高校現代社会「地球環境問題」原因と対策一覧テスト対策ポイント
高校「現代社会」のテスト対策にぴったりの地球環境問題一覧を紹介
地球温暖化をはじめ、多様な環境問題をわかりやすく解説。
テスト対策ポイント・理解を深めるための具体的な例も豊富に提供しています。
目次
地球環境問題とは(地球環境問題の一覧)
「地球環境問題」と言うとちょっと難しそうだけれど、シンプルに言うと、この地球上の自然全体の中で起きている問題のことだよ。
例えば、地球がだんだん暖かくなってしまう地球温暖化や、空にある大切なオゾン層が壊れてしまう問題、森林が無くなってしまったり、海が汚れてしまったり、色んな生き物が減ってしまうことなどなど、これらは全部、「地球環境問題」のひとつなんだ。
これらの問題は、人間の活動が原因で起きているんだ。
自然は、本当なら人間が出すゴミや汚れを自分できれいにする力(自然浄化力)を持っているんだけれど、その力じゃどうしようもなくなっちゃうくらい、人間が自然に負担をかけてしまっているんだよ。
これらの問題を解決するためには、「持続可能な社会」をつくることが必要なんだ。
「持続可能な社会」という言葉も難しそうだけれど、これはただ単に、「私たちが今楽しく暮らすだけでなく、未来の子供たちも同じように楽しく暮らせるような社会」のことだよ。
そのためには、お金をたくさん稼ぐことを考えるだけではなくて、自然に優しい生活を送ったり、自然の資源を大切に使ったり、自然を汚さないようにしたり、色んな生き物を守ったり、色々なことを同時に進めないといけないんだ。
地球環境問題の内容と原因・解決方法一覧
現代社会「地球環境のいま」で学習する重要な地球環境問題を、一覧にまとめたよ。
それぞれ、このあとくわしく解説するので、まずは大まかにどんな地球環境問題があるのかをつかもう。
環境問題 | 簡単な内容 | 主な原因 | 解決のための努力 |
---|---|---|---|
地球温暖化 | 地球の平均気温が上昇する現象。 | 二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの排出 森林伐採 石炭や石油の過度な使用 |
再生可能エネルギーの利用促進 温室効果ガスの排出削減 省エネルギー、省資源の推進 |
酸性雨 | 雨水が酸性になり、植物や建物に影響を与える現象。 | 石炭や石油の燃焼から生じる硫黄酸化物や窒素酸化物の排出 | 石炭や石油の使用削減 排出ガスの浄化技術の導入 |
オゾン層の破壊 | 地球を紫外線から守るオゾン層が薄くなる現象。 | フロンガスなどの有害物質の排出 | フロンガスなど有害物質の使用禁止・削減 |
森林破壊 | 過度な伐採や開発により森林が失われる現象。 | 過度な伐採 農地開拓 都市開発 |
持続可能な林業の推進 再植林の推進 森林保護法の制定 |
野生生物種の減少 | 生物種が絶滅の危機に瀕したり、個体数が減少する現象。 | 生息地の破壊 過度な狩猟・漁獲 異物種の導入 |
自然保護区の設立 絶滅危惧種の保護 狩猟・漁獲の規制 |
砂漠化 | 土壌が乾燥し、砂漠のようになる現象。 | 過放牧 適切でない農法 水資源の過度な利用 |
持続可能な農業の推進 適切な土地利用の計画 造林と緑化活動の推進 |
地球環境問題➀地球温暖化とは
「地球温暖化」は、つまり「地球が熱くなってしまう問題」の話のことだよ。なぜ地球が熱くなってしまっているのか、それがどうして問題なのか、理解することが大切だよ。
地球温暖化の原因は?
地球温暖化の原因は、大量の「温室効果ガス」。
空気の中に二酸化炭素やメタンなどの「温室効果ガス」が増えると、太陽から来る暖かさが温室効果ガスによって宇宙に戻りにくくなって、地球が暖かくなる「温室効果」という現象が起こるんだ。
この「温室効果」のおかげで、地球は暖かくて、生物が生きていけるよ。
だけど、工場などからこの「温室効果ガス」が大量に排出されると、温室効果が強くなりすぎてしまって、地球の気温をどんどん上げてしまっているんだ。
地球温暖化は何が問題なの?
