「サーカスのライオン」あらすじと場面分け(じんざの心情曲線)
東京書籍の小学校3年生国語の教科書で学習する「サーカスのライオン」について、あらすじやお話の内容、場面分けごとの登場人物の行動や様子からわかる気持ちの変化、ポイントをわかりやすく解説するよ。
「サーカスのライオン」で使われている表現技法「くりかえしことば(畳語)」や「たとえ(比喩)」についても紹介しているよ。
目次
「サーカスのライオン」あらすじ
「サーカスのライオン」のあらすじ・作者・登場人物を かくにんしよう。
【作者について】
「サーカスのライオン」は、 川村たかしさんが かいたお話だよ。
川村たかしさんは、ほかにも 『山へ行く牛』というお話や『ゆきおんな』などの 日本の民謡絵本なども かいているよ。
【登場人物】
- 【じんざ】
このお話の主人公の、年を取っている サーカスのライオン。
一日中ねていたけれど、自分を好きだと言ってくれる 男の子と なかよくなって、やる気をとりもどしたよ。
男の子が 火事にあうと、火の中にとびこんで 男の子をたすけたよ。
- 【ライオンつかいのおじさん】
じんざの火の輪くぐりで むちを鳴らす、ライオンつかいのおじさん。
じんざの元気がない様子を見て、散歩でもしておいで と、ていあんしたよ。
- 【男の子】
ライオンとサーカスが好きな、一人でるす番をしている男の子。
じんざのところに 毎日やって来たよ。
火事に あったけれど、じんざにたすけられたよ。
【あらすじ】
サーカスのライオン
文:川村 たかし 絵:西村 達馬
サーカスで 火の輪くぐりの曲芸をする ライオンのじんざは、年を取っていて 一日中ねてばかりいました。
毎日、同じことのくりかえしで、やる気や生きる気力も うしなっていたのです。
ある夜、ライオンつかいのおじさんのていあんで、散歩をしていたじんざは、ライオンとサーカスが好きな 男の子に会いました。
男の子は 次の日から毎日 じんざのところへやってきて、チョコレートをわけてくれたり、入院中のお母さんの話をしたり しました。
じんざは もうねむらないで 男の子をまつようになり、のり出してうなずきながら 男の子の話を聞きました。
サーカスがあしたで終わる日、男の子はお母さんがたい院すること、あしたサーカスを見にくることを じんざにつたえました。
それを聞いたじんざは、いつもは三つの火の輪を、わかいころのように 五つにしてくぐりぬけてやろうと 決心しました。
ところが、その夜ふけ、男の子のアパートで火事が起きました。
じんざは アフリカの草原を走ったときのように、ひっしに男の子のアパートへむかい、ぱっと火の中にとびこみ、男の子をだきかかえました。
表からもまどからも にげられないとはんだんしたじんざは、「ウォーッ」と力のかぎりほえました。
そして、その声で気づき、たすけにきた男の人に、やっとのことで 男の子をわたしました。
ほのおはアパートをつつみこみました。
人々の前に、ひとかたまりのほのおがまい上がり、ライオンの形になって、空を走り、消えさりました。
それは、ぴかぴかにかがやく、金色に光るじんざでした。
次の日のサーカスでは、五つの火の輪をくぐるじんざのすがたはありませんでしたが、おじさんは一人でむちを鳴らしました。
お客は、一生けんめいに手をたたきました。
「サーカスのライオン」内容とポイント
「サーカスのライオン」の 場面分けごとに、内容とポイントを かくにんしよう。
場面は、「場所」や「登場人物」、「時間」などが かわったところをヒントにして 考えるといいよ。
主人公のじんざは、男の子と出会い、毎日会うなかで、気持ちが大きくかわっていくよ。
場面がかわっていく様子をとらえながら、登場人物のセリフや行動から、登場人物の気持ちや どんなふうに気持ちがかわっていったかを 考えてみよう。
第一の場面 年を取っていて やる気のないじんざ
第一の場面は、「町外れの広場に」から「四回とくりかえしていた。」まで。
【場所】町外れの広場のサーカス
【登場人物】じんざ・ライオンつかいのおじさん
【ないよう】ライオンのじんざは、年を取っていて、生きることや火の輪くぐりへのやる気もなかったよ。
町外れの広場に サーカスがやってきたよ。
見物人が ぞくぞくとやってくる様子や、「はい、いらっしゃい、いらっしゃい、オーラ、オーラ、お帰りはこちらです。」というかけごえから、にぎわっている様子がそうぞうできるね。
サーカスとは、動物やピエロなどが いろいろな曲芸をひろうするショーのことだよ。サーカスは、教科書といっしょにかかれている絵のように、大きなテントをはって、ショーをひらき、しばらくすると、また別の場所へ移動していくよ。
