8【中学国語】谷川俊太郎「春に」主題・表現効果ドリル

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ここからは「主題・表現効果ドリル(発展編)」です。作者がなぜそのような表現を選んだのか、その裏に込められた深い思いや「思春期」というテーマ(主題)について読み解いていきましょう。

「声にならないさけびとなってこみあげる」という表現は、「ぼく」のどのような状態を表現していますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「心の中に湧き上がるエネルギーが強すぎて、言葉にできないほどの激しい感情がこみ上げている。」です。

「声にならないさけび」という表現は、自分でもうまく説明できない(言葉にならない)ほどの強い感情やエネルギーが、心と体に満ちあふれている様子を効果的に伝えています。

「枝の先のふくらんだ新芽が心をつつく」という表現(隠喩)は、どのようなことを表していますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「春の訪れや植物の生命力が、自分の心をワクワクさせたり、刺激したりしてくること。」です。

「新芽が心をつつく」という隠喩(暗喩)は、春という季節の生命力が、自分の内面にあるエネルギーを呼び覚まし、刺激を与えてくる様子を表現しています。

作者が「思春期の複雑な感情のせめぎ合い(葛藤)」を表現するために、あえて「対比(反対の意味の言葉)」を使っている一文はどれですか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「よろこびだ しかしかなしみでもある」です。

「よろこび⇔かなしみ」という反対の感情を対比させる(対句法)ことで、大人になっていくことへの期待と不安が同居する、複雑な心の揺れ動きを見事に表現しています。

「心のダムにせきとめられ」という表現(隠喩)における「ダム」とは、具体的にどのような心の働きのことを指していますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「自分の中にある、感情のままに行動することを抑えようとする「理性」。」です。

「心のダム」とは、湧き上がってくる激しい感情やエネルギーを、そのまま外に出さないように我慢してせき止める「理性(りせい)」のことです。このダムの中で感情が「よどみ渦まきせめぎあい」、今にも決壊してあふれ出しそうになっている状態を描いています。

この詩では、言葉のリズムを作るだけでなく、「ぼく」の戸惑いや心の揺れを読み手に強く印象づける工夫がされています。その表現効果として最も中心的な役割を果たしているものはどれですか。

正解は「「この気もちはなんだろう」を4回繰り返すことで、答えの出ないもどかしさやエネルギーの強さを強調した効果。」です。

詩の最初と最後、そして中盤で「この気もちはなんだろう」と繰り返す(反復法)ことで、自分でも正体がわからないエネルギーへの戸惑いや、もどかしさが強く印象づけられます。

この詩は「この気もちはなんだろう」で始まり、最後も「この気もちはなんだろう」という問いのままで終わり、結局答えは出ていません。なぜ作者は答えを出さずに終わらせたと考えられますか。最も適切な理由を1つ選びましょう。

正解は「自分でも上手く説明できない「言葉にならないもどかしさ(葛藤)」こそが、この詩のテーマだから。」です。

最初から最後まで「この気もちはなんだろう」という問いかけで終わる(答えが出ない)こと自体が、思春期の解決できないもどかしさや、エネルギーの強さを表現する余韻となっています。

後半の「あの空のあの青に手をひたしたい」という表現には、どのような「ぼく」の心理が読み取れますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「自分を取り囲む自然(世界)のエネルギーと、直接つながりたい・一体化したいという強い前向きな欲求の表れ。」です。

空(青空)という大きく広がる世界に対して「手をひたしたい(触れたい)」と願うのは、自分の中にあふれるエネルギーを外の世界へと向かわせ、広い世界と繋がりたいという積極的で前向きな欲求を表しています。

後半で「ぼくはもどかしい」と語られていますが、その「もどかしさ(いらだち)」の理由として最も適切なものはどれですか。

正解は「積極的な欲求(何かをしたい)と、消極的な欲求(何もしないでいたい)がぶつかり合い、エネルギーの使い道がわからないから。」です。

「歩き続けたい⇔じっとしていたい」「大声で呼びたい⇔黙っていたい」という反対の欲求(対比)が描かれています。エネルギーがあるのに、どう使えばいいかわからない心の葛藤が「もどかしさ」の理由です。

この詩全体を通して、「ぼく」の心理状態はどのような印象(状態)であると言えますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「自然のエネルギーと自分の中のエネルギーが重なり合い、前向きな「何かをしたい」という欲求が全体を包んでいる。」です。

迷いやもどかしさ(葛藤)はありますが、「会ってみたい」「話してみたい」「歩き続けたい」という「〜したい」という積極的な欲求が強く、全体として非常に前向きで強い活力が感じられます。

この詩の主題(テーマ)として最も適切なものを次の中から選びなさい。

正解は「思春期特有の、将来への期待と不安に揺れ、どうしていいかわからない心の葛藤。」です。

自然のエネルギーと重なり合って湧き上がる、自分でもコントロールできないもどかしさや、正反対の感情のせめぎ合い(葛藤)こそが、この詩の最大のテーマです。

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