【中学公民】日本国憲法とは?大日本帝国憲法との違い・三つの基本原理・三権分立をわかりやすく解説
中学3年生の公民では、「日本国憲法とは」について学習するよ。
日本国憲法は、日本の政治の基本を定めている、もっとも重要な法だよ。
日本国憲法には、国のしくみや、国民の権利と義務、国会・内閣・裁判所の役割などが定められているんだ。
この記事では、大日本帝国憲法と日本国憲法の違い、日本国憲法ができるまでの流れ、三つの基本原理、三権分立について、身近な例も使いながらわかりやすく解説するよ。
この記事で分かること
- 日本国憲法とは何か
- 大日本帝国憲法と日本国憲法の違い
- 日本国憲法ができるまでの流れ
- 日本国憲法の三つの基本原理
- 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の意味
- 三権分立のしくみ
目次
1. 日本国憲法とは何か

日本国憲法とは、日本の政治の基本を定める憲法のことだよ。
憲法は、国の基本的なしくみや、国民の権利と義務、政治を行う機関の役割などを定めているんだ。
日本国憲法は、1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行されたよ。
ここでいう公布とは、できあがった法を広く国民に知らせることだよ。施行とは、その法が実際に効力をもつようになることなんだ。
つまり、日本国憲法は1946年に国民へ知らせられ、1947年から実際に使われるようになったということだね。
たろう
くまごろう学校で考えると、クラスの細かい係のルールよりも、学校全体の大きな方針や校則のほうが上にあるよね。国の場合、そのもっとも基本にあるルールが憲法だと考えると分かりやすいよ。
ただし、これは「ルールの上下関係」をイメージするための例だよ。憲法には、国の基本的なしくみを定めるだけでなく、国の権力そのものを制限して人権を守るという特別に重要な役割もあるんだ。
2. 大日本帝国憲法とは
日本国憲法ができる前、日本には大日本帝国憲法があったよ。
大日本帝国憲法は、1889年2月11日に発布され、1890年11月29日に施行された憲法だよ。
大日本帝国憲法は、天皇主権の考えに基づいていたんだ。
天皇主権とは、政治の最終的な決定権が天皇にあるという考え方だよ。
また、大日本帝国憲法は、天皇が国民に与える形で定められた憲法だったため、欽定憲法と呼ばれるよ。
大日本帝国憲法のもとでも、議会や裁判所などのしくみは作られたけれど、天皇は統治権をもつ存在とされていたんだ。
国民についても、当時は「臣民」と呼ばれ、臣民の権利は「法律の範囲内」で認められるものだったよ。
たとえば、「権利があります」と書かれていても、法律によって大きく制限される可能性があったということなんだ。
たろう
くまごろう3. 日本国憲法ができるまで
日本国憲法は、第二次世界大戦後に作られたよ。
1945年、日本はポツダム宣言を受け入れて降伏したんだ。その後、日本では民主化が進められ、これまでの大日本帝国憲法を改めることになったよ。
日本政府は、連合国軍総司令部、つまりGHQから示された草案を基礎にして憲法改正案を作成し、GHQとの協議を重ねながら内容をまとめていったよ。
その案は帝国議会で審議され、一部が修正されたうえで可決されたんだ。
そして、1946年11月3日に日本国憲法が公布され、1947年5月3日に施行されたよ。
ここで大切なのは、日本国憲法は、新しくゼロから別の名前の憲法を作ったというより、大日本帝国憲法の改正という手続きによって成立したということだよ。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1889年 | 大日本帝国憲法が発布される。 |
| 1890年 | 大日本帝国憲法が施行される。 |
| 1945年 | 日本がポツダム宣言を受け入れて降伏する。 |
| 1946年 | 日本国憲法が公布される。 |
| 1947年 | 日本国憲法が施行される。 |

年号はテストでよく出るよ。特に、日本国憲法は1946年公布、1947年施行という組み合わせをおさえておこう。
4. 大日本帝国憲法と日本国憲法の違い
大日本帝国憲法と日本国憲法は、どちらも日本の憲法だけれど、基本となる考え方が大きく違うよ。
一番大きな違いの一つは、政治の最終的な決定権、つまり主権がどこにあるかなんだ。
大日本帝国憲法では、主権は天皇にあると考えられていたよ。一方、日本国憲法では、主権は国民にあるとされているんだ。
これは、単に「政治をする人が国民の意見を聞く」というだけではなく、政治のあり方を最終的に決める力そのものが国民にある、という大きな考え方の変化なんだ。
国の政治が、だれのために、だれの意思に基づいて行われるのかは、とても大切な問題なんだよ。
| 比較する点 | 大日本帝国憲法 | 日本国憲法 |
|---|---|---|
| 発布・公布 | 1889年発布 | 1946年公布 |
| 施行 | 1890年施行 | 1947年施行 |
| 主権 | 天皇主権 | 国民主権 |
| 天皇の地位 | 統治権をもつ存在とされた。 | 日本国と日本国民統合の象徴とされた。 |
| 国民の権利 | 臣民の権利は「法律の範囲内」で認められた。 | 基本的人権が保障されている。 |
| 戦争について | 戦争の放棄は定められていなかった。 | 戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めている。 |

