「縄文時代」期末テスト対策ポイントまとめ
約1万3000年前〜約2500年前ごろまでの一万年続いた縄文時代。高校日本史「縄文時代」のテスト対策のための要点とポイントを解説。
イラストも使ってわかりやすくまとめています。
目次【本記事の内容】
- 1.縄文時代の日本列島
1-1.完新世とは
1-2.縄文時代の自然環境
1-3.大型動物から小型動物へ - 2.縄文文化
2-1.弓矢・石鏃
2-2.磨製石器・交易
2-3.土器
2-4.貝塚
2-5.骨格器
2-6.丸木舟 - 3.縄文時代の生活
3-1.住居
3-2.風習
3-3.信仰(アニミズム) - 4.まとめ
縄文時代の日本列島
完新世の始まり
約1万年前、地球では氷河時代の中で寒冷な気候の期間のこと。氷河が発達する。氷期が終わって温暖化が始まったよ。
※背景に色のついた言葉は、クリック(タップ)するとくわしい意味が表示されるよ。
この最後の氷期が終わってから現在までを、地質時代の区分で完新世と呼ぶんだ。
氷期が終わって温暖化になることで、地球上の氷河が溶けて海面が上昇したんだ。
海面が上昇したことで、日本列島が形成されたよ。
縄文時代の自然環境
日本の自然環境が温暖になったことで、東日本ではブナやナラなどの乾燥や低温の季節に合わせて葉を落とす広葉樹のこと。落葉広葉樹林や、西日本ではシイなどの冬になっても葉が落ちない広葉樹。照葉樹林が広がっていたんだ。
つまり、ブナやナラ、シイなどの木の実があらたに食糧として採れるようになったんだね。
大型動物から小型動物へ
完新世になって日本列島の自然環境が大きく変わったことで、それまでいたナウマン象やヘラジカなどの大型動物は絶滅してしまったんだ。
なのでその代わりに、シカやイノシシなどの小型動物が狩猟の対象となっていったよ。
縄文文化
日本列島の自然環境が変わったことで、人々の生活の仕方もそれに合わせて変化していったんだ。
そうして、これから説明する縄文文化が生まれていったよ。
弓矢
大型動物が絶滅して、小型動物が狩猟の対象になると、人々は狩りのときに弓矢を使うようになったんだ。
なぜなら、小型動物は動きが早いから、斧やヤリで直接攻撃するよりも、遠くから狙える弓矢の方が捕まえやすいからだね。
弓矢の弓矢の先端に取り付けて、獲物に突き刺さるようにした部分のこと鏃には、石を材料に作られた石鏃が使われていたよ。
磨製石器・交易
旧石器時代の石器は、ただ石を打ち欠いただけの打製石器だったよね。
それに比べて縄文時代に使われた石器は、石器を研ぎ石や砂などで磨きあげて、刃の切れ味をよくしたりしているんだ。
このような石器を磨製石器と呼ぶよ。
弓矢の石鏃などには、黒曜石なども使われたよ。
黒曜石は、北海道の十勝や長野県和田峠などで産出される火山岩で、ガラスのように鋭い切れ味を持っているんだ。
採れる場所が決まっているはずの黒曜石が、日本の広い範囲での遺跡から見つかっていることから、縄文時代の人々はお互いの品物を交換したり売買したりする交易を行っていたと考えられているよ。
土器
日本列島の自然環境が変わり、温暖な地域ではブナやナラ、シイの実などが採れるようになったよね。
けれど、これらの木の実の中にはアクが強すぎてそのままでは食べられないものもあったんだ。
そのような食料を、うまく食べられるように縄文時代では土器が発達していったよ。
木の実を煮ることでアクを抜いたり、貝をスープとして煮込んだり、食材を貯蔵したりすることができるようになって食べられるものが増えたんだ。
縄文時代の土器には縄目の文様があるから、縄文土器と呼ばれるよ。
これは大森貝塚を発見したアメリカの動物学者のモースが名付けたんだ。
貝塚
貝塚とは、当時の人々が食べ物のカスなどをごみとして一箇所にまとめて捨てていたことによってできた遺跡のこと。
貝塚を調べることで、当時の人々が何を食べていたかなどが分かるんだ。
骨角器