サーカスには、主人公の ライオンのじんざがいたよ。
じんざが どんなライオンかというと、年を取っていて、一日中ねむっているライオンだね。
ライオンといえば、動物の中でも強いイメージがあるけれど、お年よりのじんざは もう体力ややる気、生きる気力も おとろえているんだね。
じんざは、ねむっているとき、いつもアフリカのゆめを見たよ。
どんなゆめかというと、お父さんやお母さんや兄さんたちに会ったり、草原の中を 風のように走っているゆめだね。
「いつも」このゆめを見るということは、じんざがふだんから 家族やアフリカのことを 強く思っていることがわかるね。
きっと「毎日一人でさみしい。家族に会いたい」「なつかしいアフリカに帰りたい」「せまいサーカスにとじこもって、同じわざをくりかえすのはあきた。のびのびと走りまわりたい」という気持ちで いっぱいだったんじゃないかな。
じんざの心の中は広い「草原の中」を思っているけれど、げん実はいつもせまい「はこの中」なんだね。
じんさは、自分の番が来ると、のそりと立ち上がったよ。
「のそり」という行動から、年を取っていることもわかるし、やる気のない感じも つたわってくるね。
「自分の番」とは、じんざがサーカスのお客の前で 曲芸をひろうする出番のことだね。
じんざの曲芸は、火の輪くぐり、つまり、もえている円い火の輪をくぐりぬけるというものだよ。
じんざは、ライオンつかいのおじさんがむちを鳴らすと、火の輪をくぐったよ。
けれども、おじさんがよそ見をしているのに、三回、四回とくり返したよ。
つまり、「火の輪なんてむずかしそうなのに、本当にできるのだろうか?」とドキドキしているお客に 見事に曲芸をひろうして、「すごい!」「かっこいい!」「すばらしい!」とこうふんしてもらうひつようがあるのに、大事な見せ場ではない場面でも、勝手にぐぐっているんだね。
「てきとうでいいや」「もうあきた」という、どうでもいい気持ちでいっぱいだったんじゃないかな。
第二の場面 じんざは ライオンが好きな男の子に出会う
第ニの場面は、「夜になった。」から「じんざが下から手をふった。」まで。
【時間】夜
【場所】外
【登場人物】じんざ・らいおんつかいのおじさん・男の子
【ないよう】ライオンのじんざは、ライオンとサーカスが好きな男の子と 出会ったよ。
サーカスが終わった夜、ライオンつかいのおじさんは「たいくつかね。ねてばかりいるから、いつのまにか、おまえの目も白くにごってしまったよ。今日のジャンプなんて、元気がなかったぞ。」と言ったよ。
おじさんとじんざの かん係は、ただ「しじ」を出す相手と、「それにしたがう相手」ではなくて、ライオンつかいのおじさんは、じんざの気持ちをよくわかってくれたり、気にかけてくれたりする、友だちのようなかん係なんだね。
じんざは「毎日、同じことばかりやっているうちに、わしはおいぼれだよ。」と答えたよ。
じんざは、おじさんのいうとおり、毎日同じことのくりかえしで、つまらないと感じているんだね。
「白くにごった目」ということからも、じんざの年を取っている様子や、やるきがない様子がわかるね。
「わしはおいぼれだよ」というセリフには、「もう年をしまって、わしはこのまま たいくつな気持ちで さいごをむかえるんだ」という、人生をあきらめているような気持ちも 感じられるね。
おじさんは、自分とかわってやるから、散歩でもしておいでとていあんしたよ。
そこで じんざは人間の服を来て、人間のすがたになって、外へ出かけたんだね。
じんざは、うきうきして 外へ出たよ。
なぜかというと、いつも サーカスのはこの中に とじこもって、ねてばかりいたから、外に出かけられることが うれしかったんだね。
すると、一人の男の子が じんざのことを サーカスのおじさんだと思いこんで 「ライオンはねむったかしら。」「ちょっとだけ、そばに行きたいんだけどなあ。」と声をかけたよ。
この男の子は、ライオンとサーカスが好きな 男の子だったんだ。
「うん、大すき。それなのに、ぼくたち昼間サーカスを見たときは、何だかしょげていたの。だから、お見まいに来たんだよ。」という 男の子の言葉を聞いた じんざは、ぐぐっとむねのあたりがあつくなったよ。
なぜかというと、「自分のことをすきでいてくれる人がいるなんて、びっくりしたけれど、うれしい」「サーカスも見にきてくれていたんだ」「お見まいに来てくれるなんて、なんてやさしい子だ」と 温かい気持ちでいっぱいになったからだね。