この比較は、定期テストでとても出やすいよ。
特に、天皇主権から国民主権へ、臣民の権利から基本的人権の尊重へ、戦争の放棄を定めていなかった憲法から、平和主義を基本原理とする憲法へという変化をおさえておこう。
5. 日本国憲法の三つの基本原理

日本国憲法には、三つの大切な基本原理があるよ。
それが、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義だよ。
この三つは、日本国憲法を学ぶうえで最重要のポイントなんだ。
| 三つの基本原理 | 意味 |
|---|---|
| 国民主権 | 政治のあり方を最終的に決める力は国民にあるという考え方。 |
| 基本的人権の尊重 | 一人ひとりの人権を大切にするという考え方。 |
| 平和主義 | 戦争を放棄し、平和を大切にするという考え方。 |
この三つは、それぞれ別々に暗記するだけではなく、「なぜ必要なのか」を考えると覚えやすいよ。
国の政治が一部の人のものにならないようにするために国民主権があり、一人ひとりの自由や生活を守るために基本的人権の尊重があり、戦争の反省から平和主義が大切にされているんだ。
6. 国民主権とは

国民主権とは、政治のあり方を最終的に決める力は国民にあるという考え方だよ。
大日本帝国憲法では、主権は天皇にあると考えられていたけれど、日本国憲法では、主権は国民にあるとされているんだ。
国民主権のもとでは、国民は選挙などを通して代表者を選び、政治に参加するよ。
クラスの行事を決めるとき、先生が一方的に決めるのではなく、クラスのメンバー自身が案を出したり、投票したり、代表者を選んだりして決めていく場面を考えてみよう。
ただ意見を聞いてもらうだけでなく、「自分たちに関わることを、自分たちで決めていく」という感覚に近いよね。
国民主権も、「政治をする人が国民の意見を聞いてくれる」というだけではなく、政治のあり方を最終的に決める力そのものが国民にある、という考え方なんだ。
たろう
くまごろう7. 基本的人権の尊重とは
基本的人権の尊重とは、一人ひとりの人権を大切にするという考え方だよ。
日本国憲法では、基本的人権は「侵すことのできない永久の権利」として大切にされているよ。
基本的人権には、自由権、平等権、社会権など、さまざまな権利が含まれるんだ。
これは、私たちの生活から遠い話ではないよ。
たとえば、自分の考えをもつこと、意見を表すこと、差別されずに扱われること、学ぶ機会をもつこと、人間らしい生活を送ることは、どれも基本的人権と関係しているんだ。
もし、国や社会が「あなたの意見は言ってはいけない」「性別や生まれた環境で進路を決めます」「学ぶ機会は一部の人だけです」と決めてしまったら、人間らしく自分らしく生きることが難しくなってしまうよね。
だから、日本国憲法では、一人ひとりが個人として尊重されることが大切にされているんだ。
8. 平和主義とは

平和主義とは、戦争を放棄し、平和を大切にするという考え方だよ。
日本国憲法第9条では、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認が定められているよ。
これは、第二次世界大戦の反省と深く関係しているんだ。
戦争が起こると、人々の命や生活、自由、学ぶ機会、家族との暮らしなど、多くの大切なものが失われてしまうことがあるよね。
だから、日本国憲法では、平和を守ることがとても大切な原理の一つとされているんだ。
たろう
くまごろう9. 日本国憲法の構成
日本国憲法は、前文と11の章で構成されているよ。
内容は、天皇、戦争の放棄、国民の権利及び義務、国会、内閣、司法、財政、地方自治、改正、最高法規などに分かれているんだ。
全部を細かく暗記する必要はないけれど、「国のしくみ」と「国民の権利」を定めていることを意識すると分かりやすいよ。
| 章 | 主な内容 |
|---|---|
| 前文 | 日本国憲法の基本的な考え方。 |
| 第1章 | 天皇 |
| 第2章 | 戦争の放棄 |
| 第3章 | 国民の権利及び義務 |
| 第4章 | 国会 |
| 第5章 | 内閣 |
| 第6章 | 司法 |
| 第7章 | 財政 |
| 第8章 | 地方自治 |
| 第9章 | 改正 |
| 第10章 | 最高法規 |
| 第11章 | 補則 |
特に中学公民では、第2章の「戦争の放棄」、第3章の「国民の権利及び義務」、第4章から第6章の「国会・内閣・司法」のしくみが重要になるよ。
10. 三権分立とは

