「入射角と反射角」とは(光の屈折の仕組み)わかりやすく解説
入射角とは?反射角とは?光の屈折の仕組みがよくわからなくて覚えられない・・中学理科で学習する「光の性質」について、そんな苦手ポイントをイラストでとことんわかりやすく解説するよ。
目次【本記事の内容】
- 1.光の性質について
- 2.反射の法則について
- 3.光の屈折について
- 4.「みかけの像」について
- 5.光の性質まとめ
光の直進とは?
光の性質のキホン
「光の性質」の学習というのは、ズバリ「光ってどういう特徴を持っているのか?」とか、「光が〇〇すると、△△なことが起きるよ」というようなことを知ろう、というだけのことだよね。
「光の性質」なんて言われると苦手イシキいっぱいだったけど、そう考えると大したことじゃないね。
ではさっそく解説していくよ。
「光」って一体なんだろう?
中学理科「光の性質」では、光とは一体何か?までは学習しないんだけれど、せっかくなら「光とは何か」までしっかり理解したほうが、これから解説する光の特徴や法則などがもっと分かりやすくなるよ。
「光」は、「電磁波」のひとつなんだ。つまり、「波」なんだよ。
さらに、光は面白いことに「粒」としての性質ももっているよ。
みんなの目は光を受けとることで、「色」を感じるよね。
この「色」は、光の波1つ分の長さで変わるんだ。
色が変わる電球は、電球が出す波の長さを変えることで色を変えているんだね。
光は「粒」としての性質も持っているというのはどういうことかというと、「光」を物体に当てると、光の「粒」がその物体にぶつかったりして物体に影響を与えるということ.
たとえば、太陽から出る光(紫外線)が人間の肌に当たると、人間の肌は焼けたり、シミができたりするよね。
「光源」とは?
みんなの暮らしの中で、「光」ってとても身近なものだけれど、よく考えてみると「それ自体が光るもの」って限られているよね。
この「それ自体が光るもの」のことを光源と呼ぶよ。
光源は、さっき説明した「波」や「粒」を出すことができるものなんだね。
それ自体が光っているもの・・
太陽に、電球に、ろうそくの火・・あと月とか??
それが、月は実は「光ってはいない」んだよ。
月は、太陽の光が反射しているので、地球から見た時に黄色く光っているように見えるんだよね。つまり、月そのものは光っていないんだ。
だから、太陽の光があたらない部分は暗く見えなくなるので、三日月になったり形を変えるんだよね。
光の性質①
「光の直進」とは
「波」で「粒」でもある光は、基本的に「まっすぐ進む」性質を持っているんだ。
懐中電灯を使っているときをイメージしてみて。
懐中電灯から出た光がぐにゃぐにゃ曲がったら気持ち悪いよね。
この、光がまっすぐ進むことを「光の直進」というんだ。
ちなみに、理科の学習では光は→(矢印)で表されるよ。
光の性質②
「光」は、物を通り抜けたり、吸収されたり、はね返ったりする
光は透明な物体を通り抜ける
太陽の光は、窓ガラスを通り抜けて教室の中まで入ってくるよね。
光は、透明な物体を「通り抜ける」ことができるよ。
光は物体に吸収される
真夏に黒いアスファルトを触ると、熱くなっていたりするよね。
これは、黒いアスファルトが光(遠赤外線)を吸収して、熱エネルギーをもつからなんだ。
このように光は、物体に「吸収」されたりもするんだ。
光は物体に当たると、はね返る(反射)
光は、物体に当たったとき、その表面ではね返ったりするんだ。
(「完全に黒い色の物体だと、はね返らない」などの例外もあるよ)
こうやって光がはね返ることを、「光の反射」というよ。
さっき説明した、「月が光っているように見えるワケ」もこの「光の反射」が原因だよね。
ちなみに、みんなの目は、「光を網膜で受け取って、像を読み取る」という方法で「ものを見ている」んだ。
なので、「光っている」ものは見ることができるよね。
逆に、「光っていないもの」は本来見ることはできないということ。
でも、実際はみんな「光っていないもの」も見ることができているよね。これはなぜかというと、光が物体に当たって、はね返って、そのはね返った光がみんなの目に届いているからなんだ。
もし光が反射する性質をもっていなかったら、光っているもの以外は何も見えない世界になっちゃうところだったね・・・
中学理科の光の性質では、この「光の反射」についてくわしく学習することになるよ。
反射の法則とは?
入射角と反射角
入射角・反射角とは
光は、物体に当たると反射すると説明したよね。
光が物体に当たる時の角度を「入射角」というよ。
そして、反射していく時の角度を「反射角」というんだ。
この入射角と反射角、
どこの部分のことだったかいつも自信がなくなってニガテなんだ・・
つまずきポイント①
入射角がどこだったか分からなくなる
「入射角」には「射」という漢字が使われているよね。
たとえば、「的」と「射る人」を思い浮かべてみよう。
これから的を射るには、どこに立つかな?
