共通テスト古文対策!過去問や傾向と対策・解き方のコツを解説

共通テストの国語では「現代文」「古文」「漢文」が出題されています。

それぞれの分野によって勉強が違うのですが、古文や漢文はしっかりと準備ができていればそれほど難易度自体は高くないため点数を取りやすい分野でもあります。

そこでここでは共通テストの「古文」について、過去問からの出題傾向や解き方のポイントなどを紹介していきたいと思います。

共通テスト古文対策!過去問や傾向と対策・解き方のコツを解説のPDFをダウンロード

共通テスト古文対策!過去問や傾向と対策・解き方のコツを解説

共通テスト古文対策!過去問や傾向と対策・解き方のコツを解説のPDF(4枚)がダウンロードできます。

PDFを印刷して手書きで勉強したい方は以下のボタンからお進み下さい。

共通テストの古文の概要について。配点や問題構成など

共通テストの国語では、現代文が50点×2題、古文が50点1題、漢文が50点1題となっています。

200点のうち古文は50点という配点となっており、確実に点数を稼ぎたい分野となっています。

ここではまず古文の概要、配点、問題構成などについて紹介していきます。

共通テストの古文とは

センター試験の古文とそれほど難易度は変わっておらず、基本的な知識に関する問題が多く出題されています。

特に「古文単語」「古典文法」「時代背景」といった基礎知識に関係した問題がそのまま出ていたり、それらの知識を使って解くという問題が出題されています。

近年では古典文法単独での問題はなくなりましたが、読解問題の中で文法知識が必要となる問題が出ているため、やはり重要であることには変わりありません。

共通テストの古文の出題傾向とは

センター試験の時には古文は設問が6問で50点満点でした。

この時には古典文法の単独問題が出題されていたのですが、2021年には設問が5問に減りました。

それが2022年度には以下のようになっています。

  • 語彙問題    5点×3題
  • 文法、語彙問題 7点
  • 読解問題    7点
  • 読解問題    7点×3題

具体的に見てみると、

問1では傍線部分の古文を現代語訳する問題が3題出ています。

現代語訳に関係している問題とはいえ、基本的な古文単語がわかっていればそれほど迷わずに正解を選ぶことができる問題でした。

2問目では傍線部に関する文法知識と内容理解に関した問題が出ています。

センター試験では内容理解に関する問題はそれほど出題されることはなかったので、違いと言えるかもしれません。

3問目以降では文章内の登場人物の心情理解や本文の内容理解に関する問題が出題されています。

これも本文内の古文単語や古典文法がわかっていれば、文章自体がそれほど長くなく、難解な文章も扱われないために解きやすいものとなっています

国語では「現代文」「古文」「漢文」それぞれの平均点は公表されていませんが、2020年度のセンター試験の平均点が119.3点だったのに対し、2021年度の共通テストの平均点が117.5点だったことを考えると難易度はほぼ同じ水準だと言えるでしょう。

過去問や、傾向と対策・解き方のコツについて

共通テストの過去問の傾向から勉強で重視していくポイントを紹介していきます。

古文単語に関する問題は必須である

共通テストの過去問を見ていくと、センター試験の時期から継続して古文単語に関する問題が出題されています。

そのため、古文単語を覚えていくのは確実に必要なこととなります。

共通テストの受験に必要な古文単語は300語と言われています。

これは英単語などと比べるとはるかに少ない数であることがわかります。

人気となっている古文単語帳などでも300語程度が掲載されているものが多くなっており、それらを使用するのが効率的です。

特に現代語と意味が違っている言葉については注意しておきましょう。

  • 「をかし」  → 趣がある
  • 「おどろく」 → 目を覚ます
  • 「ありがたし」→ めったにない

というような現在の意味と違った意味となっているものは読み違えてしまうと文章の意味がわからなくなってしまいます。

単語帳についてはいろいろな単語帳に手を出す必要はありません。

自分が気に入ったもの、見やすいものを1冊やり込むほうが効果的です。

古典文法を押さえておくことが内容理解につながる

古典文法の単独問題は出題されていなくても、古文を読解していく上で文法知識は必要不可欠なものとなります。

単独問題が出題されなかったとしても勉強自体はしっかりやり込んでおきましょう。

文法に関しては助詞、助動詞などの活用の種類や活用形を覚えておくと同時に「敬語表現」は要注意です。

古文の読解で受験生を悩ませるものに「主語の省略」「動作主の判別」があります。

古文の文章では主語が省略されていることが多く、だれの発言なのか、だれの行動なのかは使われている助詞、助動詞、や敬語表現から判断していく必要があります。

続けて会話がなされている時でも途中で発言者が変わっている場合があるため注意しなければいけません。

平安文学などにおいては登場人物の多くが天皇や貴族です。

文章内に複数の登場人物がいる場合は特に動作主の判別は重要となります。

こうした際に敬語表現を理解していれば「誰から誰に対しての敬意なのか」がわかるため、主語をはっきりさせやすくなります。

文法に関しては多くの参考書や問題集が販売されています。

共通テストの時期から逆算してどこまでにどのレベルに達しておきたいのかを考えた上で参考書を選んでいきましょう。

最初は入門編、基礎レベルのものから取り組んでいったほうが確実にステップアップできます。

無理をせずに地道に取り組んでいきましょう。

長めの文章であっても一通り最後まで押し切って読めるまで仕上げる

共通テストの古文では過去にも長めの文章が出題されたことがありますし、最近では複数の文章が出されるということもあります。

そのため、文章がある程度長くなってもそれほど時間をかけずに読み切れるだけの力が必要となります。

品詞分解を細かくしていくことを普段の勉強で取り組んでいき、その「精度」と「速度」を上げていくことを意識しましょう

精度が低くては意味がありませんし、時間がかかりすぎていてもいけません。

本番の共通テストでは古文に割ける時間は15~20分程度ですので、そこまで時間をかけてはいられないのです。

品詞分解を早く、正確に行うことを心掛けつつ、とにかく文章を最後まで読み切る、あらすじを早い段階で把握するといった練習をしていく必要があると言えます。

これは問題を解いている量が関係してくるものですので、ある程度練習量が必要だと言えるでしょう。

古文常識、時代背景を押さえる

意外と受験生が忘れてしまうポイントです。

「古文」といっても非常に広い範囲の文章があります。

万葉集などは奈良時代(710~794年)の作品ですが、江戸時代(1603~)の作品と比べると1000年近い差があることがわかります。

短歌の表現技法などを見ていてもわかりますが、奈良時代、平安時代、鎌倉時代ではまったく違った表現の仕方となっています。

つまり、古文としてすべてまとめてしまうのではなく、その時代背景に合った理解をしていかなければならないということです。

本格的な日本史知識というわけではありませんが、その時代ごとの歌風などを把握しておく、貴族の関係性を理解しておく、といった時代背景や古文常識は覚えておく必要があると言えるでしょう。

まとめ

共通テストの古文は苦手意識を持っている生徒は多いのですが、基礎的な古文単語、古典文法を覚えておくことで確実に点数を取ることができる分野でもあります。

いきなり読解問題は解けないかもしれませんが、まずは古文単語や古典文法を基礎から地道に覚えていくことで得点源にしていきましょう。

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

感想や意見を聞かせてね