日本国憲法では、国の政治のしくみとして、三権分立の考え方が採用されているよ。
三権分立とは、国の権力を、立法権・行政権・司法権の三つに分け、それぞれ異なる機関が担当するしくみのことだよ。
国の力が一か所に集中すると、その機関が強くなりすぎて、人々の権利が守られにくくなるおそれがあるよね。
そこで、国の権力を三つに分け、互いにチェックし合うことで、権力の集中を防いでいるんだ。
学校でたとえると、行事のルールを作る人、実際に運営する人、トラブルが起きたときに公平に判断する人が全部同じ人だったら、その人の考えに偏りやすくなるかもしれないよね。
国の政治でも同じように、強い権力が一つに集まらないようにすることが大切なんだ。
| 権力 | 担当する機関 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 立法権 | 国会 | 法律をつくる。 |
| 行政権 | 内閣 | 法律や予算にもとづいて政治を実行する。 |
| 司法権 | 裁判所 | 争いを法にもとづいて解決し、法に反するかどうかを判断する。 |
三つの権力は、それぞれ異なる機関が担当し、互いに抑制し合いながら、権力が一か所に集中しないようにしているよ。
これを抑制と均衡ということがあるよ。
たろう
くまごろう11. 重要語句のまとめ
この単元で特に大切な語句を整理しておこう。
| 重要語句 | 意味 |
|---|---|
| 日本国憲法 | 日本の政治の基本を定める現在の憲法。1946年公布、1947年施行。 |
| 大日本帝国憲法 | 1889年に発布され、1890年に施行された日本の憲法。天皇主権に基づいていた。 |
| 公布 | 成立した法を広く国民に知らせること。 |
| 施行 | 法が実際に効力をもつようになること。 |
| 天皇主権 | 政治の最終的な決定権が天皇にあるという考え方。 |
| 国民主権 | 政治のあり方を最終的に決める力は国民にあるという考え方。 |
| 基本的人権の尊重 | 一人ひとりの人権を大切にするという考え方。 |
| 平和主義 | 戦争を放棄し、平和を大切にするという考え方。 |
| 三権分立 | 国の権力を、立法権・行政権・司法権に分け、それぞれ異なる機関が担当するしくみ。 |
| 立法権 | 法律をつくる権力。国会が担当する。 |
| 行政権 | 法律や予算にもとづいて政治を実行する権力。内閣が担当する。 |
| 司法権 | 争いを法にもとづいて解決する権力。裁判所が担当する。 |
| 抑制と均衡 | 三つの権力が互いにチェックし合い、権力の集中を防ぐしくみ。 |
日本国憲法は、日本の政治の基本を定める憲法だよ。
大日本帝国憲法では天皇主権の考え方がとられ、臣民の権利は「法律の範囲内」で認められていたよ。一方、日本国憲法では、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義が三つの基本原理とされているんだ。
また、日本国憲法では、国会・内閣・裁判所がそれぞれ立法権・行政権・司法権を担当する三権分立のしくみが採用されているよ。
憲法は、ただ国のしくみを決めるだけではなく、国の権力を制限し、人権を守るためにも重要なんだ。
この単元のポイント
- 日本国憲法は、1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行された。
- 大日本帝国憲法は、1889年に発布され、1890年に施行された。
- 大日本帝国憲法は天皇主権に基づき、臣民の権利は「法律の範囲内」で認められた。
- 日本国憲法は、GHQから示された草案を基礎に、日本政府が改正案を作成し、帝国議会で審議・修正されたうえで成立した。
- 日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を三つの基本原理としている。
- 国民主権とは、政治のあり方を最終的に決める力は国民にあるという考え方である。
- 基本的人権の尊重とは、一人ひとりの人権を大切にするという考え方である。
- 平和主義とは、戦争を放棄し、平和を大切にするという考え方である。
- 日本国憲法第9条では、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認が定められている。
- 三権分立とは、国の権力を立法権・行政権・司法権に分け、それぞれ異なる機関が担当するしくみである。
- 立法権は国会、行政権は内閣、司法権は裁判所が担当する。
- 三権分立は、権力の集中を防ぎ、人権を守るためにも大切である。
参考文献
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
- 日本国憲法
- 国立国会図書館「日本国憲法の誕生」
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

