「水にとけるって、どういうこと?」とピンと来なかったら、ココを読もう!

物は、水にいくらでもとけるの??
水にとかすことが出来る量って、限界があるの?
ところで、この「とけることができる量」って、決まっているのかな?
いくらでもとかすことって、出来ると思う??
たとえば、紅茶に角砂糖を1個とか2個ならキレイにとけると思うけど・・

さすがに砂糖ひと袋は無理だとしても、角砂糖だったら何個まで大丈夫なんだろう?
水に物がとけることができる量を調べてみよう!
学校の実験では、塩のほかに「ミョウバン」でも試してみるよ。

とかしたもの | とけることができた量 |
塩 | 18g |
ミョウバン | 6g |
塩と、ミョウバンでとけることができる量は違うんだね。
水にとけることができる量は、物によって違う!
これは5年生の教科書では習わないことなんだけど、「物が水にとける」ということをキチンと理解するとこれから先習うことももっと分かりやすくなるよ。
水よう液についての勉強は、6年生や中学でもっと難しくなるからね。
「物が水にとける」とは
「細胞」という言葉は知っているかな?
動物のからだは、小さな細胞がたくさん集まって形になっているんだ。
それと同じように、「物」も小さな部品が集まって出来ているんだ。
この小さな部品のことを、「原子」というよ。
この原子がいくつかペアになって、分子というグループを作っているんだ。
水とか塩も、分子のグループで出来ているよ。
水は、「酸素」と「水素」が分子のグループになって出来たもの。
例えば、「10gの水」は、約330000000000000000000000個の水分子で出来ているよ。
それならペットボトルのラベルとかで見たことあるよ。
そういう意味だったんだね!
塩は、「塩素」と「ナトリウム」が分子のグループになって出来たもの。

塩を作っている「塩素」と「ナトリウム」も、プラスとマイナスの関係で結びつきあっているんだけど、水の中に入れられると、バラバラに離れてしまうんだ。
こうやって、物を作っている分子グループがバラバラになって、水を作っている「酸素」と「水素」の分子グループがまわりを取り囲んでいる状態が「水にとけている」状態なんだよ。

水の中にある「酸素」や「水素」の数は決まっているので、この酸素や水素が取り囲むことができる数以上の分子グループがやってきてしまうと、「とかすことができなくなる」つまり、取り囲みきれなくなるということが「とけなくなる」ということなんだ。
物によって、それを作っているプラスとマイナスの分子メンバーは違うよ。
中には、複雑で大変そうな分子メンバーのものだっている。
そうすると、酸素と水素は「取り囲むのイヤだなぁ・・」となることもあるよ。
例えば、ミョウバンは複雑な分子のグループなので、「取り囲みづらい」んだ。
そうすると、同じ水の量でも、物によって「とけることが出来る量」も変わるというワケなんだね。
つまり、塩とミョウバンでは「水にとけることができる量」が違うのは、塩の分子メンバーは「取り囲みやすい」けど、ミョウバンの分子メンバーは「取り囲みにくい」からだよ。
水にとける限界って、変えられないの?
もっととかす方法①
「水の量をふやす」
ひとつは、「水の量をふやす」こと。
そうすると、結果はこうなるよ。
水の量 | 50ml | 100ml | 150ml |
塩 | 18g | 36g | 54g |
ミョウバン | 6g | 12g | 18g |
「とける」というのは、水の中に入れたものの分子が、水の中の「酸素」と「水素」に取り囲まれるから、と説明したよね。
水の中の酸素と水素は、決まった数しかいないんだよね。
じゃあ、もし酸素と水素がもっとたくさんいたらどうだろう??

だから、「水の量をふやす」と、水の中の酸素と水素の数も増えるから、物をつくっている分子をもっとたくさん取り囲むことができるようになって、「とけることができる量」も増えるということだね。
もっととかす方法②
水の温度を高くする
今度は、水の温度を20℃のものと、40℃のもの2種類を用意して、塩とミョウバンがどのくらいとけるかを試してみるよ。
結果はこうなるよ。
水50mlの温度 | 20℃ | 40℃ |
塩 | 18g | 18g |
ミョウバン | 6g | 12g |
水の温度を高くしたら、ミョウバンがとけることができる量は増えたね。
??でも、塩は水の温度を高くしても変わらないよ・・?
これも、水の中に入れたものの分子が、水の中の「酸素」と「水素」に取り囲まれることが「とける」ということと関係があるよ。
原子や分子は、「熱」によって「元気」になるんだ。
これは、熱をあたえられた水の中の分子たちが、すごく元気になって「液体」から「気体」に変身して水の中から外へ出ていっているんだ。
水の中の分子が元気になればなるほど、もっとたくさん「取り囲む」ことができるようになるんだ。
ミョウバンの分子メンバーは、「取り囲むのが大変」と説明していたよね。
でも、水の中の分子たちが熱によって元気になったので、「大変でも頑張る!」とたくさん取り囲めるようになったんだよ。
塩の場合は、もともと取り囲むのがそこまで大変じゃなかったし、じつは「取り囲むのがカンタン」ということは、「また逃げられてしまうのもカンタン」なんだ。
なので、水の中の分子が熱によって元気になったのはいいけど、元気がよすぎて動きが激しいので、せっかく取り囲んでいた塩の中の分子たちをカンタンに逃がすようにもなってしまうんだ。
その結果、熱のおかげで「もっと取り囲めるようになった」と「逃げられちゃった」の関係が同じくらいになってしまって、結局は「あまり変わらない」ということになってしまうんだよ。

だから、ミョウバンは水の温度が高くなればなるほど、「取り囲みやすくなる」効果だけですむんだね。
「取り囲みやすさ」はものによって違うと説明したよね。
だから、水の温度を高くしたときに「もっととけるようになるかどうか」も、ものによって違うんだよ。
5年生はココを押さえればOK!
まとめ
※赤いキーワードは必ず覚えよう!
・物が水に、とけることができる量は決まっている。
・決まった量以上はとけることができない。
・塩とミョウバンでは、同じ量の水にとかしたときは、塩の方がミョウバンよりも とけることができる量は多い。
・水の量をふやすと、物がとけることができる量も増える。
・水の温度を高くすると、物がとけることができる量が増えるものもある。
・ミョウバンは、水の温度が高くなると、とけることができる量も増える。
・塩は、水の温度が高くなっても、とけることができる量はほとんど変わらない