完新世になって温暖になると、氷河が溶けて海面が上昇したので、日本列島にはたくさんの入り江ができたんだ。
それに合わせて、縄文時代には魚や貝などの水産物をとること。漁労が発達したよ。
魚をとるための釣り針やもり、やすなどには動物の骨や角が使われたんだ。
これらの道具のことを骨角器と呼ぶよ。
他にも泳いでいる魚を捕まえるための刺し網では、網を固定させるために石錘と呼ばれる石のおもりなんかも使われたよ。
丸木舟
釣りをするときや移動するときには、丸木の中を焦がしたあとに、石斧で削って作った丸木舟なども使われていたよ。
縄文時代の生活
縄文時代の代表的な遺跡は青森県にある三内丸山遺跡。
三内丸山遺跡では当時の人々の住居や、お墓、貯蔵穴などの生活の様子がわかるものがたくさん発見されたんだ。
竪穴住居
縄文時代の人々の住居は半地下式で、中央にいろりのこと。炉がつくられていたよ。
このような住居を竪穴住居と呼ぶよ。
ひとつの竪穴住居で一世帯がくらしていたんだ。
ちなみに、集落の竪穴住居はそれぞれ大きさなどに差がないことから、縄文時代の人々の間には貧富の差が無かったと考えられているよ。
風習
遺跡のお墓から見つかった人骨などを研究した結果、縄文時代の人々の間では抜歯や屈葬などの風習があったことが分かっているよ。
抜歯とは、成人した男性の前歯や犬歯を抜く儀式のこと。生まれてから死ぬまでの間の、誕生・成人・結婚などの重要な節目に行われる儀式のこと通過儀礼だったと考えられているよ。
身体の一部を犠牲にすることで、身体の他の部分の安全を祈ったのではとか、他の集団と結婚するときの儀式だったのではという説などがあるよ。
抜歯の他にも、上の前歯4本を石器で削ってフォークのような切れ込みを入れる叉状犬歯というものも見つかっているよ。
集団のリーダーやシャーマンなどの特別な役割の人物である証だったと考えられているよ。
屈葬とは、亡くなった人の右手・左手・右足・左足のこと。四肢を折り曲げて埋葬まいそうすること。
- 死者の魂が生きている人々に危害を加えたりしないようにするため
- 胎児の姿を真似した(母なる土にかえる)
- 大きな穴を掘らずにすむから
信仰(アニミズム)
遺跡からは、女性をかたどった土偶、男性を象徴する石棒など発見されているよ。
縄文時代の人々は、自然物や自然現象に人間でははかり知ることのできない神や仏などの不思議な力のこと霊威を感じ取るアニミズムを持っていたと考えられているんだ。
- 子供を産むことができる女性を神秘と感じて、植物や動物の豊かさを願うため
- 土偶の身体の一部を壊すことで、病気や災害を土偶に転嫁させるためなど
高校日本史「縄文時代」
まとめ
- 完新世になり、温暖になることで日本列島が形成された
- 落葉広葉樹林や照葉樹林が広がり、食生活が変化した
- 大型動物が絶滅し、小型動物が狩りの対象となった
- 小型動物を狩るために、弓矢を使うようになった
- 食生活の変化に合わせて、縄文土器が発達した
- 石を磨きあげて作る磨製石器や、黒曜石などが使われた
- ゴミ捨て場であった貝塚を調査することで、当時の食生活がわかる
- 骨角器と呼ばれる釣り針やモリ・ヤスなどが漁労で使われていた。
- 漁労や移動には丸木舟が使われていた。
- 縄文時代の代表的な遺跡は青森県の三内丸山遺跡。
- 縄文時代の人々は竪穴住居に住んでいた。
- 通過儀礼として、抜歯が行われていた。
- 自然物や自然現象に霊威を感じ取るアニミズムをもっていた
ここまで学習できたら、高校日本史「縄文時代」のテスト対策練習問題のページにチャレンジしよう!
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ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
とってもわかりやすいです!
定期テストが不安だったのですが、これを見てプリントを復習したら高得点が取れる気がします。
ありがとうございます!!!