酸化・燃焼とは?「金属の酸化」「物質の酸化」をわかりやすく解説

中学校2年生の理科で学習する、「物が燃える変化」について、物が燃えるときはどのような変化が起こっているのか、「酸化・酸化物・燃焼」についてわかりやすく解説するよ。

金属の酸化と、金属以外の物質の酸化のそれぞれの特徴を確認しよう。

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酸化・燃焼とは?「金属の酸化」 「物質の酸化」をわかりやすく解説

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目次

ここまでの学習で物質の化学変化について学習をしたね。
今回の学習は「物が燃える変化」だよ。「燃える」というのはどんな変化が起こっているんだろうか?ということをいっしょに考えてみようね!

物が燃える変化「金属を燃やしてみよう」

えっ?金属って燃えるの?
と思った人もいるんじゃないかな。

確かに紙や木なんかは燃やしたこともあるかもしれないし、燃えるものだということがわかるよね。
でも「金属が燃える」とは普段はあまり言わないし、どういうことなのか不思議だね。

ここで1つ実験をして考えてみるよ!

鉄の燃焼実験

鉄を細く繊維せんいのようにしたもの(スチールウール)に火をつけてその反応を調べるよ。

実験の目的

鉄(スチールウール)を燃やす時に酸素が使われるのかどうか、燃やす前後で鉄(スチールウール)の性質や質量にどんな違いが出るのかを調べて考える。

実験の方法

①水をはったバットの中に燃焼さじで作った台を置き、スチールウールに火をつけて、酸素をじゅうぶんに入れた集気びんをかぶせる。

スチールウールの燃焼実験の装置のイラスト

➁集気びんの中の水面の変化を観察する。

③スチールウールの火が消えたあと、熱が冷めてから燃やす前の物質に電流が流れるか、手で触った感覚はどうか、磁石を近づけたときの反応はどうか、うすい塩酸に入れるとどうなるかを調べる。

④燃やす前と燃やしたあとの質量を比べる。

実験の結果

①スチールウールは熱と光を出して燃えた

➁集気びんの中の水面は上昇した。

③燃やす前のスチールウールには電気が流れたが、燃やしたあとのスチールウールにはあまり電気は流れなかった
燃やす前のスチールウールは固いが、燃やしたあとのスチールウールを触ると、ボロボロした感触だった。
燃やす前のスチールウールは磁石につくが、燃やしたあとのスチールウールに磁石を近づけても反応しなかった
燃やす前のスチールウールをうすい塩酸に入れるとは気体が発生したが、燃やしたあとのスチールウールからはあまり気体は反応しなかった

④燃やしたあとのスチールウールは、燃やす前と比べて質量が大きくなった

スチールウールの燃焼実験の結果まとめ

燃焼前燃焼後
銀色
手触り固いボロボロしている
電流が流れるかどうか流れるあまり流れない
磁石がつくかどうかつくつかない
うすい塩酸に入れたときの反応気体が発生する気体はあまり発生しない
質量質量が大きくなった

考察

➁集気びんの中の水面が上昇したということは、スチールウールが燃えるときに、集気びんの中の酸素が使われたということがわかった。
よって、鉄(スチールウール)が燃えるときには、酸素が使われる

③燃やす前のスチールウールには、金属光沢がある、電気が流れる、磁石につくなどの金属の性質が見られた。
しかし、燃やしたあとのスチールウールは黒くなり金属光沢がなく、触るとボロボロになった。金属の性質である展性(破壊されることなく広げられる性質)や延性(破壊されることなく延ばせる性質)がなくなったことがわかった。
また、電気が流れにくくなり、磁石にもつかなくなったことから、金属の性質がなくなったことがわかる。
また、燃やす前のスチールウールをうすい塩酸に入れると気体が発生するのに、燃やしたあとのスチールウールをうすい塩酸に入れても気体があまり発生しないことから、燃やしたあとのスチールウールは、燃やす前のスチールウールとは別の物質になったことがわかった。

④燃やす前のスチールウールに比べて、燃やしたあとのスチールウールの質量が大きくなったのは、スチールウールが酸素と結びついたためだと考えることができる。

スチールウールの燃焼実験まとめ

反応前の鉄(スチールウール)は燃焼実験のあと酸化鉄さんかてつという物質に変化したよ。
酸素と反応して別の物質に変わったから、性質も変わったんだね。
今回の反応を化学反応式でも確認してみよう。

\(2Fe\) + \(O_{2}\) → \(2FeO\)

