140【中学国語】魯迅「故郷」読解ドリル② 発展

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ここからは「読解ドリル②(発展編)」です。人物の深い心情や、作品のテーマである「希望」などについてさらに読み解いていきましょう。

(第2段落)「覚えず寂寥の感が胸に込み上げた」とありますが、その理由として最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「自分の記憶の中にある美しい故郷の情景と、目の前のわびしい現実があまりにも違ったから。」です。

「私の覚えている故郷は、まるでこんなふうではなかった」とあるように、思い出の中の美しい故郷と、活気を失った現実の故郷との差にショックを受け、ものさびしい気持ち(寂寥の感)になっています。

(第4段落)「その影はかき消され、言葉は失われてしまう」とありますが、「かき消され」てしまうのは故郷のどのようなものですか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「美しさや長所」です。

直後の文に「故郷の美しさや長所を思い浮かべようとする」とあり、思い出そうとしてもそれが「かき消され」て言葉にならない状態を指しています。

(第4段落)「自分の心境が変わっただけだ」とありますが、これは「私」のどのような気持ちを表していますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「ふるさとを捨てて離れなければならない辛さから、故郷がわびしく見えているのだという気持ち。」です。

「私」は、帰郷の目的が「故郷に別れを告げる(家を売る)」ことであり、その辛い気持ち(心境)を通して見るから、故郷がわびしく感じられるのだと自分に言い聞かせています。

(第37段落)母に席を勧められたとき、ルントウが「ためらった」行動の背景にある考えとして、最も適切なものはどれですか。

正解は「身分制度という社会の壁が自分と「私」との間に存在し、それを越えて同じ席に座るべきではないという考え。」です。

ルントウの「旦那様をシュンちゃんと呼ぶなど、めっそうな」という言葉からも、身分の上下関係を強く意識しており、気安く同席できないと考えていることが読み取れます。

(第41段落)「みんな寄ってたかって彼をいじめて、でくのぼうみたいな人間にしてしまったのだ」とありますが、「みんな」とは具体的にどのようなものですか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「子だくさん、飢饉、重い税金、兵隊、匪賊、役人など、ルントウを苦しめているすべてのもの。」です。

直前の文(第41段落)で、「子だくさん、飢饉、重い税金、兵隊、匪賊、役人」が具体的にルントウを苦しめているものの正体として挙げられています。

(第45段落)「両岸の緑の山々は、たそがれの中で薄墨色に変わり…」という情景描写は、「私」のどのような心情を表していますか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「美しいと思っていた故郷の今の姿に失望し、思い出の風景も色あせて消えてしまうように感じている。」です。

楽しかった思い出と違い、すっかり衰えてしまった故郷の姿にがっかりし、記憶の中の「美しい故郷」さえも薄墨色になって消えていくような寂しさを感じています。

(第51段落)「思えば私とルントウとの距離は全く遠くなった」とありますが、ここでの「距離」とは何のことですか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「身分の差や生活環境の違いから生まれてしまった、心の距離。」です。

「若い世代は今でも心が通い合い」と直後に続くことからも、「距離」が「心と心の隔たり」を指していることがわかります。

(第51段落)「私たちが経験した生活」として挙げられている、むだの積み重ねで( )、打ちひしがれて( )、やけを起こして( )という3つの空欄に入る言葉の組み合わせとして正しいものはどれですか。

正解は「魂をすり減らす / 心が麻痺する / 野放図に走る」です。

「私」のような生活(むだの積み重ねで魂をすり減らす)、ルントウのような生活(打ちひしがれて心が麻痺する)、ヤンおばさんのような生活(やけを起こして野放図に走る)を経験してほしくないと願っています。

(第52段落)「希望という考えが浮かんだので、私はどきっとした」とありますが、なぜ「私」はどきっとしたのですか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「ルントウの迷信を笑っていた自分が、実は自分も「希望」という名の同じような偶像(手製の偶像)にすがっていることに気がついたから。」です。

ルントウが「香炉と燭台」という偶像をあがめたことを心の中で笑っていた私のもとへ「希望」という考えが浮かび、自分もルントウと同じようにまだ見ぬものにすがろうとしている矛盾に気づいてどきっとしました。

(第52段落)「今私のいう希望」=「手製の偶像」とは、具体的に誰が、どうなることを願っているものですか。最も適切なものを1つ選びましょう。

正解は「「私」だけが勝手に、若い世代が新しい生活をもつようになること(を願っている)。」です。

「手製の偶像」とは、「私」ひとりが価値があると信じて作り出した希望のことです。「若い世代」も「故郷の人々」も、「私」が勝手にそう願っているだけで、彼ら自身がそれを希望しているとは限りません。

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