「物体の運動の速さの変化」平均の速さ・瞬間の速さ・グラフを解説

中学校3年生の理科で学習する「物体の運動の速さの変化」について、平均の速さと瞬間の速さの違い、運動を表すグラフの読み方、等速直線運動をわかりやすく解説するよ。

物体の運動を調べるときは、ただ「速い・遅い」を見るだけではなく、時間がたつにつれて速さがどのように変化するかを考えることが大切なんだ。

この記事で分かること

  • 平均の速さとは何か
  • 瞬間の速さとは何か
  • 平均の速さと瞬間の速さの違い
  • 移動距離と時間のグラフの読み方
  • 速さと時間のグラフの読み方
  • 等速直線運動の特徴

「物体の運動の速さの変化」テスト対策ポイント

  • 平均の速さは「移動距離÷かかった時間」で求める
  • 平均の速さは、ある時間全体をならして表した速さ
  • 平均の速さが同じでも、途中の運動のようすが同じとは限らない
  • 短い時間ごとの速さを調べると、速さの変化が分かる
  • 刻々と変化する、その瞬間の速さを瞬間の速さという
  • 移動距離と時間のグラフでは、傾きが急なほど速さが大きい
  • 速さと時間のグラフでは、グラフの高さが速さを表す
  • 一直線上を一定の速さで進む運動を等速直線運動という
目次

物体の速さは変化する

自動車や自転車、人が歩く運動を考えてみよう。

ずっと同じ速さで動いているとは限らず、速くなったり、遅くなったり、途中で止まったりすることがあるよね。

このように、物体の運動を詳しく調べるには、速さの変化に注目する必要があるんだ。

たとえば、自動車が4秒間で32m進んだとするよ。

この情報だけでも、4秒間全体としてどのくらいの速さで進んだかは求められるんだ。

平均の速さとは

ある時間全体について、物体がどのくらいの速さで進んだかを表したものを、平均の速さというよ。

平均の速さは、途中で速くなったり遅くなったりしたことをいったん考えず、ある時間全体をならして表した速さなんだ。

平均の速さを求める式

平均の速さ=移動距離÷かかった時間

「全体をならした速さ」といっても、途中の速さをすべて足して、その個数で割るわけではないよ。

全体の移動距離を、全体にかかった時間で割って求めることが大切なんだ。

平均の速さの計算例

自動車が4秒間で32m進んだときの平均の速さを求めてみよう。

32m÷4秒=8m/s

したがって、4秒間の平均の速さは8m/sだよ。

これは、4秒間ずっと8m/sで進んだという意味ではなく、4秒間全体をならすと8m/sだったという意味なんだ。

たろう
32mを4秒で進んだから、全体をならすと1秒あたり8m進んだと考えるんだね。

くまごろう
そうだね。ただし、実際に毎秒8mずつ進んだとは限らないよ。

平均の速さが同じでも運動は同じとは限らない

2台の自動車が、どちらも4秒間で32m進んだとするよ。

どちらも平均の速さは、

32m÷4秒=8m/s

となるね。

しかし、途中の進み方まで同じとは限らないんだ。

自動車運動のようす
自動車①はじめは遅く、時間がたつにつれて速くなる
自動車②ほぼ一定の速さで進む
どちらも4秒間で32m進み平均の速さは8m毎秒だが、一方は加速し、もう一方は一定の速さで進む2台の自動車を比較した図解