おこづかいをためて、またサーカスに来るという男の子に、じんざは「ライオンもきっとよろこぶよ。」と言って、家まで送ることにしたね。
「ライオンもきっとよろこぶよ。」というのは、ライオンつかいのおじさんになりきって言っているから こう言っただけで、じんざ自身が「男の子がまた見に来てくれるなんて、うれしい」と思っているということだね。
この男の子は、家で一人でるす番をしていたよ。
なぜかというと、お父さんは、夜のつとめ(お仕事)があって、お母さんは入院していて、お姉さんも お母さんのつきそいのために、夕方から出かけていたからだね。
「ぼくはるす番だけど、もうなれちゃった」というセリフには、「本当は一人でさみしいな」という気持ちを なんだかかくしているみたいだよね。
じんざは、男の子に サーカスのピエロが おどけて歩くまねをしてみせたよ。
なぜかというと、「自分を好きと言ってくれる男の子に なにかしてあげたい」「自分と同じ ひとりぼっちの男の子を 楽しませたい」という 気持ちになったからじゃないかな。
ねてばかりいて、やる気のなかったじんざが、おどけたまねをするなんて、自分のことを好きだと言ってくれる男の子と出会ったことで、すこし明るい気持ちになっているね。
男の子がアパートに着くと、じんざはアパートを見上げていたよ。
すぐに帰らないで、しばらく男の子を 見守っていたんだね。
男の子が まどから顔を出して話しかけると、じんざは下から手をふったよ。
家族に会いたいと いつもゆめを見ていたじんざにとって、一人でるす番をしている男の子のさみしさは、自分のことのように よくわかったんじゃないかな。
「少しでも男の子がさびしくないようにしたい」という じんざのやさしさや「男の子と会えてうれしい」という 明るい気持ちがつたわってくるね。
第三の場面 じんざは、火の輪を 五つにしてくぐろうと決心する
第三の場面は、「次の日」から「『火の輪を五つにしてくぐりぬけてやろう。』」まで。
【時間】次の日
【場所】ライオンのおりの前
【登場人物】じんざ・男の子
【ないよう】男の子は、毎日じんざに会いに来たよ。男の子がサーカスを見に来ると聞いたじんざは、火の輪を五つにしてくぐろうと決心したよ。
男の子が毎日会いに来る
次の日、男の子は じんざのところへやって来たよ。
ピエロのまねをしてくじいた 足くびはいたかったけれど、じんざはタオルをまいた足をそっとかくしたよ。
なぜかというと、きのう話した相手が 本当はじんざだったと気づかれて 男の子にあやしまれたり、こんらんさせたりしたくなかったんじゃないかな。
よけいなしんぱいをかけずに、ライオンが好きで、会いに来てくれた男の子のやさしい気持ちを 受け止めたかったんだね。
男の子は、「ぼくと半分だよ。」と言って、じんざにチョコレートをくれたよ。
「ぼくと半分」ということは、きっと このチョコレートは男の子のおやつだよね。
大事なおやつを じんざにも わけてくれたんだね。
じんざは チョコレートが好きでなかったけれど、目を細くして 受け取ったよ。
なぜかというと、うれしかったからだね。
「会いに来てくれてありがとう」「自分にやさしくしてくれる気持ちが うれしい。その気持ちをしっかり受け止めたい」という 気持ちだったんじゃないかな。
「目を細くして」という言葉や、教科書といっしょにかかれている絵からも、じんざのうれしさがつたわってくるね。
それから 男の子は 毎日やって来て、チョコレートをくれたり、お母さんの話をしたりしたよ。
じんざは、もうねむらないでまっていたよ。
第一の場面では、じんざは 一日中ねていたよね。
でも、男の子と出会ったことで、「男の子が毎日来てくれるのがたのしみだな」「せっかく来てくれた時に、ねていてがっかりさせたくないな」という気持ちになったから、ねむらなくなったんだね。
じんざは、のり出して、うなずきながら、男の子の話を聞いていたよ。
「のり出して」という様子から「男の子が来てくれてうれしい」「男の子の話を聞くのはわくわくする」という 気持ちが感じられるね。
「うなずきながら」という様子からは、「自分と同じひとりぼっちの男の子の話を聞いてあげたい」「自分にやさしくしてくれる男の子に、すこしでもよりそいたい」という 気持ちがつたわってくるね。
第一の場面でねてばかりいたじんざは、男の子が毎日来てくれるようになって、なんだかイキイキしてきたね。
じんざは 五つの火の輪くぐりをしようと 決心する
いよいよ、サーカスがあしたで終わるという日、男の子はいきをはずませてとびこんできたよ。
「いきをはずませて」ということは、とてもうれしい気持ちということだね。