もちろん、的に対して真っ直ぐ(垂直)に立つよね。
的に並行して射ようとする人なんていないよね。
「入射角」は、その基本になる「垂直」から、どのくらい角度をつけて射るのか、と考えてみよう。
反射角は、「跳ね返る」のだから、入射角と反対側になることをイメージすれば問題ないよね。
反射の法則とは
入射角と反射角がわかれば、もうカンタン。
光が物体に当たって反射するとき、入射角と反射角は必ず同じ角度になるんだ。
それを「反射の法則」と呼ぶだけだよ。
【反射の法則】
入射角=反射角
光の屈折とは
光は、基本的にまっすぐ進むと説明したよね。
「基本的に」なんてワザワザ言ったということは、そう、光は折れ曲がることがあるんだ。
この「光が折れ曲がって進む」ことを「光の屈折」というよ。
どういうときに折れ曲がるかというと、空気中を進んでいた光が、水の中や厚いガラスなんかを通る時、逆に水の中や厚いガラスから空気中に出てくるときなどに、光はまっすぐ進まずに折れ曲がるんだよ。
つまり、「ある物質」から「違う物質」を通るときに、光は屈折するんだね。
入射角と屈折角
光は、ある物質から違う物質を通るときに屈折するんだよね。
この「ある物質」から「違う物質」に入る時の角度が入射角だよ。
このときもやっぱり、「物質に対して垂直な線からどのくらい角度があるか」で考えるよ。
屈折角は、光が物質同士の境目を越えて進んでいく時の角度。
これもやっぱり垂直な線からどのくらい角度があるかで考えてね。
つまずきポイント②
どう曲がるのかが覚えにくい!
この屈折もニガテだなぁ。
そもそも、どうして光は曲がるの?
それに曲がるときの入射角とか屈折角がどうなるかが覚えにくくて・・!
次のように考えてみると分かりやすいし、覚えられるよ。
ここでイメージしてほしいのは、「手を繋いだ双子」。
双子だから、2人の歩くスピードは全く同じだよ。
2人が、手を繋ぎながら歩いていくんだ。これを光の直進として考えてね。
もともとは空気中を歩いていた2人だけど、水や厚いガラスの中は、空気よりも歩きにくいよね。その分、歩くスピードが遅くなるんだ。
これをふまえて、それぞれ考えてみるよ。
空気中→水中(厚いガラス)を進むとき
入射角があるせいで、手を繋いだ双子のうち1人だけが先に「進みづらいエリア」に入ることになるんだ。
その1人がモタモタしてしまっているのに対して、もう1人はまだ「進みづらいエリア」に入ってはいないから、そのままのスピードで進んでる。
だから曲がるんだよ。
やがて、もう1人も進みづらいエリアに入ったら、また2人が同じスピードになって真っ直ぐ進むようになるというわけ。
入射角>屈折角になる!
この状況を入射角と屈折角で表すとこうなるよ。
光が「進みやすいエリア」から「進みにくいエリア」の境目を通る時に曲がることで、入射角と屈折角には差ができるね。
光は境目から遠ざかるように曲がるので、入射角と屈折角を比べると、入射角の方がおおきくなるんだよ。
水中(厚いガラス)→空気中を進むとき
出る時は反対のことが起こるよ。
やっぱり入射角があるせいで、今度は1人だけが先に「進みやすいエリア」に入ることになるんだ。
まだもう1人が「進みづらいエリア」でゆっくりしたスピードで歩いているのに、もう1人がサッサとスピードを速くしてしまう。
だから、やっぱり曲がってしまうんだよ。
そして2人とも「進みやすいエリア」に入ったら、またまっすぐ進みはじめるというワケだね。
今度は光が境目に近づくように曲がるので、入射角と屈折角を比べると、屈折角の方がおおきくなるんだよ。
全反射とは
全反射とは、光がある物質から他の物質へ進もうとするときに、入射角がある角度よりも大きくなってしまうと、境目で反射してしまって結局、他の物質に進むことができなくなる現象だよ。
どうしてそんなことが起こるかというと、これも双子の例で考えてみよう。
入射角が大きすぎると、1人が「進みやすいエリア」に入ったのに、もう1人がまだ「進みづらいエリア」にいる時間が長くなってしまうんだ。
なので、「進みづらいエリア」にいる1人がずーっとモタモタしている間に、「進みやすいエリア」を進んでいた方が進みすぎてしまってUターンして戻ってきてしまうイメージ。
なので、この現象は必ず「進みづらい物質」から「進みやすい物質」に光が進むときに起こるよ。(例:水中→空気中・厚ガラス→空気中など)
見かけの像とは?
屈折した光を見るとどうなる?
屈折した光を見るとどうなるかな?
光が物質の境目を通るときに、屈折してしまうことで、もともと光が進んできた道とはズレができてしまうんだよね。
でも、目で光を受け取った脳は、その光は「まっすぐ進んできた」と思い込むんだ。
なので、脳の考える「光が来たもと(見えるもの)」と、本当の「光が来たもの(実際の物体など)」の位置にズレができてしまうんだ。
「光の性質」
まとめ
- みずから光を出す物体を「光源」という
- 光がまっすぐ進むことを「光の直進」という。
- 光が物体に当たってはね返ることを「光の反射」という。
- 光が物体に当たるとき、物体に対して垂直な線と当たる光がつくる角度を入射角という。
- 光が物体に当たり反射するとき、物体に対して垂直な線と反射する光が作る角度を反射角という。
- 光が反射するとき、入射角と反射角は等しくなる。(反射の法則)
- 光が種類の違う透明な物質に斜めに進むとき、物質の境界面で光は折れ曲がる。(光の屈折)
- 光が種類の違う透明な物質に斜めに進むとき、境界面に垂直な線と屈折した光が作る角度を屈折角という。
- 空気中→水中(ガラス中)を進むとき、入射角>屈折角となる。
- 水中(ガラス中)→空気中を進む時、屈折角>入射角となる。
ここまで学習できたら、「光の性質」の定期テスト対策練習問題にもぜひチャレンジしてみよう!
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
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すぉるぇぬぁ(それなという意味です)
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わかりやすい!
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わっかりやすっ!
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冬休み明けに復習テストがあるので、ほんとに助かりましたっ!!!!
イラストを交えて教えてくださるので、忙しいときでもササッと復習できます✨✨
これからも分かりやすい解説、よろしくお願いします -
イラストがわかりやすくて、助かりました!ありがとうございます
例えがあってわかりやすい