13徒然草「奥山に猫またといふものありて」

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「連歌しける法師の、行願寺の辺にありけるが聞きて」を現代語に訳したものとして正しいものを次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:連歌を生業としている、行願寺の近くに住んでいた法師が聞いて
イ:連歌に登場する法師が、行願寺の近くに住んでいると聞いて
ウ:連歌できなかった法師が、行願寺の近くに住んでいて
エ:行願寺で連歌をしていた法師が近くで聞いて

正解は「ア」です。

「辺(ほとり)」「近く・付近」。「あり」は「いる・存在する」という意味。※「辺」は教科書によっては読み方が「へん」となっている場合もある。

「ひとり歩かん身は、心すべきことにこそと思ひける」を現代語に訳したものとして正しいものを次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:ひとりで歩かないと、心すべきことが思いつかないので
イ:ひとりで歩く身としては、気をつけなくてはならないと思っていた
ウ:ひとりで歩かない身としては、気をつけることばかりと思っていた
エ:ひとりで歩こうと、心に決めていた

正解は「イ」です。

「音に聞きし猫また」を現代語に訳したものとして正しいものを次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:音を聞きつけた猫また
イ:噂にきいていた猫また
ウ:騒がしく登場した猫また
エ:慎重に登場した猫また

正解は「イ」です。

「音」は「うわさ・評判」という意味を持つ。

「あやまたず」の意味としてもっとも正しいものを次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:あやまって
イ:待つことなく
ウ:狙い違わず
エ:あやまることなく

正解は「ウ」です。

古語の「やがて」の意味を次の中から選び、カタカナで答えなさい。

ア:しばらくして
イ:いつか
ウ:結果的に
エ:すぐに

正解は「エ」です。

現代の「やがて」は少し時間がたってから、というイメージがあるが、古語の「やがて」には、「すぐさま・ただちに」という意味があるので注意しよう。

「胆心も失せて」の意味としてもっとも正しいものを次の中から選びなさい。

ア:正気を失って
イ:命からがら
ウ:抵抗する気力もなく
エ:大怪我をして

正解は「ア」です。

「肝心」とは、肝と心で「精神」とか「正気」という意味を持つ。

「家々より松どもともして走り寄りて見れば、このわたりに身知れる僧なり。」とあるが、「松」とは何のことかひらがな4文字で答えなさい。

正解は「たいまつ」です。

松のやにの多い部分を束ねて燃やして照明器具にしていたので、松で「たいまつ」のことになる。※現在は「松明」でたいまつと読む。

「ひとり歩かん身は、心すべきことにこそと思ひける」と法師が思った理由としてもっとも正しいものを次の中から選びなさい。

ア:奥山に猫またが出て人を食べてしまうから
イ:連歌の賞品を持って歩くことがあるから
ウ:夜遅く歩くことがあるから
エ:このあたりにも猫またが出るから

正解は「エ」です。

もともとは「奥山に猫またがいる」という話だったが、「山ならねども、これらにも、猫の経上がりて、猫またになりて…(山でなくても、このあたりにも猫が年月を経て変化して猫またになる」と聞いたから用心しているのである。

「奥山に猫またといふものありて、人を食らふなる。」と人の言ひけるに、「山ならねども、これらにも、猫の経上がりて、猫またになりて、人取ることはあなるものを。」と言ふ者ありけるを、何阿弥陀仏とかや、連歌しける法師の、行願寺の辺にありけるが聞きて、ひとりありかん身は、心すべきことにこそと思ひける頃しも、ある所にて夜更くるまで連歌して、ただひとり帰りけるに、小川の端にて、音に聞きし猫また、あやまたず足もとへふと寄り来て、やがてかきつくままに、頸のほどを食はんとす。胆心もうせて、防がんとするに、力もなく、足も立たず、小川へ転び入りて、「助けよや、猫またよやよや。」と叫べば、家々より松どもともして走り寄りて見れば、このわたりに身知れる僧なり。「こはいかに。」とて、川の中より抱きおこしたれば、連歌の賭け物取りて、扇、小箱など懐に持ちたりけるも、水に入りぬ。稀有にして助かりたるさまにて、はふはふ家に入りにけり。
飼ひける犬の、暗けれど主を知りて、飛びつきたりけるとぞ。

