共通テストの国語ではどんな問題が出る?解き方と対策まとめ
大学受験を行う際に「共通テスト」を受けるという受験生が多くなっています。
その中でも「国語」という教科は多くの大学、学部で必要とされる重要な科目です。 そこでここでは共通テストの国語とはどういったものか、問題構成や時間配分、過去問の傾向などについて幅広く紹介していきたいと思います。
共通テストの国語の構成について
まずは共通テストの国語の問題構成について紹介していきます。
国語は「現代文2題」「古文1題」「漢文1題」という構成になっており、それぞれが50点の配点で合計が200点、つまり「現代文100点」「古文50点」「漢文50点」という配点となっています。
各年度ごとに平均点は以下のようになっています。
- 2022年:110.26点
- 2021年:117.51点
- 2020年:119.33点
- 2019年:121.6点
- 2018年:104.7点
- 2017年:107.0点
- 2016年:129.4点
- 2015年:119.2点
年度によって多少のズレはありますが、近年は110~120点前後で推移しています。
共通テストの国語の時間配分について
共通テストの国語は4つある大問を「80分」で解いていくこととなります。
だいたいの目安としては以下のようになります。
- 現代文(評論文) 20~25分
- 現代文(物語文) 20~25分
- 古文 15~20分
- 漢文 10~15分
- 見直しとミス確認 5分
ほどとなります。
どれが得意かによって少しズレすことはだいたいの目安としてはこういった感じになります。
現代文は配点が高く、設問数も多くなっています。
そのため、ここに多くの時間がかかることとなりますし、それだけ慎重に解かなくてはいけません。
逆に古文と漢文にはそれほど時間はかけたくはありません。
共通テストに出題される古文と漢文は基本的な問題が多く、基礎がしっかりとできている受験生であればそれほど苦労することなく答えることができるようになっています。
基礎の古文単語、古文文法などができているのであれば問題ないでしょう。
共通テストの国語を解いていく順番と細かいコツについて
近年の日程を見ていると共通テストの国語は「初日の午後1つ目」の時間割で実施されています。
初日の午前中には世界史などの社会科の科目がありますので、多くの学生は先に社会のテストを終えて昼休憩を挟んだ後に国語の試験を受けることとなります。
そのため、エンジンのかかりが遅いタイプの受験生は注意が必要となります。
そういった受験生は先に「古文」「漢文」から解いていくことが良いでしょう。
古文や漢文の方が時間がかからないことから、先に解いてしまった方が時間調節がしやすいということもありますし、エンジンがかかってから現代文の長文に取り掛かった方が解きやすいということがあるためです。
特に9割以上の正解を目指す場合などはほとんど問題を落とすわけにはいかないため、こうして慎重に取り掛かることをおすすめします。
逆に国語は7割程度の正解率で良いという場合には「現代文」「古文」「漢文」の中で得意な部分で確実に点数を取るという方法もあります。
古文や漢文は単語も覚える量が少なく、限られた勉強時間でも集中的にやりこめば点数が取れる単元です。
他の教科との勉強時間の兼ね合いがある場合は、こうして得意な分野に絞るという方法もあります。
共通テストの国語で古文・漢文を受けない場合とは
共通テストの国語は「現代文」「古文」「漢文」から構成されていますが、受験を希望している大学によって、もしくは学部によっては「現代文のみ」が必要となる場合があります。
ここでは現代文のみを受ける場合、古文や漢文を受けない場合の概要とメリットについて紹介していきます。
試験時間は変わらず「80分」である
現代文のみを受験した場合でも古文や漢文を合わせて受けた場合でも試験時間は変わらずに「80分」です。
そのため「現代文のみ」が必要な場合は現代文に80分をかけて解くということも可能となるのです。
「現代文と古文のみ」が必要な場合はそこに80分をかけて解くことが可能です。
この場合のメリットはやはり「時間を多く使える」ということになるでしょう。
特に現代文を解くのに時間がかかる、国語がそれほど得意ではないといった受験生はすべてを解答する場合には時間が足りないということがあります。
