炎色反応の覚え方は?(語呂合わせ)炎色反応一覧と原理まとめ
高校化学で学習する「炎色反応」について、炎色反応とは何か、どうして起こる現象なのか(炎色反応の原理)、学校で行う炎色反応の実験の概要を解説しているよ。
炎色反応をまとめた一覧表と、覚えやすい語呂合わせを紹介。
炎色反応は大学受験でも出題される可能性が高いので、しっかりマスターしよう!
身近な炎色反応もまとめているので、自由研究の参考としても役立ったら嬉しいな。
目次
炎色反応とは
炎色反応とは、かんたんに言うと「金属を燃やした時に、金属によって違う色の炎が出る」反応のこと。
「炎の色」というと、「赤」というイメージがあるよね。
でも、実は炎にも黄色・緑・紫など色々な色の炎があるんだ。
金属を燃やすと、その金属によって「黄色・緑・紫・赤」など色々な色の炎が放出されるんだよ。
高校化学では、主に7種類の金属と、その金属が燃えるときに放出される炎の色を覚える必要があるんだ。
覚えるべき7種類の金属は、
「リチウム」「ナトリウム」「カリウム」「銅」「カルシウム」「ストロンチウム」「バリウム」の7種類。
それぞれの金属が放出する炎をの色をイラストでまとめたよ。
炎色反応一覧表(語呂合わせと覚え方)
高校化学では、金属と、その金属が燃えるときに放出する炎の色を覚えなければいけないのだけれど、そのまま覚えるのはちょっと大変だよね。
なので、炎色反応を覚えるための語呂合わせを紹介するよ。
元素記号 | 物質名 | 炎色反応 | 語呂 |
---|---|---|---|
Li | リチウム | 赤 | リアカー (Li 赤) |
Na | ナトリウム | 黄 | なき (Na 黄) |
K | カリウム | 紫 | K村 (K 紫) |
Cu | 銅 | 緑 | 動力 (銅 緑) |
Ca | カルシウム | 橙(だいだい) | 借りるとう (Ca 橙) |
Sr | ストロンチウム | 紅 | するもくれない (Sr 紅) |
Ba | バリウム | 黄緑 | 馬力で行こう (Ba 黄緑) |
「リアカーなきK村、動力借りるとうするもくれない。馬力で行こう」。
イメージとしては、リアカーがない「K村」というところで、何かを運ぼうと思って、車か何かを持ってきたんだよね。でもいざ車を動かそうと思って動力(機械を動かすためのエネルギー。この場合ならガソリンとか?)を借りようとしたんだけど、K村の人々は誰も貸してくれなかった。
しかたないので、馬を連れてきて、馬力で運んで行こう、という状況だね。
「借りるとう」の「とう」がすこし覚えにくいかな。
覚えにくかったら、「動力を借りようとしている」のが「お父さん」だというイメージをしてみて、「借りる父(とう)さん」でも良いかもしれないね。
「馬力で行こう」が「黄緑」というのもちょっと難しいね。
「馬力(ばりき)」を、「馬力(ばりょく)」と読むことで、「緑(りょく)」、「行こう」の「こう」から「黄(こう)」を思い出せるようにしておこう。
炎色反応の実験
炎色反応は、物質にどんな金属元素がふくまれているかを調べるときに利用する方法の1つだよ。
特に、水溶液にふくまれている金属元素を特定するために利用することが多いね。
炎色反応の実験のやり方を2つ紹介するよ。
白金線を使う実験
金属元素を含んでいる水溶液を、きれいな白金線(はっきんせん)に少量つけてから、ガスバーナーの外炎に入れるんだ。
このとき、たとえば炎が黄色くなったらナトリウム(Na)がふくまれていて、炎が緑色になったら銅(Cu)がふくまれているということがわかるというわけだね。
炎色反応は、水溶液にふくまれている金属元素の量が微量でも、はっきりと反応が起こるんだ。
だから、複数の水溶液で実験するときは、白金線を蒸留水で洗ったあと、さらに濃い塩酸でくり返し洗って、炎に色がつかないことを確認してから次の実験をする必要があるので注意しよう。
蒸発皿を使う実験
金属元素を含んでいる水溶液を、それぞれ別々の蒸発皿に取って、エタノールを加えて混ぜるんだ。
蒸発皿の中に出来上がった混合溶液に点火をすると、蒸発皿の中で燃えるので、それぞれの炎の色を観察できるよ。
炎色反応の原理
金属を燃やすと、それぞれ違った色の炎が放出されるなんて、不思議だよね。
炎色反応の原理をかんたんに説明するよ。
金属を作っている原子には、原子核とそのまわりを回っている電子があるよね。
金属が燃やされると、原子核のまわりの決まった場所を回っている電子が、熱エネルギーを吸収して「もともと回っていた場所」から別の場所まで動くんだ。
そして、吸収したエネルギーを「光」として放出して、またもとの回っていた場所まで戻るんだよ。