どんなことがうれしいかというと、「お母さんがたい院する」こと、「あしたサーカスに来る」ことの二つだね。
ひとりぼっちの男の子にとって、毎日じんざのところへ来たり、お母さんの話を聞いてもらったりしたことは、きっと心のささえになっていたよね。
だから、うれしいこともほうこくしたくて、とんできたんだね。
「いよいよ、サーカスがあしたで終わるという日」ということは、サーカスはまた別の場所へ移動してしまうから、男の子とじんざが会える最後の日だね。
男の子が帰ると、じんざは ある決心をしたよ。
それは「ようし、あした、わしはわかいときのように、火の輪を五つにしてくぐりぬけてやろう。」ということだね。
第一の場面で かかれている絵を見ると、火の輪は三つだったよね。
今は三つで、わかいときは五つだったということは、年を取ったじんざにとって 五つの火の輪をくぐることは むずかしいはずだよね。
それなのになぜ じんざは 五つの火の輪くぐりに ちょうせんすることにしたのかな。
それは「自分を好きと言ってくれる 男の子の気持ちにこたえて、かっこいいところを見せて、よろこんでもらいたい」「自分にやさしくしてくれて、毎日楽しませてくれた男の子に、さいごにかっこいいパフォーマンスを見せて、おん返しをしたい」という 気持ちになったからだね。
「体に力がこもった」という様子からも、じんざがぐっとやる気を出していることがわかるね。
「目がぴかっと光った」という様子は、やる気がわいている目ということだね。
第二の場面の「白くにごった目」は、きぼうもやる気もうしなっている感じがするけれど、第三の場面では、めらめらとやる気にもえていて、イキイキとした目になっているんだね。
男の子と出会い、毎日会いに来てくれる中で、じんざにとって男の子は、だんだんと大切なそんざいになり、生きる楽しみを感じさせてくれたり、心のささえになったりしていったんだね。
そして、男の子のおかげで、サーカスのライオンとしてのほこりや自信、曲芸をがんばりたい気持ちを、もう一度思い出すことができたんだね。
男の子と毎日会っていく中で じんざの気持ちが 大きくかわったね!
第四の場面 じんざは 火事から男の子をたすける
第四の場面は、「その夜ふけ……。」から「たちまち暗やみの中に消えさった。」まで。
【時間】(サーカスがあしたで終わるという日)の夜ふけ
【場所】男の子のアパート
【登場人物】じんざ・男の子・人々
【ないよう】じんざは 火事の中から 男の子をたすけたよ。じんざは 金色に光るライオンになって、空を走り、消えさったよ。
いよいよ、サーカスがあしたで終わるという日の夜ふけ、火事が起きたよ。
それは、なんと男の子のアパートのあたりだったんだ。
男の子のアパートのあたりが もえているのを見た じんざの体は、ぐうんと大きくなったよ。
「ぐうんと大きくなった」ということは、年を取ったおいぼれのライオンではなくて、草原で生きる本物のライオンのように、毛をさか立てて、りっぱに立ち上がったということじゃないかな。
いつもはのそりと立ち上がっていたじんざが、ぐうんと大きくなったなんて、本物のライオンらしい、いさましさや強さを 感じるね。
じんざは、アフリカの草原を走ったときのように、ひとかたまりの風になって、男の子のアパートにすっとんでいったよ。
「おりをぶちこわして」「まっしぐらに」「足のいたいのもわすれて」という行動から、とにかくひっしで、男の子のアパートに いそいでいったことがわかるね。
なぜかというと、とにかく「男の子がしんぱい」「ぶじだろうか」という気持ちだったんだね。
「アフリカの草原を走ったときのように」ということは、じんざが本物のライオンのかんかくや、ライオンの強さ、いさましさを とりもどしているということじゃないかな。
「ひとかたまりの風」は、なんだか重みのある風という感じがするね。
じんざが 本物のライオンらしく走るスピードの速さや 体の大きさを表しているんじゃないかな。
アパートに着き、「中に子どもがいるぞ。」「中へ、もう入れやしない。」という声を聞いたじんざは、ぱっと火の中にとびこんだよ。
なぜかというと、男の子がぶじではないと知り、「自分にやさしくしてくれて、生きる楽しみをくれた男の子を 何としてもたすけたい!」という気持ちで、とにかくひっしだったからだね。
「だれだ、あぶない。引き返せ。」という声を聞いたじんざは、「なあに。わしは火には、なれていますのじゃ。」とひとりでつぶやいたよ。
じんざは 火の輪くぐりをしているから、たしかに火にはなれているかもしれないけれど、火の輪くぐりの火と 火事の火は同じかな?