地球がどんどん熱くなっていくと、気候が大きく変わったり、海が高くなったりして、全世界の生活に影響が出てくるから、これは大きな問題なんだ。
地球温暖化で気温が上がると、空気中に水分が増えて、雨がたくさん降るようになるんだ。そのせいで、洪水や大雨が増えてしまうんだよ(異常気象)。
また、気温が上がると雪も早く溶けて、それがまた洪水を引き起こす可能性もあるんだ。逆に、乾燥してる地域では、さらに乾燥が進んで、水不足や砂漠が広がるかもしれないんだ。
さらに、気温が上がると海の水温も上がって、それが氷を溶かして海の水位を上げてしまうかもしれないんだ。
海が高くなると、海辺の街や地低な地域が水浸しになったり、海辺の生き物たちの生活が大きく変わってしまうよ。
地球環境問題➁酸性雨とは
酸性雨とは何かというと、空気中にある二酸化硫黄や窒素酸化物という化学物質が雨と反応して、雨が酸性化してしまうことなんだ。
酸性雨の原因は?
この化学物質は工場や車、火力発電所の排ガスから出るもので、人間の活動によって大量に出ているんだよ。
酸性雨は何が問題なの?
なぜ酸性雨が問題なのかというと、酸性雨が生物や私たちの生活環境にいろんな問題を引き起こすから。
酸性雨は森林を含む植物にダメージを与え、森林の健康を害してしまうんだ。
たとえば、酸性雨によって土から植物が必要とする栄養が流されてしまって、植物が成長できなくなることもあるんだよ。
さらに、酸性雨が湖や川に降ると、水が酸性になってしまって、魚や他の水生生物が生きられなくなることもあるんだよ。
また、酸性雨は私たちの生活にも影響を及ぼすんだ。酸性雨は建物や銅像などの素材を侵食してしまうので、文化遺産が傷つくこともあるんだ。さらに、酸性雨が農地に降ると、作物の成長に悪影響を及ぼして、食べ物の生産に問題を引き起こすこともあるんだよ。
酸性雨の問題の解決方法
これらの問題を防ぐためには、化石燃料の使い方を見直して、再生可能なエネルギーをもっと使うなどして、二酸化硫黄や窒素酸化物の排出を減らすことが必要だよ。
地球環境問題③オゾン層の破壊とは
まず、オゾン層とは何かというと、地球の大気の中、特に成層圏に存在する一層のことを言うんだ。
オゾンは大気中の酸素分子が太陽の紫外線によって分解されたり、結合されたりして作られるんだ。それが集まってできるのがオゾン層。
オゾン層は、地球に届く紫外線の量をコントロールして、生命にとって有害な紫外線を吸収する役割があるんだ。
だけど、その大切なオゾン層が破壊されてしまっているんだ。
特に南極の上空でオゾンの量が減る現象は「オゾンホール」と呼ばれていて、それが大きな問題になっているんだ。
オゾン層の破壊の原因は?
では、なぜオゾン層が破壊されているのかというと、その一つの原因が「フロンガス」。
フロンガスは、冷蔵庫やエアコンの冷媒や、スプレーの推進剤として使われていたんだけど、大気中に放出されると成層圏まで上がって行って、紫外線の影響で分解されるんだ。その結果、オゾンを壊す物質ができてしまって、オゾン層が破壊され、地球に届く紫外線の量が増えてしまうんだよ。
オゾン層の破壊は地球の生態系にいろんな影響を与えるんだよ。紫外線が増えると、人間にとっては皮膚がんや白内障のリスクが上がるし、生態系にも影響が出て、プランクトンが減ったりすると海洋生態系が壊れる可能性もあるんだ。
オゾン層の破壊の解決方法は?
