73【中学国語】茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」主題・表現効果ドリル
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最後は「読解ドリル②(主題・表現効果編)」です。作者がなぜそのような表現を使ったのか、そしてこの詩を通して私たちに伝えたかった「深いメッセージ(主題)」について読み解いていきましょう。
この詩の題名でもあり、何度も繰り返される「わたしが一番きれいだったとき」とは、どのような時期(時代)を表していますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「本来なら、恋愛やおしゃれを楽しむことができる、若く輝いているはずの「青春時代」。」です。
この詩における「一番きれいだったとき」とは、10代後半から20代前半にかけての「青春時代」のことです。一番輝いているはずのこの時期を、作者は戦争という異常な状況の中で過ごさなければなりませんでした。
「わたしが一番きれいだったとき」という言葉が第1連から第7連までくり返し使われること(反復法)には、どのような表現効果がありますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「本来なら幸せなはずの青春時代を、戦争によって奪われたことへの「悔しさ」や「無念さ」という強い思いを読者に印象づけるため。」です。
「わたしが一番きれいだったとき」に続く言葉は、「街が崩れた」「人が死んだ」「だれも贈り物をしてくれなかった」など、悲惨な現実ばかりです。この落差が、青春を奪われた悔しさと悲しみをより強く際立たせています。
第4連の「わたしの頭はからっぽで / わたしの心はかたくなで」という表現は、なぜそのような状態になってしまったのだと考えられますか。当時の状況から推測して最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「戦争中は「お国のために」とだけ教え込まれ、自由にものを考える教育を受ける機会を奪われてしまったから。」です。
戦争中は自由に学んだり考えたりすることが許されず、ただ戦争に勝つことだけを教え込まれていました。そのため、本来なら豊かな感情や知識を育むはずの頭と心が「貧しく柔軟性のない状態」になってしまったのです。
第4連の「わたしの頭はからっぽで / わたしの心はかたくなで / 手足ばかりが栗色に光った」という部分には、ある「対比」の構造が使われています。何と何が対比されていますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「貧しく柔軟性を失った「からっぽでかたくなな内面」と、勤労動員による労働で日焼けして「健康的に輝く肉体(手足)」という悲しいアンバランスさ。」です。
自由に学ぶ機会を奪われて「心(内面)」は貧しくなってしまったのに、外での強制的な労働によって「体(外見)」だけは健康的に日焼けして輝いている。戦争がもたらした悲しい対比構造が使われています。
第5連の「そんな馬鹿なことってあるものか」という言葉には、「わたし」のどのような心情が込められていますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「私たちが青春を犠牲にしてきたのは一体なんのためだったのか、という強い怒りと徒労感。」です。
「日本は必ず勝つ」と信じこまされて貴重な青春時代を犠牲にしてきたのに、結局負けてしまったことへの「無駄骨だった(私たちの犠牲はなんだったのか)」というやりきれない思いが込められています。
第5連の「ブラウスの腕をまくり 卑屈な町をのし歩いた」という行動から、作者のどのような姿(思い)が読み取れますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「戦争の犠牲になった理不尽な現実に負けず、たくましく生き抜こうとする気の強さと生命力。」です。
町中のみんなが敗戦で自信を失ってうつむいている(卑屈になっている)中で、作者はそれに飲み込まれず「わたしは負けないぞ!」と腕まくりをして、反抗するように力強く歩いたのです。
第7連では「ふしあわせ」「とんちんかん」「さびしかった」と、あえてひらがなが多く使われています。これにはどのような表現効果があると考えられますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「一番きれいな時期を戦争に奪われ、価値観もひっくり返ってしまったことへの、深い孤独や喪失感などのむき出しの感情を直接的に伝える効果。」です。
「不幸せ」「頓珍漢」「寂しかった」と漢字で書くよりも、ひらがなで表現することで、理屈ではない、作者の心の底からの「どうしようもない深い孤独感」が読者に直接伝わってきます。
第8連で、作者はなぜ「できれば長生きすることに」決めたのですか。ルオー爺さんの例から推測できる理由として、最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「戦争で青春時代(美しさ)を奪われてしまった分、これからの人生をかけて、年をとってからでも自分らしく美しく生きてやるという強い決意。」です。
ルオーは、年老いてからも素晴らしい芸術(美しさ)を生み出した画家です。作者も同じように、「若いときに咲けなかった分、人生の後半で私らしい花を咲かせてみせる」と前向きに決意しているのです。
この詩全体を通して、作者が最も伝えたいこと(主題)としてふさわしいものを次の中から選びなさい。
正解は「戦争によって青春を奪われた悔しさ・悲しみと、理不尽な逆境を跳ね返して人生の後半で美しく生き抜こうとする強い生命力と決意。」です。
ただ戦争の悲惨さを嘆くだけでなく、「そんな馬鹿なことってあるものか」と怒り、「だから私はこう生きる!」と前を向く、作者の「ブレない強さとたくましい生命力」を感じ取ることがこの詩の最大のポイントです。
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。