この2台は、4秒間全体の平均の速さは同じでも、1秒ごとの移動距離途中の速さは異なるよ。

平均の速さだけでは分からないこと

  • 途中で速くなったか
  • 途中で遅くなったか
  • 一定の速さで進んだか
  • 途中で止まったか

運動のようすを詳しく調べるには、全体の平均だけでなく、短い時間ごとに速さを調べる必要があるんだ。

短い時間ごとの速さを調べる

自動車の運動を1秒ごとに区切り、それぞれの1秒間に進んだ距離を調べてみよう。

1秒間に進んだ距離が分かれば、その1秒間の平均の速さを求められるよ。

たとえば、1秒間に次のように進んだとするよ。

時間1秒間に進んだ距離その1秒間の平均の速さ
0~1秒2m2m/s
1~2秒6m6m/s
2~3秒10m10m/s
3~4秒14m14m/s

この自動車は、時間がたつにつれて、1秒間に進む距離が長くなっているね。

つまり、速さがだんだん大きくなっているんだ。

反対に、毎秒8mずつ進む自動車なら、どの1秒間についても平均の速さは8m/sになるよ。

瞬間の速さとは

自動車のスピードメーターを見ると、そのときの速さが表示されているよね。

このような、ある瞬間の速さ瞬間の速さというよ。

瞬間の速さ

時間の変化に応じて刻々と変化する、その瞬間の速さ

本当の意味で一瞬だけの移動距離を測ることは難しいため、実験では、できるだけ短い時間の平均の速さを求め、それを瞬間の速さに近いものとして考えるよ。

記録タイマーの打点間隔が、短い時間ごとの移動距離を表しているのも、この考え方につながっているんだ。

たろう
自動車のスピードメーターは、平均の速さではないの?

くまごろう
スピードメーターは、そのときの瞬間の速さを表しているよ。

平均の速さと瞬間の速さの違い

速さ意味
平均の速さある時間全体をならして表した速さ駅まで1kmを10分で歩いたときの全体の速さ
瞬間の速さある瞬間の速さ自動車のスピードメーターが示す速さ
平均の速さは運動全体をならした速さ、瞬間の速さはその瞬間の速さであることを、自動車の移動とスピードメーターで比較した中3理科の図解

たとえば、家から学校まで歩くとき、途中で信号待ちをしたり、走ったり、ゆっくり歩いたりすることがあるよね。

家から学校までの運動全体について求めた速さは平均の速さで、走っているある瞬間の速さは瞬間の速さなんだ。

平均の速さと瞬間の速さ

  • 平均の速さ:ある時間全体をならした速さ
  • 瞬間の速さ:その瞬間の速さ

移動距離と時間のグラフ

物体の運動は、横軸に時間、縦軸に移動距離をとったグラフで表すことができるよ。

移動距離と時間のグラフ

  • 横軸:時間
  • 縦軸:基準点からの移動距離

グラフの傾きと速さ

移動距離と時間のグラフでは、グラフの傾きから速さを読み取れるよ。

  • 傾きが急:短い時間で長い距離を進むので、速さが大きい
  • 傾きがゆるやか:同じ時間に進む距離が短いので、速さが小さい
  • 傾きが一定の直線:速さが一定
  • 横向きの線:移動距離が変わらないので、物体は止まっている
移動距離と時間のグラフでは傾きが速さを表し、急な傾きほど速く、横向きの線は停止を表すことを示した図解

グラフが上向きに大きく曲がっている場合は、時間がたつにつれて傾きが急になっているよ。

これは、物体の速さがだんだん大きくなっていることを表すんだ。

反対に、時間がたつにつれて傾きがゆるやかになっている場合は、速さがだんだん小さくなっているよ。

同じ時刻の速さを比べる

同じ時刻における2つの物体の速さを比べるときは、その時刻付近のグラフの傾きを比べるよ。

直線のグラフなら、その直線の傾きが急な物体ほど速さが大きいんだ。

曲線のグラフでは、その時刻の前後にあるごく短い部分の傾きを見て、その瞬間の速さを考えるよ。

速さと時間のグラフ

物体の速さの変化は、横軸に時間、縦軸に速さをとったグラフでも表せるよ。

速さと時間のグラフ

  • 横軸:時間
  • 縦軸:速さ

速さと時間のグラフでは、グラフの高さが、その時刻の速さを表しているよ。

  • 右上がりのグラフ:速さがだんだん大きくなる
  • 横向きのグラフ:速さが一定
  • 右下がりのグラフ:速さがだんだん小さくなる
  • 速さが0の位置にある:物体が止まっている
速さと時間のグラフでは高さが速さを表し、右上がりは加速、横向きは一定の速さ、右下がりは減速を表すことを示した図解

