【中1国語】「河童と蛙」意味・表現技法をわかりやすく解説
中学1年国語で学習する、草野心平の詩「河童と蛙」について、内容や表現の工夫をわかりやすく解説するよ。
この詩には、河童が月夜の沼で踊る様子や、不思議な響きの言葉、最後に響く蛙の声など、ちょっと変わっていて印象的な表現がたくさん登場するんだ。
くまごろう「河童と蛙」の作者は草野心平
「河童と蛙」の作者は、草野心平(くさの しんぺい)だよ。
この詩では、月夜の沼で踊る河童のにぎやかな様子から、やがて静かな世界へと変わり、最後に蛙の声が響くまでが描かれているんだ。
「河童と蛙」はどんな詩?
まずは、詩全体の流れをつかもう。
- 月夜の沼で、河童が水を跳ねさせながら踊っている
- 「るんるん」「るるんぶ」など、不思議な響きの言葉が繰り返される
- 河童の踊りが続くと、山が「息をのみ」、月も「じゃぼじゃぼ沸いている」と表現される
- 河童が突然、水の上に立つ
- 河童の歌が聞こえなくなり、沼が静かな様子へと変わる
- 最後に「ぐぶう」と蛙が一声鳴く
カンタンにいうと、にぎやかに動く河童の世界から、静まり返った世界へと大きく変化し、最後に蛙の一声が残る詩なんだ。
はじめの場面|月夜の沼で河童が踊る
詩のはじめでは、月夜の沼で河童が踊っている様子が描かれているよ。
河童の皿を月すべり。
じゃぶじゃぶ水をじゃぶつかせ。
かおだけ出して。
踊ってる。
最初から、とても不思議な世界だね。
「河童の皿を月すべり」という表現からは、河童の頭の皿に月の光が映ったり、その上を光がすべっていったりするような様子が想像できるね。
また、
じゃぶじゃぶ水をじゃぶつかせ。
という表現からは、水の音や勢いが感じられ、河童が元気よく踊っている様子が伝わってくる。
くまごろう「るんるん」「るるんぶ」などの不思議な言葉
この詩で特に印象に残るのが、何度も繰り返される不思議な響きの言葉だよ。
るんるん るるんぶ
るるんぶ るるん
つんつん つるんぶ
つるんぶ つるん
これらは、「この言葉は○○という意味」と、一つの意味に置き換えて理解するような表現ではないね。
むしろ、音の響きやリズムそのものによって、河童が踊っている感じや、楽しく不思議な雰囲気を生み出していると考えることができるよ。
「るんるん」「るるんぶ」「つんつん」「つるんぶ」と、似た音が繰り返されることで、読んでいるこちらまで踊りのリズムに巻き込まれるような感じがするんだ。
くまごろう「河童と蛙」で学ぶオノマトペ
教育出版では、この詩とあわせてオノマトペについて学習するよ。
オノマトペ
音や声、ものの様子や状態などを、音によって表す言葉。
教科書では、主に音や声を表した言葉を擬声語、主に様子や状態、気持ちなどを表した言葉を擬態語と説明しているよ。
そして、言葉によっては、擬声語とも擬態語とも受け取れる場合があるんだ。
「河童と蛙」では、例えば「じゃぶじゃぶ」や、最後の「ぐぶう」など、音の響きが場面を生き生きと感じさせているね。
また、「るんるん」「るるんぶ」「つるんぶ」なども、オノマトペのように、音の響きやリズムそのものが強い印象を与える言葉として味わうことができるよ。
ただし、教科書ではこれら一つ一つを「擬声語」「擬態語」と決めて分類しているわけではないので、無理にどちらかに分ける必要はないんだ。
河童の踊りに、周りの自然まで引き込まれていく
河童の踊りが続くと、詩の世界はさらに大きく広がっていくよ。
大河童沼のぐるりの山は。
ぐるりの山は息をのみ。
あしだの手だのふりまわし。
月もじゃぼじゃぼ沸いている。
注目したいのは、河童だけではなく、山や月など周りの自然まで、河童の踊りに引き込まれているように表現されているところ。
「ぐるりの山は息をのみ。」では、本来は人間ではない山が、まるで人間のように息をのむものとして描かれているね。
さらに、
月もじゃぼじゃぼ沸いている。
とある。
本当に月そのものが沸いているわけではないね。ここからは読み取りになるけれど、河童が激しく踊って水面が揺れ、そこに映った月まで「じゃぼじゃぼ」と動いているように見えたと考えることもできるよ。
くまごろう「立った。立った。水の上。」で場面が変わる
詩の途中で、河童の動きに大きな変化が起こるよ。
立った。立った。水の上。
河童がいきなりぶるるっとたち。
「立った。」を反復し、短く区切ることで、河童が突然立ち上がった驚きが強く感じられるね。
さらに、「いきなり」「ぶるるっと」という言葉からも、それまで続いていた踊りとは違う、突然の動きが伝わってくる。
「天のあたりをねめまわし」とは?