1987年に「モントリオール議定書」が採択されて、フロンガスの生産や消費が規制されたんだ。
それによってオゾン層の回復が進んでいるとも言われているけど、完全に回復するまでにはまだ時間がかかると予想されているんだ。
だからこれからも、持続可能な社会を目指すためには、オゾン層を守ることは重要なテーマとなっているよ。
地球環境問題④森林破壊と野生生物種の減少
「森林破壊」と「野生生物種の減少」は、地球環境問題の中でもとても深刻な問題。
熱帯林は地球上の森林の半分以上を占めているんだ。でも、これらの森林は急速に減っているんだよ。
森林の減少は大気中の二酸化炭素の濃度を増やし、地球温暖化を加速させるんだ。
そして、森林は多くの生物種が生息している場所でもあるんだ。
森林の破壊は、生物種の生息地を奪い、絶滅の危機にさらす可能性があるんだ。
それはただ生物の数が減るだけでなく、私たちの生活にも直接的な影響を与えるよ。なぜなら、森林は人間が食べる食べ物や薬、建材など、たくさんの資源を提供してくれているからね。
これらの資源は「遺伝資源」と呼ばれていて、人間の生活や科学研究に不可欠なんだ。
森林破壊の原因は?
森林破壊の原因は農地開拓や違法な木の伐採、人口の増加による都市化などさまざまなことが挙げられるよ。
森林破壊の解決方法は?
国際的な取り組みとして、「生物多様性条約」があるよ。
それによって、遺伝資源の保護と利用が調整されているんだ。
でも、熱帯林の減少が進む現在の状況では、これらの遺伝資源が失われてしまう可能性は無くなっていないよ。
地球環境問題⑤進行する砂漠化
「砂漠化」とは何かというと、自然や人間の活動によって、いつもは緑豊かな土地が、砂漠のようにカラカラになってしまうことだよ。
つまり、植物が育つための大事な土壌が、なくなってしまうんだね。
砂漠化が進むと困ることの一つは、作物が育たなくなって、食べ物が少なくなってしまうこと。これは、食料危機だけではなく、経済にも大きな影響を与えるよ。
もう一つは、様々な生物が住むことができなくなること。これは、生き物たちのバランスを壊してしまう可能性があるよ。
砂漠化の原因は?
砂漠化の一つ目の原因は、農地を使いすぎたり、牧草地を食べすぎたりすること。これは、土地を無理に使いすぎると、土の栄養がなくなって、乾燥してしまうんだ。
二つ目の原因は、森林をたくさん切り倒すこと。森林は、雨を吸収して土地を潤す役割があるんだけど、それがなくなると、土地がカラカラになり、砂漠化が進んでしまうんだよ。
砂漠化の解決方法は?
砂漠化を防ぐ解決方法の一つ目は、森を大切にすること。森は、土壌を守り、砂漠化を防いでくれる大事な存在なんだ。
もう一つは、農地をうまく使うこと。色んな作物を育てて、土壌を健康に保つんだ。
地球環境問題への国際的な取り組み
このように、今の地球環境にはさまざまな問題があるね。
これらの問題は、ただ一つの国や地域だけの問題ではないんだ。だから、全世界が一緒になって行動しなくちゃいけないんだよ。
今まで、これらの問題を解決しようと、いろいろな国際的な取り組みがおこなわれてきたんだ。
現代社会のテスト対策として重要になる国際的な取り組みを一覧にまとめたよ。
取り組みの名称 (英語での表記・略称) | 成立年 | 成立された目的 | 取り組みの内容など |
---|---|---|---|
国連人間環境会議(UNCHE) | 1972 | 環境問題と開発のバランスを見つけるための世界的な対話の開始 | ストックホルムで開催され、環境保護と開発の両立についての26原則を発表。また、UNEPの設立を推進。 |
UNEP | 1972 | 環境保護を推進し、開発と環境の持続可能な統合を促進する | 環境評価、環境法立案の支援、持続可能な開発のための教育と訓練を提供。 |
地球サミット (UNCED) | 1992 | 持続可能な開発のための国際的な協力と行動を促進する | リオデジャネイロで開催。”Agenda 21″という包括的な行動計画を採択し、持続可能な開発の政策・行動方針を確立。 |
気候変動枠組み条約 (UNFCCC) | 1992 | 温室効果ガスの排出を抑制し、気候変動の問題に取り組む | 国際的な気候変動対策の枠組みを提供し、各国が気候変動に対処するための取り組みを報告する場を提供。 |
