食事摂取基準とは?表の見方と「中学生に必要な栄養」を解説
中学家庭科で学ぶ「食事摂取基準」とはなにか、くわしく解説するよ。
成長期で活動が活発な中学生に必要な栄養素を、食事摂取基準表で確認しよう。栄養素それぞれの単位の読み方や意味も紹介しているよ。
目次
「食事摂取基準」とは
「食事摂取基準」とは、そのことばどおり「食事を摂取するときの基準」。
「基準」とは、「満たさなければいけない一定の必要な条件」のこと。
つまり、かんたんに言うと「食べるとき、これだけはちゃんと摂ってね!と決められた量」のことだね。
でも、今は食べ物に困ることはそんなにないよね。
きっと、みんなも毎日「何をどのくらい食べるか」なんてそんなに意識していないと思うんだ。
「食事摂取基準」なんて必要なの?と思ってしまうかもしれないね。
たとえばこれは実際の経験談なんだけれど、一人暮らしをしていた女性が、20歳ぐらいの時に健康診断を受けてみたら「栄養失調ぎみです」と言われてしまった、なんてこともあるんだ。
「え?毎日ご飯食べているのに?」とびっくりしてしまうよね。
こんなに食べ物がありふれている現代の日本人でも、好きなものばかり食べたり、食事が偏っていると、栄養不足になってしまうんだ。
「栄養バランスが大事」ということは何となくわかるけど、実際に何をどれぐらいたべたらいいんだろう?と、なかなかピンとこないというときに、参考になるのが「食事摂取基準」なんだ。
「食事摂取基準」には、ぼくたちがとることが望ましいエネルギーや栄養素の摂取基準が、年齢や性別などによって細かく数字で示してあるから、今の自分に必要な量、一緒に暮らす家族に必要な量がひと目で分かるんだ。
生活習慣病予防にはこれぐらいとりたい、というような目標量ものっているよ。
下の表は、12歳から49歳までの男女別の食事摂取基準の表だよ。
年齢 | 性別 | エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | カルシウム(mg) | 鉄(mg) | ビタミンA(㎍) | ビタミンB1(mg) | ビタミンB2(mg) | ビタミンC(mg) | ビタミンD(㎍) |
12-14 | 男 | 2,600 | 60 | 1,000 | 11.5 | 800 | 1.4 | 1.6 | 95 | 5.5 |
12-14 | 女 | 2,400 | 55 | 800 | 14.0 | 700 | 1.3 | 1.4 | 95 | 5.5 |
15-17 | 男 | 2,850 | 65 | 800 | 9.5 | 900 | 1.5 | 1.7 | 100 | 6.0 |
15-17 | 女 | 2,300 | 55 | 650 | 10.5 | 650 | 1.2 | 1.4 | 100 | 6.0 |
30-49 | 男 | 2,650 | 60 | 650 | 7.5 | 900 | 1.4 | 1.6 | 100 | 5.5 |
30-49 | 女 | 2,000 | 50 | 650 | 10.5 | 700 | 1.1 | 1.2 | 100 | 5.5 |
中学生に必要な栄養素は?
「食事摂取基準」は、年齢や性別などによって必要なエネルギーや栄養素の摂取基準が示されているんだよね。
では、「中学生にとって必要な栄養素」は何がどのくらいなんだろう?