実験からわかったことは、金属は燃えて酸素と反応をするということだね。
酸素と反応した物質は性質が別の物質へと変化するみたいだね。

スチールウールの燃焼実験まとめ

金属は燃えると、酸素と反応して別の物質に変化する

酸化とは

スチールウールを燃やすと、別の物質に変化したように、物質が酸素と化合して、別な物質に変わること酸化さんかというよ。

実験でもわかるように、鉄は酸素と反応させるために燃やすと色が変わって酸化鉄という物質に変化するんだ。

ちなみに物質のなかには酸素に触れるだけでも反応して、酸素と結びついてしまうものがあるよ。
おおくの金属は僕たちが生活している気温でも徐々に酸素と反応してしまうんだ。
例えば金属を長いあいだ外に放置していると、さびたりするよね。
あれは、金属が酸素と反応してさびていたんだね。

酸化物とは

物質が酸素と反応してできた物質のこと酸化物さんかぶつというよ。
「酸素と反応してできた物質」であれば、すべて酸化物と呼ぶことができるんだ。

今回のスチールウールの燃焼実験でできた「鉄が酸素と反応した物質」は「酸化鉄」だったね。これももちろん酸化物だよ。

燃焼とは

物質が酸素と反応することを「酸化」といったね。

「酸化」の中でも、光や熱を出しながら酸素と反応することを特に燃焼ねんしょうというんだ。
スチールウールは光や熱を出して反応していたね。だから、スチールウールの酸化は「燃焼」だね。

マグネシウムという金属も激しく光や熱を出して反応をするんだ。
\(2Mg\) + \(O_{2}\) → 2\(MgO\)

同じく金属の「銅」もガスバーナーなどで加熱をすると黒い「酸化銅さんかどう」になるよ。
\(2Cu\) + \(O_{2}\) → \(2CuO\)

でも、銅の場合、スチールウールやマグネシウムとは違って火をつけただけでは熱も光も出ないんだ。
なので銅の酸化は燃焼ではないよ。

光や熱を出していなければ燃焼とは呼ばないので、そのちがいをしっかりとおさえておこうね!

ここまで学習してきたけれど、酸素があると物質は激しく燃えることができるんだ。

例えば宇宙空間にいくための乗り物にロケットがあるよね、ロケット燃料は主に水素。そして酸素が必要なんだ。水素を燃やすんだけど、そこに酸素を加えることで激しく燃やせる。ロケットが進むためには激しく燃える必要があるんだね。

金属以外の物質の酸化

ここまでは金属の酸化について学習をしてきたけれど、他の物質はどうなんだろうね?

いくつか物質を調べてみよう。

炭素の酸化

炭素は酸素と反応すると二酸化炭素になるよ。
二酸化炭素が発生したかどうかを確認するのに、石灰水を使ったことは何度もあるよね。
何かを燃やした時には、この二酸化炭素がよく発生するんだけれど、これは物質に含まれている炭素が酸素と反応して二酸化炭素ができていたんだね。

\(C\) + \(O_{2}\) → \(CO_{2}\)

水素の酸化

水素は酸素と反応すると水になるよ。この反応も「酸化」と言えるんだ。
水素と酸素を混合した気体に点火をすると、激しく反応して水ができるんだったね。

\(2H_{2}\) + \(O_{2}\) → \(2H_{2}O\)

有機物の反応

身近にある有機物には炭素と水素が含まれたものがあって、有機物を燃やすと二酸化炭素や水ができるんだ。

たとえば、木も有機物。炭素と水素がふくまれているので、燃焼させると二酸化炭素と水ができて、空気中に出て行くんだ。

だから燃やしたあとの木はもとの状態よりも質量が小さくなって、軽くなっているよ。

有機物である木を燃焼させたときの反応のイラスト

「物質の酸化」まとめ

「物質の酸化」まとめ

  • 金属は燃えると、酸素と反応して別の物質に変化する
  • 物質が酸素と化合して、別な物質に変わること酸化さんかという
  • 物質が酸素と反応してできた物質のこと酸化物さんかぶつという
  • 「酸化」の中でも、光や熱を出しながら酸素と反応することを特に燃焼ねんしょうという
  • 光や熱を出していなければ燃焼とは呼ばない
  • 炭素は酸素と反応すると二酸化炭素になる
  • 水素は酸素と反応すると水になる
  • 有機物には炭素と水素が含まれたものがあって、有機物を燃やすと二酸化炭素や水ができる

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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