「物体の運動の記録」記録タイマー・記録テープの読み方を解説
中学校3年生の理科で学習する「物体の運動の記録」について、記録タイマーのしくみ、記録テープの読み方、打点の間隔と速さの関係、テープを切って並べたグラフの見方をわかりやすく解説するよ。
記録タイマーの問題では、「打点の間隔が広いと速いのか遅いのか」、「50Hzなら、なぜ5区間で0.1秒になるのか」、「切ったテープの長さから何が分かるのか」を理解することが大切なんだ。
この記事で分かること
- 物体の運動を記録する方法
- 記録タイマーのしくみ
- 50Hz・60Hzと打点時間の関係
- 記録テープの打点間隔から速さを読み取る方法
- 0.1秒ごとにテープを切る理由
- テープを並べたグラフの読み方
- 一定の速さで進む運動と、速さが変化する運動の違い
「物体の運動の記録」テスト対策ポイント
- 記録タイマーは、一定時間ごとに記録テープへ点を打つ装置
- 記録タイマーが打った点を打点という
- となり合う点と点の間隔は、その一定時間に物体が進んだ距離を表す
- 東日本の50Hzでは、打点と次の打点の間の時間は50分の1秒
- 西日本の60Hzでは、打点と次の打点の間の時間は60分の1秒
- 50Hzでは5区間、60Hzでは6区間が0.1秒にあたる
- 同じ時間で打点間隔が広いほど、物体の速さは大きい
- 打点間隔が一定なら、物体はほぼ一定の速さで運動している
- 打点間隔がだんだん広くなるなら、物体の速さは大きくなっている
- 0.1秒ごとに切ったテープの長さは、その0.1秒間に移動した距離を表す
目次
物体の運動とは
理科でいう運動とは、時間がたつにつれて、ある物体の位置が変化することだよ。
たとえば、次のようなものはすべて物体の運動だよ。
- 道路を走る自動車
- 坂道を転がるボール
- 線路を走る電車
- 落下する物体
- 回転する遊具
物体の運動を詳しく調べるときは、主に次の2つに注目するよ。
物体の運動で調べること
- 速さはどのように変化するか
- 運動の向きはどのように変化するか
ただ目で見ただけでは、短い時間の中で速さがどのように変化したかを正確に調べるのは難しいよね。そこで使うのが、記録タイマーなんだ。
物体の運動を記録する方法
物体の運動を調べるには、一定時間ごとの物体の位置を記録する必要があるよ。
たとえば、0.1秒ごとに物体の位置を記録すると、次のことが分かるんだ。
- 0.1秒間にどれくらい移動したか
- 速さが一定かどうか
- だんだん速くなっているか
- だんだん遅くなっているか
一定時間ごとの位置を記録する方法には、記録タイマーを使う方法のほか、一定時間ごとに連続撮影する方法などもあるよ。
たろう
くまごろう記録タイマーとは
記録タイマーとは、記録テープに一定時間ごとに点を打ち、物体の運動を記録する装置だよ。
記録タイマーに細長い記録テープを通し、そのテープの端を台車などの物体につなぐよ。物体が動くとテープが引かれ、記録タイマーが一定時間ごとにテープへ点を打つんだ。
記録タイマーが記録テープに打った点を、打点というよ。

記録タイマーで記録できること
- 一定時間ごとの物体の位置
- 一定時間に移動した距離
- 物体の速さの変化
記録タイマーは、同じ時間間隔で点を打っているよ。そのため、テープ上の点と点の間隔を比べれば、物体の速さを調べられるんだ。
つまり、となり合う点と点の間隔は、その一定時間に物体が進んだ距離を表しているんだ。同じ時間に進んだ距離を比べることで、物体の速さや速さの変化を調べられるよ。
50Hz・60Hzと打点の時間
記録タイマーが1秒間に打つ点の回数は、その地域の交流電源の周波数によって異なるよ。