そうしてどれも中途半端になってしまったり、解答することができないまま時間切れになってしまうということがあるのです。
しかし現代文のみに集中できるのであれば時間が足りないということはなくなるでしょう。
もちろん受験勉強をする際にも「絞って勉強する」ということが可能になるので勉強しやすくなります。
古文や漢文を解いておくと受験できる大学の幅は広がる
現代文のみを解くということにもメリットはあるのですが、やはり古文や漢文を解いておくことにもメリットがあります。
この後に現代文のみで受験することができる大学を紹介しますが、古文や漢文も解いておくとそれだけ受験することができる大学の幅が広がります。
特に途中で受験校を変更する、追加するといった場合に古文や漢文を受験していないことが致命傷となる場合もあります。
よほどの事情がない限りは古文や漢文を受けておく方が安全だと言えるでしょう。
首都圏で現代文のみで受験することができる大学や学部の紹介
ここでは現代文のみで受験することができる大学や学部を紹介していきます。
ただ、受験科目は変更になる場合もありますので、詳細はそれぞれの大学の公式サイト、募集要項で確認するようにしましょう。
- 慶應義塾大学:経済学部・文学部・法学部・商学部・情報政策・環境情報
- 東京理科大学:経営学部の一部の学科
- 青山学院大学:文学部の英米文学科・経済学部
- 立教大学:経営学部・コミュニティ福祉学部・現代心理学部の共通テスト利用入試
- 中央大学:国際経営学部・国際情報学部
- 法政大学:T日程(統一日程)、A方式での経済学部・社会学部・現代福祉学部・スポーツ健康学部
- 成城大学:経済学部・法学部・社会イノベーション学部/A方式3教科
- 獨協大学:全学部
共通テストの過去問に挑戦して問題に慣れよう
最後に2023年の最新の共通テストを使って問題の傾向や解き方の目安について紹介していきます。
問題文については「朝日新聞デジタル」に掲載されていますので、そちらを参考にしてください。
参考サイト 朝日新聞デジタル:https://www.asahi.com/edu/kyotsu-exam/kamoku/kokugo/
第1問 評論
「ル・コルビュジエの建築における窓 」についての表論文を「文章Ⅰ」「文章Ⅱ」という形式で出題されています。
どちらも引用文や資料として写真が含まれており、共通テストで重視されている「情報を読み取る」という形式となっています。
また、この文章を読んでの生徒の会話という形式で空欄に入る適切な発言を選ばせるという問題も出題されています。
近年、「データを読み取る」「思考、推測して答える」という問題が増えていますのでこうした問題に慣れておく必要があります。
第2問 物語
「飢えの季節」(梅崎春生)の文章を使っての問題でした。
こちらはそれまでとあまり変わらない「心情を読み取る」という物語文らしい出題がなされています。
選択肢には「正解っぽい」「正解のようだが正解ではない」といった選択肢も混ざっていますので正確に答えを選ぶ力が必要となります。 基本的な物語文、小説文をやりこんでいれば十分に対応できるレベルでした。
第3問 古文
出典は歌論である「俊頼髄脳」で、一部に「散木奇歌集」からの引用がありました。
歌論から出題されることはあまりないのですが、和歌の引用については数年おきに出題されています。
古文については幅広い分野から出題される可能性があるので色々なジャンルの読解問題をやりこんでおくと安心です。
ただ、単語や文法についてはどんな分野でも解く際の基本となりますので必ず押さえておきましょう。
第4問 漢文
有名な詩人である白居易(白楽天)の「白氏文集」からの出題となりましたが、単語の意味や返り点、文章の内容読解といった例年通りの出題に加えて、「比喩」「空欄補充」などが出題されています。
こちらも単語の意味や訓点をしっかりと押さえておけば対応できる範囲です。
まとめ
共通テストの国語では「現代文」「古文」「漢文」から成り立っています。
時間配分に注意すること、古文や漢文で基礎を固めて確実に点数をとることなどを押さえておき、対応していくことが重要だと言えます。
運営者情報
ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。