火の輪くぐりの火は、輪の部分だけもえるように、ちょうせいされているから、火が大きくなったり、じんざにもえうつったりすることは ないよね。
でも、火事の火は、まわりにどんどんもえうつって、大きく広がっていくし、けむりで息もくるしくなったりする、きけんなものだよね。
「ごうごうとふき上げる ほのおは かいだんをはい上り」「けむりはこの部屋からうずまいて」という様子からも、火事のおそろしさがわかるね。
だから 火事の中にとびこんでいくのは、たとえライオンといういさましい動物でも、きけんだし、かんたんなことではなかったはずだよね。
それでも「火になれていますのじゃ」と言ったのは、自分にそう言い聞かせることで、「火事にとびこむのはこわくない」「男の子をたすけるぞ」と 自分を なっとくさせようとしたからじゃないかな。
じんざは足をひきずりながら、男の子の部屋まで たどり着いたよ。
「たどり着いた」という様子から、大きなほのおの中を、くじいた足もいたむのに、やっとこのことで すすんでいったことがわかるね。
じんざは、男の子をだきかかえて、外へ出ようとしたけれど、表はもう、ほのおがぬうっと立ちふさがっていたよ。
つまり、じんざが入って来た入口は火がいっぱいになっていて、そこから出ていくことは できないじょうきょうだったんだね。
つぎに、じんざはまどから首を出したけれど、身ぶるいしたよ。
なぜかというと、高くて、ライオンでもとびおりることができなかったからだね。
入り口からも出られず、まどからも出られないということは、男の子もじんざも にげみちがまったくない、とてもピンチなじょうきょうだよね。
そこで、じんざは「ウォーッ」と力のかぎりほえたよ。
この「ウォーッ」は、人間の言葉にすると、「男の子はここだ!たすけてくれ!」という意味だね。
男の子をつれて にげ出すことができないと はんだんしたじんざは、「自分はどうなってもいいから、ぜったいに男の子だけでもたすけよう」というかくごを決めて、アパートの外にいる人に 全力でつたえたんだね。
「ウォーッ」という心のそこからのほえ声から、「せっかくお母さんがたい院するのに、ここで死なせるわけにはいかない」「自分にやさしくしてくれ、生きるよろこびを もたらしてくれた男の子を ぜったいに守りたい」という じんざの強い思いが そうぞうできるね。
すると、消ぼう車が下にやってきて、じんざは 男の人に男の子をわたすことができたよ。
でもすぐにじんざは りょう手で目をおさえたよ。
なぜかというと、けむりのために、もう何も見えないからだね。
「やっとのことで」という言葉から、男の子をだきかかえているときから、けむりが目にしみて、いたくて、目をあけていられないじょうきょうだったけれど、それでも ひっしでがまんしていたことが そうぞうできるね。
男の子をぶじにひきわたせたから、じんざは がまんのげんかいだった目を おさえたんだね。
風にのったほのおは 真っ赤にアパートをつつみこんで、火の粉をふき上げていたよ。
火事がもっとひどくなって、アパート全体が火につつまれてしまったことがわかるね。
ライオンのすがたはどこにもなかったよ。
つまり、じんざは、そのまま ほのおに つつまれてしまったんだね。
やがて、人々の前に ひとかたまりのほのおが まい上がったよ。
ほのおは、みるみるライオンのかげになって、空高くかけ上がったよ。
このほのおは、ぴかぴかにかがやくじんざだったよ。
さっきまでのすすけた色ではなく、金色に光るライオンは、空を走り、たちまち暗やみの中に消えさったよ。
つまり、じんざは 天国へ帰っていってしまったんだね。
でも、どうして最後をむかえるとき、じんざは「ぴかぴかにかがやく」「金色に光るライオン」になったのかな。
金色は、勝ちやえいゆう、かがやき、ゆたかさ、美しさなどの とくべつなイメージがあるよね。
じんざが金色に光っていたのは、きっと 男の子のために勇気や全力を出し、男の子の命をすくった じんざのいさましさやすばらしさを 表しているんじゃないかな。
そして「男の子をたすけることができて本当によかった」という、じんざのまんぞくした気持ちや幸せな気持ちも、ぴかぴかかがやくすがたとして、表れているんじゃないかな。
お話を読んでいる わたしたちにとって、じんざの死はとても悲しいけれど、じんざの死は けっしてただ悲しいものではなかったんだね。
じんざは 男の子をたすけることができたよろこびと ともに、天国へのぼっていったんだね。
第五の場面 ライオンつかいのおじさんとお客が じんざをたたえる
第五の場面は、「次の日は」から「みんなが知っていたので。」まで。
【時間】次の日
【場所】サーカス
【登場人物】ライオンつかいのおじさん
【ないよう】ライオンのおじさんは、火の輪を五つにして 一人でむちを鳴らしたよ。お客は一生けんめいに手をたたいたよ。