法師を襲った猫またの正体を、古文から5字で抜き出して答えなさい。

正解は「飼ひける犬」です。

「奥山に猫またといふものありて、人を食らふなる。」と人の言ひけるに、「山ならねども、これらにも、猫の経上がりて、猫またになりて、人取ることはあなるものを。」と言ふ者ありけるを、何阿弥陀仏とかや、連歌しける法師の、行願寺の辺にありけるが聞きて、ひとりありかん身は、心すべきことにこそと思ひける頃しも、ある所にて夜更くるまで連歌して、ただひとり帰りけるに、小川の端にて、音に聞きし猫また、あやまたず足もとへふと寄り来て、やがてかきつくままに、頸のほどを食はんとす。胆心もうせて、防がんとするに、力もなく、足も立たず、小川へ転び入りて、「助けよや、猫またよやよや。」と叫べば、家々より松どもともして走り寄りて見れば、このわたりに身知れる僧なり。「こはいかに。」とて、川の中より抱きおこしたれば、連歌の賭け物取りて、扇、小箱など懐に持ちたりけるも、水に入りぬ。稀有にして助かりたるさまにて、はふはふ家に入りにけり。
飼ひける犬の、暗けれど主を知りて、飛びつきたりけるとぞ。

「飼ひける犬の、暗けれど主を知りて、飛びつきたりける」を具体的に書いている部分を古文から探し、句読点も含めて抜き出して答えなさい。

正解は「あやまたず、足もとへふと寄り来て、やがてかきつくままに、頸のほどを食はんとす。」です。

猫またに襲われた法師の様子として、正くないものを次の中から選びなさい。

ア:たいまつを持っている人を見かけて、助けを呼んだ
イ:あまりの恐ろしさに腰を抜かしてしまった
ウ:連歌の賞品を水にぬらしてしまった
エ:大声で助けを呼んだ

正解は「ア」です。

法師が大声で助けを呼んだため、近くの家から人がたいまつを持って駆けつけてくれたのであって、たいまつを持っている人を見かけたわけではないので、アが誤り。

この文章のテーマとして最もふさわしいものを次の中から選びなさい。

ア:恐ろしい妖怪に怯える人々の暮らし
イ:欲深い法師の災難
ウ:うわさに惑わされる人間のこっけいさ
エ:注意を聞かないことの愚かさ

正解は「ウ」です。

この話は、猫またのうわさを信じた法師が、うわさに惑わされてしまった結果、ただの飼い犬を猫まただと思って大騒ぎするこっけいさをテーマにしている。

次の語の読みを送り仮名も含めてひらがなで答えなさい。ただし、歴史的仮名遣いが使われている場合は、現代仮名遣いに直すこと。

経上がりて

正解は「へあがりて」です。

次の語の読みを送り仮名も含めてひらがなで答えなさい。ただし、歴史的仮名遣いが使われている場合は、現代仮名遣いに直すこと。

行願寺

正解は「ぎょうがんじ」です。

次の語の読みを送り仮名も含めてひらがなで答えなさい。ただし、歴史的仮名遣いが使われている場合は、現代仮名遣いに直すこと。

更くる

正解は「ふくる」です。

次の語の読みを送り仮名も含めてひらがなで答えなさい。ただし、歴史的仮名遣いが使われている場合は、現代仮名遣いに直すこと。

正解は「はた」です。

次の語の読みを送り仮名も含めてひらがなで答えなさい。ただし、歴史的仮名遣いが使われている場合は、現代仮名遣いに直すこと。

正解は「はた」です。

次の語の読みを送り仮名も含めてひらがなで答えなさい。ただし、歴史的仮名遣いが使われている場合は、現代仮名遣いに直すこと。

正解は「くび」です。

次の語の読みを送り仮名も含めてひらがなで答えなさい。ただし、歴史的仮名遣いが使われている場合は、現代仮名遣いに直すこと。

正解は「ふところ」です。

次の語の読みを送り仮名も含めてひらがなで答えなさい。ただし、歴史的仮名遣いが使われている場合は、現代仮名遣いに直すこと。

希有

正解は「けう」です。

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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。