中学3年国語「高瀬舟」のテストで良く出る問題をまとめています。
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「高瀬舟②」
テスト対策問題

以下の本文の部分について、問1〜7に答えなさい。
しばらくして、庄兵衛は(4)こらえ切れなくなって呼びかけた。「喜助。おまえ何を思っているのか。」
「はい。」と言って、辺りを見回した喜助は、何事をか(5)お役人に見とがめられたのではないかと気遣うらしく、(ア)居ずまいを直して庄兵衛の気色をうかがった。
庄兵衛は、自分が突然問いを発した動機を明かして、(6)役目を離れた応対を求める言い訳をしなくてはならぬように感じた。( A )こう言った。「いや。別に、訳があってきいたのではない。実はな、おれはさっきからおまえの島へ行く心持ちがきいてみたかったのだ。おれはこれまで、この舟で大勢の人を島へ送った。それはずいぶんいろいろな身の上の人だったが、どれもどれも島へ行くのを悲しがって、見送りに来て、いっしょに舟に乗る親類の者と夜通し泣くに決まっていた。それに、おまえの様子を見れば、どうも島へ行くのを苦にしてはいないようだ。いったいおまえはどう思っているのだい。」
喜助はにっこり笑った。「ご親切におっしゃってくだすって、ありがとうございます。なるほど島へ行くということは、ほかの人には悲しいことでございましょう。その心持ちは、私にも思いやってみることができます。( B )それは、世間で楽をしていた人だからでございます。京都は結構な土地ではございますが、その結構な土地で、これまで私のいたして参ったような苦しみは、どこへ参ってもなかろうと存じます。お上の(イ)お慈悲で、命を助けて島へやってくださいます。島は、よしやつらい所でも、鬼のすむ所ではございますまい。私はこれまで、どこといって自分のいていい所というものがございませんでした。今度お上で、島にいろとおっしゃってくださいます。そのいろとおっしゃる所に落ち着いていることができますのが、まず何よりもありがたいことでございます。( C )私は、こんなにか弱い体ではございますが、ついぞ病気をいたしたことはございませんから、島へ行ってから、どんなつらい仕事をしたって、体を痛めるようなことはあるまいと存じます。それから今度、島へおやりくださるにつきまして、二百文の(ウ)鳥目をいただきました。それをここに持っております。」こう言いかけて、喜助は胸に手を当てた。遠島をおおせつけられる者には、鳥目二百銅を(エ)遣わすというのは、当時のおきてであった。
問1
問2
問3
問4
問5
問6
問7
以下の本文の部分について、問8〜13に答えなさい。
喜助は言葉を継いだ。「おはずかしいことを申しあげなくてはなりませぬが、私は今日まで、二百文というお足を、こうしてふところに入れて持っていたことはございませぬ。どこかで仕事に取りつきたいと思って、仕事を尋ねて歩きまして、それが見つかり次第、骨を惜しまずに働きました。そして、もらった銭は、(10)いつも右から左へ人手に渡さなくてはなりませなんだ。それも、現金で物が買って食べられるときは、私の(ア)工面のいいときで、たいていは借りたものを返して、またあとを借りたのでございます。それが、お牢に入ってからは、仕事をせずに食べさせていただきます。私はそればかりでも、お上に対してすまないことをいたしているようでなりませぬ。それに、お牢を出るときに、この二百文をいただきましたのでございます。こうして、相変わらずお上の物を食べていてみますれば、この二百文は私が使わずに持っていることができます。お足を自分の物にして持っているということは、私にとっては、これが初めでございます。島へ行ってみますまでは、どんな仕事ができるかわかりませんが、私は、この二百文を島でする仕事の元手にしようと楽しんでおります。」こう言って、喜助は口をつぐんだ。
庄兵衛は「うん、そうかい。」とは言ったが、聞くことごとにあまり意表に出たので、これも、しばらく何も言うことができずに、考え込んで黙っていた。
庄兵衛はかれこれ初老に手の届く年になっていて、もう女房に子供を四人生ませている。それに老母が生きているので、家は七人暮らしである。(イ)平生、人には(ウ)吝嗇といわれるほどの倹約な生活をしていて、衣類は自分が役目のために着るもののほか、寝巻きしかこしらえぬくらいにしている。(11)しかし不幸なことには、妻をいい身代の商人の家から迎えた。そこで女房は、夫のもらう(エ)扶持米で暮らしを立ててゆこうとする善意はあるが、豊かな家にかわいがられて育った癖があるので、夫が満足するほど(12)手元を引き締めて暮らしてゆくことができない。ややもすれば、月末になって勘定が足りなくなる。すると女房が、ないしょで(13)里から金を持ってきて(オ)帳尻を合わせる。(14)それは、夫が借財というものを毛虫のように嫌うからである。そういうことは所詮夫に知れずにはいない。庄兵衛は五節句だといっては里方から物をもらい、子供の七五三の祝いだといっては里方から子供に衣類をもらうのでさえ心苦しく思っているのだから、(15)暮らしの穴を埋めてもらったのに気がついては、いい顔はしない。格別平和を破るようなことのない羽田の家に、おりおり波風の起こるのは、これが原因である。
問8
問9
問10
問11
問12
問13
問14
問15
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