
目次【本記事の内容】
- 1.歩合とは?
- 2.歩合の歴史
- 3.歩合・割合・百分率の対応表
- 4.歩合の練習問題
歩合とは
割合を小数で表したものを「歩合」という。
割合を表す0.1を1割ということがある。






「小数で表す」
「分数で表す」
「百分率で表す」
「比で表す」
があると言ったよね。
「歩合」は、そのうちの「小数で表す」方法のことなんだ。
でも、「小数で表す」なんて言いながら、実際には「1割」とか、「5分」とか、小数とは違う言い方を使っていて、混乱しちゃうよね。
これには、歩合の歴史が関係しているんだ。
歩合の歴史
歩合は「利子の単位」だった
「利子」のことは分かるかな?
そう、お金を借りたときに、そのお礼?として、もとのお金のほかに余分に返すお金のことだよね。
昔の日本でも、「お金を貸す」ということはされていたし、もちろん利子も存在していたよ。
鎌倉時代から室町時代にかけて、「利子の単位」として使われてきたのが歩合なんだ。
もとのお金の\(\frac{1}{10}\)のことを、「割」と呼んでいたんだよ。



太郎くんがお金をお母さんに借りるとして、\(\frac{1}{10}\)の利子でしか借りられなかったらどうかな?



\(\frac{1}{10}\)はちょっとキツイよ…
そうだよね。
だから、この「割」よりも、もっと少なめの利子の単位が必要なんだ。
それが、「分」とか「厘」というわけ。






こうして、昔の日本では金利を「割」「分」「厘」を使って計算していたんだね。
※厘よりもさらに細かい「毛」とかもあるけれど、小学校算数では習わないので、ここでは厘までを紹介しているよ。
中国から小数が伝わった!
さて、江戸時代になると、中国から「小数」の考え方が日本に伝わったんだ。
小数も、「1」をもとにして、さらにその\(\frac{1}{10}\)を0.1、さらにその\(\frac{1}{10}\)を0.01…というふうに使うよね。



小数も歩合も、もともとのものを\(\frac{1}{10}\)に細かくわけていったものを表すためのものだからね。使い道が一緒だったということだね。
「歩合」や「割」「分」「厘」のことばの由来は?
「歩合」がなぜ「歩」と「合」という漢字が使われているかにはいくつか説があって、昔の商人は「歩いて」お金を貸しに行ったり、利子を受け取りに行ったりしたから「歩いて計算を合わせる」が由来だ、という話や、
お金をこまかく「分ける」の「分」が同じ音の「歩」になった、という話があるよ。
「割」は、やっぱりお金を「分ける」というところから。
「分」もそのまま、お金を「分ける」というところから。
「厘」は、中国ではもともと「釐」という漢字を使っていたんだ。これは、「すき」という道具で土地に細かい筋目をつける、という意味の漢字だよ。
つまり、「土地をこまかく区切る」というところから、「細かい」という意味を持つようになって、こまかい利子を表す言葉として使われるようになったんだね。



例えば、3割バッターとは、10本中3本のヒットを打つことができる野球選手のことだし、「5割びき」というのは、50%OFFのことで、半額という意味だよね。
歩合・割合・百分率の対応表



まず、考え方としては、「基本になるもの」が何かを意識しよう。
「歩合」の基本になるもの
歩合は、利子を計算するときのものだったよね。だから、「基本になるもの」は、もともとの借りたお金ということになるよ。
1割というのは、「借りたお金の\(\frac{1}{10}\)」だったよね。
ということは、逆に考えれば、借りたお金は1割の10倍、「10割」ということになるね。
歩合の「基本となるもの」は「10割」
「割合」の基本となるもの
割合は、「もとにする量」に対して,「比べられる量」がどのくらいかを表すものだったよね。
割合を求める式は、比べられる量÷もとにする量だったね。
「基本となるもの」は、つまり「もとにする量」のこと。ということは、「基本となるもの」の割合はいくつになるか?という式を作るとすると…
「もとにする量」÷「もとにする量」
ということになるんだ。
これを計算すると、「1」になるよね。だって、「あるものを同じもので割る」んだから。
だから、「割合」の「基本となるもの」は「1」なんだ。
割合の「基本となるもの」は「1」
「百分率」の基本となるもの
これは、みんなも普段から使っているからイメージがつきやすいよね。
スマホのバッテリーが満タンな状態を、100%というよね。
もともとのバッテリーの容量を「100%」と表すんだよね。.
つまり、百分率の「基本となるもの」は「100%」だよ。
百分率の「基本となるもの」は「100%」
歩合・割合・百分率の対応表
それぞれの基本等なるものがわかったら、あとは表に当てはめていこう。
歩合 | 割合 | 百分率 | |
基本となるもの | 10割 | 1 | 100% |
10分の1 | 1割 | 0.1 | 10% |
100分の1 | 1分 | 0.01 | 1% |
1000分の1 | 1厘 | 0.001 | 0.1% |
それぞれの「基本となるもの」の部分が分かれば、あとはそれぞれを10分の1にしていけばOKだね。
歩合の練習問題
コメント
コメント一覧 (2件)
見ました。
割合の3つのページのおかげで割合がよく分かるようになりました。
けなそゆしか勝たん さん
良かったです!!安心しました。
まだ応用問題解説ページも作成中なので、そちらも
役に立つ記事になるよう、がんばりますね!