次の日のサーカスでは、ライオンの曲芸は さびしかったよ。
なぜかというと、じんざはいなくて、おじさんが一人でむちを鳴らしていたからだね。
おじさんが 一人でむちを鳴らす様子をそうぞうすると、じんざがいない悲しみやさみしさがよりいっそう つたわってくるね。
じんざのそんざいは大きかったんだなということも、ひしひしと つたわってくるね。
なぜじんざはいないのに、おじさんは ライオンの曲芸を ひろうしたのかな。
それはきっと「じんざといっしょに、サーカスができてとてもしあわせだったよ」「いつまでも、おじさんの心の中にじんざはいるよ」「男の子をすくったじんざをほこりに思うよ」という気持ちだったから、さいごの日も ライオンの曲芸を やりきったんじゃないかな。
第一の場面では、三つだった火の輪が、最後の場面では 五つになっているよね。
きっと じんざがおじさんに「明日は男の子のために、火の輪を五つにしたい」と そうだんしていたんじゃないかな。
じんざがいなくなっても、ちゃんと火の輪を五つ用意したところに、「五つの火の輪をくぐろうと決心した じんざのねがいをかなえてやりたい」「じんざは本当にりっぱなライオンだった」という おじさんのじんざへの思いを感じるね。
お客は 一生けんめいに手をたたいたよ。
なぜかというと、じんざがどうして帰ってこなかったかを、みんなが知っていたからだね。
つまり じんざが男の子をたすけるために 火事にとびこんで、命を落としたということを 町中が知っていたんだね。
そして じんざのすがたは見えなくても、「じんざのことをわすれないよ」「男の子をたすけてくれてありがとう」「りっぱなライオンだったよ」という気持ちで、じんざのゆうかんさやすばらしさを 心からたたえていたんだね。
このように、みんなの心の中にじんざがいるから、じんざがいなくなってしまっても、おじさんにも お客にも じんざが いさましく イキイキと 火の輪をくぐるすがたが 目にうかんでいたんじゃないかな。
このお話で じんざは 自分を好きだと言ってくれて、毎日会いに来てくれる男の子のおかげで、たいくつだった毎日が楽しくなり、だんだんと やる気や自信を とりもどしていったよね。
そして、大切なそんざいとなった男の子が きけんな目にあうと、全力で男の子を守りぬいたね。
きっと 作者は このお話をとおして わたしたちに、人は一人で生きていると 気力ややる気をうしなってしまうけれど、だれかが まっすぐに向き合ってくれたり、好きだと思ってくれたりすることで、明るい気持ちになれたり、やるきがわいたりしたりする ということを つたえたかったんじゃないかな。
そして、たいせつな人を守ったり、人のために全力をつくしたりすることの 強さやすばらしさ、美しさも 知ってほしかったんじゃないかな。
「サーカスのライオン」中心人物の行動や様子
「サーカスのライオン」に出てくる中心人物の、場面ごとの行動や様子から、どんな気持ちだったのかを想ぞうしてまとめてみよう。
表の中にまとめてある【気持ち】は、「これがぜったいにただしい」というものではないので、ぜひ みんなもじぶんでかんがえてみよう。
場面 | サーカスのおじさん | じんざ | 男の子 |
---|---|---|---|
一 | 【行動や様子】 ・「さあ、始めるよ。」 ・むちを鳴らす 【気持ち】 ・さあ、たくさんのお客さんに喜んでもらうぞ。 | 【行動や様子】 ・年取っていた ・一日中ねむっていた ・いつもアフリカのゆめを見た ・のそりと立ち上がる ・おじさんがよそ見しているのに、三回、四回とくり返していた 【気持ち】 ・つかれたな ・たいくつだな ・アフリカの草原で走りたいな ・家族に会いたいな ・めんどうくさいな | |
二 | 【行動や様子】 ・「たいくつかね。」 ・「おまえの目も白くにごってしまったよ。」 ・「元気がなかったぞ。」 ・「だろうなあ。」 ・「散歩でもしておいでよ。」 【気持ち】 ・じんざがかわいそうだな。 ・じんざがしんぱいだな。 ・元気を出してほしいな。 | 【行動や様子】 ・「毎日、同じことばかりやっているうちに」 ・「わしはおいぼれたよ。」 ・「うきうきして外へ出た。」 ・「外はいいなあ。」 ・おどろいて、もぐもぐたずねた。 ・ぐぐっとむねのあたりがあつくなった。 ・ひょこひょことおどけて歩いているとき ・じんざが見上げていると、部屋に灯がともった。 【気持ち】 ・たいくつだな。 ・もうつかれたな。 ・外へ出られるなんて、うれしいな。 ・ぼくのことを好きな男の子がいるなんて! ・男の子の気持ちがうれしいな。 ・男の子がさみしくないように、楽しませてあげたいな。 ・男の子はだいじょうぶかな? | 【行動や様子】 ・「ちょっとだけ、そばへ行きたいんだけどなあ。」 ・「お見まいに来たんだよ。」 【気持ち】 ・ライオンがしんぱいだな。 ・ライオンに元気になってほしいな。 |
