中学地理で学ぶヨーロッパ州の自然環境について、定期テストで必要になる要点とポイントをまとめました。アルプス山脈・国際河川・フィヨルド・偏西風・北大西洋海流・ヨーロッパ州の気候についてわかりやすく解説。
目次【本記事の内容】
- 1.ヨーロッパ州の地形とアルプス山脈
- 2.国際河川とは
- 3.氷河とフィヨルドとは
- 4.ヨーロッパ州の気候
- 5.まとめ
ヨーロッパ州の地形とアルプス山脈
ヨーロッパは、ユーラシア大陸の西端に位置し、西は大西洋、南は地中海に面している。
アルプス山脈が東西につらなっており、ヨーロッパの自然環境はアルプス山脈を境におおきく南北にわけることができる。
ヨーロッパ州はどこにあるの?

ユーラシア大陸というのは、世界の6大陸のひとつだね。
ヨーロッパ州はそのユーラシア大陸の西端、つまり西の端っこのほうにあると教科書では言っているんだね。
アルプス山脈とは



大西洋は、世界3大洋(太平洋・大西洋・インド洋)のうちのひとつだね。
ヨーロッパ州の西側は、大西洋になっているよ。
そしてヨーロッパ州の南は地中海に面しているとも教科書は言っているね。
ところで、この「地中海」とは、海の名前ではないことは知っていたかな?
地中海とは
地中海とは、陸地で囲まれていて、狭い海峡で大洋とつながっている海のことなんだ。
ヨーロッパ州の地中海も、ユーラシア大陸とアフリカ大陸で囲まれていて、スペインとアフリカの間の狭い海峡(ジブラルタル海峡)で大西洋とつながっているよね。
だから「地中海」と呼ばれているんだね。
ヨーロッパの地中海のことは「ヨーロッパ地中海」と呼ぶよ。世界には他にも、「北極海」「紅海」などの地中海があるんだ。
アルプス山脈の北側
アルプス山脈の北側には、平原が広がっているよね。



この平原はドイツの北の方にあるので、「北ドイツ平原」と呼ばれるよ。
ヨーロッパ州の東側にも、おおきな平原が広がっている。これは、ヨーロッパの東だから「東ヨーロッパ平原」と呼ばれるんだ。
北ドイツ平原のあたりには、「ライン川」という国際河川が流れている。テストではライン川の位置も聞かれることがあるので、しっかり覚えておこう。
「国際河川とはなにか?」については、またあとで解説するよ。
アルプス山脈の南側
アルプス山脈の南側を見てみよう。アルプス山脈の北側よりも山が多くて、火山もあるんだ。



火山があるということは、噴火やマグマが動いたりすることなどで、地震が起こりやすいんだ。
だからイタリアやギリシャなどでは地震がしばしば発生するよ。
国際河川とは
複数の国の領域や国境を流れ、沿岸国が自由に航行できるように条約を結んでいる河川のこと。
つまり、いろんな国のエリア内を流れている川なんだね。
日本は島国だから、日本に流れている川はどれも「1つの国のなか」を流れる川だよね。
でもヨーロッパはたくさんの国が陸続きだから、自然に出来る川はいくつかの国をまたがって流れていたりするということだよね。
「沿岸」は、川に沿った岸のこと。
ここでの「沿岸国」は、つまりその川が流れているいくつかの国のことだね。
沿岸国で話し合った結果、「その川はそれぞれの国が自由に船で行き来していいよ」というルールを決めているということだね。



ライン川はヨーロッパの代表的な国際河川なんだ。
流れがゆるやかなので、水運(水路で物を運ぶこと)にピッタリなんだ。
それぞれの都市をつなぐ交通路としてヨーロッパで重要な役割をはたしているんだよ。
氷河とフィヨルドとは
氷河とは
寒い地域では雪がたくさん降り積もるよね。
降り積もった雪は、だんだん厚くなって氷になるんだ。そして、氷になると重くなるので、重力によって流れて動くようになるよ。
これを、氷河と呼ぶんだ。
フィヨルドとは
ヨーロッパ州北部の「スカンディナビア半島」は北極に近いよね。
だから氷河ができて、その氷河が流れて動くにつれて、谷を削っていくんだ。
そうやって氷河によって削られてできた谷に、海水が深く入りこんだ地形のことをフィヨルドというよ。