水の上に立った河童は、
天のあたりをねめまわし。
それから。そのまま。
と描かれているよ。
「ねめまわす」は、にらむように、あたりを見回すという意味。
それまで踊っていた河童が突然立ち、天のあたりをにらむように見回すことで、詩の雰囲気にも変化が生まれているね。
にぎやかな世界から、一気に静かな世界へ
その後、詩の雰囲気は大きく変わるよ。
もうその唄もきこえない。
それまで繰り返されていた河童の歌や踊りのリズムが、ここで聞こえなくなるんだ。
続いて、沼の底から泡がいくつか上がり、水面には月の様子がはっきり映るほど、静かな場面になっていく。
その中には、
兎と杵の休火山などもはっきり映し。
という、とてもユニークな表現も登場するよ。
「兎と杵」は、月の模様を餅をつく兎に見立てたものだね。
それを「休火山」と表しているのも面白いところ。ここからは読み取りになるけれど、河童のにぎやかな踊りが止まり、月の模様まではっきり映るほど水面が静まった様子を想像することができるね。
そして、
月だけひとり。
動かない。
と続くんだ。
少し前までは「月もじゃぼじゃぼ沸いている。」と描かれていたのに、今度は「月だけひとり。動かない。」。
この対比によって、河童が踊っていたときのにぎやかな動きと、その後の静けさが強く感じられるね。
詩全体の大きな変化
河童が踊っているとき
→ 水がじゃぶじゃぶ動き、歌やリズムにあふれている
→ 「月もじゃぼじゃぼ沸いている。」
河童の歌が聞こえなくなったあと
→ 水面が静まり、月の様子がはっきり映る
→ 「月だけひとり。動かない。」
この詩では、「動いている世界」から「静止した世界」へという大きな変化が作られているんだね。
その変化をはっきり感じさせるものの一つが、「月」の描かれ方だと考えることができるよ。
最後に蛙が「ぐぶう」と鳴く
詩の最後では、ここで初めてタイトルにもある「蛙」が登場するよ。
ぐぶうと一と声。
蛙がないた。
河童のにぎやかな歌が聞こえなくなり、月も動かない静かな世界に、「ぐぶう」という蛙の一声が響く。
この蛙の声によって、ただ静かになって終わるのではなく、最後にもう一つ印象的な音が残されるんだ。
しかも、題名は「河童と蛙」なのに、蛙が登場するのは最後なんだね。
くまごろう最後の「蛙」はどんな役割をしている?
教育出版の「みちしるべ」では、この詩の最後に登場する「蛙」が、作品の中でどのような役割を果たしているかを考えるようになっているよ。
ここは、「これだけが唯一の正解」という問題ではなく、詩の表現を根拠にして自分なりに考えるところだね。
考え方の例
- 河童のにぎやかな踊りが終わった後の静けさを強く感じさせる
- 最後に一声だけ鳴くことで、読者に強い印象や余韻を残す
- 河童の歌とは違う「蛙の声」を最後に置くことで、詩の世界を締めくくる
テストで記述するなら、本文の表現を根拠にしながら、例えば「河童のにぎやかな踊りが終わった後の静けさを強く感じさせ、詩の最後に余韻を残す役割」などと説明すると分かりやすいね。
反復や比喩にも注目しよう
教育出版の「みちしるべ」では、比喩や反復、詩の構成や表現の効果を捉えることも学習のポイントになっているよ。
「るんるん」「るるんぶ」などの反復
この詩では、「るんるん」「るるんぶ」「つるんぶ」など、同じ言葉や似た響きの言葉が何度も繰り返されているね。
このように、同じ言葉や表現などを繰り返すことを反復というよ。
反復によって独特のリズムが生まれ、河童の踊りが続いていく感じや、詩の楽しく不思議な雰囲気が強く伝わってくるんだ。
「ぐるりの山は息をのみ」は擬人法
「ぐるりの山は息をのみ。」では、本来は人間ではない「山」が、まるで人間のように「息をのむ」ものとして表現されているよ。
このように、人間ではないものを人間のように表現する方法を擬人法というんだ。
本当に山が息をするわけではなく、山までもが河童の踊りに驚き、思わず息をのんでいるように表現されているんだね。
周りの自然まで河童の踊りに反応しているような、不思議で大きな世界が感じられる表現だよ。
「河童と蛙」の表現の工夫
| 表現 | 表現の工夫・効果 |
|---|---|
| 「じゃぶじゃぶ」など | 音の響きによって、水の動きや河童の踊る様子を生き生きと感じさせる。 |
| 「るんるん」「るるんぶ」などの反復 | 独特のリズムを生み、河童の踊りが続く感じや、不思議で楽しげな雰囲気を感じさせる。 |
| 「ぐるりの山は息をのみ。」 | 擬人法によって、山までも河童の踊りに驚いているような世界を作り出す。 |
| 「月もじゃぼじゃぼ沸いている。」 | 河童の踊りによる激しい動きが、月にまで及んでいるような印象を与える。 |
| 「立った。立った。」 | 「立った。」を反復し、短く区切ることで、突然の動きと驚きを強調する。 |
| 「月だけひとり。動かない。」 | それまでのにぎやかな動きとの対比によって、静けさを強く感じさせる。 |