三 | 【行動や様子】 ・目を細くして受け取った ・ねむらないでまっていた ・のり出して、うなずいて聞いていた ・体に力がこもった ・目がぴかっと光った 【気持ち】 ・男の子の気持ちがうれしいな。 ・男の子が来るのが楽しみだな。 ・男の子の話をちゃんと聞いてあげたいな。 ・男の子を、きょく芸で楽しませてあげたいな。 ・元気になったよ、とあんしんさせてあげたいな。 | 【行動や様子】 ・「ぼくと半分こだよ。」 ・毎日やってきた ・いきをはずませてとんできた 【気持ち】 ・ライオンが元気になるといいな。 ・お母さんがたい院するのが、うれしいな。 ・サーカスに来れるのがうれしいな。 | |
四 | 【行動と様子】 ・はね起きた ・体がぐうんと大きくなった ・おりをぶちこわして、まっしぐらに外へ走り出た ・すっとんでいく ・ぱっと火の中へとびこんだ ・思わず身ぶるいした ・力のかぎりほえた ・りょう手で目をおさえた 【気持ち】 ・男の子が心配だな ・男の子をぜったいにたすけなきゃ! ・どうしよう、飛びおりられないぞ。 ・どうか、男の子だけでもたすけてくれ! ・男の子がたすかってよかった。でも、わしはもうだめかもしれない。 | ||
五 | 【行動や様子】 ・一人で、チタっとむちを鳴らした 【気持ち】 ・じんざがいなくなってしまって、とてもさみしいな。 ・じんざはここにはいないけれど、じんざがまるでいるように思うよ。 ・じんざのすごいところや、気持ちを、お客さんにわかってほしいな。 |
「サーカスのライオン」表現の工夫
くりかえすことば
「サーカスのライオン」では、音や人物の行動、様子をあらわすのに、くりかえすことばが使われているよ。
くりかえすことばを使うことで、文章にリズムをもたせたり、読む人のいんしょうに残るようにするこうかがあるよ。
「サーカスのライオン」でつかわれている「くりかえしことば」
- 見物人が「ぞくぞく」と
- テントが「ハタハタ」と鳴って
- 耳を「ひくひく」させながら
- 丸い輪が「めらめら」ともえていた
- じんざは「うきうき」して外へ出た
- 星が「ちくちく」ゆれて
- じんざはおどろいて、「もぐもぐ」たずねた
- 「ひょこひょこ」とおどけて歩いているとき
- 足首は「ずきんずきん」といたかった
- 人々が「わいわい」言いながら
- 「ごうごう」とふき上げるほのお
- 「ぴかぴか」にかがやくじんざだった
ちなみに、この「くりかえすことば」は「畳語(じょうご)」というよ。
たとえが使われている
「サーカスのライオン」では、「○○は△△のように」とか、「まるで○○のように」とか、「○○は△△になって」というように、何かをほかのものに「たとえる」あらわしかたのくふうがつかわれているよ。
ただ「はやく走った」とあらわすよりも、「○○のように走った」と、たとえるほうが、より読む人がイメージしやすいし、いんしょうにのこるよね。
「サーカスのライオン」で「たとえ」がつかわれているところ
- サーカス小屋は、まるで海の上を走るほかけ船のようだった。
- 草原の中を。じんざは風のように走っていた。
- じんざはひとかたまりの風になってすっとんでいく。
「たとえ」がつかわれているかどうかは、「まるで」とか「~のように」ということばがよくつかわれているので、目じるしになるよ。
※これらのことばをつかわないばあいもあるよ。
ちなみに、このように「たとえる」あらわしかたのくふうを、「比喩(ひゆ)」というよ。
「サーカスのライオン」ことばの意味
「サーカスのライオン」で つかわれている ことばの 意味を しょうかいするよ。
「サーカスのライオン」の 中で つかわれている 意味なので、ちゅういしよう。
ことば | いみ |
---|---|
町外れ | 町の外がわのば所のこと。 |
火の輪 | 輪っかに火をつけたもの。サーカスなどでは、その輪っかの中をくぐりぬけたりする。 |
見物人 | サーカスやイベントや、何かのできごとなどを見に来たひとびとのこと。 |
ぞくぞく | つぎからつぎへと つづくようす。 |
はらむ | 中にふくめて持つこと。 |
ほかけ船 | 「ほ」とは、船がすすむために風をうけとめるための布のこと。「ほ」で風をうけてすすむ船を、「ほかけ船」という。 |
のそり | のろのろとうごくようす。 |
持ちこむ | ものを持って中にいれること。 |
こうし戸 | 「こうし」とは、木や鉄ぼうなどを、たてとよこに組んだもの。「こうし」の形になっているとびらのこと。 |
ぶ台 | ステージ。げきや、わざを見せるために、まわりよりも高くなっているば所のこと。 |
めらめら | ほのおが大きくゆれうごくようす。あつくもえるようす。 |
むち | 馬や牛を走らせたりすすませたり、どうぶつに言うことをきかせる時につかう長いぼう。 |