ヨーロッパ州の気候
ヨーロッパの大部分は、日本に比べて高緯度に位置しているが、大西洋を北上する暖流の北大西洋海流と、その上空をふく偏西風の影響を受けるため、比較的温暖な気候である。
北極圏にかかるエリアや海からはなれた内陸は、冬の寒さが厳しく夏は短い亜寒帯気候である。
大西洋や北海に面した地域は西岸海洋性気候となっており、一年を通じて安定した降水量である。
地中海沿岸では、夏は晴天が続いて乾燥する地中海性気候である。
ヨーロッパ州の気候は
- 亜寒帯気候
- 西岸海洋性気候
- 地中海性気候
の3タイプあるんだ。
どうして3つに分かれるかというと
❶ 高緯度なので基本的には寒い
→亜寒帯気候
❷ 本来なら寒いはずだけど、暖流と偏西風のおかげで高緯度のわりには暖かくて1年の変化もあまりない
→西岸海洋性気候
❸ ヨーロッパの中でも南の方にあるので、亜熱帯高気圧の影響で夏が暑く乾燥して、冬は亜寒帯低気圧の影響で雨が降りやすい
→地中海性気候
というように、おなじヨーロッパ州の中でも「北のほうか南の方か」「海に近いか遠いか」などのちょとした条件の違いで気候が変わってくるんだね。
それでは、それぞれくわしく解説するよ。
亜寒帯(冷帯)気候
冷帯気候ともいうよ。
ヨーロッパ州は、地球上では高緯度のエリアにあるよね。
つまり、北極に近いということだね。だから基本的にはとても寒いんだ。



【見分けポイント】
- 冬の気温が氷点下になっている
【代表的な都市】ヘルシンキ(フィンランド)など
西岸海洋性気候
ヨーロッパ州は高緯度なので、本当ならまあまあ寒いはずなんだけれど、北大西洋海流と偏西風のおかげで暖かい地域もあるんだ。
その地域の気候のことを西岸海洋性気候と呼ぶよ。
北大西洋海流とは
メキシコ湾流から延長してヨーロッパ西岸にむかって流れている暖流のこと。
北大西洋海流は、メキシコ湾を流れる暖流(水温が暖かい海流のこと)がそのまま北大西洋の方まで延長して流れてきている海流のことなんだ。
暖かい海流が流れている周りの地域は、その影響をうけて気温も暖かくなるよ。






偏西風とは
北緯・南緯30度〜60度付近にかけての上空で、西から東に向かって一年中ふく風のこと。
偏西風は西から東に向かって吹いているので、まるでヒーターのように、北大西洋海流の上空のあたたかい空気をちょうどヨーロッパの地域に運び込んでくれるんだね。
偏西風とはなにか?どうして西から東に風が吹くのか?
偏西風についてくわしく解説しているページもあるので、もっとよく知りたかったらぜひチェックしてみてね。


北大西洋海流の影響を受けやすい、大西洋や北海に面した地域や、偏西風の影響を受けやすい、北緯30〜60度あたりの地域が西岸海洋性気候に分類されるよ。
【見分けポイント】
- 降水量が一年を通して大きな差がない
【代表的な都市】ロンドン(イギリス)など
地中海性気候
ヨーロッパ州の南の方は、北緯20度〜40度のエリアに発生する「亜熱帯高気圧」の影響を受けて、夏は暑くて雨があまり降らないんだ。
冬になると、今度は「亜寒帯低気圧」の影響を受けて雨がよく降るよ。
【見分けポイント】
- 夏に雨があまり降らない
- 冬に雨が多い
- 西岸海洋性気候よりも気温が高め
【代表的な都市】ニース(フランス)・ローマ(イタリア)など
ヨーロッパ州の自然環境まとめ
- ヨーロッパ州はユーラシア大陸の西端に位置している
- アルプス山脈が東西につらなっている
- アルプス山脈の北側は北ドイツ平原や東ヨーロッパ平原が広がっている
- アルプス山脈の南側は山がちで、火山が多く、イタリアやギリシャでは地震が多い
- 国際河川であるライン川は水運に適しており、交通路として重要である
- スカンディナビア半島には氷河によって削られ、海水が深く入り込んだフィヨルドという地形がみられる
- 高緯度の地域や内陸は冬の寒さが厳しい亜寒帯気候である
- 大西洋や北海に面した地域は北大西洋海流と偏西風の影響を受けて一年を通して温暖で降水量の変化も少ない西岸海洋性気候である
- 地中海付近は夏が暑く乾燥し、冬に雨がよく降る地中海性気候である
ここまで学習できたら、ヨーロッパの自然環境についてのテスト対策問題のページにチャレンジしてみよう!


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