地球温暖化防止京都会議 | 1997 | 温室効果ガスの削減目標を具体的に設定する | 各国が温室効果ガスの排出を削減するための目標を設定し、それに基づいて行動するための枠組みを提供。 |
京都議定書 | 1997 | 温室効果ガスの削減目標を法的に拘束力を持つ形で取り組む | 事前に設定された目標を達成するために、排出取引や共同実施、クリーン開発メカニズムなどのフレキシブルなメカニズムを導入。 |
環境、開発サミット (UNCSD) | 2012 | 持続可能な開発を推進するための国際的な取り組みを強化する | リオデジャネイロで開催され、総合的な持続可能性のための目標を設定し、その達成に向けた行動を促進。 |
パリ協定 | 2015 | 世界全体で気候変動に対処し、その影響を軽減する | 温室効果ガスの排出削減を通じて地球温暖化を2℃以下(可能ならば1.5℃以下)に抑制する目標を設定。各国が自主的に対策を定め、5年ごとにそれを強化することを約束。 |
炭素税 | 国や地域による | 温室効果ガスの排出を減らし、環境への影響を抑える | 石炭、石油、ガスなどの化石燃料の消費や排出に税金を課すことで、排出の抑制を図る経済的な手段。 |
1972年には、人々と地球の関係について話し合うために「国連人間環境会議」が開かれたよ。そこで初めて、地球を守ることが全世界の大事な仕事だとみんなが認識し、国連環境計画(UNEP)が作られたよ。
それから20年後の1992年、大きな会議「地球サミット」が開催されて、環境と経済の調和を図るための国際的な枠組みが確立されたんだ。
1997年には「気候変動枠組み条約」ができたんだ。この条約で、地球温暖化問題について、みんなでどう対策するかのルール作りをしたよ。例えば、各国が温室効果ガスの削減目標を設定することが求められたりしたんだ。
そして、おなじく1997年に「地球温暖化防止京都会議」で「京都議定書」ができたんだ。これは、先進国に対して、温室効果ガスを減らす義務を課したんだよ。
次に、2002年に「環境、開発サミット」が開かれて、地球を守りながら、みんなが豊かになる方法について話し合ったんだ。ここでは、持続可能な開発、つまり地球を守りながら経済も成長させるということが大切だと強調されたよ。
そして、最近の2015年には「パリ協定」ができたよ。この協定では、地球の平均気温があまり上がらないように、温室効果ガスをどれだけ減らすか、各国が自分たちで目標を立てることになったんだ。
さらに、地球を守るための具体的な方法として、「炭素税」が考えられてるんだ。これは、企業や人々が出す二酸化炭素の量によって税金を払う仕組みで、温室効果ガスを減らすことを目指しているんだよ。
これらの取り組みによって、地球を守るための行動が進められてきたよ。
自然との共生
「自然との共生」とは、自然と共に生きるということ。
自然のしくみのひとつとして「生態系」があるよ。
生態系とは、特定の場所に住んでいる生物たち、それらの生物が生きていくために必要な環境、そして生物同士や生物と環境がどう影響し合っているか、これら全てを包み込んだものなんだ。
この「生態系」はとてもデリケートで、ちょっとでも何かが変わると、それが生態系全体に影響を及ぼしてしまうんだ。
例えば、森をむやみに切り取ったりすると、そこに住んでいた生物の住むところがなくなってしまって、食べ物のつながりも壊れてしまうかもしれないんだ。だから、自然との共生を実現するためには、この生態系を大切に守っていくことが大事なんだ。
次に、地球を守るための倫理、それを「環境倫理」と呼ぶんだ。環境倫理とは、人間と自然がどう接するべきか、自然をどう利用するべきか、どう守るべきかについて考える学問分野なんだ。
この環境倫理を理解すると、自然との関係をもういちど考え直すことができるんだ。
自然は私たちの「所有物」じゃなくて、「パートナー」なんだ。その視点を持つことで、自然を大切に、守っていく行動ができるようになるんだ。
だから、自然との共生とは、「生態系を守る」ことと、「環境倫理に基づいて行動する」ことで実現できるんだよ。自然との共生は、自然だけを守るためじゃなくて、私たち自身の生活を豊かにし、持続可能な社会を作るための大切な要素なんだ。
ここまで学習できたら、高校現代社会「地球環境問題」のテスト対策練習問題のページにチャレンジしよう!
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。