そのとき放出される「光」の波長が、金属によって違うんだ。
「光の波長」によって、色は変わるよね。
だから、金属によって放出される炎の色が変わるというわけだね。
ちなみに、ナトリウムやカリウムなどは目に見える光(可視光線)を出すから炎色反応が観察できるんだけど、
紫外線や赤外線などのように見えない光を出す場合は炎色反応を示さないんだ。
自由研究にも!炎色反応が使われている身近なもの
炎色反応を利用したり、炎色反応が起こっている身近なものを一覧表にまとめたよ。
ぜひ、炎色反応を自由研究でまとめるときの参考にしてね。
- 花火: 花火は異なる化学物質を燃焼させて様々な色の光を出すため、炎色反応の原理を利用しているよ。たとえば、ストロンチウムは赤、カリウムは紫、銅は青、バリウムは緑などの色を放出するんだ。
- ガスコンロの炎: ガスコンロの炎の色が青いのは、天然ガス(主にメタン)が酸素と完全燃焼しているからだよ。もし炎が黄色くなった場合、完全燃焼していない可能性があり、注意が必要なんだ。
- キャンプ用のランタン: 一部のキャンプランタンでは、マントルという布製の部品を燃焼させることで発光するよ。このとき、炎色反応によって特定の色の光が放出されることがあるんだ。
- 金属の特定: 身近ではないかもしれないけれど、鉱業や工業での金属の同定にも炎色反応が利用されることがあるよ。
- ストリートアーティストやエンターテイナー: 一部のストリートアーティストや舞台エンターテイナーは、炎の色を変える化学物質を使用して視覚的なエフェクトを追加することがあるよ。
- 安全マッチ: マッチの先端に含まれる化学物質が炎と反応して特定の色を放出することがあるよ。
- ガラス吹き: 一部のガラス製品は、色を付けるために特定の金属塩を使用してるよ。これらの金属塩は加熱時に炎色反応により特定の色を放出することがあるんだ。
- 宝石の鑑定: 一部の宝石や鉱石は、炎の中で加熱されると特有の色を放出するよ。この反応を利用して、宝石の種類や純度を鑑定することがあるよ。
- セラミックや陶器の製造: 特定の色を持つ釉薬やエナメルを作成するためには、炎色反応を利用して金属塩を燃焼させることがあるよ。
- ライトスティック: 一部のライトスティックは化学物質の反応で光を放出するんだけれど、この中には炎色反応の原理に基づいて色を放出するものもあるんだ。
- 特定のキャンドル: 色を変える特性を持ったキャンドルも市場に出回っており、燃焼時に炎色反応を利用して特定の色を放出するよ。
- 火の手品: 魔法使いや手品師が使用する火を使ったトリックで、炎の色を変えるものがあるよ。これには炎色反応が利用されることが多いんだ。
炎色反応の利用例 | 説明・内容 |
---|---|
花火 | 異なる化学物質を燃焼させて様々な色の光を出す。 |
学校の実験 | 試料を炎の中に入れて色の変化を観察する。 |
ガスコンロの炎 | 天然ガスが酸素と完全燃焼して青い炎を放出する。 |
キャンプ用のランタン | マントルを燃焼させて特定の色の光を放出する。 |
金属の特定 | 鉱業や工業での金属の同定に炎色反応が利用される。 |
ストリートアーティストやエンターテイナー | 炎の色を変える化学物質を使用して視覚的なエフェクトを追加する。 |
安全マッチ | マッチの先端に含まれる化学物質が炎と反応して特定の色を放出する。 |
ガラス吹き | 色を付けるために特定の金属塩を使用。加熱時に特定の色を放出する。 |
宝石の鑑定 | 宝石や鉱石は炎の中で加熱されると特有の色を放出する。 |
セラミックや陶器の製造 | 特定の色を持つ釉薬やエナメルを作成するために金属塩を燃焼させる。 |
ライトスティック | 一部は炎色反応の原理に基づいて色を放出する。 |
特定のキャンドル | 燃焼時に炎色反応を利用して特定の色を放出する。 |
火の手品 | 魔法使いや手品師が炎の色を変えるトリックを行う。 |
炎色反応 まとめ
- 炎色反応とは、金属が燃えるときに金属の種類によって放出される炎の色が変わる反応のこと
- 「リチウム=赤」「ナトリウム=黄色」「カリウム=紫」「銅=緑」「カルシウム=橙」「ストロンチウム=紅」「バリウム=黄緑」の7種類の金属と炎の色を覚えよう
- 語呂合わせは「リアカー無きK村、動力借りるとう するもくれない 馬力で行こう」
- 炎色反応を利用することで、水溶液に含まれている金属元素を判別することができる。
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
わかりやすかったです