4【中学国語】長田弘「世界はうつくしいと」主題・表現効果ドリル
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ここからは「主題・表現効果ドリル(発展編)」です。作者がなぜそのような表現を選んだのか、その裏に込められた深い思いや人生観(主題)について読み解いていきましょう。
作者が「うつくしいものをうつくしいと言おう」と提案しているのはなぜですか。最も適切な理由を1つ選びましょう。
正解は「言葉にしないと、うつくしいものに感動する心を失い、会話が貧しくなってしまうから。」です。
作者は「うつくしいことばをためらわず口にしなくなった」結果、「わたしたちの会話は貧しくなった」と危機感を抱いています。だからこそ、「言葉に出すことの大切さ」を提案しているのです。
作者はなぜ、漢字の「美しい」ではなく、ひらがなの「うつくしい」を使ったと考えられますか。その表現効果として最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「見た目が綺麗という限定的な意味だけでなく、心惹かれるものや尊いものなど広い意味を含ませるため。」です。
漢字の「美しい」だと、風景が綺麗だったり、見た目が整っていたりするイメージが強くなります。意味を限定せず、人間の営みや老いなども含めた、柔らかくて広がりのある意味を持たせるための工夫だと考えられます。
「〜はうつくしいと(言おう)。」というように、文の終わりの言葉をわざと省く表現技法(省略法)には、どのような効果がありますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「読者に「自分もうつくしいものを声に出して言ってみよう」と考えさせる余韻(余白)を残すため。」です。
最後まで言い切らずに「〜はうつくしいと。」で止める(省略法)ことで、読んだ人それぞれが主体的に考え、心に強い余韻を残す効果があります。
作者はなぜ、「ニュースとよばれる日々の破片」と「あざやかな毎日」を対比(反対の意味として並べること)させたのですか。その理由として最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「ニュースで流れる大事件だけが私たちの歴史ではなく、何気ない日常(あざやかな毎日)こそが価値あるものだという主張を強調するため。」です。
「ニュースの破片」と「あざやかな毎日」を対比させることで、「特別な事件ではなく、身の回りの何気ない生活そのものにこそ価値がある」という作者の強い主張(問題提起)が際立っています。
普通はマイナスなイメージを持たれやすい「さらりと老いてゆく人の姿」を、作者が「うつくしい」と捉えているのはなぜですか。作者の考え方として最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「人はいつか死んでしまうからこそ、老いてゆく過程も含めた「今この瞬間」の命の営みが尊いから。」です。
「何ひとつ永遠なんてなく、いつかすべて塵にかえる」からこそ、命あるものが歳を重ねていくその姿(営み)も、尊くてうつくしいものだと考えているのです。
「すべて塵にかえるのだから、世界はうつくしい」という表現の裏には、作者のどのような考え(人生観)がありますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「すべてがいつか無くなってしまう(永遠ではない)からこそ、日々のあざやかな毎日に価値があるから。」です。
「永遠に続かない」からこそ、今この瞬間の「あざやかな毎日」が尊くて、うつくしいんだという、作者の深い人生観・死生観が表れています。
この詩を通して、作者が最も伝えたい思い(主題)とはなんですか。適切なものを1つ選びましょう。
正解は「言葉に出すことをためらわず、永遠ではないからこそ価値がある日々のあざやかな毎日をうつくしいと言おう。」です。
作者の伝えたいこと(主題)は大きく2つ。「言葉に出して伝えることの大切さ」と、「永遠ではない(いつか塵にかえる)からこそ、日々のあざやかな毎日に価値がある」ということです。
「〜わたしたちの歴史と言うようなものだろうか。」という表現が「反語的な表現」であると読めるのはなぜですか。その理由として最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「「〜だろうか。(いや、そうではない)」という強い否定の気持ちを表すため。」です。
疑問の形をとりながら、実は強い否定の気持ち(自分の本当の主張)を伝える表現技法を「反語」といいます。「ニュースの破片が歴史なのだろうか。(いや、そうではない。あざやかな毎日こそが価値だ)」という強い思いが込められています。
「シュロの枝を燃やして、灰にして、撒く。」という表現は、作者のどのような考え方(ものの見方)を示していますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「命あるものはいつか死んで自然に還っていくという、無常観(死生観・人生観)。」です。
「シュロを燃やして灰にする」という宗教的な行事の例えから、「命あるものは永遠ではなく、やがて自然(塵)に還っていく」という、命が巡っていく無常観(死生観)が示されています。
最後に、この詩全体を通して、作者が何度も「うつくしいと。」と繰り返し、最後に言葉を省略している(読者に余韻を残している)のは、どのような願いからだと考えられますか。最も適切なものを1つ選びましょう。
正解は「読者一人一人に対して、「あなたも自分自身の言葉で、うつくしいものをうつくしいと言ってみてほしい」という強い願いを込めるため。」です。
「うつくしいと。」と何度も反復し、最後に言葉を省略することで、この詩を読んだ読者自身が「自分にとってのうつくしいものは何だろう」と考え、声に出してみたくなるような強いメッセージが込められています。
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。
