12【中学国語】吉野弘「生命は」主題・表現効果ドリル

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ここからは「主題・表現効果ドリル(発展編)」です。作者がなぜその表現を選んだのか、その裏に込められた深い思いや「生命のつながり」というテーマ(主題)について読み解いていきましょう。

第1連の「自分自身だけでは完結できないようにつくられている」とは、花がどのような状態にあることを表していますか。詩の内容から最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「自分だけでは受粉できず、誰かの手助けが必要な状態。」です。

「完結できないように作られている」とは、自分自身だけでは命をつなぐ(受粉する)ことができず、あえて「他者(虫や風)」の助けが必要な不十分な状態で作られているということです。

作者はなぜ、「不充分」という言葉に続けて「欠如」という強い言葉を使ったと考えられますか。そこから読み取れる作者の考え(メッセージ)として最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「生命は、あえて「足りない部分(欠如)」を持つことで、他者と関わり、助け合うようにできているということ。」です。

「欠如」を抱えていることはマイナスではなく、それを「他者から満たしてもらう(他者と関わる)」ための大切な仕組みなんだよ、という作者の肯定的なメッセージが込められています。

第2連の「世界は多分 他者の総和」という表現には、どのような意味が込められていますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「お互いに助け合っている自覚がなくても、結果的に無数の他者との関わりの合計(総和)でこの世界が成り立っているということ。」です。

「世界は多分 他者の総和」という表現は、誰もが誰かの「欠如」を満たし、同時に満たされながら生きている(関係し合っている)結果として世界が存在していることを表しています。

第2連の後半「世界がゆるやかに構成されているのは なぜ?」のように、あえて「なぜ?」を最後に置く表現(問いかけ・倒置法)には、どのような表現効果がありますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「「絶対に助け合わなきゃ!」という強制力がなくても、結果的に世界が見事に成り立っていることへの作者の深い感動と不思議さ(問題提起)を強調する効果。」です。

普通の語順を逆にして「なぜ?」を最後に置く(問いかけ・倒置法)ことで、無自覚な者同士が支え合う「ゆるやかな構成」の不思議さと美しさが、読者の心に強く印象づけられます。

この詩の内容から考えると、人間が他者と支え合って生きていくためには、自分自身の「どのような状態」を前提(当たり前)として受け入れる必要がありますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「自分には足りない部分(欠如)があること。」です。

「生命は自分自身だけでは完結できない」とあるように、まずは自分が「不充分な状態(欠如)」であることを自覚することが、他者とつながり、満たし合うための第一歩となります。

この詩全体を通して、作者が最も伝えたいこと(主題)としてふさわしいものを次の中から選びなさい。

正解は「生命は他者との関わりの中で支えられており、人は互いに無自覚なままでも、欠如を満たし合いながら生きているということ。」です。

「一人で完結できなくて当たり前」であり、無関心やうとましさの中でも、私たちが無意識にお互いの足りない部分(欠如)を満たし合っているという深い人間観・世界観がこの詩の主題です。

第3連で、作者は「わたし」や「あなた」を、「虻(あぶ)」や「風」に例えています(比喩)。この表現によって、どのようなことを読者に伝えていますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「人間同士もまた、お互いの欠如を満たし合いながら支え合って成り立っている関係だということ。」です。

第1連の「花」の欠如を満たしてあげる存在が「虻」や「風」でした。それと同じように、人間社会(私とあなた)も、お互いの足りない部分を満たし合って生きていることを比喩で伝えています。

「わたしも あるとき 誰かのための虻だったろう」という言葉には、作者(わたし)のどのような気づき(思い)が込められていますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「「わたし」も気づかないうちに、誰かの欠如(足りない部分)を満たす手助けをしていたのかもしれないという気づき。」です。

花に光をまとって飛んでくる虻(他者)の姿を見て、作者は「自分も誰かに対して、無意識のうちに『欠如を満たす他者(虻)』として役立っていたのだろう」と、世界のつながりに気づいています。

この詩を読んだ後、読者にはどのような気持ち(読後感)が残ると考えられますか。作者の意図として最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「自分には足りない部分があることを受け入れ、他者とのつながり(支え合い)に感謝し、安心するような読後感。」です。

「一人で完結できなくて当たり前」であり、「無意識のうちにお互いを満たし合っている」という温かいメッセージを通して、読者は他者とのつながりに安心感を得ることができます。

第3連の「わたしも あるとき 誰かのための虻だったろう」「あなたも あるとき 私のための風だったかもしれない」という部分には、どのような表現上の工夫が使われていますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「反復表現」です。

「わたしも あるとき〜だったろう」「あなたも あるとき〜かもしれない」という同じような言い回しを繰り返す(反復する)ことで、人間同士が相互に支え合っている関係性を美しく強調しています。

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