14徒然草「ある人、弓射ることを習ふに」

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「なほざり」の意味を次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:いい加減
イ:勿体ない
ウ:雑念
エ:油断

正解は「ア」です。

「なほざり」は、「おろそかだ・いいかげん・本気でない」という意味を持っている。

「得失なく」の意味を次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:損得を考えず
イ:成功・失敗を考えず
ウ:特別なことはなく
エ:失うことはなく

正解は「イ」です。

「得失」は、「成功と失敗」という意味を持っている。

「ねんごろ」の意味を次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:気軽に
イ:親しみをもって
ウ:熱心に
エ:親密な関係になって

正解は「ウ」です。

「ねんごろ」は、「心をこめる・ていねい・熱心である」という意味を持っている。

「いはんや」の意味を次の中から選びなさい。

ア:ましてや
イ:いやいやながら
ウ:いつのまにか
エ:ゆるされず

正解は「ア」です。

「いはんや(況んや)」は、「言うまでもなく・ましてや」という意味を持っている。※況(きょう)は、「たとえる」という意味を持っていることから「たとえる」に「や」の反語の係助詞がつくことで、「言うまでもなく」という意味になるとイメージしよう。

ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、始めの矢になほざりの心あり。毎度ただ②得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。懈怠の心、自ら知らずといへども、師これを知る。この戒め、万事にわたるべし。
道を学する人、夕べには朝あらんことを思ひ、朝には夕べあらんことを思ひて、重ねてねんごろに修せんことを期す。いはんや一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らんや。なんぞ、ただ今の一念において、直ちにすることのはなはだかたき。

「一刹那」と同じ意味をもつことばを本文から抜き出して答えなさい。

正解は「一念」です。

「刹那」は、仏教語で「極めて短い時間」という意味。「一念」も、仏教語で「極めて短い時間」という意味。

ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、始めの矢になほざりの心あり。毎度ただ②得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。懈怠の心、自ら知らずといへども、師これを知る。この戒め、万事にわたるべし。
道を学する人、夕べには朝あらんことを思ひ、朝には夕べあらんことを思ひて、重ねてねんごろに修せんことを期す。いはんや一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らんや。なんぞ、ただ今の一念において、直ちにすることのはなはだかたき。

「師これを知る」とあるが、「これ」の指す内容を本文から5字以内で抜き出して答えなさい。

正解は「懈怠の心」です。

「自ら知らずといへども」で「自分では分からなくても、」という意味になるので、「自分では(懈怠の心があることを)分かっていなくても、師はそれを分かっている」という内容になる。

ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、始めの矢になほざりの心あり。毎度ただ②得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。懈怠の心、自ら知らずといへども、師これを知る。この戒め、万事にわたるべし。
道を学する人、夕べには朝あらんことを思ひ、朝には夕べあらんことを思ひて、重ねてねんごろに修せんことを期す。いはんや一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らんや。なんぞ、ただ今の一念において、直ちにすることのはなはだかたき。

「弓射ること」と並んで、「懈怠の心」についての戒めとして語られていることは何か。「…こと」と続くように本文から抜き出して答えなさい。

正解は「道を学する」です。

「自ら知らずといへども」で「自分では分からなくても、」という意味になるので、「自分では(懈怠の心があることを)分かっていなくても、師はそれを分かっている」という内容になる。

ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、始めの矢になほざりの心あり。毎度ただ②得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。懈怠の心、自ら知らずといへども、師これを知る。この戒め、万事にわたるべし。
道を学する人、夕べには朝あらんことを思ひ、朝には夕べあらんことを思ひて、重ねてねんごろに修せんことを期す。いはんや一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らんや。なんぞ、ただ今の一念において、直ちにすることのはなはだかたき。

師が「二つの矢を持つことなかれ」と戒めたのはなぜか。本文からその理由としてふさわしい一文を抜き出して答えなさい。

正解は「後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。」です。

「定むべし」の助動詞「べし」の文法的意味と活用形を答えなさい。
※意味・活用形の順に答えること
※それぞれの間に「・」を入力すること

正解は「意志・終止形」です。

「おろそかにせん」の助動詞「ん」の文法的意味と活用形を答えなさい。
※意味・活用形の順に答えること
※それぞれの間に「・」を入力すること

正解は「意志・終止形」です。

「万事にわたるべし」の助動詞「べし」の文法的意味と活用形を答えなさい。
※意味・活用形の順に答えること
※それぞれの間に「・」を入力すること

正解は「推量・終止形」です。

「知らず」の助動詞「ず」の活用形を答えなさい。

正解は「終止形」です。

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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。