| 地域 | 周波数 | 1秒間の打点 | 1区間の時間 |
|---|---|---|---|
| おもに東日本 | 50Hz | 50回 | 50分の1秒=0.02秒 |
| おもに西日本 | 60Hz | 60回 | 60分の1秒 |
Hz(ヘルツ)は、1秒間にくり返す回数を表す単位だよ。
50Hzの場合
50Hzの記録タイマーは、1秒間に50回点を打つよ。
そのため、となり合う打点の間の時間は、次のようになるんだ。
1秒÷50=0.02秒
つまり、1区間は0.02秒だよ。5区間分なら、
0.02秒×5=0.1秒
となるね。
60Hzの場合
60Hzの記録タイマーは、1秒間に60回点を打つよ。
6区間分の時間を計算すると、
6×60分の1秒=10分の1秒=0.1秒
となるよ。
0.1秒になる区間数
- 50Hzの記録タイマー:5区間で0.1秒
- 60Hzの記録タイマー:6区間で0.1秒
たろう
くまごろう「打点の数」と「区間の数」に注意
記録テープの問題では、点そのものの数と、点と点の間にある区間の数を混同しやすいよ。
たとえば、次のように点が6個並んでいるとするよ。
・ ・ ・ ・ ・ ・
点は6個あるけれど、点と点の間の区間は5つだよ。
50Hzで0.1秒分を考えるときに必要なのは、5区間なんだ。
記録テープの読み方
記録タイマーは一定時間ごとに点を打つので、となり合う打点の間隔は、その時間に物体が移動した距離を表しているよ。
同じ時間で移動した距離が長いほど、物体の速さは大きいよね。

打点間隔と速さの関係
- 打点間隔がせまい:移動距離が短いので、速さは小さい
- 打点間隔が広い:移動距離が長いので、速さは大きい
- 打点間隔が一定:速さはほぼ一定
- 打点間隔がだんだん広くなる:速さがだんだん大きくなる
- 打点間隔がだんだんせまくなる:速さがだんだん小さくなる
たろう
くまごろう打点が重なっている部分は使わない
実験では、台車を押し出した直後の打点が重なったり、記録タイマーの動きが安定しなかったりすることがあるよ。
そのため、記録テープを調べるときは、打点がはっきり分かれていて、記録が安定している点を基準点として選ぶんだ。
基準点より前の、打点が重なって読みにくい部分は、測定に使わないことが多いよ。
0.1秒ごとにテープを切る理由
記録テープは、そのままでは打点間隔の変化が分かりにくいことがあるよ。そこで、テープを0.1秒ごとに切り分けて並べるんだ。
0.1秒ごとに切ったテープ1本の長さは、その0.1秒間に物体が移動した距離を表しているよ。

0.1秒ごとのテープの長さが表すもの
切り分けたテープ1本の長さは、その0.1秒間に物体が進んだ距離だよ。どのテープも同じ0.1秒で区切られているため、長さを比べることで、その区間の速さを比べられるんだ。
- テープが長い:その0.1秒間の速さが大きい
- テープが短い:その0.1秒間の速さが小さい
テープの長さそのものが速さではないよ。ただし、すべて同じ0.1秒間で区切られているので、テープの長さはその区間の速さを比べる目安になるんだ。
| テープの長さ | 物体の運動 |
|---|---|
| どのテープもほぼ同じ長さ | 0.1秒ごとの移動距離が同じなので、速さはほぼ一定 |
| テープがだんだん長くなる | 0.1秒ごとの移動距離が増えているので、速さが大きくなっている |
| テープがだんだん短くなる | 0.1秒ごとの移動距離が減っているので、速さが小さくなっている |
テープの長さを比べられるのは、すべてのテープが同じ時間で区切られているからだよ。
時間が同じだから、テープが長いほど、その時間に長い距離を進んだことになり、速さが大きいと判断できるんだ。
記録テープを並べたグラフの読み方
0.1秒ごとに切った記録テープを、時間の順番に横へ並べることがあるよ。
このとき、テープの縦の長さが、その0.1秒間に移動した距離を表すんだ。
速さの変化を考えるときは、次の順番で整理すると分かりやすいよ。
速さの変化を読み取る順番
打点間隔の変化
↓
0.1秒ごとに切ったテープの長さ
↓
物体の速さの変化
テープの高さが同じ場合
並べたテープの高さがほぼ同じなら、物体は0.1秒ごとにほぼ同じ距離を移動しているよ。
つまり、物体はほぼ一定の速さで運動していると考えられるんだ。
テープが右へ行くほど高くなる場合
時間がたつにつれてテープが長くなっているなら、0.1秒間に移動する距離が増えているよ。
つまり、物体の速さはだんだん大きくなっているんだ。
テープが右へ行くほど低くなる場合
時間がたつにつれてテープが短くなっているなら、0.1秒間に移動する距離が減っているよ。
つまり、物体の速さはだんだん小さくなっているんだ。
一定の速さで進む運動
物体が一直線上を一定の速さで進む運動を、等速直線運動というよ。
等速直線運動を記録タイマーで記録すると、となり合う打点の間隔は、ほぼ一定になるんだ。
等速直線運動の記録
- 打点間隔がほぼ一定
- 0.1秒ごとに切ったテープの長さがほぼ同じ
- 同じ時間に同じ距離を進む
ただし、実際の実験では摩擦や空気抵抗などがあるため、完全に同じ間隔にならないこともあるよ。
速さが変化する運動
物体に力がはたらくと、物体の速さが変化することがあるよ。
たとえば、斜面を下る台車は、斜面に沿った下向きの力を受けるため、だんだん速くなるんだ。
この運動を記録タイマーで記録すると、打点間隔は進行方向へ向かってだんだん広くなるよ。
反対に、進行方向と逆向きの力がはたらいて物体が遅くなる場合は、打点間隔がだんだんせまくなるんだ。
| 打点間隔の変化 | 速さの変化 |
|---|---|
| だんだん広くなる | 速さがだんだん大きくなる |
| ほぼ一定 | 速さはほぼ一定 |
| だんだんせまくなる | 速さがだんだん小さくなる |
記録タイマーの計算問題
記録タイマーでは、テープの長さと時間から、物体の速さを求める問題も出るよ。
速さは、次の式で求めるんだったね。
速さを求める式
速さ=移動距離÷かかった時間
例題
0.1秒間に台車が4.0cm進んだとき、台車の速さを求めてみよう。
4.0cm÷0.1秒=40cm/s
したがって、台車の速さは40cm/sだよ。
m/sで答える場合は、4.0cmを0.04mに直すよ。
0.04m÷0.1秒=0.4m/s
つまり、40cm/sと0.4m/sは、同じ速さを表しているんだ。
cm/sとm/sの直し方
- cm/sからm/sへ直す:100で割る
- m/sからcm/sへ直す:100倍する
たとえば、40cm/sは、40÷100=0.4m/sだよ。
※もとの数の書き方に合わせて、0.40m/sと表すこともあるよ。
テープの長さをそのまま速さにしない
0.1秒間に5cm進んだからといって、速さが「5cm/s」になるわけではないよ。
5cmは0.1秒間の移動距離なので、1秒あたりの速さを求めるには、0.1秒で割る必要があるんだ。
5cm÷0.1秒=50cm/s