よそ見 | ほかのほうこうや ば所を見ていること |
しんとする | しずかで何も音がしないようす。 |
ときおり | 少しのあいだをあけて、ときどき何かが起こるようす。 |
音を立てる | 音をだすこと。 |
たいくつ | つまらないこと。何もすることがなくてあきてしまうこと。 |
白くにごる | 「にごる」とは、ほかのものがまじること。黒い目の中に、白色がまじってにごっているようす。 |
おいぼれる | 年をとって、からだが思うように動かなかったり、心のうごきがにぶくなること。 |
うきうきする | うれしくて、楽しい気持ちになること。 |
ひとり言 | 聞くあいてがいない中、じぶんだけでものを言うこと。 |
しょげる | がっかりして、げん気がないようす。落ちこんでいるようす。 |
お見まい | びょうきやけがをした人に あいに行くこと。 |
むねがあつくなる | かんどうしたり、こうふんするようす。 |
手を引く | 手をつないで あいてをつれて行くこと。 |
夜のつとめ | 夜にするしごとなどのこと。 |
おどける | 人をわらわせるために、おもしろいしぐさや ことばを言うこと。 |
くじく | むりな力がかかって、かんせつ(手や足の、まがるところ)などをいためること。 |
首をかしげる | ふしぎそうに首をかたむけること。 |
灯がともる | でんきや、ランプなどが つくこと。 |
ゆうべ | きのうの夜のこと。ゆうがたから夜中までの時間。 |
さし出す | 手をのばしてあいてのほうに物をわたすこと。 |
のり出す | 体を前や外に出るようにすること。何かにきょうみがあって、そちらに気持ちがむいているようす。 |
うなずく | 頭を上下にふって、「さんせい」や「わかった」という気持ちをあらわす どうさ。 |
いよいよ | とうとう・ついに。 |
いきをはずませる | うんどうしたり、こうふんして、はげしくいきをするようす。 |
もうじき | もうすぐ。 |
力がこもる | 力がこめられていて、強そうなようす。 |
夜ふけ | 夜がふかくなって、夜中にちかづいている時間。 |
だしぬけ | とつぜん・きゅうに始まること。 |
どなる | 大声でさけぶこと。 |
うとうとする | ねむ気がおそってきて、ちょっとねむりはじめること。 |
はね起きる | とつぜんおどろいて、とび起きること。 |
風にひるがえる | ぬのなどが風をうけて、うごいているようす。 |
まっしぐら | まっすぐすすむこと。しんけんにするようす。 |
なれる | なんどもけいけんしたり、長いことやっていたことで、何もかんじなくなること。 |
ふき上げる | くうきや風が、持ち上げてふきとばすこと。 |
うずまく | うごきまわって、まわりをまきこむこと。 |
たどり着く | もくてきの所にとうちゃくすること。 |
気をうしなう | ショックなことがあったり、しげきをうけたりして、のうの血の流れがわるくなることで「いしき(起きているじょうたい)」がなくなること。 |
すばやく | 早くするようす。 |
だきかかえる | だきしめる・しっかりとだくこと。 |
立ちふさがる | 道やとおり道に立って、とおることをじゃますること。 |
身ぶるい | 体がふるえること。 |
力のかぎり | じぶんの力や、できることのげんかいまで。 |
はしごをかける | 高いところにのぼるために はしごをおくこと。 |
やっとのこと | 何かをするのに、大変なことがあったり時間がかかって、ついにそれができること。 |
声をかぎりによぶ | じぶんがそのとき出せるめいっぱいの大声でさけぶこと。 |
風にのる | 風をつかっていどうすること。風をうけてすすむこと。 |
やがて | そのうち。 |
まい上がる | 上にのぼりあがること。 |
みるみる | とても早く、みじかい時間でなにかが変わっていくようす。 |
すすけた色 | 「すすける」とは、ぜんたいが黒くよごれているようす。ふるいかんじのする、くすんだ色のこと。 |
たちまち | あっというまに。 |
曲芸 | すぐれた体の力や、ぎじゅつをつかって芸をすること。 |
むちを鳴らす | むちをつかって音を出すこと。 |
くぐりぬける | すきまや、とおるのがむずかしいところを とおりぬけること。 |
「サーカスのライオン」新しい漢字
「サーカスのライオン」で新しくならう漢字のなぞりがきプリントをよういしたよ。
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「サーカスのライオン」の教科書のないようを かくにんできるどうがをしょうかいするよ。
音読のさんこうにもして、たくさんれんしゅうしよう。
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。