| 最後の「ぐぶう」 | 静かな場面に蛙の一声を響かせ、印象や余韻を残す。 |
「河童と蛙」の重要語句
| 語句 | 意味 |
|---|---|
| ぐるり | 周りを取り囲むように。一周するように。 |
| 息をのむ | 驚きや感動などで、一瞬息を止めること。 |
| ねめまわす | にらむように、あたりを見回すこと。 |
特に「息をのむ」は、「大河童沼のぐるりの山は。ぐるりの山は息をのみ。」という部分で使われているね。
本当に山が息をするわけではなく、山までもが河童の踊りに驚き、思わず息をのんでいるように表現されているんだ。
また、「ねめまわす」は、「天のあたりをねめまわし。」という部分に使われていて、河童がにらむように空のあたりを見回す様子を表しているよ。
「河童と蛙」の新出漢字
| 漢字 | 読み | 教科書にある例 |
|---|---|---|
| 沼 | ぬま | 沼地 |
| 踊 | ヨウ/おどる | 踊り・日本舞踊 |
| 沸 | フツ/わく | 沸騰・湯を沸かす |
| 唄 | うた | 長唄 |
| 泡 | ホウ/あわ | 気泡・泡だつ |
本文では、「大河童沼」「踊ってる」「月もじゃぼじゃぼ沸いている」「もうその唄もきこえない」「沼の底から泡がいくつかあがってきた」などの形で登場する漢字だよ。
くまごろう朗読するときのポイント
この詩は、黙読するだけでなく声に出して読むことで、音やリズムのおもしろさを味わいやすい詩だよ。
教育出版では、朗読するときに、どのように声に出して読めば作品の内容が聞き手に伝わるかを考えるようになっているよ。
- スピード……速く読む、ゆっくり読むなど
- 大きさ……ささやく声、大きく叫ぶような声など
- テンポ・間……間をあける、間をあけずに読むなど
- その他……一人で読む、複数で役割を分ける、繰り返して読むなど
例えば、「るんるん るるんぶ」の部分ではリズムを意識し、「月だけひとり。動かない。」では少し間を取るなど、詩の中の動きや静けさの変化が聞き手にも伝わる読み方を工夫するといいね。
くまごろう「河童と蛙」でテストに出やすいポイント
- 作者は草野心平。
- 詩の前半では、月夜の沼で河童が水を跳ねさせながら踊る様子が描かれている。
- 「るんるん」「るるんぶ」など、似た響きの表現の反復によって、独特のリズムが生まれている。
- オノマトペには、主に音や声を表す擬声語と、主に様子・状態・気持ちなどを表す擬態語がある。
- 「ぐるりの山は息をのみ。」では、山を人間のように表現する擬人法が使われている。
- 「月もじゃぼじゃぼ沸いている。」は、河童の踊りによる激しい動きを印象づける表現。
- 「立った。立った。」では、反復と短い区切りによって突然の動きが強調されている。
- 「月もじゃぼじゃぼ沸いている。」と「月だけひとり。動かない。」の違いから、動から静への変化を読み取る。
- 最後の蛙の一声が、どのような役割を果たしているか、本文を根拠に説明できるようにする。
- 朗読では、スピード・声の大きさ・テンポ・間などを工夫する。
- 重要語句の「ぐるり」「息をのむ」「ねめまわす」の意味を押さえる。
- 新出漢字「沼・踊・沸・唄・泡」の読み書きを確認する。
「河童と蛙」まとめ
「河童と蛙」は、月夜の沼で踊る河童の姿を、たくさんの音・リズム・反復を使って描いた詩だよ。
前半では「じゃぶじゃぶ」や「るんるん」「るるんぶ」などの響きによって、河童のにぎやかな踊りが感じられる。
山が「息をのみ」、月が「じゃぼじゃぼ沸いている」と表現されることで、周りの自然まで河童の踊りに引き込まれているような、不思議な世界が広がっていくんだ。
ところが後半になると河童の歌は聞こえなくなり、「月だけひとり。動かない。」という静かな世界へと大きく変わっていく。
そして最後に、蛙が「ぐぶう」と一声鳴いて詩が終わる。
意味だけを追うのではなく、実際に声に出して、音の響き、反復によるリズム、動から静への変化、最後に残る蛙の声を味わうことが、この詩を理解する大きなポイントなんだね。
くまごろうここまで学習できたら、「河童と蛙」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!
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【中学国語】「河童と蛙」本文・内容理解ドリル
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参考資料
- 教育出版 中学校国語教材 草野心平「河童と蛙」
- 教育出版「みちしるべ」
- 教育出版「オノマトペのはたらき」
運営者情報
檜垣由美子
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