間違えやすいポイント
間違い1 打点間隔が広いほど遅い
これは間違いだよ。
記録タイマーは同じ時間ごとに点を打つので、打点間隔が広いほど、同じ時間に長い距離を進んでいることになるよ。
したがって、打点間隔が広いほど速さは大きいんだ。
間違い2 50Hzでは点を5個数える
正確には、0.1秒にあたるのは5区間だよ。
点が6個あれば、その間の区間は5つになるんだ。問題では、どこからどこまでを1区切りにしているか、図をよく確認しよう。
間違い3 基準点からの距離と、0.1秒間の移動距離を混同する
基準点からの距離は、基準点から物体が合計でどれだけ進んだかを表すよ。
一方、切り分けたテープ1本の長さは、その0.1秒間だけに進んだ距離を表しているんだ。
| 表しているもの | 意味 |
|---|---|
| 基準点からの移動距離 | 基準点から、その時点までに進んだ合計の距離 |
| 0.1秒間の移動距離 | その0.1秒間だけに進んだ距離 |
間違い4 0.1秒間の移動距離を、そのまま速さとして答える
0.1秒間に進んだ距離は、そのままでは1秒あたりの速さではないよ。
速さを求めるときは、必ず移動距離÷かかった時間を使おう。
たとえば、0.1秒間に4cm進んだ場合は、
4cm÷0.1秒=40cm/s
となるよ。
重要語句のまとめ
| 語句 | 意味・ポイント |
|---|---|
| 運動 | 時間がたつにつれて、物体の位置が変化すること |
| 記録タイマー | 一定時間ごとに記録テープへ点を打つ装置 |
| 記録テープ | 記録タイマーで物体の運動を記録する細長いテープ |
| 打点 | 記録タイマーが記録テープに打った点 |
| Hz | 1秒間にくり返す回数を表す単位 |
| 基準点 | 距離を測り始める基準となる点 |
| 等速直線運動 | 物体が一直線上を一定の速さで進む運動 |
最後に確認しよう
- となり合う打点の間隔は、一定時間に進んだ距離を表す
- 打点間隔が広いほど、速さは大きい
- 50Hzでは5区間、60Hzでは6区間が0.1秒
- 0.1秒ごとのテープが長いほど、その区間の速さは大きい
- テープの長さを比べられるのは、同じ時間で区切っているから
- テープの長さが一定なら、速さはほぼ一定
- テープがだんだん長くなるなら、速さはだんだん大きくなる
- 速さは「移動距離÷時間」で求める
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