食事摂取基準で確認してみよう。
12歳~14歳がちょうど中学生の年齢だね。
年齢 | 性別 | エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | カルシウム(mg) | 鉄(mg) | ビタミンA(㎍) | ビタミンB1(mg) | ビタミンB2(mg) | ビタミンC(mg) | ビタミンD(㎍) |
12-14 | 男 | 2,600 | 60 | 1,000 | 11.5 | 800 | 1.4 | 1.6 | 95 | 5.5 |
12-14 | 女 | 2,400 | 55 | 800 | 14.0 | 700 | 1.3 | 1.4 | 95 | 5.5 |
15-17 | 男 | 2,850 | 65 | 800 | 9.5 | 900 | 1.5 | 1.7 | 100 | 6.0 |
15-17 | 女 | 2,300 | 55 | 650 | 10.5 | 650 | 1.2 | 1.4 | 100 | 6.0 |
30-49 | 男 | 2,650 | 60 | 650 | 7.5 | 900 | 1.4 | 1.6 | 100 | 5.5 |
30-49 | 女 | 2,000 | 50 | 650 | 10.5 | 700 | 1.1 | 1.2 | 100 | 5.5 |
中学生は成長期の真っただ中だね。
身長や体重が増加して、部活や習い事などでもたくさん身体を動かしたりする「活発な生活を送る時期」なんだ。
これから何十年も、長く健康に生きていくために、この成長期でのからだづくりはとっても大切だよ。
中学生に必要な栄養として、特に、エネルギーやたんぱく質、カルシウムなどは、しっかりとるようにしよう。女性は鉄分も不足しないように意識したほうがいいよ。
大人(30~49歳)と中学生の基準を比べてみると、「カルシウム」と「鉄」は男女ともに中学生の方が多く必要なことがわかるね。
カルシウムは丈夫な骨や歯をつくる働きがあるけど、骨量は大体高校生ぐらいまでに、ピークを迎えるんだ。それからは年齢とともに徐々に減っていくから、今のうちに蓄えておきたいね。
成長期でもあり、思春期でもあるので、「体重が増えてしまった」「瘦せなきゃ」と、過度なダイエットにも走ってしまいやすい年頃。みんなは今は体重も身長も増える時期なんだということを忘れないで、未来の自分のために、健康の土台となる体をつくろう。
栄養素それぞれの単位の意味や読み方
さて、食事摂取基準の表をもういちど確認してみよう。
栄養素それぞれには、単位がついているよね。
年齢 | 性別 | エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | カルシウム(mg) | 鉄(mg) | ビタミンA(㎍) | ビタミンB1(mg) | ビタミンB2(mg) | ビタミンC(mg) | ビタミンD(㎍) |
どうして栄養素ごとに単位が違うかというと、「食品に通常含まれている一般的な量」に合わせて、それぞれ単位が世界共通で決められているんだ。
たとえば、タンパク質は食品に多く含まれているので、「g」で表すのが便利。でも、カルシウムや鉄なんかはほんの少ししか含まれていないので、「mg」で表すのがちょうどいい、ということだね。
この「栄養素ごとに、どの単位が使われているか?」もテストでは出る可能性があるので、おさえておこうね。
エネルギーの単位「kcal」(キロカロリー)
エネルギーの単位「kcal」は、「キロカロリー」のことだね。
「1kcal」は、1リットルの水の温度を1度上げるために必要なエネルギー量だよ。
タンパク質の単位「g」(グラム)
グラムはよく使われるので身近な単位だよね。
1円玉1枚が1グラムの重さだよ。
カルシウム・鉄・ビタミンB・ビタミンCの単位「mg」(ミリグラム)
ミリグラムは、グラムの1000分の1の重さだね。
ビタミンA・ビタミンDの単位「μg」(マイクログラム)
マイクログラムは、グラムの10000分の1の重さ。
記号もあんまり見たことなかったんじゃないかな?
μgの記号から、「マイクログラム」と読めるようにすることと、gの1万分の1の重さであることを覚えておこう。
「食事摂取基準」まとめ
食事摂取基準とはなにか、今のみんなに必要な栄養、そして食品成分表について、理解は深まったかな?
食事摂取基準 まとめ
- 食事摂取基準とは、年齢や性別ごとに、とることが望ましいエネルギーや栄養素の基準を示したもの。
- 中学生の時期は成長期であり、身長や体重の増加が著しく、活動も活発であるため、多くのエネルギーや栄養素を必要とする。
- 中学生は、成人に比べてカルシウムと鉄を多く摂取することが望ましいとされている。
- 食事摂取基準では、ビタミンAとビタミンDの単位は「μg(マイクログラム)」で示されている。マイクログラムはグラムの1万分の1の重さである。
ここまで学習できたら、「食事摂取基準についての定期テスト対策練習問題のページ」にチャレンジしよう!
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。