9宇治拾遺物語「児のそら寝」③

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「わろかりなむと思ひて」とあるが、何を「わろかりなむ」と思ったのか。もっとも正しいものを次の中から選びなさい。

ア:ぼた餅を食べずに寝てしまうこと
イ:ぼた餅を食べたいがために寝ないこと
ウ:ぼた餅を作るところを覗くこと
エ:ぼた餅を分けてもらうこと

正解は「イ」です。

児は、ぼた餅を食べたいがために寝ずにいることは、僧たちから見ても格好が悪いと思ったのである。

「うれしとは思へども」とあるが、何を「うれし」と思ったのか。もっとも正しいものを次の中から選びなさい。

ア:起こしてもらえること
イ:僧の話を聞けること
ウ:そら寝がばれなかったこと
エ:ぼた餅が出来上がったこと

正解は「ア」です。

児は、ぼた餅を食べたいがために寝ないのは格好わるいとは思ったものの、ぼた餅は食べたいので、僧たちに起こしてもらえればすべてが丸く収まって無事にぼた餅を食べることができるから喜んだのである。

「念じて寝たるほどに」とあるが、何を「念じた」のか。もっとも正しいものを次の中から選びなさい。

ア:起こしてもらい、ぼた餅を食べること
イ:このままゆっくりと寝ること
ウ:僧たちに笑われること
エ:僧におどろかされたこと

正解は「ア」です。

「念じて寝たるほどに」は、「我慢して寝ているうちに」という意味。児は何を我慢していたのか?ということを問う問題である。児は、一度僧から起きるように声をかけられた。このとき、すぐに起きれば確実にぼたもちが食べられるので、本当なら起きるほうが得である。しかし、「すぐに起きるのは格好が悪い」と思ったため、「起きるのを我慢」した。そのため、アの「起こしてもらい、ぼた餅を食べること」を我慢した(我慢して、まだ寝たふりを続けた)ということが「念じた」こととして正しい。

児のことを表す別の言葉を、本文から抜き出して答えなさい。

正解は「をさなき人」です。

「をさなし」で幼いという意味。少年である「児」と同じ意味で使われている。

「ただ食ひに食ふ音のしければ」とあるが、この「音」は誰が発している音か、本文から抜き出して答えなさい。

正解は「僧たち」です。

「ただ食ひに食ふ音のしければ」とあるが、この「音」は何を食べている音か、本文から抜き出して答えなさい。

正解は「かいもちひ」です。

「ずちなくて」のここでの意味として最も正しいものを次の中から選びなさい。

ア:がまんできなくて
イ:申し訳なくて
ウ:どうしようもなくて
エ:余裕がなくて

正解は「ウ」です。

「ずちなくて」は「術なくて」で方法がないということ。つまり、どうしようもないということ。

「無期ののちに」のここでの意味として最も正しいものを次の中から選びなさい。

ア:長い時間が経ってから
イ:すぐに
ウ:期限をさだめずに
エ:良いタイミングもなく

正解は「ア」です。

「無期」とは、長い時間のこと。

「僧たち、笑ふこと限りなし」とあるが、その理由として最も正しいものを次の中から選びなさい。

ア:ぼた餅があまりにも美味しかったから
イ:児の寝言が可愛かったから
ウ:児が寝たふりしていたことがわかったから
エ:児にぼた餅を食べているところを見つかって恥ずかしかったから

正解は「ウ」です。

「宇治拾遺物語」の説明として正しいものを次の中から選びなさい。

ア:仏の道とは何かを説いた僧の心得をまとめた書物である
イ:平安時代に人々の間で流行した随筆である
ウ:宇治への旅での出来事をまとめた紀行文である
エ:鎌倉時代に成立した説話集である

正解は「エ」です。

以下の原文より、児が心の中で思った言葉の部分を抜き出して答えなさい。

今は昔、比叡の山に児ありけり。僧たち、よひのつれづれに、「いざ、かいもちひせむ。」と言ひけるを、この児、心寄せに聞きけり。さりとて、し出ださむを待ちて寝ざらむも、わろかりなむと思ひて、片方に寄りて、寝たるよしにて、出で来るを待ちけるに、すでにし出だしたるさまにて、ひしめき合ひたり。

正解は「さりとて、し出ださむを待ちて寝ざらむも、わろかりなむ」です。

以下の原文より、児が心の中で思った言葉の部分を抜き出して答えなさい。

この児、さだめておどろかさむずらむと待ちゐたるに僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。」と言ふを、

正解は「さだめておどろかさむずらむ」です。

以下の原文より、児が心の中で思った言葉の部分を抜き出して答えなさい。

待ちゐたるに僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。」と言ふを、うれしとは思へども、

正解は「うれし」です。

以下の原文より、児が心の中で思った言葉の部分を抜き出して答えなさい。

ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふとて、

正解は「ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふ」です。

以下の原文より、児が心の中で思った言葉の部分を抜き出して答えなさい。

いまひとこゑ呼ばれていらへむと、念じて寝たるほどに、「や、な起こしたてまつりそ。をさなき人は寝入りたまひにけり。」

正解は「いまひとこゑ呼ばれていらへむ」です。

以下の原文より、児が心の中で思った言葉の部分を抜き出して答えなさい。

「や、な起こしたてまつりそ。をさなき人は寝入りたまひにけり。」と言ふ声のしければ、あな、わびしと思ひて、

正解は「あな、わびし」です。

以下の原文より、児が心の中で思った言葉の部分を抜き出して答えなさい。

いま一度起こせかしと思ひ寝に聞けば、ひしひしと、ただ食ひに食ふ音のしければ、ずちなくて、無期ののちに、「えい。」といらへたりければ、僧たち、笑ふこと限りなし。

正解は「いま一度起こせかし」です。

「片方」のここでの意味として正しいものを次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:もう一方
イ:一部
ウ:隅
エ:片側

正解は「ウ」です。

「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。」とあるが、この言葉を説明しているものとして正しいものを次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:児から僧への尊敬が表現されている
イ:僧から児への命令が表現されている
ウ:僧から他の僧への尊敬が表現されている
エ:僧から児への尊敬が表現されている

正解は「エ」です。

「あな、わびし」とあるが、その理由として正しいものを次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:ぼた餅が食べられてしまったから
イ:起こしてもらえなくなってしまったから
ウ:寝ていると思われてしまったから
エ:寝たふりがバレてしまったから

正解は「イ」です。

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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。