移動距離と時間のグラフでは「傾き」が速さを表したけれど、速さと時間のグラフでは、グラフの高さそのものが速さを表すんだ。

2種類のグラフを混同しないようにしよう

  • 移動距離と時間のグラフ:グラフの傾きが速さを表す
  • 速さと時間のグラフ:グラフの高さが速さを表す

「移動距離のグラフは傾き、速さのグラフは高さ」と覚えよう。

等速直線運動とは

物体が一直線上を一定の速さで進む運動を、等速直線運動というよ。

つまり、等速直線運動は、同じ時間に同じ距離を進む運動と言い換えることができるんだ。

等速直線運動の特徴

  • 一直線上を進む
  • 速さが一定
  • 同じ時間に同じ距離を進む
  • 移動距離は時間に比例して増える

たとえば、1秒間に8mずつ進む物体なら、

時間移動距離
1秒8m
2秒16m
3秒24m
4秒32m

となるよ。

時間が2倍、3倍、4倍になると、移動距離も2倍、3倍、4倍になっているね。

このように、等速直線運動では、移動距離は時間に比例するんだ。

2つのグラフから等速直線運動を読み取る

移動距離と時間のグラフ

等速直線運動では、移動距離は時間に比例して増えるよ。

そのため、時間0秒のときの移動距離を0mとして測り始めた場合、移動距離と時間のグラフは、原点を通る直線になるんだ。

また、速さが大きい物体ほど、同じ時間に長い距離を進むため、グラフの傾きが急になるよ。

速さと時間のグラフ

等速直線運動では、時間がたっても速さは変わらないよ。

そのため、速さと時間のグラフは、横軸に平行な直線になるんだ。

グラフ等速直線運動の表れ方
移動距離と時間傾きが一定の直線
時間0秒・移動距離0mから始めた場合は原点を通る
速さと時間横軸に平行な直線
等速直線運動では同じ時間に同じ距離を進み、移動距離と時間のグラフは傾き一定の直線、速さと時間のグラフは横向きの直線になることを示した図解

間違えやすいポイント

間違い1 平均の速さが同じなら、運動のようすも同じ

これは間違いだよ。

同じ距離を同じ時間で進めば、平均の速さは同じになるよ。

しかし、途中で速くなったり、遅くなったり、一定の速さで進んだりするなど、運動のようすは異なることがあるんだ。

間違い2 途中の速さを足して割れば、平均の速さになる

平均の速さは、途中の速さを単純に足して個数で割るのではないよ。

全体の移動距離÷全体にかかった時間で求めるんだ。

間違い3 スピードメーターは平均の速さを示す

自動車のスピードメーターが示しているのは、基本的にその瞬間の速さだよ。

出発してから現在までの平均の速さを示しているわけではないんだ。

間違い4 移動距離と時間のグラフでは、高い位置ほど速い

移動距離と時間のグラフでは、グラフの高さは移動距離を表しているよ。

速さを比べるときは、グラフの高さではなく、傾きを見るんだ。

間違い5 速さと時間のグラフでも、傾きが速さを表す

速さと時間のグラフでは、縦軸が速さなので、グラフの高さが速さを表すよ。

移動距離と時間のグラフと混同しないようにしよう。

間違い6 等速直線運動では移動距離も一定

等速直線運動で一定なのは速さだよ。

物体は動き続けているので、基準点からの移動距離は時間とともに増えていくんだ。

重要語句のまとめ

語句意味・ポイント
平均の速さある時間全体をならして表した速さ。移動距離÷時間で求める
瞬間の速さある瞬間の速さ
等速直線運動物体が一直線上を一定の速さで進む運動。同じ時間に同じ距離を進む
移動距離と時間のグラフ傾きが速さを表す
速さと時間のグラフグラフの高さが速さを表す

最後に確認しよう

  • 平均の速さは、移動距離÷時間で求める
  • 平均の速さは、ある時間全体をならした速さ
  • 平均の速さが同じでも、途中の運動は異なることがある
  • ある瞬間の速さを瞬間の速さという
  • 移動距離と時間のグラフでは、傾きが急なほど速い
  • 速さと時間のグラフでは、グラフの高さが速さを表す
  • 等速直線運動では、同じ時間に同じ距離を進む
  • 等速直線運動では、移動距離は時間に比例する

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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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