・ヒノキは、細い葉をもつ針葉樹のなかまだよ。

イチョウは扇形の広い葉、ソテツは羽のように広がる葉をもっているけれど、どちらも裸子植物なんだ。

被子植物の代表例

  • アブラナ
  • サクラ
  • リンゴ
  • タンポポ
  • アサガオ
  • チューリップ
  • ユリ
  • イネ
  • トウモロコシ

被子植物は、芽生えのときに出る子葉の数などによって、さらに単子葉類双子葉類に分けて学習するよ。

単子葉類と双子葉類の違いは、別の記事で詳しく確認しよう。

葉の形で見分けられる?

裸子植物には、マツやスギのように、針のような細い葉をもつものが多いよ。

そのため、葉が細くてチクチクする植物を見ると、裸子植物ではないかと予想する手がかりにはなるんだ。

でも、葉の形だけで裸子植物と被子植物を決めることはできないよ。

たとえば、イチョウは広い扇形の葉をもっているけれど、裸子植物だね。

反対に、イネやユリなどは細長い葉をもっているけれど、被子植物なんだ。

見分けるポイント確かさ
胚珠が子房に包まれているか分類の決め手になる
果実ができるか重要な手がかりになる
花びらが目立つか例外がある
葉が細い・チクチクするか手がかりにはなるが、決め手にはならない

たろう
葉がチクチクしたら、必ず裸子植物というわけではないんだね。

くまごろう
うん。テストでは、葉ではなく「胚珠と子房の関係」で答えるのが基本だよ。

間違えやすいポイント

間違い1 裸子植物は種子をつくらない

これは間違いだよ。

裸子植物も被子植物も、どちらも種子をつくる種子植物なんだ。

間違い2 裸子植物には胚珠がない

裸子植物にも胚珠はあるよ。

裸子植物では、胚珠が子房に包まれていないんだ。

間違い3 裸子植物には子房がある

裸子植物には子房がないよ。

子房があるのは被子植物なんだ。

間違い4 種子が果実になる

種子になるのは胚珠だよ。

被子植物では、子房が果実になるんだ。

間違い5 松ぼっくり全体が1個の種子になる

松ぼっくりは、成長した雌花のりん片が集まったものだよ。

種子になるのは、雌花のりん片についていた胚珠なんだ。

間違い6 果実はすべて甘くて食べられる

植物の「果実」は、人が食べる果物だけではないよ。

アブラナのさやのように、乾いてかたい果実もあるんだ。

間違い7 細い葉なら必ず裸子植物

葉の形だけで分類することはできないよ。

裸子植物のイチョウは広い葉をもち、被子植物のイネは細長い葉をもっているね。

重要語句のまとめ

語句意味・ポイント
種子植物種子をつくってなかまをふやす植物
裸子植物胚珠が子房に包まれていない種子植物
被子植物胚珠が子房の中にある種子植物
胚珠受精後に種子になる部分
子房被子植物のめしべのもとの部分。中に胚珠があり、受精後に果実になる
種子受精後に胚珠が成長してできるもの
果実被子植物で、受精後に子房が成長してできるもの
受粉花粉が胚珠や柱頭につくこと
りん片マツの雄花や雌花をつくる、うろこのような部分
花粉のうマツの雄花のりん片にあり、花粉をつくる部分
まつかさマツの雌花が成長したもの。松ぼっくりとも呼ばれる

最後に確認しよう

  • 裸子植物も被子植物も種子植物
  • 裸子植物の胚珠は子房に包まれていない
  • 被子植物の胚珠は子房の中にある
  • 胚珠は受精後に種子になる
  • 被子植物の子房は受精後に果実になる
  • 裸子植物には子房がないため、子房からできる果実もない
  • マツの雄花には花粉のう、雌花には胚珠がある
  • 葉の形だけでは、裸子植物と被子植物を正確に分類できない

ここまで学習できたら、「裸子植物と被子植物」のテスト対策練習問題とドリルにも挑戦して、胚珠・子房・種子・果実の関係を定着させよう!

中1理科「裸子植物と被子植物」テスト対策練習問題
【中1理科】裸子植物と被子植物の重要語句ドリル
【中1理科】マツの花のつくりドリル
【中1理科】裸子植物と被子植物の見分け方ドリル

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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